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『国債市場は先物から崩れる』ーヘッジファンドの「日本売り」はいつ来るかー
http://www.asyura2.com/14/hasan88/msg/119.html
投稿者 DOMOTO 日時 2014 年 5 月 26 日 23:22:25: VRQtq/0DZtRLQ
 

上:日本国債先物の推移(※ 週足(「W」)表示)
http://www.investing.com/rates-bonds/japan-govt.-bond-advanced-chart

下:ドル円チャート
http://finance.yahoo.com/q/bc?s=USDJPY=X&t=5y&l=on&z=l&q=l&c=


DOMOTO
http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735


この投稿記事はジョージ・ソロスやカイル・バス、レイ・ダリオなどの「日本売り」ヘッジファンドが、どのように「池の中のクジラ」と呼ばれる黒田日銀に戦いを仕掛けてくるのかを、円相場と国債の視点から考えています。

5月10日に私が阿修羅サイトで公開した下記の記事では、ソロスによる日本株の空売りについて主に扱いました。

ソロスの空売りファンドが日本の年金積立金を食い尽くす 7〜9月に活動開始
http://www.asyura2.com/14/hasan87/msg/617.html

この記事では最後に、ソロスの「アジア・ヘッジファンド」が日本に対して「全天候型戦略」で攻めてくることに触れました。「国債先物売り+株先物買い」とその反対売買の「国債先物買い+株先物売り」は海外勢がよく使う方法で、彼らはそれらを交互に仕掛け、そしてそれに「円」の売り買いを組み合わせて攻めてくると予想します。


【◆下記の記事は4月24日にウェブ上に掲載したものです】


   円の動きは国債暴落の最初の兆候になる
 
     ―カイル・バスのインタビューから(米CNBC)―

【目次】    
【1】 円の動きは国債暴落の最初の兆候になる
【2】 国債市場は先物から崩れる(円と先物国債の値動き)


      【1】 円の動きは国債暴落の最初の兆候になる

日経平均株価の4月第2週の週間ベースの下げ幅は、リーマンショック後の2008年10月以来最大となり、1,103円下がりました。これは主にウクライナ情勢の緊迫化などが理由です。

この時の株価と国債利回りについて「日本国債売り」で知られるカイル・バスは、興味深いことを4月15日に米CNBC放送のサイトで述べています。

カイル・バスについてはネットで、「日本国債の金利は全然上昇していない、今までの予想は全部外れているぞ」などと揶揄するも人たちもいます。カイル・バスが日本国債のネガティブ・ベット(賭け)で2011年から2012年の間に巨額の損失を出し失敗していたのは、大きな円安トレンドがまだ来ていないのが原因でした。

カイル・バスたちが狙っている「大きな円安トレンド」は、まだ来ていません。

円安は、安倍政権を誕生させた総選挙の前の2012年10月から急ピッチで始まりました。しかし2013年5月22日のバーナンキ元FRB議長のQE縮小示唆の発言以降、円安速度は鈍化し、2014年に入ると円安トレンドは止まり、2月からは102円前後で停滞しています。これはチャートを確認してもらえればわかると思います(2013年5月は長期金利が乱高下を起こした「5.23ショック」が起きています)。

カイル・バスたちの「日本売り」ヘッジファンドが狙っているのは、それ以上の大きな円安トレンドです。

IMFは4月8日の世界経済見通しで、これまでの日本経済に対する好意的な評価を改め、アベノミクスに警告を始めました。IMFのチーフエコノミスト、オリビエ・ブランシャール氏は、「日本の財政問題が現実的な問題になり、投資家の信頼はいずれ消え失せる可能性がある。これが日本国債の利回り急騰となって表れ、混乱が生じうる」と語りました。

IMF、今年の世界成長見通し下方修正―日本には警告(2014/04/09 ウォールストリート・ジャーナル)
http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304364704579489972053887530.html

ついにIMFのチーフエコノミストが日本国債の利回り急騰と混乱に言及し、カイル・バスの観測スタンスに近づいてきました。4月15日CNBC放送でのカイル・バスへのインタビューは、米国の金融・投資サイト『バリュー・ウォーク』でも取り上げられています。

Why Japanese bonds look 'terrible': Kyle Bass (2014/04/15 CNBC)
http://www.cnbc.com/id/101584588

Kyle Bass Notes Japan’s Debt Crisis Crash (2014/04/15 ValueWalk )
http://www.valuewalk.com/2014/04/kyle-bass-notes-japans-debt-crisis-crash/

米国の金融・投資専門チャンネルであるCNBC放送には、時々日本国債がらみでカイル・バスが出演しますが、CNBCはバスのことを「日本経済の最大の批評家の一人」と言っています。

この記事のなかでカイル・バスは日経株価の4月第2週の大幅な急落について、1,100円もの株価の急落に対して国債市場での利回りがほとんど動かなかったことに注目しています(先物国債144円80銭〜145円10銭、長期金利6.0〜6.5)。

これまでは株が買われると国債は売られ(利回りは上昇)、株が売られると国債は買われる(利回りは下落)のがパターンでした。カイル・バスは次のように言っています(私が一部を補い要約してあります)。

「4月第2週の大幅な株価急落では、国債市場での「質への逃避」(flight to quality)が起きなかった。国債市場は何も変化しなかった。1,100円という大きな急落を考え合わせると、日本国債はかなり酷い演じ方をした。この先、何かが起こる。」

... Kyle Bass noted Friday’s swan dive in the Japanese Nikkei did not produce a corresponding flight to quality in the Japanese bond market, as one might expect. Japanese bonds “are acting pretty terrible in light of their equity market,” Bass said in the interview. …Japanese bond market hasn’t gone anywhere,” Bass said, … So we’ll see what happens.”

バスの話は現物国債市場を左右する先物国債市場で考えると、よりわかりやすいと思います。バリュー・ウォーク誌の記事の執筆者の説明を加えて、バスの見方をまとめると次のようになります。

----------------------------------------------------------------
1,100円の株価の急落では、円は2円以上の円高になった(104円から101円60銭へ)。この<円高>が(先物)国債価格の下落を防ぐ「逃がし弁」(escape valve)になっている。問題は、この円が「逃がし弁」としての機能を(いつまで)果たせるかどうかだ(… whether the yen can serve as an "escape valve." )。

金利と通貨ではどちらが最初に破裂するだろうか? 1国の通貨の動きは、債務危機での暴落の最初の明確な兆候になるだろう(V.W.執筆者)。「通貨の円が国債よりも前に動くだろうと私たちは考える」とカイル・バスは言った。

---------------------------------------------------------------

この<円>という「逃がし弁」(escape valve)については、日銀の大規模緩和策が直接的に働いている現物国債よりも、先物国債で考えてみてから現物国債に当てはめてみるとわかりやすいと思います。


      【2】 国債市場は先物から崩れる

円の動きを2012年10月位から追ってみるとわかりますが、米国FRBの金融政策の予想、国際情勢や世界経済の動きによって円が「安全通貨」として買われ、円高傾向になる時期があります。そしてその時期は、2013年4月の「異次元緩和」の発表以降、意外に長い期間に及ぶのです。

2013年のFRBの金融政策の影響のほかに円高要因になった出来事を挙げると、同じ年の米国のデフォルト騒動(政治劇)、今年に入ってからの新興国経済の動揺、そしてロシアによるウクライナ危機が挙げられます(ロシアは2月26日には軍事演習を行っています)。

このように円が「安全通貨」「資金の逃避先」となる状況が、海外経済や国際情勢のなかで頻繁に起こってきたので、そのたびに円が円高方向へ振れ、それとセットで先物国債が買われてきたのです。

2013年4月4日に黒田日銀が決定しそして始めた大規模な金融緩和以降、この間の大きな円安トレンドの期間では先物国債が売られ、債券安のトレンドが円安トレンドと同時に起きています(大規模金融緩和以前は、必ずしもそうではありません)。

日本国債先物の推移:チャート(Investing.com)
http://www.investing.com/rates-bonds/japan-govt.-bond-advanced-chart
※注:「週足」(「W」)表示がわかりやすいと思います。

米ドル/円チャート(ブルームバーグ)
http://www.bloomberg.com/quote/USDJPY:CUR/chart

2013年5月の10〜15日、そして5月23日の日本国債の現物債の金利(長期金利)の大きな乱高下(「5.23ショック」)は、海外投機筋の売買による先物国債が主導していました(下記記事参照)。

「23日の市場の動きと今後への不安」 (2013/05/25 久保田博幸−Yahoo!ニュース)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kubotahiroyuki/20130525-00025192/

円安の進行に合わせて海外投機筋が先物国債を売ろうとしていたところへ、海外経済と国際情勢の変化で「安全通貨」の円を買うことになり、それと一緒に先物国債は買われてきました。
つまり先物国債が売り込まれるのを、円が買われること(円高)で防いでいたのです。これがカイル・バスが言った「円が逃がし弁として機能している」という意味です。例えてみれば、心臓の「弁」が血液の逆流を防いでいるように、円が買い戻されることで先物国債の価格が下落するのを防いでいたのです。

東京証券取引所が公表する「投資部門別 国債先物取引状況」によれば、海外投資家による2014年3月の取引シェアは65.04%です。驚くべきことにこの数字は、前月の2月の47.96%から急速に上昇し、過去最高を記録しています。

国債先物取引・国債先物オプション取引(※ H26/05/23 大証サイトへデータ掲載が移動しています)
http://www.tse.or.jp/market/data/sector/index.html

心理的には円安がだいぶ進んだ感覚がしますが、数値で見れば日銀の昨年4月の大規模緩和から今日までの円の下落は3円程度で(99円→102円)、2012年10月を起点として大幅に進んだ円安の87%は、実は<期待で>急速に売られていた2013年4月の大規模緩和発表の以前に進んでいました(2012年10月〜2013年3月まで)。
つまりカイル・バスたちにとって、2013年4月の大規模緩和以降の円安は、まだまだ下落幅が少ないのです。

( \78 - 12/10/1, \99 - 13/4/4, \94 - 13/6/14, 
  \100 - 13/11/12, \102 - 14/4/24 )

今後の日本の金融市場に影響を与える3つのイベント、

(1)2014年度の経常赤字、もしくは経常黒字の大幅縮減。
(2)GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の6月にも始まる
   株式運用比率の拡大の進展。
(3)早ければ7月とも見られている日銀による追加緩和

これらによって引き起こされる<円安>への大きな波をカイル・バスたちの「日本売り」ヘッジファンドは狙っています。


■ 関連記事

ヘッジファンドは先物主導で日本の国債市場を動かしている (2013/05/28 拙稿 )
http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/37842380.html

日本国債 S&Pとムーディーズの格下げはいつ来るか (2013/05/09 拙稿 )
http://blogs.yahoo.co.jp/bluesea735/37793664.html


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コメント
 
01. 2014年5月27日 07:40:18 : nJF6kGWndY

>国債市場は先物から崩れる

そんなの当たり前

問題は、それがいつで、どの程度なのかだ


02. 2014年5月27日 07:42:13 : nJF6kGWndY

>これらによって引き起こされる<円安>への大きな波をカイル・バスたちの「日本売り」ヘッジファンドは狙っています

2014年の国債売りは、まず失敗するだろうし

円安もせいぜい110円程度だろうな


03. 2014年5月27日 07:57:59 : cUchBPexSM
日本の転倒だけに注目していると、それを上回る転倒をしてのけるのが欧米で、絶対ではなく相対で物事を見るのが市場だ。

04. 2014年5月27日 08:48:31 : qU5xe1TA5c
こんなのに騙されると死ぬぞw
円高トレンドはまだ終わっていないよ

だが ヘッジファンド VS 日銀の金融大戦は見てみたいねw
ヘッジファンドに勝ち目は無いだろうがね。


05. 2014年5月27日 09:35:07 : uTsrC00Qfg
ヘッジファンドに勝ち目は無いだろうがね。<日銀が勝ったとしても
 無傷ではすまないね 笑
 しかし、格付け機関とヘッジファンドが合体して日銀に襲い掛かって
 きたら、黒田は案外に脆い

06. DOMOTO 2014年5月27日 20:33:42 : VRQtq/0DZtRLQ : HOOBqJbB6M
>>01
>国債市場は先物から崩れる
そんなの当たり前

確かに、そんなの当たり前なのですが、
国債の金利上昇や日銀の政策をマスコミやウェブで論じる記事で、海外投資家
比率が急上昇している先物市場の脆弱性を論じた記事を、一般にほとんど見か
けません(先物国債の情報記事は別として)。
また日銀の記者会見要旨の記事などを読んでも、日銀が先物市場の危険性を
意識しているようにも思えません。
そういう意味から「国債市場は先物から崩れる」というタイトルを選んでいます。

崩れるのは「いつか」ー円安が大きく進むことが一つの大きなトリガーとなり、
それは3つのイベントに関係する。これは記事中に。

崩れるのは「どの程度なのか」ーIMFのアナリストたちは3年位前から、
日本国債が崩れる時は、その金利の上昇の仕方はジワジワと上昇するのでは
なく、急激に上昇する動きになると言っています。


07. 2014年6月07日 20:53:23 : 6uFgfWwteg
国債現物をつかんでいるインサイドの金融機関は、
日米とも「いまのところ」両国当局の完全に手の内にある。
これは、大手銀行、大証券会社などの金融機関と国家当局は完全にグルになっていることを意味する。

何度も繰り返し書いたが、日米ともに今、国債安定消化のために国家の「完全統制下」にあるのだ。

ここが理解できないと、今現に国債現物は「品薄状態」なのであり、金利も
、このサイトでも頻繁に投稿されているように「不可解な」低金利が維持されていることの現実を忘れ、
なぜアウトサイドの投資家たちが「物価上昇と金利上昇のジレンマ」のはざまで疑心暗鬼に陥っているのかということの核心も理解することはできないだろう。

国債先物市場だけで、株先物や通貨先物、オプションのようにある程度、参加者の裁量のきく自由市場のように日米の国債価格も暴落させることができると考えるのは大きな間違いである。

また、アメリカの株価は高値更新、高値更新でとても怖い位置にある。
だからこそインサイドの金融機関はますますリスクはとれない。
国家当局の完全統制下にある国債こそが、インサイドにある「大きくて潰せない金融機関」にとっては最も安全性と流動性の高い資産なのである。

仮に「国債を暴落させたいのなら、ヘッジファンドは先物市場に売りをかけるだけでは失敗に終わる。」それだけでは「国債現物」は無傷に終わるし、「先物」すら大きくは売り崩せはしまい。

いま日本で一番、国家当局の「完全統制下」にある「インサイドの金融機関にさえ」「国債現物」を投げ売らせることのできる確率が高いのは「日中軍事衝突」の現実化である。

そのため安部の暴走、「先走り」を抑えるために「QE継続中は」オバマも大変だった。
だがオバマ政権も、いよいよ、その役目を終えようとしている。

アメリカは、すでにQEの急速な縮小に入っていることからも、財政面で十分な戦費調達も可能な段階に入ったと理解することができる。

今年2月、3月までは、債務上限規制のためにアメリカの軍部も軍需産業も「シリア」、「ウクライナ」ではおあずけを食わざるを得なかったが。

来年、あるいは再来年、強くて凶暴なアメリカ帝国は再び眠りから覚めるだろう。
そして、世界を戦禍に叩きこむだろう。

この日本を含むアジアでも、「役者」と「舞台」はすでに整いいつつある。
「シナリオ」はすでに書かれている。


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