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日経平均は続伸、中小型株物色が下支え 郵政3社は反落(ロイター)
http://www.asyura2.com/15/hasan103/msg/879.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 12 月 29 日 15:53:35: igsppGRN/E9PQ
 

 12月29日、東京株式市場で日経平均は続伸。写真は都内で7月撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)


日経平均は続伸、中小型株物色が下支え 郵政3社は反落
http://jp.reuters.com/article/stock-cls-idJPKBN0UC0BO20151229
2015年 12月 29日 15:30 JST


[東京 29日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続伸。原油価格の下落や米株安を嫌気し、序盤はさえない展開だったが、内需株の一角や中小型株などに買いが入り、底堅さを維持した。海外株の上昇も支援材料となり、日経平均は前日比で100円を超す上昇となった。ただ、年末相場で市場参加者は乏しく、東証1部の出来高は今年2番目の少なさだった。

東証業種別指数では鉄鋼を除く32業種が上昇。東証1部の8割が値上がりし、堅調な地合いだった。節税対策売りの一巡と新年相場への期待感から新興株を中心に幅広く買われ、市場心理の安定化につながったという。GLOBEX(シカゴの24時間金融先物取引システム)の米株価指数先物や中国株などがしっかりだったことも支援材料となった。

前日まで軟調な値動きが続いていた村田製作所(6981.T)や日東電工(6988.T)などの上昇が目立った。「出来高が伴っておらず、積極的に買われたというよりも売りが止まった印象だが、電子部品株が切り返したことで買い安心感が広がった」(松井証券のシニアマーケットアナリスト、窪田朋一郎氏)との声が出ていた。

個別銘柄では、ココカラファイン(3098.T)が反発。同社の2016年3月期の連結経常利益が前期比2.1倍の140億円程度と、3期ぶりに最高益を更新する見通しとの一部報道が材料視された。大和証券が投資判断「1」に引き上げた熊谷組(1861.T)も高い。

きょう引け値でTOPIXに算入される日本郵政(6178.T)、ゆうちょ銀行(7182.T)、かんぽ生命保険(7181.T)は前日まで上昇していた反動から利益確定売りが優勢となり、いずれも大引けで一段安となった。

東証1部騰落数は、値上がり1557銘柄に対し、値下がりが277銘柄、変わらずが101銘柄だった。

日経平均.N225

終値      18982.23 +108.88

寄り付き    18843.39

安値/高値   18783.36─18991.01

TOPIX.TOPX

終値       1543.39 +14.17

寄り付き     1527.59

安値/高値    1521.08─1545.12

東証出来高(万株) 157873

東証売買代金(億円) 17689.94

(杉山容俊)

 

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コメント
 
1. 2015年12月29日 21:39:00 : oLShHzBbYM : Eeyw9@1MG64[9]

ヘッジファンドの展望、「苦あれば楽あり」
By
LAWRENCE C. STRAUSS
2015 年 12 月 29 日 08:26 JST
•不振だったヘッジファンド
 11月末現在、ヘッジファンド業界全体のパフォーマンス指標のHFRIファンド・ウェイテッド・コンポジット指数は年初来0.27%の上昇となった。12月中旬時点での上昇率はさらに高まったものの、1%にも満たず話にならない。あるベテランのヘッジファンドマネジャーは、不振の原因は根本的なミスマッチだと言う。つまり、典型的なヘッジファンドは複雑な手法によって付加価値を生み出そうとするが、過去2年間の市場は単純さが全てだった。
 株式市場全体は年間で横ばいだったが、大半の銘柄が下落する中、一部銘柄が大幅に上昇して株価指数を押し上げる形となった。トップは約150%上昇した動画配信大手のネットフリックス(NFLX)。大きく離れてグーグルの親会社であるアルファベット(GOOGL)が約45%の上昇、フェイスブック(FB)が約33%の上昇だった。2兆9000億ドル規模のヘッジファンド業界の中で株の空売りに特化したヘッジファンドはほんの一握りしかなく、全体的な市場の下落に乗ることができたマネジャーは多くなかった。また、ミューチュアルファンド業界と同様、上記の大幅上昇銘柄に投資しなかったヘッジファンドのパフォーマンスは低迷した。
 ヘッジファンドに投資しているバンク・オブ・アメリカのグローバル・ウェルス・アンド・インベストメント・マネジメント部門の最高投資責任者(CIO)のクリス・ハイジ氏は別の見方をしている。市場全般の見通しに懸念を持った多くのマネジャーが過剰なヘッジをし、投資機会を逃したのではないかというのだ。欧州の大手ヘッジファンドであるブルークレスト・キャピタル・マネジメント、ジョン・ポールソン氏、グレンビュー・キャピタル・マネジメントのラリー・ロビンズ氏などが特に苦戦した。
 一つの指数が全てを語るわけではないが、ヘッジファンド・リサーチ(HFR)がヘッジファンド戦略を4つに区分したサブカテゴリーのいずれでも立派な成績を収めたものはない(11月30日現在)。株式ヘッジが0.33%の上昇、イベント・ドリブンは2.3%の下落、マクロは0.49%の上昇、そして債券やその他の戦略を含むレラティブ・バリューは0.68%の上昇となった。特に大きな打撃を受けたのはエネルギーや素材に注目したファンドで、平均7.68%の下落となった。
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 少ないながら勝ち組もある。テクノロジー/ヘルスケア指数は6.3%上昇し、一連のボラティリティの機会をうまくとらえたファンドも平均で6.5%の上昇とパフォーマンスが良かった。
 56億ドルの運用資産をヘッジファンドに投資するエバンストン・キャピタル・マネジメントで最高経営責任者(CEO)兼CIOを務めるアダム・ブリッツ氏は、2015年はマネジャー選別の年だったと語る。「過去数年に比べると個々のマネジャーのパフォーマンスに大きな差が出たはずだ」「個々のマネジャーのパフォーマンスには非常に大きなばらつきがあった」と述べた。
•2016年のパフォーマンスに楽観論
 新年を前に、パフォーマンスに対する楽観的な見方が出てきている。80億ドルでファンド・オブ・ヘッジファンドを運用する、オーロラ・インベストメント・マネジメントのスコット・シュバイグハウザー社長は、米連邦準備制度理事会(FRB)による金利引き上げにより、金利の方向性がはっきりし、不透明感が払しょくされたと言う。同氏は投資機会の一例としてイベント・ドリブンの特にM&A(合併・買収)に注目したファンドを挙げる。「企業は、金利が高くなり過ぎる前に事を済ませたいだろう」とみている。
 欧州や日本の中央銀行が金融緩和を続ける中でのFRBによる金融引き締めは、株式・債券・通貨・金利などを含む全ての資産クラスを通じて市場に一段の変動をもたらすという見方が、ヘッジファンドにとっての強気論の根拠の一つとなっている。ばらつきが大きくなることによって、ロングにおいてもショートにおいてもポートフォリオマネジャーがスマートなトレードをする機会が増えるだろうという理屈だ。同様の議論は以前にもあったが、結局、多くのヘッジファンドのパフォーマンスは可もなく不可もない結果となった。昨年のヘッジファンドの上昇率は平均で3%程度だった。米金利が上昇局面入りしたからには、この見方の正当性が試されることになるだろう。

http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-LW257_ONBO86_NS_20151227225303.jpg 

 

通貨安の輸出押し上げ効果が低減、その理由は
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ドイツの自動車部品メーカー、ロバート・ボッシュの工場(ブライヒャッハ、ドイツ) PHOTO: KRISZTIAN BOCSI/BLOOMBERG NEWS
By
PAUL HANNON
2015 年 12 月 28 日 14:29 JST
 今年は世界中の中央銀行が金融緩和を通じて自国の為替相場を押し下げ輸出を支えようとした。
 普通なら、こうした動きは他国を犠牲にする「通貨戦争」につながるといった議論に火が付くものだが、今回はそうした動きは見られない。
 このように平静が続いている理由、すなわち、貿易動向の変化が通貨安の影響を弱めていることを裏付ける証拠が増えつつある。
 両者の相関はずっと強まる可能性がある。世界の中銀の中で特に影響力が大きい米連邦準備制度理事会(FRB)と欧州中央銀行(ECB)の金融政策が正反対の方向に向かっており、それと並行してドル相場とユーロ相場も対照的な動きになると思われるためだ。
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米ニュージャージー州のニューアーク港 PHOTO:JULIO CORTEZ/ASSOCIATED PRESS
 貿易動向の変化の一つとして、輸出企業の部品の調達先が変わった。製造業企業はかつて部品の大半を国内で調達していた。現在は調達先を海外に求める企業が増えている。結果として、輸出品に占める輸入部品の割合が大きく伸びている。
 確かに、ユーロが下落すれば、ドイツ製品の米国での販売価格は下がるが、ドイツ企業が輸出品を製造する際に使う輸入部品の価格も上昇する。
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 グローバル・サプライチェーン(国際供給網)が貿易動向に及ぼす影響の測定については、経済協力開発機構(OECD)と世界貿易機関(WTO)が研究課題として取り組んでいる。両機関のエコノミストは世界中の詳細な経済統計を用いて、各国の輸出品に海外部品が占める割合を調べた。その結果、この割合が1990年代半ば以降に大きく伸びていることを確認した。例えば、フランスの輸出品に占める海外部品の割合は2011年に25%と、1995年の17%から上昇した。欧州全域で起きている同様の変化を反映した格好だ。
 国際通貨基金(IMF)と世界銀行のエコノミストはこの尺度を用い、為替の動きが輸出入に及ぼす影響について現在と過去を比較した。そして、その影響が時間とともに実際に薄れていることを突き止めた。30%も低減した国もあったという。
 政策当局はこのことに気付き始めている。ECBのオピニオンリーダーの1人であるクーレ専務理事は先月カリフォルニアで行った講演で、「国際的なバリューチェーンを通じて国々の垂直統合が強化されているため、為替レートの変化が交易条件に及ぼす影響は減るだろう」と述べた。
 クーレ専務理事は、このプロセスにより為替相場の「衝撃吸収材」としての役割(世界の需要を経済力の強い国から弱い国へ向かわせる役割)は低下すると結論づけた。
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(左)ドルの対円相場、(右)日本の輸出高の前年比変化率
 為替相場が大きく下落しても輸出押し上げ効果は以前より小さいということは、日本の例を見れば歴然だ。日本銀行が2013年4月に大規模な緩和策を導入し、円の供給を拡大すると、円はドルやユーロに対して急落した。
 この戦略は、日本経済を長期低迷から脱却させる包括策の柱の一つだった。だが、その後の反応はやや期待外れに終わった。円安になっても日本の輸出はさほど伸びず、経済成長は上向かなかった。これに困惑した政策当局は、世界経済の需要の弱さが原因と指摘したが、仮にその通りだとしても、日本の輸出企業の市場シェアは拡大していたはずだ。
 ECBが今年1月に量的緩和の導入を決めると、同じような展開が見られた。円と同様、ユーロも下落した。14年初頭からのドルに対する下落相場が続き、足元では下落率が20%程度に達している。
 15年初めの時点では、ECBの導入した量的緩和によって輸出が拡大し、ユーロ圏の経済成長が加速すると期待されていた。だがまたしても、通貨安の効果は限定的だった。それどころか7-9月期は、輸入の伸びが輸出を上回り、ユーロ圏の経済成長を押し下げた。鉱工業生産は横ばいにとどまった。
 通貨安の反応が期待外れだったからといって、FRBとECBの大きな政策乖離(かいり)が為替相場に何も影響しないというわけではない。FRBが今月およそ10年ぶりの利上げに踏み切ったことで、これは米企業にとって大きな不安材料となっている。ECBはその数週間前に追加緩和を発表したばかりだった。エコノミストの多くは、米国の輸出がやや落ち込む一方、ユーロ圏の輸出がいくらか持ち直すとの見方を変えていない。
 また、IMFと世銀のエコノミストが指摘するように、為替相場が輸出の拡大や減少にどの程度影響するかは、輸出品に占める海外部品の割合次第だ。経済全体で見ると、米国の輸出品に占める海外部品の割合は15%程度と、世界でも特に低い水準にある。対照的にドイツは25%を超える。
 OECDの貿易エコノミスト、セバスチャン・ミロウド氏は「米国に関しては、海外部品の割合が低いため話がより複雑だ」と述べた。
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2016年の米金利、上昇懸念は無用
By
AMEY STONE
2015 年 12 月 28 日 12:49 JST
 ずばり本題に入ろう。2016年に金利がどれくらい上昇するかを心配しているのなら、答えは「あまり上がらない」だ。
 米連邦準備制度理事会(FRB)がようやく利上げの道を歩み始めたところで、これは大胆な意見に聞こえるかもしれない。だが実際にはこれが債券ストラテジストの総意だ。歳出拡大、失業率の低下、堅調な自動車・住宅関連部門などを踏まえると、低インフレ・低成長の米経済にはまだ余力があり、あと数回の利上げに耐えられることは極めて明らかだ。
 金利は全ての年限で上昇する可能性が高いが、利回り曲線は平らになり続けるだろう。大半のストラテジストは2016年末の10年物米国債利回りを、現在の水準(25日時点で2.24%近辺)よりやや高い2.5%前後と予想している。
 利上げにもかかわらずなぜ低金利が続くと考えられのかを理解するには、世界的視野に立つと分かりやすい。米経済には弱い部分がいくつかある。世界経済成長の低迷やドル高が米製造業を圧迫し、エネルギーなどの商品(コモディティー)関連部門に打撃を与えてきた。多くの先進国(欧州、中国、日本)は脆弱(ぜいじゃく)な経済のてこ入れに最善を尽くしている。米国が反対方向へ急ぎ過ぎることは絶対にできない。トレードウェブによると足元の10年物ドイツ国債利回りは0.62%で推移しており、そうした中で2.2%という米国債利回りはドイツの投資家にとって投資妙味が高い。米金利が上昇すれば、米国債の買い手も増えるだろう。
 だが、落ち着いた金利動向を見込むあまり気を緩めてはならない。JPモルガン・アセット・マネジメントの債券部門グローバルヘッド、ボブ・マイケル氏は、2016年が債券投資家にとって厳しい年になるとみており、「政策変更が増えるため、ボラティリティー(相場の変動率)は上昇の一途をたどるだろう」と指摘する。
 マイケル氏が予想するのは、FRBが3月と6月に利上げしフェデラルファンド(FF)金利を0.75%〜1.0%に引き上げるものの、以降は「選挙を避けて」小休止するというシナリオだ。債券利回りはそれ以後徐々に低下する公算が大きいと言う。
 2016年前半は特に波乱含みだ。原油は14年末に急落したので、前年比での原油安はあまり影響せず、インフレがいくらか上向くはずだ。そしてサービス業部門は引き続き堅調だ。インフレが予想以上に上昇し、経済が弱まりつつある中でFRBが積極的に利上げする恐れがある。投資顧問会社エドワード・ジョーンズの投資ストラテジスト、トム・カースティング氏は「景気拡大が少し年老いつつある」と指摘した。
 米経済の明るい見通しは、個人消費が引き続き強いことを前提としている。投資会社フランクリン・テンプルトンで債券委員会副議長を務めるマイク・マテラッソ氏は、消費者が雇用増、ガソリンや暖房費の下落、輸入物価の低下の恩恵を受けると予想している。FRBの利上げが株式市場を破壊しない限り、堅調な消費が減速する設備投資を押し上げるはずだ。
 運用会社オッペンハイマーファンズの最高投資責任者(CIO)、クリシュナ・メマニ氏は、「われわれは信用サイクルの後半にあり、その終わりにいるのではない」と言う。同氏は投資対象として、投資適格社債、シニアローン債権、一部の高利回り債の順で好んでいる。戦略的な投資を望むならば、来年に向けて「(投資が)枯渇した場合に利用できる手元資金」を持っておくことが理にかなっていると指摘。「3年の見通しを維持する度胸をしっかり持つことだ。この8月に切り抜けねばならなかったような荒れ相場が何度もあるだろう」と語った。
 そのような度胸のない投資家は、リスク投資を減らすべきだ。例えば、投資適格社債の利回りは4%あるので、リスクの高いジャンク(投資不適格)債にあえて収益を求める理由はあまりない。ウェルズ・ファーゴの資産投資管理部門CIO、ダレル・クロンク氏は、「2016年には、みなさんにあらためて利回りを追求しないよう教える必要がある。攻めるよりも守りを固めるべきだ」と指摘した。
 エドワード・ジョーンズのカースティング氏は、「株式相場がかなり調整すれば、投資家は債券を持っていて本当に良かったと思うだろう」と述べ、相場が不安定で金利が上がっている場合、分散投資が債券を保有する主な理由だと語った。
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世界の短期金利(左上)、世界の長期金利(右上)、米国債の利回り曲線(左下)、米各種債券利回り(右下)
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FRB、マイナス金利導入の可能性も
By BEN LEVISOHN
2015 年 12 月 29 日 11:02 JST
 米連邦準備制度理事会(FRB)は2006年以来の利上げに踏み切ったばかりだというのに、すでに誰もがイエレン議長らはいつまた利下げを余儀なくされるだろうかと考えている。

 利下げ前には、利下げは景気減速、場合によってはリセッション(景気後退)さえ招きかねない間違いを犯すことに等しいと主張していた人はほとんどいなかったようだ。だが現在は、景気が鈍化し始めたときに予想されるFRBの政策について書かれた調査リポートがいくつも公表されている。米投資銀行キーフ・ブリュエット・アンド・ウッズ(KBW)のフレデリック・キャノン氏らが執筆した24日付のリポートは、米国でマイナス金利が導入される可能性を考察している。以下はリポートからの抜粋だ。

 「米経済は2016年も拡大を続け、FRBは徐々に金利を引き上げるとみている。しかし、経済成長減速やインフレ期待の後退につながる多くの悪材料が浮上するシナリオも考えられる。そのような場合、FRBは緩和的な金融政策の推進を望むだろう。とはいえ、マイナス金利政策の実行を決めない限り、利下げの選択肢は限られている。当行では、マイナス金利が検討されると考えており、その場合は銀行株が売られる恐れがある。ただ、量的緩和(QE)の拡大の方が可能性としては高いと思う。信用スプレッドの縮小や金融資産価値の押し上げにつながるQE拡大は、銀行にとってよりプラス効果が大きいだろう」

 「当行の見立てでは、FRBがマイナス金利を推進するなら、欧州で提案されているように金融システムを階層化し、階層ごとに影響が及ぶ対象を限定する公算が大きい。米国の場合、マイナス金利は最も流動性の高いユニバーサルバンク(総合銀行)が対象となるだろう。規制制度においては、世界の金融システム上重要な銀行はそうでない銀行よりもはるかに厳しい規制が課せられ利益率も低い、といったようにすでに階層構造が採用されており、当行の予想通りなら金利政策もこれに倣う格好となる。従って、景気減速下では大手銀行が最も強い圧力を受ける見通しだ」

 だが、マイナス金利を導入しなくても銀行はすでに圧迫されている。12月16日の利上げ以降、銀行株は軒並み売られており、バンク・オブ・アメリカは3.7%安、JPモルガン・チェースは2%安、シティグループは2.9%安、ウェルズ・ファーゴは2.4%安といった具合だ。同じ期間にS&P500種指数は1%安にとどまっている。

 これが何を意味し得るのかについては考えたくもない。

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マイナス金利、その不思議な世界
米ゼロ金利解除【特集】


マイナス金利、その不思議な世界

スイス国立銀行(写真)は預金金利を0.75%に設定している PHOTO: GIANLUCA COLLA/BLOOMBERG NEWS

By TOMMY STUBBINGTON
2015 年 12 月 10 日 11:06 JST

 かつては銀行にお金を預けることが良いことだった。

 現在、デンマークの企業は現金を手放すために早めに税金を支払っている。スイスのある小規模銀行では、顧客の預金が年間0.125%減る見通しだ。

 ただ、悪いことばかりではない。デンマークでは、住宅ローンを変動金利で借りている住民が毎月、取引銀行から利子を受け取っている。

 銀行が資金を預け入れた顧客に金利を支払うのではなく手数料を課すマイナス金利の世界では、こうした逆転現象が起きている。

 欧州中央銀行(ECB)は先週、預金金利をマイナス0.2%からマイナス0.3%に引き下げた。

 ユーロ圏の近隣国で、相対的に規模が小さいデンマーク、スウェーデン、スイスの3カ国は、ECBの利下げを受けて政策金利をマイナス圏まで引き下げた。その結果、異様な出来事がいくつも起きており、大手企業や消費者、またそれ以外の誰もが影響を受けている。これら3カ国の状況を見れば、ユーロ圏がマイナス金利という道をさらに進めば何が起きるかを垣間見ることができる。

 ハンデルスバンケンのデンマーク担当チーフエコノミスト、イエス・アスムセン氏は、こうしたマイナス金利の流れが止まったとは思わないとした上で、「エコノミストとして訓練を受けた際、マイナス金利は教科書に載っていなかった。ただ今はそれが現実で、その変化はとどまるところを知らない」と話した。

 マイナス金利というシナリオは実現しないものと考えられていた。経済学では、金利の下限はゼロとされている。しかし、欧州の景気低迷があまりにも長引き回復が難しいため、欧州諸国の中央銀行は利下げで自国経済を後押ししている。金利を1%から0.5%に、そして0.5%からゼロに引き下げることが景気の後押しにつながるのだとしたら、マイナス0.5%を試さない理由などあるだろうか。

 欧州のマイナス金利という冒険は始まったばかりで、どのような結末になるかは全く分からない。ECBのマイナス預金金利はユーロの価値押し下げに貢献している。自社製品が海外の買い手にとって割安となるユーロ安は、欧州の輸出企業にとって好都合だ。だが、欧州経済は辛うじてプラス成長を達成している程度で、インフレ率もまだゼロ近辺に張り付いている。

 とはいえ、根本的な疑問が残る。マイナス金利に経済的な恩恵はあるのか、中央銀行がマイナス幅をさらに大きくすれば経済成長は回復するのか、それともマイナス金利の異様な姿は現金を抱え込む動きや住宅などの資産バブル、制御不能なンフレといった深刻な影響の前触れなのか、といった疑問だ。

 理論的には、マイナス金利は融資の促進という形で消費者や企業に恩恵を及ぼす。そのため、現金は緩和策が生み出した厄介な存在となり、誰もが現金を保有するよりも使いたがるはずだ。

 今のところ、マイナス金利の効果が統計上、確認できたとまでは言えない。ユーロ圏では銀行融資がわずかに伸び、緩やかながら安定した景気回復を支えている。それでも、インフレ率は回復せず、11月は0.1%にとどまった。スウェーデンも2013年以降はインフレ率がゼロ近くにとどまる。2月に「マイナス金利クラブ」入りしたというのに、だ。ECBはインフレ率を2%弱で維持することを目指している。

 スイス国立銀行(中央銀行)は過度のフラン高を抑えるため、フラン紙幣を増刷してフラン売り・ユーロ買いを長らく行っていたが、買い入れによる外貨建て資産増大への懸念から2015年1月にこうした無制限の市場介入を中止した。

 国内輸出企業にとって打撃となるフラン高の影響を抑えるため、スイス中銀は2014年12月にマイナス金利の導入を発表した。金利がマイナスになると、その通貨を保有する魅了は薄れることが多い。ところが、フランはユーロに対し急騰し、以降はマイナス金利導入前より約11%高の水準近辺でのレンジ相場が続いている。

 スイスと対照的に、デンマーク国立銀行(中央銀行)はマイナス金利の導入で通貨の安定化に成功した。欧州中央銀行(ECB)の利下げを受けてデンマーククローネには投機筋の買いが殺到していたが、マイナス金利はこうした投機筋の撃退に一役買ったのだ。デンマークの経済成長は比較的しっかりしており、2015年の成長率は1.6%と予想されている。

 それでも、デンマークとスウェーデンのマイナス金利は住宅価格の上昇を招き、主要都市では住宅バブルへの懸念が広がっている。集合住宅の平均価格を見ると、デンマークでは2015年前半に8%上昇し、スウェーデンでも一年前より16%高い。

 他にも奇妙な影響が現れ始めている。デンマークでは数千人もの住宅保有者の住宅ローン金利がマイナスになった。つまり、住宅ローンの借り手は銀行に対し毎月、元本と利子の合計ではなく元本から利子を差し引いた金額を返済するということだ。

 デンマークの住宅ローン最大手ニュークレジットのソレン・ホルム最高財務責任者(CFO)は「できればこれが一時的な現象だといいのだが」と語った。マイナス金利の管理は順調だが、銀行から現金を受け取っている借り手もいるという事実は大々的には公表していないと言う。「これをマーケティング手段として使うつもりはない」と述べた。

 デンマークの銀行ロビー団体によると、国内銀行がマイナス金利の影響で今年被った損失は10億クローネ(約180億円)を超える。

 ユスケ銀行の資本市場部門マネジングディレクター、エーリク・ゲードベルグ氏は「コストを負担しているのは銀行だ」とし、状況が悪化すれば同行に預金している中小企業や個人客に手数料を課す可能性もあると述べた。「何とかしてこれを市場に転嫁しなければならない」と話した。

 スイスでは、すでに預金客からの手数料徴収を決めた銀行が1行ある。中小銀行のオルタナティブ・バンク・スイスは10月、顧客に対し書簡でこの方針を伝えた。

 スイス中銀の預金金利はマイナス0.75%だが、ABSのマーティン・ローナー最高経営責任者(CEO)はもういい加減にしてほしいとの思いから、全ての預金金利をマイナス0.125%に設定した。マイナス金利が銀行の利益を圧迫していると言う。

 一方、スイスの大手銀行の場合、大口の法人顧客に対してマイナス金利を導入している銀行は多いものの、個人客から手数料を取る銀行はまだない。だが、金利のマイナス幅がさらに拡大すれば、状況は変わる可能性がある。

 金利がどこまで下がるかだが、厳密な下限はない。商業銀行が個人客を相手に一斉にマイナス金利を設定し始めれば、現金で手元に置いておいた方が良さそうだということになるかもしれない。結局のところ、現金保有の金利はゼロだが、コストがかからないわけではない。安全な保管場所が必要であるほか、オンラインでの買い物には使えない。

 それでも、一部のエコノミストは、中銀が完全に使いこなせるのであれば、マイナス金利は強力な景気刺激手段になり得ると指摘した。

 ミシガン大学のマイルズ・キンブル経済学教授は、中銀に対して金利を大幅なマイナス水準へ引き下げるよう訴えている。同教授は、深刻なリセッション(景気後退)期のように資金需要が低い時は、中銀は市中銀行に報酬を与えてでも借り入れを必要な限り容易にすべきだと主張する。

 キンブル教授は現金保有問題に関して、銀行券の価値を下げるという斬新なやり方で対応すれば良いと考え、米連邦準備制度理事会(FRB)が紙幣と電子マネーの交換レートを設定してはどうかと提案している。例えば金利をマイナス1%にしたいのであれば、1年間預金した100ドル紙幣は銀行口座で99ドルになると定めることができる。

 FRBはこの7年間、政策金利をゼロ近辺だがプラス圏に据え置いている。イエレンFRB議長は来週の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げする用意があると示唆してきた。

 大幅なマイナス金利は全くの空理空論というわけではない。先進国の大半では金融危機後の回復が何年も続く中で金利は(事実上の)ゼロにとどまるため、中銀関係者は、再びリセッション入りした時に利下げ余地があまりないことに気づくかもしれない。

 キンブル教授は「中銀の政策手段が尽きたと言うのは誤りだ」とし、「マイナス金利であれば次のリセッションが到来する前から利用できる。どこまで下げても限界はない」と述べた。


FRB内の意見対立、2016年はさらに深まる恐れ

来年FOMCの議決権メンバーとなる(左上から時計周りに)カンザスシティー連銀のジョージ総裁、クリーブランド連銀のメスター総裁、ボストン連銀のローゼングレン総裁、セントルイス連銀のブラード総裁 PHOTO: CLOCKWISE FROM TOP LEFT: ALBUQUERQUE JOURNAL/ZUMA PRESS, BLOOMBERG NEWS,
http://si.wsj.net/public/resources/images/BN-LV661_FEDROT_M_20151223180725.jpg


By BEN LEUBSDORF
2015 年 12 月 29 日 10:07 JST

 米連邦準備制度理事会(FRB)は来年、米経済の健全性を評価し、追加利上げの時期や程度を検討するにあたり、これまで以上に当局者間の意見の違いが明確になる可能性がある。

 FRBは今月16日に約10年ぶりとなる利上げを決定したが、来年の連邦公開市場委員会(FOMC)議決権メンバーの入れ替えでは、これより前から利上げを主張していた地区連銀総裁が今年コンセンサスに沿う投票をしてきたメンバーと交代する。利上げ前の議論が追加利上げをめぐる対立の前兆であるならば、来年は政策に対して反対意見が強まる恐れがあると言えるかもしれない。

 セントルイス地区連銀のブラード総裁は11月、「経済が想定以上に力強く推移していることを理由に(利上げを)加速するという選択肢も維持すべきだ」と述べた。ブラード総裁は来年、FOMCの議決権を持つ。

 来年はこのほか、カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁、クリーブランド地区連銀のメスター総裁、ボストン地区連銀のローゼングレン総裁が議決権を取得する。

 ジョージ総裁は一貫してFRBの緩和策に反対姿勢を示しており、2013年にはFRBが債券買い入れ措置の縮小に着手するまで政策に反対票を投じていた。

 ブラード総裁は15年初めの利上げを望み、利上げ開始を待ち過ぎれば後手に回りかねないと警告していた。ただ、経済指標に基づいて政策を機動的に調整すべきだと主張した。

 メスター氏も12月のかなり前から利上げを支持していた。だが議決権を有していた14年には反対姿勢を明示せず、「段階的な」利上げを望むイエレン議長に同調していた。

 金融危機後にFRBが打ち出した刺激策を支持してきたローゼングレン総裁は、来年議決権を新たに取得する4人のうち唯一今年初めに利上げを支持していなかったメンバーだ。同氏は緩やかなペースでの金利引き上げが必要との見解を明らかにしている。

 来年の入れ替えで議決権を失うのは、シカゴ地区連銀のエバンズ総裁、リッチモンド地区連銀のラッカー総裁、アトランタ地区連銀のロックハート総裁、サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁。このうち、ラッカー総裁だけが今年9月と10月の会合で利上げ開始を主張し、2度にわたり政策据え置きに反対票を投じた。

 FOMCは7人のFRB理事(現在は2人欠員)と12人の地区連銀総裁のうち5人で構成されている。ニューヨーク連銀総裁は常に議決権を持ち、残りは11地区連銀総裁から4人が毎年輪番で選ばれる。ただ、全ての地区連銀総裁が会合には出席し、議論に参加する。

 常任メンバーがイエレン議長の意見に反対することは少なく、主導権を握るのは引き続きイエレン議長となる。議長は12月中旬、「将来的な政策行動は当然ながら完全雇用と2%のインフレ率というFRBの責務に照らして経済がどのように進展しているか次第だが、(金利引き上げは)段階的に進む公算が大きい」と発言した。

 ライトソンICAPのチーフエコノミスト、ルー・クランドール氏は、議決権メンバーが入れ替わっても「政策の大筋はまったく変わらない」と指摘。FRBはコンセンサスに沿って政策を決定する傾向があり、議決権メンバーは反対票を投じることはできるが、議決権がなくても講演など公の場で反対姿勢を示すことができる。クランドール氏は「議長は政策声明の最後に記載される投票結果と同様にFRBのコミュニケーション全体のまとまりも気にかけている」と述べた。

 イエレン議長はコンセンサス形成能力に長けている。2015年に反対票を投じたのは2人で、これは2009年以来の少なさだ。12月の会合で短期金利をゼロ近辺から0.25?0.5%に引き上げたのは、全会一致での決定だった。

 追加利上げペースについては、FRB幹部らの意見がすでに分かれている。12月時点では2016年末のフェデラルファンド(FF)金利の予想中央値が1.375%で、来年0.25%の利上げが4回行われることが示唆されている。だが個別の見通しでは2回から7回の利上げが見込まれており、その差は大きい。

 年明け最初の会合は1月26・27日に予定されている。1月1日付でコチャラコタ総裁に代わりミネアポリス地区連銀連銀に就任するカシュカリ氏も参加する。

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中銀インフレ目標、来年は「2%懐疑論」に勢いか
By TODD BUELL
2015 年 12 月 29 日 10:34 JST
 世界の中央銀行の動向に関して来年注目すべきポイントの一つは、主要中銀の年間インフレ目標は2%が妥当との共通認識を改めるよう圧力が高まるかどうかだ。

 エネルギー価格が低迷し、景気の弱さが続く中、主要国はここ数年、2%のインフレ率を回復するのに四苦八苦している。ユーロ圏のインフレ率が2%を付けていたのは3年ほど前の話で、最低でもあと数年はこの水準に戻ることはなさそうだ。欧州中央銀行(ECB)はインフレ率を中期的に2%弱で維持することを目指している。

 米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視する個人消費支出(PCE)価格指数も、3年半にわたり目標の2%を下回る。今月発表されたFRB理事と地区連銀総裁の見通しでは、同指数が目標水準に届くのは2018年以降との見方が示された。

 エコノミストの間では、目標水準を引き上げれば中銀はさらに思い切った緩和策が必要になるとの見方から、目標引き上げを求める声もある。だが、当局者は正反対のこと、つまり、人口高齢化や過剰生産能力に直面する中で目標値をより現実的な水準へ引き下げるよう提案している。

 前ドイツ連邦銀行(中央銀行)総裁で現在はUBSの会長を務めるアクセル・ウェーバー氏は11月、「目標を頻繁に変えることには賛同しないが、インフレ率が長期的に落ち込んでいることは確かだ」と述べた。

 ECBのインフレ目標引き下げを支持する向きは、欧州の高齢化社会が意味するのは域内経済の成長減速ないし縮小であり、生産と投資は落ち込み、物価に下押し圧力が掛かる恐れがあるとみる。これは日本を何年も苦しめている問題だ。ECBはこの1年に金融緩和策を拡充し、ユーロ圏が日本型のデフレに陥るのを回避しようとしてきた。

 言うまでもないが、ウェーバー氏は金融緩和策に批判的なことで知られる。ドイツ連銀のバイトマン現総裁などウェーバー氏に考えが近い当局者は、極端な緩和策のリスクと副作用を繰り返し警告している。具体的には、資産価格バブルや商業銀行の収益減少、一部諸国の経済構造改革意欲の低下といったものがある。同氏のようなタカ派にとってインフレ目標を引き下げるメリットの一つは、中銀に対してそうした大胆ではあるがリスクも高そうな措置を求める圧力が緩和することだ。

 少なくともECBに関しては、インフレ目標の早期見直しはないと考えるべきだろう。ECBのメルシュ専務理事は先般、「適当な手段が尽きて戦略を変える人がいる」が「私はその1人ではない」とし、「インフレ目標は危機のさなかに変えるものではない」と語った。

 とはいえ、最近のECBのように、中銀がインフレ見通しの引き下げを余儀なくされ続けた場合、メルシュ専務理事など中銀関係者は新年早々、インフレ目標を疑問視する声を数多く耳にする可能性がある。

原文(英語):Will the 2% Inflation Goal Face More Scrutiny in 2016?

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世界情勢予測ーハーバード大の著名教授に聞く
By VITO J. RACANELLI
2015 年 12 月 29 日 08:46 JST
? ファーガソン教授は、欧州、中国、サウジアラビアで問題が増加すると予想

 ハーバード大学のニーアル・ファーガソン教授は、「Civilization: The West and the Rest(邦題:『文明:西洋が覇権をとれた6つの真因』)をはじめ、数多くの著書があり、経済学、ファイナンス、地政学を総合した観点から世界を眺め、米国が世界の警察の役割から降りたことが世界経済の低迷の一因と主張する。中国の真の市場経済体制への移行は失敗すると予想し、サウジアラビアではちょうど1979年のイランのように、動乱の機が熟していると述べる。

本誌:米国経済は年2〜3%の成長率だが、エンジン全開といかないのはなぜか?

ファーガソン教授:少なくとも三つの理論がある。まず、金融危機後の二日酔い状態が7年続いたが、ようやく来年すっきりするというもの。次に、経済は長期的な低迷状態にあるという理論もある。私は第三の地政学的な理論に魅了されている。米国の歴史を振り返ると、国力が強い時は経済成長率も高く、国力が弱ると成長率も低下している。経済成長率がなぜ低いかを理解するには三つの理論を組み合わせる必要がある。長期平均と比べると現在の経済成長率はさほど低くないが、冷戦時代と比べると低い。2001年9月11日の同時テロ以降、米国の状況は悪化し続けている。グローバル経済は、紛争抑制や公海の自由の確保のためなどに強力な覇権国家が必要だ。19世紀にはイギリスが、20世紀のかなりの時期は米国がその役割を果たしていた。しかし2013年にオバマ大統領は、今や世界の警察は存在しないと発言した。世界最強の国が主導権を放棄した場合は悪影響が出て来る。

Q:例えばどのような影響か?

ハーバード大学のニーアル・ファーガソン教授 ENLARGE
ハーバード大学のニーアル・ファーガソン教授 PHOTO: JARED LEEDS FOR BARRON’S
A:世界全体が予想より元気がない理由の一つは、欧州が米国よりも調子が悪く、さらに難民の流入問題も加わったことだ。シリアなどの国々で秩序が崩壊した結果だが、米国が中東から手を引いたことが直接的な影響を与えた。東アジアでは中国の台頭に対する懸念がある。日本は依然として経済大国ではあるが、再び景気後退中で、停滞している。エコノミストは、モデルに組み入れていない地政学的要素は軽視しがちだが、世界の秩序や安定を誰かが引き受けねば、勝手に全てうまく行くというものではない。

Q:米国が世界の警察であるべきということか?

A:誰かがやらねばならない。中国やロシアでない方が良いだろう。市場経済制度は、法の支配を実現できる国家を必要とする。国際的にも世界が不安定になるとビジネスにとっても安全性が低下する。地域的な権限を中国やロシアに譲った世界では、法の支配が後退する。グローバル化の時代がアメリカによる下支えにいかに依存していたかは過小評価されがちだ。今は徐々にその体制が崩れつつある。

Q:アメリカは平和を維持する余裕があるか?

A:米国は根本的な問題を抱えている。国家安全保障が社会保障、特に医療保険制度によって圧迫されつつある。また、金利上昇による連邦債務の利払い負担増加という重荷もある。世界最大の経済大国であれば、軍備増強の余裕があるべきだが、実際は予算の一括削減で、無差別に防衛予算も削られた。米国は主導権を維持するために投資すべきだ。特に、サイバーセキュリティのようにぜい弱な部分を手厚くすべきだ。新しい戦争の脅威に対峙するには、航空母艦の数が多くても技術的な進歩とは言えない。

Q:しかし、米国の財政は苦しい。

A:各種の給付金が明らかに問題だ。共和党は、給付金を削減しようとすると大統領選が苦しくなると分かっている。しかし、技術の導入で費用は安くて効率的な医療制度ができると私は楽観視している。医薬品などの物質面だけでなく、どの医者や病院が一番良いかも分かるようになってきている。スマートフォンを利用した配車サービスを展開するウーバーが交通を変革しているように医療業界を変革する会社も現れてくるだろう。

Q:米国における訴訟と規制の有害性についての著述があるが、改革の見込みはどの程度あるか?

A:トンネルの先に光は見えない。連邦の文書庫は膨れ上がるばかりだ。2010年の金融規制改革法(ドッド・フランク法)や医療保険制度改革法(通称オバマケア)は途方もない量の規制を作り出した。環太平洋連携協定(TPP)は、ドッド・フランク法より膨大な文書を生み出している。気持ちを高揚させるものではなく、こういうのは逆風だ。

Q:米国の税率が高いため、米国企業が海外で得たキャッシュを本国に持ち帰りたがらないが。

A:所得税法はもっと簡素化する必要があるし、法人税は国際的に競争力のある税率に引き下げる必要がある。さもなければ、企業は税負担の軽い場所に逃げていくだろう。税制改革は次の大統領が1年目に取り組むべきだ。税制改革は政治家も有権者も納得するため実現するだろうが、複雑な規制になると、それで得をしている人が多過ぎるために改革はより困難だ。

Q:中国を新興国市場とみるのはばかげているというのはなぜか?

A:今や、世界第二位の経済大国で、購買力平価ベースでは世界一だ。10年後に中国がもっと市場経済主義に傾いているかどうかは分からない。一党独裁の国家が、国民の経済的自由を増大させ続けるのは危険だ。習近平国家主席は、何より権力に興味があり、このあたりのことは良く分かっている。従って、民営化、金融制度の自由化、資本勘定の自由化の計画は常に計画のままだろう。中国は歴史上最大の中産階級を作り出した。しかし、中産階級は所有権を求めるが、それは公正な裁判制度や腐敗していない公務員を前提とするもので、そんな要求をした途端に一党独裁に支配を緩めろと言っていることになる。

Q:習主席の外交政策が世界の市場に及ぼす影響は?

A:一党独裁の政治体制の正当性を確保するため、武力の誇示も辞さないだろう。また、金に物を言わせる外交も行っており、これまで米国がないがしろにしてきた国でインフラを建設し、影響力を強めている。

 インド経済は、中国経済よりも速いペースで成長しているようにみえる。中国は一人っ子政策のために労働人口が減少しているが、インドは人口動態を含めて良好な要因がある。インドには法の支配が存在している。民主的に選出された政府があり、報道の自由がある。これらは強みだ。私はインドの将来に強気だ。インドが抱える問題はインフラや住宅などであり、解決可能だ。中国の問題はもっと難しい。

Q:中東が市場を混乱させるようになるか?

A:来年はもっと動乱が起きると予想している。2011年のアラブの春以降、軍事衝突による死亡者は4倍、テロ事件は6倍に増加したことを認識していない投資家が多い。パリのテロ攻撃は、ジハーディスト(聖戦主義者)のネットワークはイスラム圏だけでないことを印象付けた。欧州のどこでも、米国でも起きるかもしれない(インタビューはパリの同時テロ直後)。ネットワークは増殖し続けている。イスラム国(IS)への支持が強いサウジアラビアでは、王家の腐敗や偽善性を標的にすることもあり得る。1979年のイランのように、今やサウジアラビアが崩れやすい部分になっている。サウジアラビアの動向は、市場を動かす可能性がある。

Q:ドルが強く、コモディティー価格は低迷している。ブラジルやロシアへの影響は?

A:投資家が、「魅力的な価格だ」と思う時がやってくるものだ。ドル高がいつまでも続くとは考え難い。重視すべきは、魅力的な価格と政治的な安定だ。インドネシアや、恐らくマレーシアも含め政治的問題のない新興国市場に資金が戻り始めている。ロシアの債券は、今年は素晴らしいパフォーマンスだった。誰もがネガティブになり過ぎていたからだ。アルゼンチンは今年の良い投資場所だった。ブラジルはひどい状態で、短期的な解決はないと思う。アルゼンチンは事態が良くなるだろう。南アフリカは政治的に問題がある。

Q:世界の市場で最大のリスクは何か?

A:中国だ。金融危機を通じて、経済成長の重要なエンジンだった。中国で政策上の間違いがあれば、相当不安定になる。政府はクロスボーダーの資本の流れを制限するかもしれず、そうなると中国から資金が流出して西側の資産に投資される。もし中国が突然に人民元を20〜30%切り下げたりした場合の人民元やその他の新興国市場への影響を想像してほしい。習主席が歴史を逆戻りさせるようなことがあれば、大きな下振れリスクになる。

Q:欧州は大丈夫か?

A:欧州は三つの大きな課題に直面している。シリアの運命に影響を与えるような外交政策を取りたいが、自身の軍事力を削減したため米国抜きという訳にはいかない。第二に、欧州は難民の流入を止められない。欧州の国境線は途方もなく長く、海に面する距離も長い。さらに、欧州で最大の問題は、自分が属する欧州の国家に対して忠誠的でない市民がいることだ。聖戦に参加したり賛同したりする一派となる可能性がある。難民流入で欧州の人口動態上の問題の解決につながるなどと考える人は、パリの郊外を見たことのない人だ。


 

新作映画にみる大不況や金融危機の原因

映画「マネーショート 華麗なる大逆転」でクリスチャン・ベール演じるヘッジファンド・マネージャー、マイケル・バリー PHOTO: JAAP BUITENDIJK/PARAMOUNT PICTURES VIA ASSOCIATED PRESS
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GREG IP
2015 年 12 月 29 日 14:59 JST

 金融市場の災難は、悪しき振る舞いに責任があるのだろうか。それとも経済システムが悪いためなのだろうか。

 クリスマスの週に全米で公開された映画「ビッグショート(邦題:マネーショート 華麗なる大逆転)」を見る限り、答えは明白だ。マイケル・ルイスの同名(邦題:世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち)のベストセラー小説に基づくこの映画は、サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン債権のバブルは崩壊すると見当をつけた一握りの抜け目のないトレーダーらが、「空売り」を仕掛ける姿を描いている。アダム・マッケイ監督は、責任を明らかにしながら口汚い言葉や金融知識、喜劇的要素をちりばめて、面白い作品に仕立てている。投資家は犯罪者のように行動し、しかも罰を逃れる。この映画は、大半の一般大衆と、政治家らの共感を呼ぶだろう。

 歴史を振り返っても、同じ事が言えるのだろうか。1930年代の世界大恐慌では、世論や政治家の見方はどのような展開をみせたか振り返ってみよう。

 シティグループの前身であるナショナル・シティ・バンクは当時、全米で最も信頼される企業の一つで、同行創業の中心人物がチャールズ・ミッチェル会長だった。そして33年初頭、議会上院銀行通貨委員会のフェルディナンド・ペコラ委員長は、この銀行とその証券部門が「ありとあらゆる不穏当な行為」にどのように関わってきたかを暴き出した。セント・ジョンズ法科大学院のマイケル・ペリーノ教授がペコラ委員会の聴聞を年代記にまとめた「ウォール街の地獄の番犬」によると、「(同行は)リスクを完全に開示せず投資家に価値のない債券を販売し、自社や他社の株価を操作し、この国が不況に陥る中、役員に多額の報酬を支払った」。聴聞が終わった時点で、ミッチェル会長は辞任に追い込まれた。

 その数週間後、フランクリン・ルーズベルト大統領は就任演説で、大衆の怒りを金融界に振り向けた。「不謹慎な両替商(銀行)の活動が、一般国民の意見で裁かれ、人間の理性により否定された」と断じた。

 ところが今日、大恐慌の原因が金融界にあったとする研究者はほとんどいない。ミルトン・フリードマンとアンナ・シュワルツの歴史的共著「米国金融史」では、ミッチェルについてはニューヨーク連銀理事としての立場でしか論じていない。彼らや、後に連邦準備制度理事会(FRB)議長を務めたベン・バーナンキ氏をはじめとするその後の研究者は、大恐慌の原因は株式市場から投機を一掃するためにFRBがたびたび利上げし、銀行システムがその流れに本質的に耐えられなくなっていたことや、世界の為替相場が金本位制だったため、相場急落とその後の銀行破綻に対する中央銀行の対応力を邪魔していたことにあるとしている。

 同じように、最近の危機について、大半のエコノミストはその原因を金融界の不正行為にではなく、もっと大きな経済的な力に求めている。低金利と世界にあふれた資本が、住宅バブルをあおったのだ。金融技術の革新を追い風に、「影の」銀行の伸びによりレバレッジ(資金借り入れ)が大幅に増加し、規制監視の目を逃れつつ融資組成の基準が弱まった。持ち家比率を高めようとする政治家の強迫観念が、連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)や連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)、民間金融機関などの行き過ぎた融資行動に目をつぶる結果につながった。

 筆者は、こうした力が誤った安心感を生み出したのだと考える。インフレの一掃やリセッション(景気後退)の緩和、87年の株価急落のように断続的に起きる金融市場の混乱阻止にFRBが成果を挙げたため、投資家や政治家、そしてFRB自身が、より大きな債務を負っても安全だと納得してしまったのだ。

 住宅を購入する人々も住宅ローンの貸し手も、住宅価格が大幅に下がることは決してないと信じたがために、融資基準が崩れてしまった。これが直近の大不況下で起きたことだが、FRBは二度と同じことは起きないとまだ証明してはいない。

 金融技術の革新で安心感は強まった。住宅ローン担保証券(MBS)は貸し手を地域的な住宅相場の急落から守り、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)で貸し手は対象となる融資債権のデフォルト(債務不履行)から守られた。この二つの利用が拡大し、融資や住宅価格、レバレッジが膨れあがった。原作に描かれたが映画には登場していないモルガン・スタンレーのトレーダー、ヒューイ・ヒュブラー氏は、映画の主人公と同様に住宅市場に対して弱気で、サブプライムのMBSを売り持ちにした。だが同時に、トリプルA格の債券に対して強気に攻めたが、こちらも急落し大きな損失を出した。このように、住宅市場が崩壊すると正しく見抜いたトレーダーでさえ、金融技術の革新で一部の市場はその影響から守られると考えたのだ。

 それでも、こうした力の顕在化に人間が果たした役割を、研究者らは忘れてはいけない。映画に登場した一握りにとどまらず多くの人々が、何かがうまく行かなくなると考え、修羅場を避け、警鐘を鳴らそうとした。金融市場の投資家が法を破っていないとしても、資金を相場に賭けることで、投資家は最悪の事態に目をつぶり、トリプルA格に対する不安を見過ごす動機が明らかに生じるのだ。「自分の給料が自分に分からないこと次第なら、物事を理解するのは難しくなる」という小説家、アプトオン・シンクレアの明言があるが、原作者ルイス氏も「何かを信じる動機づけがあれば、それを信じるだろう」と述べている。

 金融危機のような出来事に関わった人々の顔や名前が次第に表に出なくなるにつれ、エコノミストや研究者らが数字や理論に焦点を当てるようになるのは当然のことだ。だが、筆者のように危機は本来、経済全般の力が生み出したものだと考えるとしても、そうした力は人間を介して広がると認識することが重要だ。歴史から、両者の関与を覚えておく必要がある。今回の映画や、ペコア委員会を手本にした金融危機調査委員会の報告などが、その役割を果たしている。

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米利上げ後の新時代、勝者と敗者は
16年は手元現金が潤沢で負債の少ない企業にチャンス
By BEN LEVISOHN
2015 年 12 月 29 日 08:35 JST
?利上げ局面での勝者と敗者

 ボブ・ディランは1965年のニューポート・フォーク・フェスティバルで、アコースティック・ギターをエレキ・ギターに持ち替えてステージに登場した。これは一つの時代の終わりと新たな時代の始まりを告げるものだった。

 これと同様に、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げは、一つの投資パラダイムの終わりと新たな投資パラダイムの始まりを示すものと言えよう。新たな時代を切り抜ける方法を知っているか否かが、2016年にブーイングを受けるか、拍手喝采を浴びるかの分かれ目となるかもしれない。

 「グレートリセッション」の発生以降、FRBは金利を可能な限り低水準にとどめることによって景気浮揚を図ってきた。経済に対するその効果については異論のあるところだが、低利の借入金を事業拡大に充当することのできた企業や株式にとっては大きな追い風となった。しかし、イエレンFRB議長の利上げ決定を受けて、こうした企業は圧力にさらされるだろう。2016年はバランスシート上に現金を抱え、最低限の負債しか抱えていない大手企業に注目が集まる可能性がある。

 マーケットフィールド・アセット・マネジメントのマイケル・ショール最高経営責任者(CEO)は、低利資金を利用して必要以上に多くのテレビ番組や映画を制作したり、スポーツ・イベントの放映権獲得に巨額の資金を投じたりしてきたメディア企業は「脆弱(ぜいじゃく)にみえる」と指摘する。また、過剰供給による打撃を受ける企業としては、集合住宅開発業者が挙げられる。2014年の賃貸物件の建設数は36万戸と20年ぶりの高水準を記録した。バイオテクノロジー企業も、米食品医薬品局(FDA)が上市される新薬の供給について懐疑的な見方をする場合、その影響を被る可能性がある。

 そうした痛みをかわす処方箋がある。すなわち、お金のある場所に向かえばよいのだ。何年にもわたる低金利を背景に、巨額の現金を抱える企業のバリュエーションは多額の負債を抱える企業とほぼ同じ水準にあった。ところが、FRBの金融引き締めによって、これまでの状況は変わるだろう。

 バンクオブアメリカ・メリルリンチのストラテジスト、サビタ・スブラマニアン氏は、借り入れを必要とする企業にはより高い金利を払う必要が生じると述べた上で、「成長のための資金を充当できる、健全なバランスシートを抱えた企業は投資判断を見直され、負債を抱えた企業はもっと痛みを感じる可能性がある」と指摘している。

 つまり、質の悪い企業よりも質の良い企業を選好し、資本市場に資金調達を依存する小規模企業よりも、事業資金を自力で賄える大手企業を選好すればよいということになる。

 小型株よりも大型株を選好する理由はもう一つある。それは流動性だ。規制当局は米国経済の修復に当たり、低金利の維持に加えて、金融システムの安全性強化を図ってきた。これを受けて、銀行は全面的な売りの場面で介入して買い方に回りづらくなっている。そのため、サード・アベニュー・フォーカスト・クレジット・ファンドの今月の清算決定に見られるように、小型株やジャンク債などの一部では売買が一段と困難になるだろう。小型株は過去16年の大半にわたり大型株に対するプレミアム価格で取引されてきたが、今後ディスカウントで取引される可能性があると、スブラマニアン氏は述べている。

?注目の小型株

 ただし、小型株の中でも注目に値する銘柄はある。マタリン・キャピタル・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ラルフ・クータント氏は、共同購入クーポンサイトを運営するリテールミーノット(SALE)を挙げている。同社は2013年に新規株式公開(IPO)を果たしたが、株価は減収・減益を理由に2014年に49%下落し、今年も年初来で29%下げている。現在、株価純資産倍率(PBR)は1.1倍と割安で、バランスシートに計上されている現金は2億7100万ドル、負債を差し引いても1億9600万ドルに上り、年間5000万ドルのキャッシュフローが生み出されている。

 IPO実施当時ほどの成長力はないものの、「投資家が勝つには、良好な状態から素晴らしい状態に変化する必要はなく、悪い状態から並みの状態に変化するだけでよい」とクータント氏は述べている。

 


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