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「21世紀の資本論」旋風、日本も?
http://www.asyura2.com/14/senkyo166/msg/868.html
投稿者 あっしら 日時 2014 年 6 月 17 日 03:50:45: Mo7ApAlflbQ6s
 


 思想や気分を別にすると、所得格差そのものが問題なのではなく、低所得者の所得水準が上昇しない(上昇どころから下降している)ことが問題なのである。

 それはともかく、先進諸国で経済格差がより酷くなっている理由として、先進国経済が「産業資本主義」から「金融資本主義」にシフトしたことを第一に上げたい。

 産業資本主義的成長には膨大な労働力と国内需要が必要だが、金融資本主義的成長であれば、少数のひとが新興国など今なお産業資本主義的成長の余地がある地域で金融活動に励めばOKである。(先進国なら国債の売買が中心だから、数百兆円を運用するとしてもひとはたいしていらない)
 新興国を経済成長させなければ先進諸国の金持ちも富や所得を増大させられない時代になったのである。

 このような変化を端的に言えば、多くのひとが高付加価値の生産活動に従事して経済成長の果実を手にする場が縮小し、消費活動向けの仕事で稼ぐひとが増大することを意味する。これが、所得格差の拡大及び低所得者層増加の要因である。

 「21世紀の資本論」の著者であるピケティ氏は、高額所得者や資産保有者への課税強化を処方箋として提示しているようだが、それによって低所得者の所得水準が上昇するわけでも国民経済が成長するわけでもないから、あまりお奨めはできない。

 金持ちへの課税強化で期待されるのは、それを財源とした低所得者に対する減税ないし扶助であろう。それなら、低所得者の課税最低限を引き上げて税を徴収しないようにし、金持ちにはカネを稼いでもらい消費活動に精を出してもらったほうがましだろう。
(より低い低所得者には、給付付き税額控除で扶助を行う)

 世界的にディスインフレが問題視されている経済状況だが、悪性インフレを招かないレベルの赤字財政は無問題である。
(赤字財政は、借金が問題なのではなく、インフレにつながる可能性があることが問題なのである)


※ 参照投稿

「アメリカ経済格差がますます開く理由:「本物の金持ち」は上位1%よりごく少数の上位0.1%:「格差」レベルは戦前への回帰」
http://www.asyura2.com/14/hasan87/msg/217.html

「[富の偏在問題]「裕福なわずか67人の富=世界人口のほぼ半数35億人の富」という現実」
http://www.asyura2.com/14/senkyo164/msg/174.html
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「21世紀の資本論」旋風、日本も?

 フランスの経済学者、トマ・ピケティ氏の『21世紀の資本論』が米国でベストセラーとなり、日本の経済学界でも話題になっている。フランス語版に続き今春に英訳が出版されると、米国の学界では富や所得の格差問題を巡る議論に火が付いた。日本語訳の出版への期待も高く、分配や格差問題を改めて議論する材料になりそうだ。

 同書は、欧米や日本など20カ国以上を対象に過去3世紀にわたるデータを集め、富と所得分配の変遷を検証した。株式などの資本収益率は経済成長率より高いため、2度の世界大戦で資本が打撃を受けた時期を除くと資本を持つ人と、持たない人との格差が広がっているとの見方を示す。

 同書で日本のデータの推計を担当した森口千晶・一橋大教授によると、各地域の担当者が税務統計を基にデータを集め、国際比較が可能な客観的なデータがそろったという。福田慎一・東大教授は「綿密なデータの検証を通じて所得分配や平等など、これまであまり焦点が当たらなかった問題に一石を投じた」と評価する。

 橘木俊詔・京大名誉教授も「欧米諸国の超長期にわたる格差拡大の要因を資本収益率の高さに求めた点に独創性がある。世襲を廃して再分配する政策を好むフランスの知識人特有のリベラル派でマルクス経済学者でないところにも注目したい」と同書の意義を認める。

 ピケティ氏の矛先は主に米国に向けられており、「金融資産や所得の格差が米国などに比べて小さい現在の日本では必ずしも同じ議論は当てはまらない」(森口氏)。それでも「格差が拡大中の日本でも、ピケティ氏の仮説が妥当なのか、興味がわく」(橘木氏)との声は多く、日本でも旋風を巻き起こすかもしれない。

(編集委員 前田裕之)

[日経新聞6月12日朝刊P.26]


 

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コメント
 
01. あっしら 2014年6月17日 03:59:29 : Mo7ApAlflbQ6s : BjXYeKwuSI

[十字路]ピケティ論争から見る日本

 仏経済学者トマ・ピケティ氏の近書『21世紀の資本論(未翻訳)』が大議論を巻き起こしている。世界的に低成長経済に突入している現在、資本がもたらす富の創造プロセスが貧富の格差を拡大させているという。その対応策として国際的な協調による資産課税の導入を主張し、世界中のエコノミスト、メディアを巻き込んだ論争となっている。その行方はさておき、本書で一番面白いのは200年に及ぶ大量のデータを用いた分析とそこから導き出された富の創造のメカニズムである。

 ピケティ氏は貧富格差拡大のバロメーターとして資本の所得に対する比率を用いる。蓄積された資本は新たな所得を労働力と関わりなく生みだすため対所得資本比の上昇が貧富の格差拡大を表すとする。この比率は世界全体でみると1800年代後半に5倍だったが、戦後生産性が大幅に上昇した1950年代には2倍台まで低下し、2000年代に入り再び4倍まで上昇している。また2100年に向けて7倍近くになるとし、現在進行中の貧富の格差は今後一層拡大すると予測する。

 氏はこの比率の上昇は、投資収益率が経済成長率を上回ることにより生じると結論づける。現在みられるような低成長下における資本市場価格の上昇が続くようなら結果的に労働者より資本家のほうに富の蓄積が進む。

 面白いことに、貧富の格差が小さいといわれる日本ではこの比率は比較的高いものの先進国で唯一ここ20年間上昇していない。ピケティ氏はなぜ資本収益率が経済成長率を上回るのかを明らかにしてはいないが、起業家や投資家は高いリスクを取るから高い収益を得るという側面があるのは間違いない。日本で対所得資本比が上昇していない背景にはそういったリスクを取る資本家の欠如があり、ピケティ理論からもそれが読み取れるのは実に興味深い。

(ピムコジャパンリミテッド取締役社長 高野真)

[日経新聞6月3日夕刊]


02. 2014年6月17日 20:18:31 : 0EopofEgjc
一つ質問。

>世界的にディスインフレが問題視されている経済状況だが、悪性インフレを招かないレベルの赤字財政は無問題である。
(赤字財政は、借金が問題なのではなく、インフレにつながる可能性があることが問題なのである)

これはまぁ分らないでもないけど、「悪性インフレを招かないレベルの赤字財政」と「悪性インフレを招きかねないレベルの赤字財政」の見分け方、或いは目安についてはどう考えてるの?
それが分らないうちは、赤字財政が恒常化して赤字が積み上げられても「まだ大丈夫」とか「これはもうマズイ」って判断できないよ?


03. 2014年6月17日 22:50:42 : DuE7KOXfPY
経済の 格差益々 広がれば
行きつく先は 共産主義

04. 2014年6月17日 23:03:19 : qJHlvVBlh2
ーフランスの知識人特有のリベラル派でマルクス経済学者でないところにも注目したい」と同書の意義を認める。ーとおっしゃってますが、このリベラルというのは、フランスと日本では意味する所が違います。
フランスでは彼は、左派の経済学者と一応見なされてるみたいで、( といっても、もちろんそうでもないですが。)オランドのアドバイザーとして、早急な抜本的な税改革を提案したはずですが、オランドは実行しなかった、、、。

また、インドのモデイ氏ーすいません、小さいカタカナのイが出せなくてーの動向も非常に興味深いと思います。


05. 2014年6月17日 23:46:26 : qJHlvVBlh2
 04です。リベラル派 というニュアンスを私個人が分らないのかもしれません。一応、付け加えておきます。フランス語と日本語では意味が反対になるのを以前から感じてたので。

06. 2014年6月17日 23:58:57 : 0EopofEgjc
>>04

たぶんローマ字入力だよね。
「インドのモデイ氏」を入力して最後の「イ」を小文字にス場合。
「INNDONOMODELISI」と「Rかな」で入力する。
すると

「インドのモディ氏」って打てるよ?
Rかなの「l(iじゃないよl(エルの小文字)だよ」は、「Little」なんだよ。
la=ぁ、li=ぃ・・・・


07. 2014年6月18日 02:22:03 : qJHlvVBlh2
ーー同書は、欧米や日本など20カ国以上を対象に過去3世紀にわたるデータを集めーー最近、このような研究が聞こえてきますね。日本などはしっかりしたデータを持つ国なのでしょうね。

あっしらさんがおっしゃる、
 ーーー「21世紀の資本論」の著者であるピケティ氏は、高額所得者や資産保有者への課税強化を処方箋として提示しているようだが、それによって低所得者の所得水準が上昇するわけでも国民経済が成長するわけでもないから、あまりお奨めはできない。

 金持ちへの課税強化で期待されるのは、それを財源とした低所得者に対する減税ないし扶助であろう。それなら、低所得者の課税最低限を引き上げて税を徴収しないようにし、金持ちにはカネを稼いでもらい消費活動に精を出してもらったほうがましだろう。
(より低い低所得者には、給付付き税額控除で扶助を行う)ーーーーー

は、ほんとに、正しいと思います。
しかし、フランスや米国からの経済学者、研究者からは出てこないと思いますね。(ちなみに私はヨーロッパ在住のものです。)
不思議なんですが、発想自体がやってこないと思います。

ーーー面白いことに、貧富の格差が小さいといわれる日本ではこの比率は比較的高いものの先進国で唯一ここ20年間上昇していない。ピケティ氏はなぜ資本収益率が経済成長率を上回るのかを明らかにしてはいないが、起業家や投資家は高いリスクを取るから高い収益を得るという側面があるのは間違いない。日本で対所得資本比が上昇していない背景にはそういったリスクを取る資本家の欠如があり、ピケティ理論からもそれが読み取れるのは実に興味深い。

(ピムコジャパンリミテッド取締役社長 高野真)ーーー

この、リスクを取る資本家の欠如 を逆に考えて、関わる全てのひとの価値観とニーズに 奉仕する観点 を持つ、フランスからは出てこないような、理論を、日本から発信するかたが現れて欲しいと思います。

0EopofEgjc さん、 基礎から一つ一つ積み上げ、どんな小さな点も見逃さずに理解していく姿勢、
できそうで、なかなかどころか、ほとんどできないことです。非常に鮮やかで希有なことです。

 (どうぞ、06の、私の小さなカタカナの出し方などスルーしてくださいw。でも、ありがとう。


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