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世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第156回 スロー・トレード(週刊実話)
http://www.asyura2.com/15/hasan104/msg/183.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 1 月 02 日 17:44:30: igsppGRN/E9PQ
 

世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第156回 スロー・トレード
http://wjn.jp/article/detail/0664274/
週刊実話 2016年1月7・14日合併号


 中国経済の失速が止まらない。中国共産党政府が“エンピツ舐め舐め”の数字で決定する(としか思えない)経済成長率はともかく、相手国があるために捏造がしにくい貿易統計は、悲惨な状況になっている。

 中国の税関総署が12月8日に発表した11月の貿易統計(ドル建て)は、輸出が前年同月比6.8%減少、輸入が8.7%の減少であった。注目すべきは、中国共産党政府が8月に強行した人民元の為替レート引き下げの効果が全く見られないという点である。以前ならば、為替レートを引き下げれば、ある程度の輸出の増加効果があったのだが、現在は全くない。

 輸出の伸び悩みについては、日本も他国のことを言えた話ではない。2012年末に第2次安倍政権が発足し、50%を超える大幅な円安が進んだにもかかわらず、日本の実質輸出は、リーマンショック前はもちろんのこと、東日本大震災前を下回る水準で低迷している。

 なぜ、為替レートが下がったのに日本や中国の輸出が増えないのだろうか。もちろん、日本の場合は企業が「現地生産」を増やしたという要因もある。すなわち、日本企業がそもそも国内で生産活動を実施していないため、円安になったにもかかわらず輸出が伸びないわけだ。

 とはいえ、より重大な問題は、現在の世界が「スロー・トレード」の時代に突入しているという現実である。スロー・トレードとは何なのか。

 スロー・トレードとは、「実質GDPが成長しても貿易量が増えない」現象のことである。IMF(国際通貨基金)のデータによると、1990年代は世界の実質GDP成長率が平均3.1%だったのに対し、貿易量は6.6%も拡大した。貿易の成長率が、実質GDPの2倍以上に達していたのである。

 それが、2000年から2011年までは、GDP4%成長に対し、貿易量が5.8%成長と倍率が下がった。そして、2012年から2015年を見ると、GDP3.3%成長に対し、貿易量は3.2%となっている。ついに貿易量の成長率が、GDP成長率を下回ってしまったのだ。

 経済成長率に対し、貿易の成長率が低迷する。これがスロー・トレード現象である。現在の世界経済は「外需」が総じて伸び悩んでいる状況にあるわけだ。中国が為替レートを引き下げたにもかかわらず、輸出の対前年比マイナスが続いているのも、スロー・トレード問題に起因していると考えられる。

 直近の数字を見ると、世界のGDP成長率2.2%に対し、貿易成長率は2%である。過去に貿易成長率が経済成長率を下回ったことは、統計が確認される限り5回しかない。OECD(経済協力開発機構)のグリア事務総長は12月4日の記者会見で、スロー・トレードは、「いずれも最終的にリセッション(景気後退)に至った」と説明した。

 ところで、なぜ今回のスロー・トレード現象は発生したのだろうか。もちろん、中国が経済失速した結果、資源分野の輸出入が減ったことにも一因がある。現在、原油はもちろんのこと、石炭や鉄鉱石などの鉱物資源の価格が世界的に低迷している。すなわち、中国を中心に需要が減ったために、資源価格が下落したわけだ。

 加えて、そもそもなぜ1990年以降に、世界の経済成長率が貿易成長率を上回っていたのか、がポイントである。90年代以降、ソ連が崩壊し、中国が開放政策に転じたこともあり、世界的に「新興経済諸国における、生産能力の拡大」という需要が継続していたのだ。何しろ、旧ソ連圏や中国は人口こそ多かったものの、十分といえる技術がなかった。

 生産性を決定づける国民経済の「供給能力」は、モノ、ヒト、技術に分解できる。経済の3要素は、モノ、ヒト、技術だ。

 旧ソ連圏や中国は、モノ(資源など)やヒトは十分に存在したが、技術面で西側諸国に大きく立ち遅れていた。旧ソ連圏や中国と西側先進国との間には、「技術」という経済の3要素の一つにおいて、大きな「格差」が存在したのである。

 というわけで、この格差を埋めようとする動きが発生し、世界的な規模で「貿易成長率」が高まっていった。具体的には、西側先進国から旧ソ連圏、中国などへの直接投資の拡大と、その後の資本財の輸出である。

 例えば、日本企業が中国に対外直接投資を実施し、工場が建設される。日本企業が中国工場で操業を開始し、日本で生産された資本財が輸出される。資本財は中国工場で最終消費財に化け、中国国内ではなく、アメリカなど西側先進国に輸出される。

 日中間の「技術」という要素の格差を埋めるため、日本企業の対外直接投資後に、「日本からの中国への資本財の輸出」「中国からアメリカへの最終消費財の輸出」という、二つの「貿易」が創出されるわけである。

 冷戦期に日本で最終消費財まで生産し、アメリカに輸出する場合は、「日本からアメリカへの最終消費財の輸出」が発生するのみで、貿易量は中国経由よりも小さくなる。

 現在、世界各国の技術格差は縮小し、さらに「永久に成長する」という幻想を振りまいていた中国経済も失速。スロー・トレードの時代に突入した。今後の日本は「貿易(輸出入)」の拡大に経済成長を「依存してはならない」時代が訪れたというのが現実なのである。

みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。

 

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コメント
 
1. 2016年1月03日 01:16:57 : v1gbxz7HNs : Ay@h0DQyQEc[199]
偽造と言え。エンピツなめなめ?今時、エンピツなど存在するかよ。エクセルの関数の補正値を微調整し、結果が望む数字になるよう調整するだけだ。明確に嘘なのだ。そして中国、外国のことなどどうでもいい。だいたいその中国の爆買い頼りの日本がなぜ中国をわらえるか。中国が倒れれば日本は終わりであり、国内の偽造をこそ糾弾せい。

こういうのは犯罪を些細ないたずらのように受け止めさせるための言い換えで、素人売春を援交、泥棒を失敬と言い換えて受容させるやり方と同じだ。犯罪が横行している状況を無批判に甘受するのは現実主義ではない。敗北主義であり引かれ者の小唄、あるいは犯罪者の言い訳だ。


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