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金融政策が実態経済に影響するまでに要する時間  久保田 博幸
http://www.asyura2.com/14/hasan92/msg/540.html
投稿者 赤かぶ 日時 2014 年 12 月 29 日 10:32:15: igsppGRN/E9PQ
 

金融政策が実態経済に影響するまでに要する時間
http://bylines.news.yahoo.co.jp/kubotahiroyuki/20141229-00041884/
2014年12月29日 9時35分 久保田 博幸 | 金融アナリスト


12月25日の日経新聞の経済教室は「『レジーム転換』が効果発揮」と題されたもので、岩田規久男日銀副総裁が執筆していたが、なかなか興味深い記述がいくつかあった。そのひとつが、「金融政策が実態経済に影響するまでの時間がかかる」と言っておきながら、消費者物価指数(除く生鮮)の前年同月比は、量的・質的緩和の導入直前から2014年2月までの間に2.0ポイントも上昇したとも書いてあった。

コアCPIは異次元緩和を決定したタイミングでマイナスからプラスに転じ、前年比でプラス1.5%に達した。金融政策が実態経済に影響するまでの時間がかかるとしておきながら、コアCPIは即座に反応したかのようなコメントである。これは矛盾してはいないだろか。

いや、すでに日銀の踏み込んだ金融緩和は2012年11月の安倍自民党総裁の発言で市場の期待感が強まり、それがおよそ半年後に影響を与えたとの都合の良い解釈もできるかもれない。しかし、金融政策の影響が出るのは2年程度との見方をしていたのではなかろうか。だから2年後に2.0%の物価目標が達成できるとしていたはずである。もし2年程度の期間が必要なのであれば、2013年4月あたりからのコアCPIの上昇は、2011年の日銀の金融緩和が効いたという計算になる。別に異次元緩和などしなくてもコアCPIは上昇していたという結論になるのではなかろうか。

しかも、2年で2%の物価目標を達成できるとしながら、コアCPIは前年比プラス1.5%をつけてからは、前年比のプラス幅は低下し1%を割り込んでいる。その間、日銀による局額の国債買入は継続しており、日銀のバランスシートも膨らんでいるが、何故、コアCPIのプラス幅は縮小し、そのために追加緩和策を講じなくてはいけなかったのか。

これについて黒田日銀総裁は「夏場以降、消費税率引き上げ後の需要面での弱めの動きや原油価格の大幅な下落が物価の下押し要因として働くもとで、消費者物価の前年比はプラス幅を縮小し、10月には+0.9%となりました」と言い訳をしている。消費増税引き上げは予定のことであり、さらに原油価格の下落とは関係なく、物価は日銀の積極的な金融緩和によるだけで可能ではなかったのか。もしそうではないとなれば、国債のリスクを増加させてまで行った異次元緩和の必要性に対して、根本から前提条件に間違いがあるということになるのではなかろうか。

「日本銀行は、デフレマインドの転換が遅延するリスクを未然に防止し、好転している期待形成のモメンタムを維持するため、10月末に「量的・質的金融緩和」の拡大を決定した」と黒田総裁は指摘したが、訳がわからない。そもそも異次元か縄でレジームチェンジが起きて、デフレマインドは転換したというのが前提にあったのではないのか。あれだけ無理矢理な緩和策を講じてもデフレマインドが転換しなかったというのであれば、金融政策ではそもそもマインド転換などできないことをむしろ証明したことになるのではないのか。

好転している期待形成のモメンタム、というのも何を示しているのかわからない。岩田副総裁が良く使うBEIは好転したような兆しは見せておらず、1%台前半で低迷したままである。結果をみるまで2年待ってくれというのであれば、なぜ中途半端な時期に追加緩和を決定したのか。それこそが矛盾である。

黒田総裁は「名目だけでなく、実質でみても、金融が緩和していると感じて頂ける状況が生まれているはずです」とも説明しているが、短い期間の金利はすでにマイナスとなり、長期金利も過去最低水準をつけている。金融が緩和しているとの実感は、名目だろうと実質だろうとあまり一般人には関係はない。実質金利がマイナスだから物を買おう、設備投資をしようとなるわけではない。それで景気が良くなりそうだから物を買おうとなるかもしれないが、実質や名目の金利低下だけでそのような行動が起きることはむしろ考えづらい。

金融政策が直接、実態経済や物価にどのような影響を与えるのか。実はこの検証は難しく、量的緩和の効果などについては具体的な検証結果が正式なものとして中央銀行から出ているものは見たことはなく、研究員のペーパーのような格好で発表されたものしかない。2年間という期間もその数字の具体的な背景があるわけではなく、漠然としたものである。

日銀による壮大な実験を行って1年と8か月が経過した。その間、米国経済の回復なども手伝い、円安ドル高と株高は進んでおり、これが日銀やアベノミクスにとっての最後の命綱となっている。肝心の物価は思ったように上昇していない。株価や為替をみて結果オーライではなく、国債の信用を毀損させかねない政策をとった結果、金融政策で物価は動かせないことがもし明らかになったのであれば、即座に現在の異常といえる国債買入は出口を模索する方向に変えて、日本国債がメルトダウンを起こす前に、デフレ脱却は別の手段に委ねるべきである。


 

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コメント
 
01. 2014年12月29日 11:09:35 : oA9GE6uXgc

日本でも昨今話題となっているが、ドイツでも教育格差が深刻な問題となっている。

経済状況が教育に影響することは多くの研究で指摘されているが、ドイツでは連邦制度やその歴史から、元々国内の地域間の差は大きく、そのことが経済や教育の格差につながっているとも考えられている。今回はドイツ国内の経済格差およびベルリンの経済状況をご紹介する。
日本では最近、教育格差問題について議論が盛んに行われていますが、ドイツでも同様に子どもたちの学力格差が問題となっています。今回はいつもと少し趣向を変えて、このドイツ内の格差についてベルリンの新聞記事を元にご紹介していきたいと思います。

香川大学の前川史彦教授によると、教育格差とは「親の収入などによる格差が子どもの教育環境にも反映される問題であり、生まれ育った環境により、受けることのできる教育に生じてしまう格差のこと」です*1。この他の多くの研究で指摘されているように、経済状況が教育に与える影響は大きいようですが、ドイツではどうでしょうか。詳細を記述する前に、ドイツの制度について少しおさらいをしておきたいと思います。

まず、第1回で少し触れたように、ドイツは連邦制国家です。それゆえ、教育に関して国は大枠を決めるだけで、具体的な事項を決める権限は州に委ねられています。このように、国が一元的に全てを決定する日本とは制度が異なります。

またドイツといえども、東西ドイツの統一以前から、歴史的に異なる国々(プロイセン王国、バイエルン王国など)が1つの国にまとめられてきた経緯があり、東西間はもちろん、南北間でも生活様式や言語、経済活動が異なります。

したがって、ドイツ国内の地域間の差は大きく、ひいてはそれが経済や教育の格差につながっているとも考えられています。例えば、欧州危機が叫ばれる中、ドイツは欧州一の経済力があるといわれており、私も「ドイツでは景気がいいんですってね?」と日本の皆さんからの質問をよく受けます。しかし、残念ながらベルリンでは全くそんなことは感じられません。モダンアートのメッカなので、街全体がアート作品と化している、といえば聞こえはいいですが、落書きとも見えるグラフィティをあちらこちらで目にします。また、今でも東ドイツ時代の建物が廃墟化して残っていたり、街中に建設現場が存在するものの、なかなか完成に至らなかったりと、街が裕福でないことは一目瞭然です。消費大国日本がキラキラと思い出され、そのギャップに戸惑いを感じることも多々ありました。

そんな中、昨年7月、ベルリンの主要新聞がドイツ国内での経済力格差について取り上げていました。記事に依ると、旧西ドイツでは失業率が低いのですが、旧東側では軒並み10%越えと高い数値を示しています。*2

ちなみに2012年12月の日本の失業率は4.2%、ドイツ全体平均は5.3%、ユーロ圏全体の失業率は11.7%ですから、ドイツおよび国内各州の経済力が比較できると思います。*3

ドイツに話を戻すと、旧西ドイツの南部に位置する2つの州、バーデン=ヴュルテンベルク州(州都:シュトゥットガルト)およびバイエルン州(同:ミュンヘン)では、失業率が4.0%と日本より低いことがわかります。この辺りはドイツ一裕福で、今、不動産バブルに沸くベルリンの物件を購入しているのも、この地域出身の方々が多いようです。

そのベルリンについては、失業率13%と二けたを超えており、ユーロ圏全体の失業率よりも高くなっています。

さらに、統計ではよくあるように、ここでも数のトリックがあります。つまり、この「13%」という数字には「失業者向けに、政府が用意した職業訓練クラスを受講している人」の数は含まれていません。したがって、実際の失業率はもっと高いのです。これではベルリン市内で建設ラッシュが続いている高級アパートを買うなんて、夢のまた夢です。

report_09_81_02.jpg
建設中のアパート

なぜドイツの首都であるにもかかわらず、こんなに失業率が高いのでしょうか?それは、ひとえにビジネスの中心となる産業が存在しないためです。上記の南部二州にはドイツの高級自動車メーカーをはじめ、電気、保険などのグローバル大企業が本拠地を構えています。一方、ベルリンの産業3本柱は「政治、観光業、モダンアート」。首都なので「首相も大統領も住んでいるじゃない?」という声もあるかもしれませんが、冒頭で触れたように、ドイツでは連邦制をとっているため、東京のように1都市集中型である必要はなく、金融はフランクフルト、司法はカールスルーエ、大企業は南西部と分散されているのです。

report_09_81_03.jpg
大統領官邸

さて、そんな貧乏都市ベルリンですが、さらにショッキングなことに、子どもたちの約3分の1は生活保護を受給している世帯で暮らしています。これはドイツ内でも最悪の割合で、上記の裕福な南部の2州と比べてみても、バーデン=ヴュルテンベルク州7.2%、バイエルン州6.6%、ベルリン30.7%、と突出していることがわかります。*4

さらに、驚くのがその子どもたちの現状です。小学校に入学しても、新しいランドセルを買ってもらえず、「将来の夢は?」という質問には「パパとママみたいに、働かないで生活保護を受けて暮らしたい」と真面目に答える子どもも多いとよく耳にします。

ベルリンでは保育園から高校までは無料、大学も1学期の授業料が500ユーロ程(約6万円)と格安で通うことができるので、日本のように「経済的余裕がなくて教育が受けられない」というケースとは少し異なる気がします。上記の子どもたちのコメントからは、冒頭の前川教授の述べる「教育格差」というよりも、もっと根本的な生き方そのものに対する姿勢の「格差」が生まれてしまっている気がします。

さて、経済状況が悪いと、教育に関する資金が削られるのはいずこも同じ。私が留学していたアメリカ・カリフォルニア州では、当時、財政難のため公立学校の授業科目から「音楽」「美術」といった科目が消えていき、ショックを受けた記憶があります。ベルリンでは教育への影響はどうなっているでしょうか?続きは次回ご紹介したいと思います。

*1 前川 史彦「日本における教育格差〜プルトップ型教育がもたらしたもの〜」(PDF)
*2 Berliner Zeitung 2012年7月29日付
*3 日本経済新聞オンライン版(2月1日付)
「12月の完全失業率4.2% 0.1ポイント悪化」
「ユーロ圏12月失業率、11.7%で横ばい」
*4 ZEFIR Datenpool; Leistungsempfänger/-innen von Arbeitslosengeld II und Sozialgeld nach SGB II Juni 2005
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筆者プロフィール
シュリットディトリッヒ 桃子

カリフォルニア大学デービス校大学院修了(言語学修士)。慶應義塾大学総合政策学部卒業。英語教師、通訳・翻訳家、大学講師を経て、潟xネッセコーポレーション入社。2011年8月退社、以来ドイツ・ベルリン在住。
http://www.blog.crn.or.jp/report/09/81.html

[12削除理由]:管理人:スレ違い

02. 2014年12月29日 11:26:17 : oA9GE6uXgc

>>1 は http://www.asyura2.com/14/hasan92/msg/539.html へのコメント


>金融政策が実態経済に影響するまでの時間がかかるとしておきながら、コアCPIは即座に反応したかのようなコメントである。これは矛盾してはいないだろか

QEの波及には融資と投機など複数の経路があるから矛盾ではないだろう


>好転している期待形成のモメンタム、というのも何を示しているのかわからない。岩田副総裁が良く使うBEIは好転したような兆しは見せておらず、1%台前半で低迷

インフレ率が長期のマイナスからプラスに転じ、消費税や海外低迷など多くのマイナスショックが重なってもプラスを維持していることや、
名目賃金が伸び、失業率や求人倍率が高い水準になっていることを言っているのだろうな


>金融政策で物価は動かせないことがもし明らかになったのであれば、即座に現在の異常といえる国債買入は出口を模索する方向に変えて、日本国債がメルトダウンを起こす前に、デフレ脱却は別の手段に委ねるべき

まあ個人的には、異次元緩和の必要はないと前から言っているから、別に、この結論に大きな異論はないが

その前提となる認識が間違っていること

つまり異次元緩和単独では、実体経済に対して大してプラスではないがマイナス効果もない
(長期にインフレ率を変化させることはできない)し

金融抑圧によって、通貨安誘導とインフレ課税を行い、実質所得を下げることで、雇用を刺激し

一方で大衆迎合の財政膨張=地方バラマキや社会保障膨張を長続きさせることに貢献していることは指摘しておく



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