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31日の「飯塚事件」再審判断で問われる司法の自浄能力:死刑執行後・検察官から裁判官まで存命者多数・時の法務大臣も現役政治
http://www.asyura2.com/13/nihon31/msg/328.html
投稿者 あっしら 日時 2014 年 3 月 27 日 16:55:57: Mo7ApAlflbQ6s
 


 「袴田事件」で再審が認められたことはあまりに遅きに失したと言えるが、一つのわずかな救いだと思っている。

 裁判所の自浄能力レベルを物語る再審請求については、来週月曜日(31日)に福岡地裁で決定が出される「飯塚事件」に注目している。

 「袴田事件」は、有罪確定者が50年近い拘禁状態が続いているとは言え生存していること、捜査や裁判にかかわった警察・検察・裁判所(及び証言を強いられた人たち)の多くが既に他界している可能性が高いことから、静岡地裁が再審を認めるハードルは低かったと言える。

 一方、事件が92年に発生し08年に死刑が執行された「飯塚事件」は、有罪確定者が既に死刑を執行されていること、警察・検察・裁判所といった国家機関で事件にかかわった人がまだ多数存命していること、死刑執行書類に署名した法務大臣(森 英介自民党代議士)が与党の現役政治家であることなどから、これまでの司法の態度に照らすと、再審が決定される可能性は低いと思われる。

 福岡地裁には、裁判官にとっては確かに“重要な”ことではあろうが、道理に合わないしがらみに動かされて判断を歪めることなく、再審を決定してもらいたいと思っている。

 今回の再審請求で中心になっているのは、DNA鑑定をめぐるものである。「足利事件」と同種の鑑定の誤りだけではなく、小保方さんのSTAP細胞論文と同じような画像の切り貼り=証拠捏造までが疑われている。

 DNA鑑定が覆れば、それだけで冤罪であったことが明らかになり無罪になるが、裁判官が認めた事件の構図そのものが異様だと言える事件である。

 また、裁判で罪を認めなかった久間三千年氏に対し、反省の態度が見られないとして罰を加重したと思われる裁判官の態度も見逃すことができない。

 ウソでも罪を認めれば死を免れ、本当に無実の人が無実を主張し続ければ死をもって罰せられるという雰囲気をつくっている日本の司法は犯罪的である。


※ 参照投稿

「[飯塚事件]事件の経緯さえ未解明のまま死刑判決に踏み出した犯罪的裁判:DNA再鑑定の結果とは無関係で無罪のケース」
http://www.asyura2.com/11/nihon30/msg/529.html

「[飯塚事件]停車した理由さえ不明の自動車目撃情報に囚われ、解剖所見までズタズタにして作り上げられた「死亡推定時刻」」
http://www.asyura2.com/11/nihon30/msg/533.html

「司法全体で再審無罪の検証」
http://www.asyura2.com/11/nihon30/msg/628.html

「冤罪事件の根源的最終的責任は裁判所(司法)にアリ」
http://www.asyura2.com/11/nihon30/msg/760.html


===============================================================================================
DNA型鑑定どう評価 飯塚事件再審可否31日決定[西日本新聞]
2014年03月24日(最終更新 2014年03月24日 01時48分)

 福岡県飯塚市で1992年、女児2人=ともに当時(7)=が殺害された「飯塚事件」で死刑が執行された久間三千年(くまみちとし)元死刑囚=執行時(70)=の再審請求について、福岡地裁は再審を開始するかどうかの決定を31日に出す。有罪の根拠の一つになった当時のDNA型鑑定の信用性をどう評価するかが焦点。死刑執行後に再審が認められた例はなく、判断が注目される。

 再審は、確定判決に重大な誤りがあった場合に裁判をやり直す制度。無罪か刑を減軽すべき明らかな新証拠が見つかった時に認められ、弁護団は主に三つの証拠を地裁に提出した。
 柱となるのは、被害者に付着していた血液のDNA型鑑定のネガフィルムから、「元死刑囚とは別人のDNA型が見つかった」とする本田克也筑波大教授(法医学)の鑑定書だ。
 弁護団は「都合よく切り取られた現像写真が裁判所に提出され、改ざんが行われていた。切り落とされた部分のネガには、元死刑囚のDNA型とは違う型が写っており、真犯人の可能性がある」とした。

 さらに、当時のDNA型鑑定について「証拠能力は認められない」とも主張。この鑑定方法は、DNA型の再鑑定で元受刑者が無罪となった「足利事件」でも行われた手法で、実施された時期もほぼ同じ。実際、足利事件の再審では証拠能力が否定された。

 これに対し、検察側は真っ向から反論する。別人のDNA型は「別人ではなく、鑑定の過程で生じる余分な線(エキストラバンド)。ネガ自体も証拠として提出しており、新証拠には当たらない」と強調。鑑定方法についても「やり方に誤りはない。ただ、当時のDNA型鑑定の精度は低く(元死刑囚が)犯人でないとは言えないことを証明したにすぎない」とした。

 このほか、事件現場付近で元死刑囚のワゴン車に似た車を見たという目撃証言についても、弁護団は心理学者の分析を基に「正確に記憶することは不可能。捜査員の誘導があった」としたが、検察側は「適正な方法で証言を得ており、誘導はあり得ない。複数の状況証拠を積み上げて有罪を立証した」と対立する。

 仮に再審が認められれば、死刑制度の是非も問われる今回の事件。DNA型鑑定に詳しい押田茂実日大名誉教授(法医学)は「今の鑑定技術は格段に向上し、再鑑定すれば白黒は付けられるだろう。しかし、今回は再鑑定に必要な試料を捜査当局がすべて使い切って残っておらず、そのことが一番の問題だ」と指摘する。

 【ワードBOX】飯塚事件

 1992年2月、福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が行方不明になり、同県甘木市(現・朝倉市)の山中で遺体で見つかった。県警は94年、殺人容疑などで久間三千年元死刑囚を逮捕。元死刑囚は一貫して無罪を主張したが、一審と二審は、(1)現場付近で元死刑囚のものと似たワゴン車が目撃された(2)車内から被害者と同じ血液型の血痕と尿を検出(3)被害者に付着していた血液のDNA型が元死刑囚と一致−などの状況証拠から、死刑を言い渡した。最高裁は2006年9月に上告を棄却。08年10月、刑が執行された。09年10月、元死刑囚の妻が福岡地裁に再審請求した。

=2014/03/24付 西日本新聞朝刊=


http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/77533

 

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コメント
 
01. 2014年3月28日 21:19:14 : Xwlemfst1A
(2)車内から被害者と同じ血液型の血痕と尿を検出> これも警察が証拠を捏造したのか?

02. あっしら 2014年3月29日 04:28:38 : Mo7ApAlflbQ6s : aN5tcVsY6o

Xwlemfst1Aさん、コメントありがとうございます。

>>。ハ2。ヒ車内から被害者と同じ血液型の血痕と尿を検出> これも警察が証拠を捏造したのか?


 まず、ABO分類による血液型の一致はよくあることなので、ほのかな可能性を示唆するだけで、決め手となるほどの意味はありません。

 引用した車内の血痕や尿に関する判決文を読めばわかりますが、死刑で亡くなった元被告人の妻や他の家族も「被害者と同じ血液型」を持っています。

 そして、「被害者と同じ血液型」である被告人の家族が、車内で出血や尿漏れがあった可能性を供述していますが、判決は、否定する合理的な理由とは思えない理由でそれを否定しています。

 さらに、車内から検出された血液型が被害者のものであると主張するため「被害児童2名とも出血と失禁」と判決が書かれているにもかかわらず、車内から検出された血液型は被害女児のうちの一人だけで、もう一人の血液型のものは検出されていません。


※ 当該車は元被告人が買った時点で中古車であり、さらに、警察が当該者の鑑定を行ったのは事件が起きてから半年後です。車の元の所有者の家族には「被害者と同じ血液型」の人はいないとのことです。


[福岡地裁判決文より]

※ 順序を変えて、結論部分を先に引用し、状況や供述をあとに引用します。なお、A田という名前は、被害女児二人のうちの一人を指しています。


「7 小括

 客観的事実として、被告人が被告人車の使用を開始した後、警察が被告人車を押収するまでの間、被告人車内において、少なくとも1回はO型の人間が出血をしたこと、誰かがかなりの量の尿をもらしたことが認められる。

 これについて、被告人は公判で前記のような弁解を積極的にしているが、これは納得のいく合理的な説明とは到底いえない上、O型の血液型を有する被告人の妻ら家族も、その血液や尿を被告人車に付着させたという心当たりのないことが認められる。

 そうすると、残るところは、被告人が犯人である可能性と被告人以外の何者かが被告人の知らないうちにO型の血液と人尿を被告人車の後部座席シートに付着させた後、これらを水で拭き取ったという可能性のいずれかということになる。

 しかしながら、後者の可能性は、あくまでも抽象的な可能性に過ぎず、現実的な可能性をうかがわせる状況はないのである。

 他方、前者の可能性については、被害児童2名とも出血と失禁があり、特に、A田の血液型はO型である上、A田の死体の状況からみて、鼻血がかなりの量出たものと認められること、被害児童2名の着衣が犯人車の座席と生前あるいは死亡後に直接接触し、被害児童2名の血液や尿が犯人車に付着している可能性があることに徴すると、被告人が犯人であるとすれば、被告人車内で被害児童2名を殺害あるいは殺害後に死体を運搬するなどした過程において、A田の血液や被害児童の尿が被告人車に付着したものとして合理的に説明することができる。したがって、右の血痕と尿痕の存在は、犯行と被告人との結び付きを強く推認させる極めて重要な情況証拠といえる。

 弁護人は、被告人車からB山の血液と同型のA型の血液反応が一切検出されていないことから、被害児童2名を被告人車に乗せたことはありえないと主張する。

 しかしながら、被害児童の死体の状況からも明らかなように、A田は鼻孔からかなりの量の出血をしており、ジャンパーの両袖及び前面の表面全域にわたって多数の血痕が付着していたが、B山については、膣内からの血液が陰部に付着していた程度の出血であったことからすると、被告人車からB山の血液と同型のA型の血液反応が検出されなかったとしても、被告人車に被害児童2名を乗せたことと矛盾するものではない。」


「4 被告人車内の血痕及び尿痕の原因に関する被告人の供述について

 (一) この点に関する被告人の捜査段階(平成6年10月ないし11月当時)における供述は概ね、以下のとおりである(乙4、9、11)。
 被告人車に乗った者の誰かがおしっこをもらしたという記憶は全くない。自分自身はもちろん、妻、長男、実母、長男の友達についても、そのほかの者についても、誰かが車内でおしっこをもらしたという記憶は残っていない。被告人車を買ったとき、長男は既に幼稚園の年長組で、おむつがとれて何年もたっていたので、おしっこをもらすような年齢ではなかった。また、自分以外の者が被告人車内にいたとき血が出たとか血が車内のどこかに付いたという記憶もない。妻、長男、実母その他の者が被告人車に乗っていた場面で出血したという記憶はない。長男が被告人車の中で鼻血を出したことはなかったと記憶している。義弟の家族と一緒に被告人車で旅行したことが3回あるが、その際、自分達家族や義弟の家族の中で誰かが車中でおしっこをもらしたり血を出したことはなかったと記憶している。被告人車を買う前か後か覚えていないが、実母が足にけがをしてなかなか血が止まらないことがあった。このときけがが治っていない実母を車に乗せたことがある。これは昭和63年4月ころに自宅を新築したころの話かもしれないが、時期は思い出せない。実母が最近けがをして出血したのはこのときだけである。妻に関しては、被告人車に乗っていたころを含めて、最近家の内外を問わず出血したのを見た記憶はない。長男については、足をすりむいて血が出たことはあるが、血が出ている状態で被告人車に乗ったとか、長男の血が車内のどこかについたという記憶まではない。

 (二) 次に、この点に関する被告人の公判供述は、次のとおりである(31回453項以下、33回511項以下)。

 被告人車内の血痕及び尿痕について心当たりは全くない。ただし、血痕について、妻の証言(平成2年2月ころに流産をしたが、その直前に被告人車から降りた後に下着を血で汚しているのに気付いたという後記@の供述を指す。)を聞いて、血痕が付着した原因はそれだったのかなと思った。しかし、このときには座席シートに血が付いていることには気が付かなかった。このほかに、1センチメートル程度の血痕であれば、長男が暴れて付けた可能性はあると思う。次に、尿痕付着の原因として、妻の証言(妻の実母を被告人車に乗せてドライブしたときに、車内でおかわを使って排尿の世話をしたことがあるという後記(2)の供述を指す。)を聞いて、その可能性もあると思ったが、中にはかわやを忘れたこともあったし、ほかにも長男や実母の可能性もある。また、平成4年9月ころ、実母を被告人車に乗せてナワタ医院に連れて行き、表で待っていると、(浣腸されたために大便をもらして)下着などを汚したと言って、汚れた下着を手に持って出てきたことがあり、その際、実母を被告人車に乗せて連れて帰ったが、このときに座席シートに汚物が付いたという記憶はない。なお、私は、平成2年ころ、被告人車に野犬捕獲器を積み込む際、かすり傷を負って、中央部座席にごくわずかに血を付けたことがある。また、平成4年ころ、後部座席を取り外して倉庫にしまおうとした際、小指を擦って、後部座席に少し血を付けたことがある。

 (三) 前記のとおり、被告人は、被告人車内に血痕が付着した原因を当然に説明することができるというべきであるし、尿痕が付着した原因についても通常であれば説明できてしかるべきである。ところが、被告人は、捜査段階では一貫して、被告人車内の血痕についても尿痕についても全く心当たりがない旨明確に供述し、公判では、いくつかの可能性について捜査段階では供述していなかったことを供述するに至ったものの、基本的には捜査段階同様、被告人車内の血痕及び尿痕の付着原因について具体的に説明することができないのである。これは、極めて不自然なことといわざるを得ない。

5 被告人車内の血痕及び尿痕の原因に関する被告人の妻の供述について

 (一) この点に関する被告人の妻C子の公判供述は、以下のとおりである(28回120項以下、282項以下、310項以下、29回224項以下、420項以下、642項以下、815項以下)。
 被告人車内で血を流した人がいるかどうかはっきり覚えていない。私が被告人車内で意識して血を出したことはなかったと思うが、はっきり分からない。長男が被告人車内で血を流したことがあるかどうかはっきり覚えていない。長男が被告人車内でおしっこをもらしたことがあるかどうかは分からない。しかし、@私は、平成2年2月ころ、流産をする直前に、被告人車に乗って外出先(筑後川温泉)から自宅に帰った後で、出血して下着を汚しているのに気付いたことがある。このとき車中では助手席を倒して寝ていたか、中央部座席及び後部座席を倒してベッドのような状態にしてそこに寝ていたかは覚えていない。このときストッキングやスカートが汚れているかどうかについて確認した記憶はない。その後、自宅から病院(有松病院)に行くときも被告人車に乗っている。このときも病院で下着が汚れているのに気付いたが、スカートなどが汚れていたかどうかは分からない。また、このとき被告人車の座席に血が付いたので拭き取ったという記憶もない。A実母を被告人車に乗せてドライブしたときに、車内でおかわを使って同女の排尿の世話をしたことがある。このときは、中央部座席を反転させることなく、そのまま背もたれ部を倒し、後部座席の背もたれ部も倒してベッドのような状態にして、その上に実母を寝かせたまま、自分は中央部座席の前の空間に身を入れて排尿の世話をした。尿をこぼさないように気をつけていたが、少しはこぼれたかもしれない。尿を取ったときは、お尻の下付近のシートを軽く拭くようにしていた。お尻の位置は中央部座席付近だと思うが、はっきり分からない。B平成4年9月ころ、義母から、ナワ夕医院で浣腸をされて下着を汚した、大便と一緒に小便も出たかもしれない、家に帰ってから上に着ていた服も洗ったなどと聞いたことがある。なお、私、長男、実母及び義母(更に実弟の家族4人全員)の血液型はいずれもO型である。

 (二) 他方、妻C子は、捜査段階では、検察官に対し、この点について次のような供述(甲493、6項)をしていた。

「私もC男(長男)も、車内で出血したことなどありません。私もC男も鼻血などを車内で出したことも記憶にありません。この車は、C男が5才とかなり大きくなってから買ったものであり、C男が車内でおしっこをもらしたりしたことはないと記憶しています。車内で出血したり、おしっこをもらしたりすれば、後始末が必要になったりするはずですが、そういうことをした記憶もありません。」

 右供述内容は、自分と長男が被告人車内で出血したかどうか、長男が被告人車内でおしっこをもらしたことがあるかどうか、どちらもはっきりしないという公判供述と実質的に相反しているだけでなく、流産したときに被告人車内で出血したという趣旨の前記@の公判供述及び被告人車内で実母の排尿の後始末をしたという趣旨の前記Aの公判供述とも実質的に相反するものである(被告人の妻C子は、前記@ないしBが被告人車内の血痕又は尿痕の原因であると明確に述べているわけではないが、その可能性があるという意味でなければこれらの供述は全く意味がない。)。

 (三) そこで、妻C子の公判供述と検察官の面前での供述とのどちらを信用すべきかが問題となるが、この点を考える上で最も重要なのは、前記のように実質的に相反する供述をするに至った理由について、妻C子が、公判で、(自分が被告人車内で出血したかどうかについて)「(検事に話したことは)よく覚えていません。」「(検事に対し正直にしゃべったかと聞かれ)意味が分かりません。」「(検事に対して)嘘は言っていないと思いますけど。」、(長男が被告人車内で出血したかどうかについて)「(検事に話したことは)覚えていません。」「(検事に対し正値にしゃべったか)分かりません。」「(検事に対し嘘を言ったことがあるかと聞かれ)分かりません。」「(検事の取調べを受けたときの記憶と現在の記憶では)今の方が正しいと思います。」「もう、あのときの状態がどういう状態だったのか、お分かりいただけないと思いますから。」(28回179項以下)、(長男が被告人車内でおしっこをもらしたことがあるかどうかについて)「(検事に話したことは)よく分かりません。」「(検事には理由もはっきり述げているのではないかと聞かれ)いや、そこのところはそういうふうには言ってないと思いますけど、分かりません。」(29回431項以下)、(前記1の事実を捜査段階で供述しなかった理由について)「そのことは思い出してないんです。」(29回863項以下)などと、極めてあいまいな、又は不自然かつ不合理な供述に終始していることである。特に、自分も長男も車内で出血したことはない、長男が車内でおしっこをもらしたことはないという捜査段階における断定的な供述が、2年以上経過した公判段階で、よく分からないというあいまいなものに変遷することは、通常十分に考えられるにもかかわらず、ことさらに捜査段階の供述が間違っているかのような供述をするのは極めて不自然である。このような供述に照らしてみると、妻C子が公判では事実をありのまま供述していないのではないかとの疑問を禁じ得ない。たしかに、妻C子が検察官から事情を聞かれたのは、被告人が本件で逮捕され、被疑者として勾留されていた時期であって、当時は頭の中が混乱していたという趣旨の同女の供述にも一理あるようにみえる。しかし、検察官に対し、「車内で出血したりおしっこをもらしたりすれば、後始末が必要になったりするはずですが、そういうことをした記憶もありません。」とまで言いながら、実母の排尿の後始末をしたという前記(2)の点について供述した形跡がないというのは明らかに不自然である。また、同時期に作成された妻C子の警察官調書(甲720)によると、同女が、警察官に対し、「私は、以前の車の時、旅行中気分が悪くなり車外で吐いた事はありますが、この車(被告人車)を買ってから車内で吐いたり血を出したりした事はありません。」などと供述していることが認められるにもかかわらず、このころ、前記(1)の流産の件については忘れていたというのもやはり不自然といわざるを得ない。
 さらに、(1)の点については、妻C子の供述によっても、被告人車内では出血に気付いておらず、被告人車を降りてから下着を汚しているのに気付いたが、ストッキングやスカートまで汚れていたかどうかは分からないというのであるから、この程度の出血で同女が座るか寝るかしていた座席シート(それが後部座席なのかどうかすらはっきりしない。)にまで血が付くこと自体考え難く、被告人車内の血痕付着の原因とはなり得ないものである。
 これらのことからすると、被告人車内の血痕及び尿痕の付着原因に関する妻C子の公判供述をたやすく信用することはできない。そして、この点に関する妻C子の検察官に対する供述によれば、同女が、被告人車内の血痕及び尿痕の付着原因について、全く心当たりがないことが明らかである。

6 被告人の実母及び長男の供述について

 被告人の実母C田C美及び長男C男は、検察官に対し、それぞれ被告人車内で血や鼻血を出したことや、おしっこをもらしたことはない旨供述し(甲494、496)、期日外尋問においても、それぞれ被告人車内で鼻血を出したことや、血を流したことはないと思う(C美88、89項)、被告人車内でおしっこをもらしたことがあるかどうかは覚えていない(C美75、85項。ただし、もらしたことはないとする部分もある。108項参照)、被告人車内でおしっこをもらしたことがあるかどうかよく覚えていないし、被告人車内で鼻血を出したり、ほかに血を流したかどうかもよく覚えていない(C男50項以下)などと供述しており、いずれも被告人車内の血痕及び尿痕の付着原因について心当たりがないことが明らかである。なお、C美は、「便秘を解消するためにナワタ医院に行き、病院内で治療を受けた際、大便を漏らして下着を汚したことがあるが、このとき小便は漏らしていない。汚れたパンツは包んで捨てて、シミーズとか上着は帰って息子に洗ってもらった。車の中に寝た状態で連れて帰ってもらったような気がする。」旨(C美62項以下)部分的には被告人及び妻C子の供述に沿う供述をしているが、このときC美は小便を漏らしたわけではなく、大便と一緒に小便を漏らすことも考えられるものの、漏らした場所は病院内であって、一応の後始末をした上で被告人車に乗車しているのみならず、被告人自身、公判で、このときに被告人車の座席シートに汚物が付いたかどうかは覚えていないと供述(33回589項)しているのだから、これが被告人車内の尿痕付着の原因であるとは考えられない。」



03. 阿Q偽伝 2014年3月29日 20:23:06 : 5axsW.yme0fyQ : KFNODMN4LU
飯塚事件再審請求の結果予想

こうなるのではないか
「弁護人提出の資料は、被疑者が真犯人ではないという証左にはなりえず、
また被疑者が死亡しており、当時の証拠が散逸している状況から、本再審
請求は棄却するものとする」

DNA鑑定では、足利事件と同程度のレベルということなので、これは到底
犯人足りうる証拠とはなり得ない。

また、科警研とは別に大学での鑑定結果は、不一致である。この鑑定に
あたった教授は、当時の科警研の鑑定レベルは犯人を特定できるものでは
ないと、法廷でも証言している。
ただし、検察と警察は足利事件と違い、飯塚事件においては他の物証もあった
と主張するのだろうが、これらも犯人を特定するには、はなはだ心許ないもの
ばかりである。

一つ目

紺色のワンボックスカー目撃証言

2人の被害者の遺体遺棄現場の近くで目撃されている
とのことだが、メーカーも車種も特定されていない。
いわずもがなであるが、警察は飯塚市だけに絞って
捜査をしているが、少なくとも福岡県内の紺色のワンボックス
カー所有者の特定及び聴取をすべきであったと考える。
また、目撃証言で後輪がダブルタイヤだったとあるが、目撃者が
よくそこまで、遺体発見前に当該車両を凝視していたものだという
違和感は拭えない。更にたまたま、通りがかっただけの車両の
可能性すらあり、この運転者が被疑者であったとしても、何ら
犯人を特定する証拠にはならない。

二つ目

被害者に付着していた繊維と被疑者所有車両のシートの繊維が一致した。

論外である、被疑者がシートをメーカー仕様から独自のシートに入替えて
いるのならば話は別だが、まずそのようなことはあり得ない。
後部座席に被害者のものと思われる血痕があったとも言われているが、
DNA鑑定はあてにならず、当然血液型だけでは被害者のものとは
特定出来ない。

三つ目

傍証として別の幼児失踪事件の幼児が、被疑者宅で遊んでいたという目撃証言

論外である、本人かも知れないし、別人かも知れない。警察の捏造の可能性すらある。

以上DNA鑑定以外の証拠は何れも証拠とはなり得ない代物である。
更にDNA鑑定が信用出来ないものだとすれば、この事件も冤罪の可能性は
否定できない。

しかし前述の通り再審請求は棄却されると予想する。
裁判官とはそういう生き物である


04. あっしら 2014年3月30日 02:04:12 : Mo7ApAlflbQ6s : aN5tcVsY6o

阿Q偽伝さん、コメントありがとうございます。

実に重苦しいことですが、おっしゃるように再審請求は却下される可能性が高いと思っています。

袴田事件は50年近く前の事件ですから、新聞やテレビも、当時どのような報道をしたのかということについて頬被りができるので、よかったよかったの合唱ですが、飯塚事件ではそうはいかないでしょう。唯一“免罪符”をもらえるメデイアは、冤罪説で事件を検証したテレビ朝日でしょう。

再審を認めたことで、死刑を執行された人が無罪(になる可能性大)だったと多くの人に思われるようになれば、抗告で取り消されることになったとしても、その衝撃は計り知れないものがあります。

おそらくですが、再審について判断を下す福岡地裁の裁判官は選別された人で、有形無形を問わず判断の方向性も示されているのではないでしょうか。

それでも、刑事捜査と刑事裁判の在り方をそれなりに変えるインパクトとなり得る判断を期待したくなります。



05. 2014年4月06日 00:56:04 : YxpFguEt7k
飯塚事件
https://www.youtube.com/watch?v=-aoY9jZE7Fo

久間さん(飯塚事件)の死刑執行は、再鑑定を阻止するため行なわれたようです。
ヒドいですね。

【問題のある人物】
大野恒太郎氏(赤レンガ派 死刑を上申した人)
平塚浩司氏 (再審請求を棄却した人)

【司法行政の改善・近代化のポイント】
・取り調べ過程の全面可視化(全部の事件で)
・弁護士の立ち合い
・全証拠の開示
・死刑廃止
・審議会メンバーの人選を第三者機関に行なわせる

【参考】
検察改革の正体は特捜部弱体化と赤レンガ派の勝利(2012年)
関西派は、大阪地検の証拠改竄事件がとどめとなり、解体が決まった。
東京の現場派も、小沢一郎氏を強制起訴に追い込んだ陸山会事件で捜査報告書の虚偽記載が明らかになり、致命的なダメージを負っている。
http://shukan.bunshun.jp/articles/-/1590

現場派は自業自得のような気もしますが…


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