全員一致で違憲破棄の意向＝最高裁長官、駐日米公使に―砂川事件・米公文書

2013年04月08日

米軍旧立川基地（東京都立川市）拡張に反対した住民らが基地内に侵入した「砂川事件」で、米軍駐留を違憲として被告全員を無罪とした一審東京地裁判決を破棄し、駐留を合憲とした１９５９年の上告審判決の４カ月以上前に、当時の田中耕太郎最高裁長官が駐日米公使に、最高裁判事全員の一致で一審を破棄させたい意向を伝えていたことが７日、開示された米公文書で分かった。

　砂川事件をめぐっては、田中長官が当時のマッカーサー駐日大使と密談していたことが判明している。当時、司法の独立が脅かされた実態が改めて浮き彫りになった。今回の文書は米国立公文書館で閲覧禁止とされていたが、布川玲子元山梨学院大教授が請求し開示された。　

　文書は５９年８月３日付で駐日米大使館から国務長官宛てに送られた公電。最高裁大法廷が弁論期日を指定する直前の同年７月３１日に当時のレンハート駐日米首席公使が起案したとみられ、文書末尾にはマッカーサー大使の名前があった。

　それによると、田中長官はレンハート首席公使に対し、共通の友人宅での会話の中で、「判決は恐らく１２月だろう」と述べ、弁論が９月中に終わる見通しを示した。その上で、最高裁判事１５人による評議の進行について、「実質的な全員一致を生み出し、世論を『揺さぶる』もとになる少数意見（違憲）を回避するやり方で実施されることを願っている」と述べたという。

　当時は日米安全保障条約改定を目前に控えた時期で、文書には「最高裁が地裁判決を覆し、政府側に立った判決を出せば、世論の空気は実質的に新条約（安保条約改定）を支持するだろう」とする米大使館側の見解も記載されていた。

　最高裁は５９年１２月１６日に全員一致で一審を破棄し、東京地裁に審理を差し戻した。新安保条約は６０年１月に調印された。

　公文書について、最高裁事務総局は「事実関係を確認できないのでコメントできない」としている。

　内藤功・元砂川事件弁護団事務局長の話　最高裁長官が、米国の大使だけでなく公使にまで上告審の進め方や落としどころなど、裁判の機微に触れることを平気で話していたことが記録されている。裁判官が絶対に厳守すべき評議の秘密を自ら破っている。いかに最高裁自身が米国に従属していたか、その根が深いことを物語るものだ。

［時事通信社］

記事提供：時事通信社

http://news.toremaga.com/nation/nnews/480552.html

コメント
01. JohnMung 2013年4月08日 12:18:40 : SfgJT2I6DyMEc : J1SeVlXwn6 　類似のスレがすでに立てられています。一緒にみておきましょう。 　”最高裁長官がアメリカの要請に応じ1審判決を破棄した砂川判決 （生き生き箕面通信）　「司法権の独立揺るがす」資料見つかる” 　http://www.asyura2.com/13/senkyo146/msg/243.html 　投稿者 赤かぶ 日時 2013 年 4 月 08 日 08:01:00: igsppGRN/E9PQ
02. ぽわろ 2013年4月08日 12:19:45 : Mc/4OCqpbH4ew : xr1hm8ae26 「今更、何？」 って話。
03. JohnMung 2013年4月08日 12:28:52 : SfgJT2I6DyMEc : J1SeVlXwn6 　０２＞ぽわろは、今、なぜ、「全員一致で違憲破棄の意向＝最高裁長官、駐日米公使に―砂川事件・米公文書」なのかが分からないようだな！ 　であれば、しゃしゃり出らずに、ぺろぺろキャンディでも舐めまくりながら、眺めておればよいのじゃ！
04. 2013年4月08日 16:50:42 : xEBOc6ttRg 冷戦が続いていた間は、日本は実質的に米国の属国だった ソ連と東欧の関係と同じ それを示す証拠がでてくるのは良いことだ 中ロ朝鮮の核の脅威があり、日本が軍事的に独立しない限り、 米国依存で金を毟られ、主権を侵される関係は続く それを吉田茂や岸のように必要で妥当なコストと見るかどうかは、国民次第だな
05. 2013年4月08日 16:57:49 : xEBOc6ttRg そもそも主権国家が自立しているという思想自体が幻想であり 実際は、少数の強大な国家の意思に揺れ動かされているだけなのは今も昔も同じことだ 現在は世界のスーパーパワーであった欧米（日）のプレゼンスが縮小し続けているから、その影響は長く続く 東北大震災の影響で環太平洋の地震確率が数十年程度は高まるのと同じだな
06. 2013年4月09日 09:00:06 : mp6fw9MOwA 最高裁が冤罪を確定させる機関である事は冤罪確定後の再審請求での結果を見れば分かる。 再審請求が無くとも、収賄額０円の収賄罪を最高裁が認めたことから、最高裁は収賄罪との意味も知らない冤罪確定機関だと国民に周知してしまった。 基本事項を無視した詭弁での有罪は裁判では通用しないが、最高裁はこの詭弁を認めてしまい、公正な審議もなく、２審の瑕疵を見つけようともしない単なる税金泥棒である事を示してしまった。 最高裁は法と証拠をもとに１、２審が適正な判断をしているかのチェックが不可避であるが、１、２審に瑕疵は無いとの前提で判断しており、１、２審では検察の調書に瑕疵が無いとの判断をしているのと同じで有り、検察が筋書きを作ればそれを容認するのが裁判所との有ってはならない構図が有る事を国民に示している。

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• Re:違憲破棄「全員一致願う」　砂川事件　最高裁長官、米に伝達(産経）　もともと日本に主権は存在せず 鬼畜ユダヤ 2013/4/08 12:07:24 (0)
• Re:砂川事件:米に公判日程漏らす　軍事評論家の前田哲男さんの話(毎日）　日本のことを植民地と呼ぶ 鬼畜ユダヤ 2013/4/08 12:04:12 (0)

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