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デフレ下の技術革新の愚
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投稿者 一言主 日時 2015 年 12 月 22 日 16:01:29: AlXu/i8.H/.Es
 

技術革新とデフレ

最先端をいく技術や、サービスがどんな場合にでも市場を拡大させるわけではない。

なるほど最先端の医療や、革新的なサービスは、個人や社会にとって有意義なものが多いが、しかしそれらがいつも市場を拡大させるとは限らない。

特にデフレ下では、市場全体を拡大する重要な素因ではない。

日本はイノベーションを繰り返す以外に現状を打破する道はない、などという人達がたくさんいるが、本当にそうだろうか。

例えば携帯電話の普及は、社会にとっても、個人にとっても非常に有意義なものであるが、それが市場を拡大させたとは思えない。

日本の携帯電話の普及は、デフレの深刻化と共に、進んでいった。確かに携帯電話産業は、発展し隆盛を迎えている。しかしそれに連れて日本のデフレも深刻化していったのである。

携帯電話という一つの産業の隆盛は、多くの資源を費やす。労働力も、資金も流れていく。しかしデフレ下でのこのような現象は、他の産業の資源を奪い取り、労働力も、資金も、流出して行く。

デフレ下では、市場の資金が循環的に増えないため、一つの産業の勃興が多くの他の産業を衰退、荒廃させることになる。

若者や主婦層がスマホをよく使うため、それにコストがかかり他の物を買えない、あるいは買ってくれないという愚痴が聞こえてくる。

結局、日本の携帯電話の隆盛は、一つの産業の隆盛となり、全体の市場を拡大させることはできなかった。

しかも日本のガラケーと呼ばれる日本独自のものは、世界に発展していく事なく萎んでしまったのである。

もし日本が正常な市場の状態にあれば、ガラケーが世界に進出したかもしれないし、少なくとも国内需要が活発であればガラケーがなくなることもなかったであろう。

今デフレ下でも新しい技術や、研究が次々と市場に投入される。

正常な循環経済にある市場では、企業はさらなる売上拡大を目指し、あるいは利益増大を図るために、新たな技術、サービスを導入する。

しかしデフレ下では、企業は、売上の維持のため、借金返済のため、矢継ぎ早に、前倒しで新技術を投入せざる負えない。

それができなければ、規模や人員を維持できなくなるからである。

しかしその現場がデフレ市場である場合、投入した新技術や新しい商品は、消費不足のため、思ったほど売れなく、付加価値も少ないものになる。

そのため次々と新製品を投入していくことになる。それが現在の家電業界にみる惨状であり、今までの研究成果を使い果たしたのである。

逆に新商品が途方もなく売れれば、それ以外の産業の商品が割りを食うことになる。
企業の淘汰や、衰退の方が大きく、市場はほとんど拡大しないのである。一将なりて万骨枯る結果となる。

ハイブリッド車や、地デジ、なども減税までして導入を図っても、デフレの解消には至らず、家電界は低迷を続けており、車の国内販売も成長カーブを描いていない。

それどころかデフレ下の減税処置により、家電業界は窮地に陥ってしまった。地デジ化の推進のための減税や、エコ減税などは、デフレ下では、価格弾力性が高いので、減税が実施されると大きく伸長する。

しかしそのキャンペーン期間が過ぎ、また元の価格に戻ると、一気に売れなくなる。そのため再び減税しなければ売れなくなるのである。

またハイブリッドの車も、一度減税をし始めると、やめることができなくなる。その結果、他のハイブリッドでない車が、早々と市場から姿を消している。

エコカー減税はハイブリッドへの移行を促すが、そのような減税がなければ飽和するまで50年程かかるものが、2、30年で達成され、ハイブリッドの寿命が
早々と尽きることになるのが落ちである。

画期的なハイブリッド技術も市場の拡大をみることなく、政府の助成により早々と尽きることになる。

それ故、デフレ下では、政府が政策として技術革新の実現に援助をするのは、あまり効果がなく、民間の力に任せるべきである。

政府はデフレの解消のために、消費者への資金供与などにより、なによりも実体市場への資金供給を優先すべきであり、拡大再生産の循環を取り戻すことがもっとも大事なことである。

デフレ下では、イノベーションなどは、二の次、後回しでよい。

デフレにおいて、ある一つの産業や企業の突出は、他の数十の企業の廃業倒産縮小を促していく。個々の企業の抵抗力が資金力だけでなく、長年のデフレによる疲弊から、設備更新さえままならず、人材の補充もできず、弱っているからである。

それに応じて、失業者だけでなくそれに使われていた製造要素、設備、それに関する業者など、大きな範囲で産業基盤が消滅する。

技術革新がゾンビ企業を淘汰するはずが、さらにゾンビ企業を養成する事になるのがデフレ市場である。
そしてゾンビ企業が倒産するにつれ、生活保護所帯、失業者が増え、政府の出費が増え、ますます財政が悪化する。

デフレは市場に出回るお金の量が減少したため、生産量または生産額に比べ消費のための資金量が著しく不足している市場である。それが原因で、循環的に不良在庫が発生している。

このことは今まで何度も述べてきた。

このようなデフレ状態では、さらに生産手段を増やしたり、生産革命を起こし、生産の増大を図ることは、市場からさらにお金を生産に回し、消費からお金を吸収することになり、ますますデフレを深めるのである。
公共投資、研究開発費や、販路開拓への助成、低金利による製造業者への貸し付け、などによる生産者への資金投入は無駄である。それどころかデフレを促進させている。

法人税を減税し、消費税を引き上げるのは、まさに生産への資金供給であり、消費から資金を奪うことである。それはデフレの促進であり、大恐慌を引き起こす
政策である。

デフレ下においてイノベーションを促すような援助を政府は行ってはいけないのである。

特に、ほんの20年前に隆盛を極めていた日本の家電メーカーが、液晶テレビ、地デジ、CD、DVD,3D、4K,ブルーレイ、など矢継ぎ早に世に出していったが、どれも十分に市場を形成することができなかった。

長年研究し次代のために開発していた多くの新製品が、投入しても十分な利益が上げられず、研究開発費も回収できずに、ポシャってしまったのである。

画期的な新製品が、デフレによる国内の消費不足のため、思ったほど売れず、値引き合戦によって他を出し抜こうとするが、さらに付加価値が減っていく。

そのため仕方なく新たに次の製品を投入するが、やはり同じように、利益が出ず、十分に市場を拡大することができない。

彼らは、この10年間に、50年分の新製品を出してしまったのである。最後には次に出すものがなくなり、倒産や、別分野に進出せざる負えないことになった。

ガラパゴスが巨大化し、一般化し、世界へ展開する前に、グローバル製品が、ガラパゴスを飲み込んでしまうのである。デフレの縮小経済が、ガラパゴス化を促し、一般化せず、外側に発展できないのである。

この辺が全くデフレと正常な拡大再生産が行われている市場との違いである。

ハイブリッドのエコカーも、減税などの恩恵を受けて伸ばしているが、デフレでなければもっと自力で拡大再生を続け大きく儲けることができたであろう。

またNHKや民間テレビなどで盛んに日本の技術をたたえたり、技術革新を促すような番組をたくさん作り、流されている。

未だにデフレとはどんなものか理解できないのである。
技術革新も生産刺激策であり、生産量の増大を促すものであるため、デフレ下の資金不足の状態では、市場を縮小させる。

デフレ下では、技術革新よりも、消費者への資金供給を優先すべきなのである。

消費税を3%から5%に引き上げてから既に20年近くの歳月が過ぎてしまった。その間日本はどれだけの額を成長戦略とかイノベーションの助成のため使ってきたであろうか。

なんら効果がなく借金が増えるばかりであり、一向にデフレ経済から脱却できないでいる。それどころか昨年平成26年4月に8%に消費税を引き上げてしまった。

そして今や2千17年の消費税10%に対する軽減税率の不毛な議論を続けている。
さらに、多くの論者は今なお生産の成長を論じ、技術革新を性懲りもなく唱え続ける有り様である。

政府や、経済専門家と言われる人達、多くの経営者が根本的な間違いを犯し続けているのだ。

一言主
http://www.eonet.ne.jp/~hitokotonusi/
http://blog.so-net.ne.jp/siawaseninarou/
参照のこと。  

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コメント
 
1. 2015年12月22日 16:48:45 : MC3Dtej4S2 : W0ZRVCO5ivU[53]
やせた畑に種ばかり撒いても作物は育たない。種が無駄になるだけです。
高級車に乗っている大多数は馬鹿な銭ゲバ成金シロアリばかりでステータス
にもなりゃしない。テレビ・新聞は体制側のでっち上げた嘘ばかり垂れ流す。
スマホはつまらぬコンテンツで個人を閉鎖空間に閉じ込め考える時間を奪う。
虚飾にまみれた下劣さだけが目立つ世の中になった気がする。

[32初期非表示理由]:担当:関連が薄いコメントが多数につき全部まとめて初期非表示
2. 2015年12月22日 18:43:30 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[186]

>デフレ下の技術革新の愚


相変わらずわかってないね

そもそも今、日本国内では、既にインフレ化しており

(エネルギーを除くコア)はプラス1%まで上昇し、失業率も下がり、

人口が減っているにもかかわらず労働人口すら増えているのだが


>デフレ下においてイノベーションを促すような援助を政府は行ってはいけない

完全に頭がおかしい

高齢化で労働者の質が下がり、これだけ失業率が下がっている状況では

仮にデフレ下であっても、

産業やインフラはもちろん、介護や医療、住宅、安全など、イノベーションなしでは

日本の貧困化は加速していくだけだ


3. 佐助[3083] jbKPlQ 2015年12月22日 20:30:56 : QXWXtKzZVU : KMxE_bHF90o[106]
一言さん世界大恐慌の渦中です,これを認識し対策しなければデフレもインフレも解消しません。
1929〜32年に姿を現した第一次世界金融大恐慌は世界通貨のポンドからドルへの移行が根因。 2007〜10年にスタートしている第二次世界金融大恐慌は、ドル一極からユーロ・円三極への移行が根因を全く認識できないことが問題。1929年と2007年の世界金融大恐慌は同じ原因だというこを知ることです。要は基軸通貨の多極化なので為替を一時的に安定させなければなりません。

「2007年末、第二次世界信用収縮恐慌は、二つの傷口、米国の住宅と中国の株式市場のバブルの破裂をキッカケとして、姿を現したのです」

だから2008 年のリーマンショック後も、世界の政治と経済の指導者は、自国の農業畜海産と対外競争力の低い中小企業を犠牲にしても、関税障壁を低くし、外資を導入し、土地や株のバブルを復活させれば、恐慌にはならない、と確信しているのです。

今回の利上げは,僅かなんですが,金を保有する基軸通貨を無視するので,暴落は確実です。勘違いしないで,今回はすでにドルではないのですよ,複数の基軸通貨が金とリンクし固定為替制度にするまで,収束しません。

1990年に、日本で最初のバブルが破裂、2010年には米国で破裂した。ニクソンのキンドル交換停止から40年目の2012年、ユーロ通貨バブルははじけ、ブラジル・中国・インドのバルブもはじけた。2015年に認識されたのです。

2010 年代恐慌は、住宅土地信用縮小恐慌と債券信用縮小恐慌からスタートする。 2011年、ついにブラジル・中国・インドの住宅土地バルブが弾け、同時に、欧州各国の債券バブルが弾けたのです。

だが2015年になっても、世界信用縮小恐慌の渦中にあることを認識できない経済学者や政治家は多い。なぜバブルはバルブが弾けないかぎり見えないのか?債券バブルは、海外への投資による信用膨脹は、投資が引上げられるため発生する。住宅土地バルブは、GDPを押し上げる基幹産業になっていた住宅土地投資が、引上げられるため発生する。

次に
カジュアル期(2000-2020年)は、新しいルールを受け入れ、古いルールを破壊する社会的心理が多数派となる。そこで、新しいカジュアル商品と、新しい技術商品の市場の普及が加速される。そのために、先覚商品市場の打撃は、更に軽減される。

1930年代の米国と世界のエレクトロニクス産業が、次々と魅力的な商品を開発し、どの産業よりも、縮小&倒産は軽微だったのは、そのためだ。又、自国の若手デザイナーのカジュアル商品だけを販売した流通企業は、大不況の中で急成長することができた。

だから、慣習期の商品にあぐらをかき、市場拡大のインパクトのある商品を開発できなかった企業は、縮小&倒産は避けられない。

米国を襲った30年代の大恐慌が、各産業のトップ企業を入れ替え、次の時代をリードする企業を誕生させ急成長させた理由は、以上のとおりである。1950年代以降の世界的企業の多くは、1930年代をチャンスにして登場した企業なのだ。

そして
一国の景気後退の影響と、世界的スーパーバブル崩壊の打撃が、商品の先覚・定番・慣習期のタイミングにより異なるので。さらに、先覚期の3〜4年目のタイミングの要素が、その商品市場を不況下でも、三倍に拡大することが出来ます。「先覚期の3〜4年目の要素にジャストミートした商品は、好不況に関係なく、天候の温暖にも関係なく、売上と利益を三倍にする」という経済の予知科学の主張は、長期の大不況期にこそ、劇的に観察することが容易となる。

経済現象の最小単位のの商品では、その構成する対立要素の周期は、時間的に繰り返す。この繰り返しは、先覚期から定番期への移行タイミングで「機会損失バブル」を発生させる。そして、定番期から慣習期への移行タイミングでは「過剰生産パニック」を発生させる。

技術革命について
ディーゼルエンジンは、2010年から5年間で三倍の速度で普及しました。さらに、「丸・下・狭」の2&1BOXの革命車に搭載すると、毎年三倍以上売れて、ディーゼルエンジンの普及速度はアップします。バイオオイルエンジンは、世界的な景気の後退で、石油の相場が下がるため足踏みします。本命の燃料電池は、低出力のエレクトロ商品では実用化しても、高出力の必要な自動車では、まだ時間がかかりますがもし時間を短縮できると地球温暖化問題で世界をリードしてしまうのです。ただし2BOX仕様をセダンと企画しなければならない。

どんな大企業、どんな国家といえども、人工的・人為的にブームをつくることはできない。だが、対立要素と周期により、その反転のタイミングにジャストミートさせれば、ロングランの大ヒットが可能となるのです。

商品の世界的優位性は、40年ごとの「ルールの破壊/創造」周期によって、後進国が先進国に追い付き追い抜くことによって誕生する。後進国はルールの破壊期に、伝統慣習を破壊する度合いが、先進国よりも広く深いため、新しい流行を積極的に受け入れるために、商品の世界的優位性を獲得することになる。

新テクノロジー&新スタイリング開発に、膨大な投資を必要とする乗用車は、新テクノロジーは、定番化したスタイリングのオプションとして登場させ、失敗した時の損失を軽減しようとする。メルセデスベンツやフォルクスワーゲンの新ディーゼルも、最初は定番化されたスタイリングから搭載されたので、普及はスローだった。だが、

ハイブリッドも、ガソリンエンジンだけの燃費なら、燃料電池の重さ分、燃費順位は最低になることは、税金で購入する役人と政治家以外のエコロジストは気づいている。そのため、ハイブリッド車の改造ブームが発生し、販売は伸びない。そして消える。ハイブリッドは短命です。

そのため、既存のエンジンで、バイオ・LPガス、メタノール等の排ガスを減.させる燃料と、触媒の改良に頼らざるをえない。だが、車の普及を制限しないかぎり、空気中のCO2量の増加を阻止できない。そこで、2015年が過ぎると、世界経済は未曾有の後退にもかかわらず、究極の排ガスゼロのテクノロジー「水素発電と電磁波起電」の研究に、世界の注目が集まる。そしてこの開発に乗り遅れた大企業の消失劇を体現します。

なぜ需要と供給は不均衡になり、過剰生産が発生するのか? なぜ需要と生産の均衡が回復できるのか? 需要と供給が不均衡になるのは、人間の嗜好が規則的・周期的に変化をするのに、経験則やアト理屈では見えないためだ、しかし需要と供給の均衡期でさえも、過剰/不足を繰り返していることを歴史が物語ってい。

経済学が、第二次世界信用収縮恐慌の到来を、認識できないのはナゼか? その第一の原因は、結果を原因に倒置するアト学説に支配されているためだ。アト学説から脱出するには、面倒臭くても、国家・企業・個人のレベル別に分析し、そのエゴの論理と行動が、時間的に反転する過程を観測すればよい。

国家と企業は「賃金の高騰によって、商品の競争力を低下させてはならない」という点で一致している。だが、資本と労働の階級対立は、相互の既得権益が侵害されたとき以外は、表面化し激突しない。それ以外の時は、共通利益をもっていると思考し行動する。国家と個人間、国家間、企業間、個人間も、既得権益が侵害されないかぎり、紛争は発生しない。

どんな経済システムも政治システムも、あるレベルではプラスでも、他のレベルではマイナスになる。だから、どんな人間集団のシステムも、そのマイナスを最大限に縮小抑制し、プラスを最大限拡大伸長させることが必要である。



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