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弱肉強食奨励=新自由主義経済政策は時代遅れ (植草一秀の『知られざる真実』) 
http://www.asyura2.com/14/senkyo161/msg/639.html
投稿者 笑坊 日時 2014 年 2 月 18 日 00:37:49: EaaOcpw/cGfrA
 

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-0b45.html
2014年2月17日

安倍政権が推進する経済政策は小泉政権が推進した「市場原理主義経済政策」と変わらない。

「市場原理主義経済政策」とは、経済活動を市場原理に委ねる経済政策である。

経済は自然と同じで、すべてを自由放任にすれば、必ず弱肉強食になる。

経済政策には歴史がある。

経済学の元祖であるアダム・スミスは自由放任=レッセ・フェールを主張した。

資源配分は市場メカニズムに委ねることにより、もっとも効率的になる。

政府の介入を可能な限り排除して、市場の自由な活動に委ねることによって、もっとも効率の良い生産が実現する。

これが古典派の経済学である。

しかし、自由主義の経済政策運営は問題を引き起こした。

すべてを市場原理に委ねれば、強い者はより強くなり、弱い者は虐げられて消滅してしまう。

他者に損失を与える「外部不経済」が放置されれば、不公正はさらに拡大する。

自由主義的経済政策には修正を加えることが求められるようになった。

また、市場メカニズムが必ずしも万能ではないことも明らかにされるようになった。


市場は不均衡な状態に陥ることがある。

その不均衡が長く続き、しかも、その不均衡の影響が深刻である場合、市場に人為的な力を加えて、市場の不均衡を人為的に修正することが有効である場合が存在することも主張されるようになった。

修正資本主義の流れである。

これは、基本的人権の概念の進化と表裏一体を為すものでもあった。

基本的人権には、

自由権、参政権、社会権

がある。

自由権は18世紀に主張されたことから18世紀的基本権と呼ばれることがある。

同様に参政権は19世紀的基本権、社会権は20世紀的基本権と呼ばれる。

自由権が経済活動の自由などの、自由に活動する権利であるのに対して、社会権は憲法第25条が定める

「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」

に代表される、いわば「弱肉強食」を是正することを正当化する考え方を示す基本権である。

自由主義が行き過ぎれば、社会は弱肉強食化して、弱者の生存の余地がなくなってしまう。

すべての人に生きる権利を付与することが必要であるというのが、歴史の進化の結果として到達したひとつの終着点であり、この点に人間社会の特性が置かれるべきだと考えられるようになってきた。


近ごろはやりの「市自由主義」は、すべての人に一定の生活水準を保証する「福祉社会」を再度見直し、再び社会を弱肉強食の方向に差し戻そうとする考え方である。

社会を構成するすべて人の幸福を追求していたのでは、全体としての効率が低下する。

力の強い者は、巨大な果実を得られるのに、弱者のためにそれを犠牲にしなければならない。

これでは、力の強い者はやる気を失ってしまう。

力の強い者がやる気を失えば、社会全体の成長の力は低下し、全体の効率が低下してしまう。

それを防ぐために、再び社会を弱肉強食化することが必要である。

これが新自由主義の考え方である。

しかし、一言で言って、これは時代の逆行である。


小泉政権の登場以降、日本でも、一部で社会の弱肉強食化=市自由主義化を求める声が強まっているのだ。

その流れをいま推進しているのが安倍政権である。

企業は利潤を追求するあまり、労働者の幸福を考えなくなり始めている。

正規労働を廃絶して、すべての労働力を非正規化できれば、資本の利潤は格段に増大する。

これを実現するには、法規制、行政規制を撤廃して、人間を機械部品のように、消耗品として取り扱えることができる体制を整えてもらうことが有用である。

すべては資本の論理=強者の論理に則った思考である。


安倍首相は国会答弁で、経済が成長するには企業が成長する条件を整えなければならない。

他方、労働者の側でも、派遣労働のように、所得は少なくても、制約のない自由度の高い働き方を求める、働き方の多様性を求める声にも配慮しなければならないとも主張した。

これは詭弁でしかない。

多くの労働者は、安定してある程度の所得を確保できる、正規労働者になることを希望するが、その機会が激減しているために、やむなく派遣労働。非正規労働に従事しているのだ。

このような事実がありながら、現実を見ようとしない詭弁が提示されているのである。


 

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コメント
 
01. 2014年2月18日 00:49:53 : zKhrRT3tBk
植草教授のご託宣は至極最も!愚鈍・愚劣どもの愚者は平身低頭(平伏せ)せよ!言っても、コヤツ等には糠に釘か。

02. 2014年2月18日 01:40:31 : YxpFguEt7k
やはり「社会自由主義」ですかね。
「社会自由主義者は、個人主義や資本主義が、公共の精神や連帯の認識によって加減された時に、自由民主主義は最良の状態になると考える」
http://ja.wikipedia.org/wiki/社会自由主義

思想家の面々を見てもいいですもんね。
ジョン・スチュアート・ミル
ジョン・ロールズ
アマルティア・セン

政治的には中道、中道左派。
民主党よ、原点に帰ってなんとか復活してください。

植草氏、がんばってください。応援しております。


03. おみや 2014年2月18日 01:48:03 : 5avMm4ZgNSSko : wFznrvsG9k
今はもう弱肉にあたるものがもうない猛禽類破滅時代が近づきつつあることに

だれも気がつかない。

餌にあたるものがもうないときに、金まいた安陪晋三日本に

ソロスとかアメリカ共和党投機会社が、チャンスとばかりにむさぼりつき、
だいじな国民の富が失われ、そのことも気づかない安陪晋三、

オバマはアメリカ民主党にいやがらせと糾弾し、多くのアメリカ国債を
買い増しさせたのが、今の日米状況である。

安陪はなにも理解できづ、天ぷら他不明を住吉会暴力団とご会食、
愚者か偉人かは、後の研究者が決めること、
いつまで民主党に勝った、勝ったと祝勝会続けてるのか、
第二次世界大戦中番までの大本営幹部らのようだ。


04. 2014年2月18日 02:25:37 : D5gqEFhwoc
久々に植草のまともな記事を見たな。
専門外の政局の話に手を出して陰謀論に染まるより
自分の専門分野を中心に見解を発していけばいいのに。

05. 2014年2月18日 03:07:31 : 00ZH9kOaZ6
植草さん,二度と下のような,政策も問わずに勝馬に乗る愚は犯さないことだよ.
http://www.asyura2.com/14/senkyo160/msg/292.html
それともそうしなければならない事情でもあったのですか?

06. 2014年2月18日 05:14:04 : ECjBPk5zrM
本文中、2カ所ほど「市自由主義」と言う言葉が出てくるが、これは「新自由主義」と書きたかったのだがタイプミスをした、と考えていいのかな?


07. 佐助 2014年2月18日 11:24:30 : YZ1JBFFO77mpI : wpmCg8U5S6
自由経済システムそのものも腐敗堕落が避けられません

資本主義国家でも、官僚支配するビジネスに参加するにはコネと賄賂が絶対必要である。社会主義政治体制は官僚支配なので、どんな開放政策にも認可権がつきまとう。そのため、自由経済システムそのものも腐敗堕落が避けられない。特に日本のような一党独裁下の国家・企業・個人が、利己的に防衛思考し行動する法則の作用から逃れることはできない。

資本主義国家でも社会主義国家でも、国家と企業と個人は、それぞれ利己的な自衛思考と行動をするために、短所や矛盾の発生は避けられない。資本主義国家はライバルの社会主義国家が自壊すると改革を停滞させる。

2000〜2020 年代の「ルールを否定破壊する少数派に寛容な時代」は、
右翼原理主義は「移民」と「領土」「拉致」問題で排外的思考と行動を台頭させる
左翼原理主義は、1%の金持ちが99%の富をもつ「不平等の是正」の思考と行動を台頭させる
それと平行して宗教の原理主義が、暗殺やテロリズムの思考と行動を台頭させ、戦争の瀬戸際に押し進める。

どんな政治や宗教体制も、資本主義的自由経済システムを採用できることは、中国だけでなく、すべての国が証明している。一党独裁の社会主義国家は、節目に自壊するために、核武装は国体の変革を防止することはできない。

政治家は当選した瞬間、その政治のルールの中に思考と行動は閉じ込められる。そして、ルールのコップの中で権力争奪のため、離合集散する。根本的解決を常に先延ばしされるだけなので、いっそ古いルールをブチ壊した方が手っとり早いと、ルールをブチ壊せと怒号する思考と行動の独裁者を待望する。

ニクソンのキンドル交換停止から節目の2012年、ユーロ通貨バブルははじけ、ブラジル・中国・インドのバルブもはじけた。 2008年のリーマンショックの発生で世界信用縮小恐慌がスタートしたことを政治経済の指導者とマスコミは全く認識もできない。、2014年になっても、世界信用縮小恐慌の渦中にあることを認識できない政治と経済学者マスコミのエコノミストは多数派である。

世界信用縮小恐慌の収束を、古い経済学の常識にまかせているので、三年ごとに三段階で世界と各国の信用が縮小し、2015年〜2017年には、株式市場・為替市場・銀行窓口の一時閉鎖が避けられなくなること。その世界経済の傷口が回復するのに、2025年までかかる。

三世代目になると、革命を直接経験しない世代が多数派となるために,社会主義国の一党支配制度は自壊する。彼らは、低生活水準での平等より、自由を求めるため自壊する。社会主義政治制度が、資本主義的経済を採用したとしても、節目には、政治的自由を求めて民衆は蜂起し、自壊を避けることはできない。中国経済のバブルの崩壊は2015 年には認識されるが、その十年後には一党独裁政治体制の自壊は避けられない。

日本は自分にプラスなら味方・正義・善であり、マイナスなら敵・不正義・悪だと判定。家族内外でも判定される。そのために、哲学者カントと孟子は「人間は生れる前から、善悪を判定できる」と考え、ヒトの先天的理性や性善思考もつと主張した。日本人は「そんなことは、自分には関わりがないことだ」と発想を切り換えるか、「それはそれでよかったんだ」と、自分にとってプラスなんだと楽天的お人好し的に思考する以外にない。

ではどうすればよいか,脱原発から第二次産業革命を、10年前倒しさせるなら、高度成長路線を復活できる。そうなれば、過去のように、世界大戦という巨大な殺人消費需要の助けを借りなくても、恐慌から脱出することができる。雇用も福祉も医療もすべて改善するが,第二次産業革命に乗り遅れ,開発しないで原発などに既存のものにあぐらをかいた企業は消失することになる。


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