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大ブームの「食事法」その効果と落とし穴 医師2人が誌上大激論!「一日1食派」vs.「一日5食派」長生きするのはどっちだ
http://www.asyura2.com/13/health16/msg/713.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 12 月 09 日 08:32:05: igsppGRN/E9PQ
 

大ブームの「食事法」その効果と落とし穴 医師2人が誌上大激論!「一日1食派」vs.「一日5食派」長生きするのはどっちだ
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41361
2014年12月09日(火) 週刊現代 :現代ビジネス


一日3食。これが日本に昔から伝えられる規則正しい食事回数のはずだった……。今、巷を賑わせている、一日1食と一日5食。この正反対の食事法を実践している医師2人は何を語るのか。激論90分—。

■どこに医学的根拠があるの?

南雲 これまで著書などでも公言してきましたが、私は食事を一日1回しか摂りません。朝と昼を抜いて夜に食べています。その代わり、夜は自分の食べたいものを好きなだけ食べるようにしている。

林田 そうした食生活に私としては異論がありますが、まずは理由をお聞きしましょう。

南雲 僕は、今から20年ほど前、体重が80sくらいあったんですよ。それが原因で、心臓と関節に負担がかかってしまっていた。ダイエットも色々試したのですが、どれも続かなくて……。その中で、初めてしっくりきたのが「一汁一菜」だったんです。

林田 ご飯と汁物、そしておかずを一品だけ食べるという、日本古来の食事法ですね。

南雲 最初は一日3食でした。ただ、前の晩に暴飲暴食をすると朝は胃がもたれている。昼を食べると午後は眠くて仕事がおろそかになる。そのため徐々に食事回数を減らしていくうちに、一日1食に落ち着いたのです。この食事法を始めてから体重はみるみる減少、肌や血管年齢も若返り、59歳になった今でも、身体はすこぶる好調です。

林田 あえて、空腹状態を作るということですよね。でもそれではストレスが溜まって性格が攻撃的になったり、それが逆に過食の原因になったりすることもあるのではないですか。

南雲 そんなことは全くありません。人間が毎日3食きちんと食べるようになったのは、先進国のみの習慣で、それもごく最近のことです。今も世界に飢餓に苦しむ国が多くありますが、実はそういった国のほうが出生率が高いんです。つまり、我々人間は飢えに直面したときこそ、生命力が湧いてくると言えます。

林田 いや、少子化の原因は社会的なものが大きいと思いますし、そもそも飢餓状態が健康に良いという医学的な根拠はどこにあるのでしょう。

南雲 私はあらゆる若返りの医学的効果を検証してきましたが、満腹の時に活性化される因子は何一つありません。

 逆にお腹がグーと鳴る時こそ、若返りホルモンである成長ホルモンが肌や消化管を若返らせるのです。また、「サーチュイン遺伝子」と呼ばれる遺伝子は、空腹によって活性化し、人間の体内に存在している傷ついた細胞を修復してくれる。これにより、がんや脳卒中、心臓病の予防にもなります。

実際、あらゆる動物実験で食事の量を4割減らしたほうが、1・5倍長生きすると証明されました。

林田 確かに空腹が続くと、交感神経優位の状態になり、記憶力が高まったり、仕事が捗るということはあるかもしれませんね。いわば「覚醒状態」とでも言いましょうか。

しかし、長生きに関してはあくまで動物実験です。その成果をそのまま人間に当てはめることを疑う声もあると聞きます。一時的であればいいかもしれませんが、長く続けると栄養の偏りが出て、逆に寿命を縮めるのではないか。

■それは誤解です

南雲 栄養は「量」ではなく「質」です。食事をたくさん摂れば、必要な栄養素が必ず摂取できるわけではありませんし、どんな食事でも不足する栄養素は出てくるものです。

では、どうすればいいのかというと、一日1食でも、全ての栄養素をバランスよく含んだ「完全栄養」を摂ることがポイントになります。たとえば、小魚を丸ごと一匹食べたり、果物を皮ごと食べたりすればいいのです。私はみかんを皮ごと食べますから。

林田 何より、私が一番心配しているのは血糖値の変動です。食べ物を口にしない状態が長く続くと、血糖値が下がってふらつくことがありますよね。

南雲 それは誤解です。多くの方が勘違いしていますが、空腹の状態でも、血糖値は一定以下には下がりません。体の中の成長ホルモンやアドレナリンなどを総動員して脂肪を燃焼させ、たんぱく質も糖質に変化させていますから。

林田 しかし、問題はその後、食事を摂ったときの血糖値の上昇です。私の推奨する一日5食という食事法はここに大きな長所があると思っています。

南雲 長所の前に聞いておきますが、一日5回、ちゃんと食事を毎回摂っているのですね。

林田 一日5食といっても、もちろん毎食満腹になるまで食べるのではありません。空腹感を感じない程度に多食するということです。

肝心なのは、一日の総カロリー。これを把握して、一日の合計がそれを超えないように加減しながら食べていくというスタイルが重要なんです。私はこの食事法で、70s近くあった体重が58sになり、体調もずいぶんと改善されました。

南雲 やっぱり。5食と言っても、ご飯やおかずをしっかり摂るような食事スタイルではないのですね。

林田 そうです。少しの量の5食を食べる「細切れ食」ですね。理想的には3食の合間、10時や15時に間食を入れるということです。

この食事法では、軽度な満腹感を維持することが重要なのです。

南雲 先ほど話していた、血糖値ですか?

林田 その通り! 長い時間、空腹が続いた状態で食事を摂ると、血糖値が普通よりも上昇する傾向にあります。これこそがメタボや生活習慣病の元凶と言われており、現在の医学界では、いかに血糖値を安定させるかということが注目されています。

5食ならば、常にお腹に何か溜まっている状態を保てます。そうすれば、インシュリンの分泌が安定するので、血糖値の急上昇もありません。これは大きなメリットです。

南雲 しかし、そんなことができるのは時間や余裕のある人だけで、現実的には不可能でしょう。仕事もあるわけだし。

林田 食事といっても、軽くつまむ程度ですよ。同じ総カロリーを摂取するなら、細かく分けたほうが代謝も高く、エネルギーの消費も良い。

それに、100歳以上生きた方々の生活習慣を調べてみると、好きな時に食事を摂るといった共通点が見られました。つまり、ストレスフリーの状態が健康に良いということ。食事をすること自体が幸せに繋がっているのです。

南雲 総カロリーを一定にするといいますが、複雑なカロリーの計算や記録なんてなかなか出来ませんよ。「5ファクターダイエット」と言われる、このダイエットが海外セレブで人気なのも、専属のトレーナーがついて、計算された食事が用意されるからこそ。私も色々なダイエットに挑戦しましたが、カロリー計算は3日で嫌になりました。

林田 そこまできっちりカロリーを計算する必要はないんです。少食にして、食べる回数は増やして、全体のカロリーは一定にすることを心がければいい。少しの意識でだいぶ変わりますから。

■本当に1食だけなの?

南雲 では、仕事中にどんなものを食べろと言うのですか?

林田 カロリーバーのような軽食で良いのです。血糖値を安定させることで、基礎代謝が向上する。つまり、痩せやすい身体になるんです。

南雲 それは何か根拠があるのでしょうか。

林田 '12年にイギリスの研究所が世界中2000人以上の食生活を比較したところ、同じ総摂取カロリーでも一日6回以上食べている人のほうが痩せていると結果がでました。さらに別の機関が調べたところ、7食が最も痩せることが分かったんです。

南雲 7食ですか。そんなに食べるのは無理だし、カロリーのコントロールができず食べ過ぎてしまうでしょう。

林田 そうですね。だから、一日5食、という結論に至ったのです。

南雲 しかし、海外セレブはともかく、実際に暮らしている人々が実践できないような食事法は机上の空論でしかない。素人がやるとカロリーを過剰摂取して、逆に肥満になる可能性が高いと思います。

林田 南雲さんは一日1食以外、まったく何も口にしないのですか?

南雲 いえ、机にはナッツ類などのつまみを置いて、いつもつまんでいますよ。

林田 他にはどんなものをつまんでいるのですか。

南雲 ビーフジャーキーやハム、豆類、裂きイカ、イリコやチーズなどは好きなときに食べています。水分はごぼう茶を飲むようにしていますね。

林田 なるほど、そうやって極端な空腹感をコントロールしているのですね。

南雲 これらの食材は筋肉にはなりますが、いくら食べても脂肪にはならないですから。解釈の問題ですが、糖質を摂らないので、これは食事ではないのです。

林田 いずれにしても、これまでの食事に対する常識を覆す必要があるのかもしれませんね。一日3食でなくてはダメだとか、毎回、主食を食べないといけないとか。そういったものにとらわれる必要はないという意味では、1食も5食も共通の問題提起をしている。

南雲 そうですね。長生きの秘訣は、何よりも肥満を避けること。過剰なカロリー摂取が身体に悪いことは間違いない。

林田 それには賛成です。理想を言えば、果物や野菜などの血糖値が上がりにくい食品を多めに食べると良いでしょう。あと、寝る2時間前以降の食事もオススメしません。

南雲 人間から食の楽しみを奪うのは酷なことです。私の1食論ならば、回数は1回だけどそのときは何を食べても良いよということになる。私はやはり、一日1食のほうが、現実的に優れていると思っています。

林田 食事というのは健康はもちろん、寿命にも直結すること。1食か5食、必ずどちらかを選べということではなく、まず、現在の食生活でいいのか、検証してみる姿勢が大切なのだと思います。

なぐも・よしのり/'55年生まれ。乳房専門のナグモクリニック総院長。コメンテータとしてTVにも出演。著書に『50歳を超えても30代に見える生き方』など
はやしだ・やすたか/'72年生まれ。医学博士・眼科専門医。抗加齢医療を行うRサイエンスクリニック広尾副院長。自身も食事療法などに精通・実践している


 

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コメント
 
01. 2014年12月09日 21:29:09 : AzEkDt5U1U
1日の食事を1回にまとめたら1回の量が多くなるんじゃねーの…
南雲の言うことは矛盾を感じるな…

02. 2014年12月09日 22:33:03 : b5JdkWvGxs
>人間が毎日3食きちんと食べるようになったのは、先進国のみの習慣で、それもごく最近のことです。


また嘘言ってる


古代ギリシア 1日3食
 紀元前9世紀頃の古代ギリシア人は、普通1日3回の質素な食事をした。

朝食は、朝日が昇るとすぐに生のワインに浸したパンを食べるというものであった。正午前に摂る昼食は軽い食事であり、日没頃の夕食が一日で最も重要とされる食事であった。

古代ローマ 1日3食
ローマ人も一日3食が普通で、天候の許す限り戸外での食事を好んだ。
朝食は明け方に摂る、ワインに浸したパン、タマネギにチーズがつくことがあった。昼食は正午前でパン、チーズ、小魚、イチジクなどであった。夕食は夕方比較的早く摂った。


03. 2014年12月09日 22:40:51 : b5JdkWvGxs
 2食や3食だったのは、貴族とか上級武士とか僧侶とかの上流階級だけで、人口の多くを占める肉体労働者(農民)の食事は4〜6食とるのが普通です。

 岩手県のある農村ではアサナラス(午前4時)とアシヤエ(午前7時)の朝食、コビリ(午前10時)とオヒル(午後1時)、アトコビリ(午後4時)、そしてユーハン(午後8時)と1日に6回の食事をとっていたという記録(瀬川氏・食生活の歴史)があります。
 (肉体労働者に間食用の手当てを支給していた例は洋の東西を問わず有りますし…。)

 今でも大工に仕事を依頼した時に、10時や15時くらいにちょっとした間食を依頼主が振舞うのはその名残ですね。
 (まあ、今でも農繁期の農家だと3食じゃ体持ちません…。)

 あと、一日2食で済ましていたら、江戸時代の江戸(江戸町民には商人などの軽労働者も多かった筈ですが…。)での寿司や蕎麦や茶屋での団子および屋台で一杯といった間食文化が発展した事の理由が説明できません。
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/8308589.html


04. 2014年12月09日 23:46:35 : b5JdkWvGxs

猿は元々植物食で一日中咀嚼してるんだ。

人間が食事以外にもタバコを吸ったり、酒を飲んだり、お菓子を食べたりするのも、一日中 口を動かしていないと落ち着かないからだ。

一日1食とか言ってるのはクルクルパーだけ。


05. 2014年12月10日 20:17:20 : LBtbDXFoS6
好きにすればいいだろ?(笑)

06. 2014年12月11日 00:23:14 : SoudX6cg62
そもそもこいつら外科と眼科だから
ぜんぜん専門家じゃないんだよ

07. 2014年12月11日 00:35:56 : b5JdkWvGxs

そもそも食事回数と言われているのは家族全員で一緒に取る食事の数という意味なんだよね

一人一人勝手に食べるのなら1日10回、20回に分けて少量ずつ食べるのが一番いいに決まってるよ


08. 2014年12月11日 16:34:55 : Sota1HFLks
野菜はともかく、果物が血糖値を上げにくいってマジ?

09. 2014年12月12日 09:31:09 : nJF6kGWndY

とりあえず、食い過ぎるのは止めた方が良いだろう

健康だけでなく、経済、環境、生態系どれをとっても良いことはない


http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42420
飢えたサルはなぜ長生きしたのか?
明らかになってきた長寿の体内メカニズム
エネルギー摂取制限と長寿の研究(前篇)
2014.12.12(Fri) 漆原 次郎
筆者プロフィール&コラム概要
 現代は飽食の時代。少なくとも日本では、飢餓で命を落とすような人はめったにいなくなった。

 ところが、栄養を豊富に摂取できる現代においては、健康長寿と関係するある遺伝子が、あまり活性化されずにいるままなのだという。

 その遺伝子、「サーチュイン遺伝子」とよばれる。2012年に、NHKスペシャル「あなたの寿命は延ばせる 発見! 長寿遺伝子」という番組で取り上げられ話題にもなった。

 逆説的だが、この遺伝子は、エネルギー摂取が制限された状態になるほど、よく活性化して健康長寿をもたらすのだという。

 どのようなメカニズムで、この遺伝子が健康長寿を導くのか。効果的にこの遺伝子を活性化させるには、どのようにすればよいのか。

 こうした疑問をもちながら、金沢医科大学の古家大祐教授の研究室を訪ねた。古家氏はこれまで、エネルギー摂取制限と健康長寿の関係性などを研究してきた。上記のNHKスペシャルでは、人を対象としたサーチュイン遺伝子活性化の実験も行っている。

 前篇では、エネルギー摂取制限が健康長寿につながるという過程について聞くことにする。そして後篇では、健康長寿に向けて、我々が実践できる取り組みを中心に聞いていくことにしたい。

長寿をもたらす遺伝子の解明

――飢餓と長寿の関係については、かねてから研究がなされていたと聞きます。例えば1935年には、米国で、摂取カロリーを35%減らしたラットは寿命が2倍延びたという報告があるといいます。近年になり、エネルギー摂取制限と長寿の関係がよく話題になっていますが、どうしてですか?

古家大祐氏(以下、敬称略) 飢餓と長寿の関係性の研究で、新しい大きな潮流が生まれたからです。1988年のシンシア・ケニヨンによる線虫を使った研究や、1999年のレオナルド・ガランテによる酵母を使った研究などです。特定の遺伝子が長寿に関わることが具体的に分かってきました。


古家大祐氏。金沢医科大学糖尿病・内分泌科学教授。博士(医学)。1984年、滋賀医科大学医学部卒業。1992年、同大学附属病院第三内科助手。1994年、ハーバード大学医学部ジョスリン糖尿病センター研究員。滋賀医科大学医学部附属病院内科講師を経て、2005年、金沢医科大学内分泌代謝制御学部門教授。2010年、名称変更、現在に至る。専門分野は内分泌学、代謝学。糖尿病合併症や老化などの研究を行なう一方で、糖尿病の治療に取り組む人たちへのきめ細やかな生活指導なども行なう。著書に『老けない人は腹七分め』(マガジンハウス)がある。
 はじめは、遺伝子の働きを静かにさせておく因子が見つかりました。この因子は、遺伝子からタンパク質ができるまでの過程をじっとさせておく働きをします。つまり、新しい物質を作らせないのです。

 線虫でも、酵母でも、じっとしていて新しい物質を作り出さないでいれば長生きします。そうした効果と関係のある因子が見出されたのです。

 その後、さまざまな研究者が研究を進めていくと、今度は絶食をしたときに活性化する物質や、それを作る遺伝子が見つかってきたのです。

 その物質は「サーチュイン」といいます。リジンというアミノ酸の構造の先に付いているアセチル基を外す“脱アセチル化”酵素の一種です。また、サーチュインの合成を司る遺伝子は「サーチュイン遺伝子」と言います。

体が若返るから長寿になる

――絶食をすると、どのようにサーチュイン遺伝子が活性化されるのですか?

古家 絶食を続けると、補酵素という物質の一種である「NAD+」がサーチュイン遺伝子を活性化させます。

 その後、脱アセチル化をする分子は、どちらかというと健康長寿につながる働きを演じるということが、ここ15年ほどで明らかにされてきました。

――サーチュイン遺伝子が活性化すると、どのような健康長寿の効果が見られるのですか?

古家 例えば、脳の病気関連では、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、体にとって要らないタンパク質が凝集する病気の改善などです。また、糖尿病については、肝臓、脂肪組織、骨格筋におけるインスリン抵抗性を改善します。さらに、心血管疾患系では、動脈硬化を抑制したり、心不全になるのを防いだりします。

 我々の実験では、飢餓状態にまではしていませんが、エネルギー摂取を適切な量に制限すると腎臓が“若返り”をして、加齢や糖尿病による腎臓機能の低下を抑えることが明らかになってきました。

――長寿になるというのは、若返りをするという意味が含まれているのですね。

古家 ええ。米国のウィスコンシン大学で続いている、アカゲザルを対象とした有名な研究もあります。

 アカゲザルの平均寿命はおよそ28年ですが、研究対象のアカゲサルたちに、生後8年の時点から、エネルギー摂取量を3割抑えた“腹七分”の食事を続けさせています。実験から20年経った時点で、通常の食事を続けさせたアカゲザルは半数が死んでしまったのに、“腹七分”のアカゲザルのほうは8割が生き延びています。

 普通の食事で過ごしてきたアカゲザルのほうは、毛が抜けたり皮膚がたるんだりしていますが、“腹七分”のほうは毛のツヤがよく、姿勢もピンとしています。

――そもそも、絶食が長寿につながるというのは、どうしてなのでしょう?

古家 生物の歴史のほとんどは、飢餓の時代です。人類についても、稲作などの農耕がまだされていなかった時代は、動物や魚を狩猟しなければなりませんでした。そうした過酷な状況では、生き延びるためにサーチュイン遺伝子が活性化されたわけです。

――現代は栄養過多の時代で、どちらかというとサーチュインの活性が少ない時代ですよね。それにもかかわらず、平均寿命が伸びているのはどうしてですか?

古家 それは、いろいろな病気で亡くなったり、生まれて間もない乳児や新生児が亡くなったりすることが改善されたからです。サーチュインがあまり働かなくとも、医学の進歩により長寿になったとお考えいただければよいと思います。

人もエネルギー摂取が減るとサーチュインが活性化

――「NHKスペシャル」で紹介されていましたが、古家さんは、人でもエネルギー摂取を制限するとサーチュインが活性化するかを実験で調べたのですよね。

古家 そうです。人についても、エネルギー摂取を制限すると、サーチュインが活性化することを確かめることができました。番組でも放映されましたが、糖尿病患者さんに指導するくらいのエネルギー摂取制限を、ボランティアの方々に7週間、試してもらいました。

 例えば、1日2000キロカロリーのエネルギーが必要と推定される女性には1日1500キロカロリーに、また、1日2400キロカロリーが必要とされる男性には1800キロカロリーにエネルギー摂取を抑えてもらいました。飢餓状態になるほど極端なエネルギー制限ではありません。

 実験開始から7週間後、主要なサーチュインである「SIRT1」の活性が、試験前より4.2倍から10倍、増えました。ほかに体重減少も見られましたが、その内訳では内臓脂肪がもっとも減り、トータルでも脂肪重量が減少したなどの結果となりました。

――人も、エネルギー摂取制限をすればサーチュインが活性化することまでは言えるのですね。では、人もエネルギー摂取制限により長寿を得られるのですか?

古家 そう言い切るのは、まだ、難しい状況です。人に対して、長期間さまざまなマーカーを見ながら長寿の効果を測るというのが難しいためです。

 しかしながら、長寿につながるであろうという効果は、個々に報告されています。例えば、加齢とともに心臓が拡張障害を起こすと、心不全を引き起こしやすくなりますが、エネルギー摂取制限をしている人では、その状態が良くなるという論文があります。

 また、血管を構成する中膜や内膜という層の厚さは、動脈硬化の進行度合いの指標となりますが、エネルギー摂取制限によってその度合いが抑えられたということも報告されています。

――エネルギー摂取制限が私たち人の長寿につながるかは、全体としては未解明な部分もまだあるけれど、一般市民はそれを信じて実践してもよいと言えますか?

古家 そう言ってよいと思います。

 日本は超高齢社会に突入しています。お歳を召された方でも現役で活躍するというのが、日本人に課せられた課題だと考えています。そのためにも、肥満度を増すようなことをしないように取り組むことが重要になってきます。

(後篇につづく)


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10. 2014年12月13日 15:25:14 : mAKWjxKjsw
南雲は話し方がだんだん「きれて」きているのが面白い。
理論的には南雲の負けだ。
一日一食とか言ってるくせに「机の上にはナッツ」だと?
ちょこちょこ食べてんじゃん、なんだよコイツ。
これをカロリーにして計算したら、結構な数字だろう。
これなら南雲先生は長生きするだろうが、
一日一食教を信じてやっているおバカさんはきっと短命でしょう。

11. 2014年12月14日 00:08:21 : jP1izroj2w
ちゃんと飯が食える様に成って日本人は長寿命になってきたのであってキチンと栄養をとらなくて長生きできるわけがない。
ちゃんと栄養をとらないと感染症に対する抵抗力がなくなる。身の回りを清潔にして美味しいものを楽しみながら食べる。
それが一番幸せ。

12. 2014年12月14日 08:34:23 : yd1ExD5yWE
ここまでの皆さんの視点と別の視点から。

・セシウムやストロンチウムやアメリシウムなど、計らず流通し放題のべくれた食品群(世界各国で輸入禁止の物が山ほど)の回避

・妻や母、特にフルタイムで働く日本の母は、家事含めた労働時間が世界一→一食でも抜けると大助かりで過労死を防げる

・消費税が8%、更に上がるなか、回数少なく質のよい食品の吟味

・・・・この辺りの視点も欠かせなさそう


13. 2014年12月16日 10:47:20 : c9i5cCVNtQ
栄養は必要でカロリーは不必要
外食は栄養価が低くカロリー過多という現実

バランス良い食事をしようとしたら〜〜食堂ぐらいしかない。
これはこれで放射性物質たっぷりな気がしますけどね。


14. 2014年12月23日 22:10:41 : 66NX0v2Mqg
>人口の多くを占める肉体労働者(農民)の食事は4〜6食とるのが普通です。

現代は機械化されて肉体労働者のほうが少ないだろう。
事務所勤めのホワイトカラーなんかは、一日3食食ったら喰い過ぎだよ


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