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日本の対中投資25%減 15年、景気減速・人件費高騰で:欧州や東南アジアの対中投資増加
http://www.asyura2.com/15/hasan104/msg/642.html
投稿者 あっしら 日時 2016 年 1 月 21 日 01:35:09: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
 


日本の対中投資25%減 15年、景気減速・人件費高騰で[日経新聞]
2016/1/20 23:53

 【北京=阿部哲也】中国商務省は20日、2015年の日本の対中投資額(実行ベース、金融除く)が前年に比べ25.2%減り、32億1千万ドル(約3800億円)になったと発表した。マイナスは3年連続だ。日中関係は改善に向かっているが、中国の景気減速や人件費の高騰を背景に日本企業の「中国離れ」に歯止めはかかっていない。

 15年の世界全体の対中投資額は前年に比べ6.4%増えた。対照的に、日本の中国向け投資はピークをつけた12年の半分以下に減っている。

 拡大が続いていた日本の対中投資が減少に転じたきっかけは、沖縄県の尖閣諸島をめぐって日中関係が悪化したことだ。政治リスクを警戒した日本企業は対中投資に二の足を踏むようになり、14年には減少率が38.8%と過去最大を記録した。

 14年11月に安倍晋三首相と中国の習近平国家主席の会談が実現してから、日中関係は改善傾向にある。にもかかわらず日本企業の対中投資が減り続けているのは、ここにきて新たに3つの悪材料が重なったためだ。

 第1は中国経済の減速だ。15年の実質国内総生産(GDP)成長率は6.9%と、25年ぶりの低い水準に減速した。先行き不安は新車販売市場などにも波及し、ホンダは年内に湖北省武漢市で計画していた新工場の建設を見送った。

 第2は中国の沿海部を中心とする人件費の上昇だ。北京や上海、広州などの主要都市では人件費がここ5年で約2倍に跳ね上がった。土地の使用料や環境対策費など工場増設にかかるコストも全般に上昇傾向にある。

 中国の安価な労働力に引かれて進出した日本企業の間では戦略の見直しが相次ぐ。ダイキン工業は家庭用エアコンの中国での生産量を今年度は2割減らし、代わりに国内で増産する方針だ。中国の製造拠点を東南アジアなどに振り向ける動きも活発になっている。

 第3は中国政府の産業政策の変化だ。経済成長を優先した胡錦濤前政権の時代までは、GDPの押し上げ効果が大きい製造業を中心に外資への優遇策が充実していた。しかし「産業の高度化」を掲げる習近平政権が発足して以降、優遇分野を先端技術やサービス業に急速に絞り始めた。

 このため「従来のような労働集約型の単純なモノづくりは難しくなった」(電機大手)。日東電工は15年に山東省青島で農業や環境技術を研究する中国初の研究開発センターを開所した。ファーストリテイリングは「ユニクロ」を年100店ペースで出店を続ける。だが、いずれも従来のような工場新設ほど投資額は大きくなく、全体を底上げする勢いはない。

 一方、対中投資で積極姿勢を見せるのが東南アジアと欧州だ。東南アジア諸国連合(ASEAN)からの投資は15年に22.1%増え、欧州連合(EU)からも4.6%増えた。消費市場の拡大を見込んで、サービス業の投資が活発だった。国や地域による中国での事業戦略の違いが目立つようになっている。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS20H4U_Q6A120C1EE8000/?dg=1


 

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コメント
 
1. 2016年1月21日 02:19:10 : ypODBLN3d2 : Nxldyg_b73Y[90]
欧州、東南アジア諸国は、痛い目に合います。

日本は賢いでないか?たまには褒めないといけないな〜たまにだけど。

文化大革命をやるような国が、直ぐに経済大躍進など出来るわけがない。

融資してもらって、人夫を差し出し経済発展しただけの底浅い経済力なのです。

地に足がついていない経済大国?直ぐに崩壊します。

支援しては生き延びますから、この点は、、しっかりとね。


2. 2016年1月21日 13:28:17 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[178]
中国の経済構造大転換、待ったなし
25年前の日本と比べると、成長余地は大きいが・・・
2016.1.21(木) Financial Times
(2016年1月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

中国経済の経済大転換は待ったなしだが、新たなパターンへの移行は難しい(写真は上海 (c) Can Stock Photo)
?中国の政策立案者は経済運営の質の高さで高い評価を受けている。しかし、それと同じことは30年前の日本についても言われていた。その後、貯蓄と投資が多い「キャッチアップ」型経済モデルからの転換は、日本にとって非常に難しいことが明らかになっている。実際、この転換はまだ完了していない。

?今日の中国経済には、四半世紀前の日本よりもはるかに大きな成長余地があるものの、経済の不均衡はそれ以上に大きい。

?また世間一般の見方とは異なり、新しい経済成長パターンへの移行は実はまだ始まっていない。

舵取りを誤り、評判ががた落ち

?この移行を進めることは容易ではなく、すでに中国の政策立案者の評価を傷つけている。1980年代には、「バブル経済」崩壊の舵取りを誤った日本の政策立案者の評価が傷ついたが、今回は為替と株式市場の舵取りを誤った中国当局の評価が低下している。同様に、2007年と2008年の世界金融危機では西側諸国の金融機関と政策立案者の評価ががた落ちになった。信用が急拡大しているときには、誰もが天才に見えるのだ。

?無理からぬことだが、外野からは、中国当局はもっと透明性を高めるべきだというもっともな指摘がなされている。「一番よく分かっているのは官僚だ」とされる政治体制であることを考えれば、その実行は容易ではない。しかし、これは最も重要な問題ではない。最も重要なのは、今よりもバランスの取れた経済への移行がどのように進められるのか、そもそも本当に進められるのかという2点が明らかでないことだ。

?また、観測筋の間には製造業からサービス業への移行に注目する向きもある。こちらについては、まずまずうまくいっているようだ。中国の統計によれば、2015年1〜9月期に工業(第2次産業)は年率でちょうど6%の成長を遂げており、サービス業(第3次産業)は同8.4%の成長を達成している。

?ただ、一見成功しているこの数字の大部分は、金融サービス業の増益によるものだ。危機の前の西側諸国の場合と同じく、これはよりバランスの取れた「新常態(ニューノーマル)」への移行の兆候でもあるが信用増加の兆候でもある。

?中国経済の形態の変化を示す基礎的な指標を挙げるとすれば、貯蓄および投資の減少と、消費の増加になるだろう。そのような変化が必要なのは、大半の投資がムダなものであるうえに、債務の爆発的な増加と結びついたものであるからだ。中国の国内総生産(GDP)に占める投資の割合は現在、東アジアのほかの高成長国が過去に経験したどの数字よりもはるかに大きくなっている。

?さらに、マッキンゼー・グローバル・インスティテュートによれば、中国全体の債務は額が極めて多いうえに借り手が非金融法人に集中している。その集中度は米国のそれよりも高いという。

?中国は2008年の世界金融危機への対策として、借入金を原資とした投資の急拡大を促進し、外需の落ち込みを埋めようとした。しかし、中国経済の成長は鈍りつつあった。その結果、「限界資本係数」――国民所得を新たに1単位増やすのに必要となる資本の量――は2000年代初めに比べてざっと2倍になっている。

?中国経済全体の資本係数*1も非常に高く、依然上昇している。そのため、これから新たに行われる投資の大半は赤字になる公算が大きい。

?もし赤字になれば、それに関連する借入金も焦げ付くだろう。とはいえ、そうしたムダな投資をもし減らしてしまったら、中国経済は景気後退に陥るだろう。

投資を縮小しながら消費を増やす経済構造の調整

?従って必要なのは、借入金による投資がGDPに占める割合を縮小しながら逆に消費の割合を高めていくという経済構造の調整を慎重に行うことである。

?この調整はもう行われているのだろうか。答えはノーだ。もし行われているとしたら、そのペースはあまりにも遅すぎる。GDPに占める投資の割合はわずかに縮小したが、債務は増大し続けている。GDPに対する債務の割合は2007年末には157%だったが、2013年末には250%になり、2015年第2四半期末には290%に達している。

?一方、家計の可処分所得の対GDP比は、2013年には61%にとどまっていた(これが利用可能な最も新しいデータである)。2008年の59%よりは若干高いが、2000年の実績に比べれば5ポイントも低下している。

?また、中国の家計は可処分所得の約3分の1を貯蓄に回している。GDPに占める消費の割合が40%程度しかないのはそのためだ。GDPにおける消費の割合を決定的に増やすのに必要な家計への所得配分の増加は、恐ろしいほどゆっくりとしか進んでいないのである。

?要するに、中国の需要は、借入金によるムダな投資の伸びに依存する状態が続いている。そして、この依存から脱するのに必要な経済構造の変革は進められていないのである。

*1=国民所得全体とそれを生み出すのに要した資本との比率

?では、これに代わる方法はないのだろうか。

?第1に考えられるのは、投資を減少させ、その穴を経常収支の黒字増大で埋めるという手法である。これには通貨安が寄与するだろう。

?外貨準備高が減っていることから分かるように、中国の人々は自分のお金を国外に持ち出したいと強く思っているため、米国が要求している人民元の変動相場制の下では思惑通りに事が運ぶ可能性がある。

?しかし、例えばGDPの10%相当に上るような巨額の経常赤字には、世界経済はまず間違いなく対応できないだろう。

?2番目に考えられるのは、財政赤字をさらに拡大することである。この赤字を使って購買力を家計に移転するのだ。これは政府の借入残高を増やし、経済のほかの部門の借入残高を減らすことにもなるだろう。

当局が抱えるジレンマ

?中国経済はまだ消費主導にはなっていないのが現実だ。実際、GDPに占める家計の割合が低い現状では、消費主導になどなり得ない。この国はまだ、借入金による投資に大きく依存し続けている。つまり、当局は1つのジレンマに直面している。ムダの多い成長を促進し続けるか、それとも短期的には不安定要因になるかもしれないが長期的には有益となる大胆な改革を推し進めるか、というジレンマだ。

?どんな言葉で飾り立てようと、これまで選択されてきたのは前者である。だがこれも、がっかりするほど低い経済成長率、借入残高の増加、さらには金融ショックにまで向かう道になってしまうだろう。中国の政策立案者は、以前の評価をすぐには回復できそうにない。

By Martin Wolf

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45835


 


中国25年ぶり低成長と「GE」買収の意味

ハイアール、万達集団の巨額M&Aは脅威なのか

2016年1月21日(木)小平 和良


 中国経済の減速と原油安で年明けから世界の株式市場が揺れている。1月20日の日経平均株価の終値は前日比632円安の1万6416円と、昨年来の安値を更新。およそ1年3カ月ぶりの安値を付けた。

 そんな中、今年に入り、今後の世界経済のカギを握る米国と中国の企業が絡む2つのM&A(合併・買収)が話題になった。

 1つは中国家電大手、海爾集団(ハイアール)による米ゼネラル・エレクトリック(GE)の家電事業の買収である。1月15日のハイアールの発表によると、買収額は54億ドル(約6370億円)。ハイアールは2012年に旧三洋電機の白物家電事業を買い取ったこともあり、日本でも有名だ。

 中国という巨大マーケットでの高いシェアを背景に、世界でもトップレベルの家電メーカーとなったが、中国以外での知名度はまだ高いとは言えない。今回の買収でハイアールはGEのブランドや知的財産も取得すると報じられている。GEのブランド力により、中国以外での事業を広げるのがハイアールの狙いだ。


アジア1の富豪が米映画製作会社を買収

 もう1つが中国の不動産大手、大連万達集団による米映画製作会社レジェンダリー・エンターテインメントの買収だ。こちらの買収額は35億ドル(約4100億円)に及ぶ。

 レジェンダリーは2000年創業で、ソフトバンクも同社の株主に名を連ねる。日本では「ゴジラ」の製作会社と報じられることが多いが、そのほかにも「ダークナイト」や「ハング・オーバー!」「インセプション」「パシフィック・リム」「インターステラー」などのヒット作を生み出している。

 一方の万達集団は日本では馴染みが薄いものの、中国では不動産大手として知られた存在だ。同社は商業施設「万達広場」を中国全土に130以上展開する。万達広場がない主要都市はまずないと言っていい。

 軍人から転じて一代で中国有数の不動産グループを作り上げた王健林・董事長はアリババ集団のジャックー・マー氏を押さえ、アジア1の富豪と伝えられる。近年は娯楽やスポーツといったサービス事業の強化を図っている。2012年には米国の映画館チェーン大手、AMCエンターテインメントを買収。2015年はオーストラリア映画館チェーン、ホイツ・グループも傘下に収めた。

 また昨年はスペインの名門サッカークラブ、アトレティコ・マドリードに出資している。今回のレジェンダリー買収も、同社のサービス事業強化の流れの延長線上にある。

 数千億円の巨費を投じるハイアールと万達集団の買収劇を、「膨張する中国マネーの脅威」という角度で見ることはもちろん可能だろう。一面ではそれも正しい。しかし、最近の株式市場の混乱のきっかけとなっている中国経済の現状と照らし合わせるとまた違った姿が浮かび上がる。

第3次産業の割合が5割以上に

 中国国家統計局は1月19日、中国の2015年の実質GDP(国内総生産)の成長率が6.9%だったと発表した。成長率が7%を割り込んだのは25年ぶりのことだ。減速の主な要因となっているのが、鉄鋼や石炭などの生産能力過剰に伴う工業生産の落ち込みと不動産などへの投資の減少だ。

 政府は過剰生産設備の解消を進めるべく昨年末から大号令をかけている。だが、以前から課題と言われてきた過剰生産設備の問題を解決するのは容易ではない。中国の株安と人民元安は、同国の構造改革に対する不安が引き起こしている面が大きい。

 一方、中国の不動産市場は価格が下落から上昇に転じる都市が増えるなど回復傾向にある。だが「大都市と地方都市の差は大きい」(経済評論家の葉檀氏)。地方都市では未だに不動産の在庫が多く、工事が止まったままのプロジェクトもある。

 不動産市場の不振は冷蔵庫や洗濯機といった大型家電の需要にも影響を及ぼす。米ウォールストリートジャーナルは中国の家電市場の伸びが2015年は1.6%にとどまったと報じる。不動産大手の万達や家電大手のハイアールが海外に成長の活路を求めるのは、中国国内の需要が落ちてきたためと見ることもできる。

 また、中国では2015年、GDPに占める第3次産業の割合が初めて5割を超えた。不動産業に加えてサービス業を強化するという万達の戦略は、投資主導型から内需主導型経済への転換を模索する中国経済の現状と合致するものだ。

 中国の習近平指導部は今後も6.5%程度の成長が不可欠としている。しかし、2016年の成長率は5%台に落ち込むのではとの予測も既に登場している。中国経済の減速に伴う余波は世界の至るところに出てきそうだ。

このコラムについて
ニュースを斬る

日々、生み出される膨大なニュース。その本質と意味するところは何か。そこから何を学び取るべきなのか――。本コラムでは、日経ビジネス編集部が選んだ注目のニュースを、その道のプロフェッショナルである執筆陣が独自の視点で鋭く解説。ニュースの裏側に潜む意外な事実、一歩踏み込んだ読み筋を引き出します。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/110879/012000213/?ST=print

 

 

日韓電池競合の激化に割って入る中国勢

日本の競争力を高める手段は限られる

2016年1月21日(木)佐藤 登

 前回、1月7日に「動き出した中国での自動車、電池各社の投資攻防」を公開したところ、貴重なコメントをいただいた。「日本の電池産業界が韓国、中国に押されて競争力を低下しつつある中、グローバルに競争力を維持している材料分野で海外勢に対してガードし、日本の競争力を高めていくべき」という内容である。

 この意見は確かに論理的には間違いではないが、現実にはそう簡単な話ではない。すなわち、この分野も既にグローバルビジネスが進行していることで、ガードをかけられる状況ではないことがその理由だ。ならば、どうするべきかという視点も含めて考えたい。

激戦区である中国市場での戦い

 1月7日から9日にわたって、中国の深センで自動車の電動化に関する電池ビジネスと技術に関するアジア国際会議が開催された。7日は日韓のスピーカーが講演する海外シンポジウムという形式、8日と9日は中国のスピーカーがプレゼンする形式。参加者はそれぞれの日付が選択できる登録システムをとっていた。

 参加者は、全員指定席という形。なかなか統制がとれない中国文化の中で、非常に整然と運営されていたことには驚いた。どの企業の誰が参加しているかという座席表まで全員に配布される徹底ぶりも凄い。

 2日目と3日目の中国シンポジウムは既に5年前から開催されていて、中国企業の間では内容が充実しているとの評判だ。話題性が多く質も高い。筆者は2日目のシンポジウムにも参加したが、確かに中国の材料メーカーや装置メーカー、ベンチャー企業などの講演で盛り上がっていた。600人という多くの人が参加したというのも、その裏付けである。

 中国市場における車載用リチウムイオン電池(LIB)の市場成長は、2014年に6.7GWh、15年は17.9GWhの実績、そして16年には30.6GWh(20kWhのLIB搭載車で、およそ150万台)にのぼるという予測である。このような勢いであるからこそ、参加者も多いはずだ。

 一方、7日の海外シンポジウムは170人の参加。今回の初日の企画は、既存の中国シンポジウムに連携させる形で、日本の矢野経済研究所が企画し、第1回目の海外シンポジウムとして実現に至った。

 トップバッターで登壇した筆者は、「グローバル市場における自動車の電動化と電池ビジネス、技術動向」について客観的な立場から講演した。その中で、日本の競争力と課題についても解説した。

 会場からの質問は、「日韓の電池と中国の電池にはギャップがあると聞いているが、実際のところどういうギャップがあるのか、そしてそれに対しては中国にはどんな提言があるのか?」といういかにも的を射たものだった。

 筆者の回答は、「まず車載用電池のあるべき仕様、特に安全性に対する考え方と取り組みに大きなギャップがある。日本の自動車各社の安全基準は高く、それに伴った電池開発を行っている。中国が信頼性を高めるには日本の評価基準や評価システムを学ぶ、日本の電池各社と意見交換してみる、信頼性の高い評価装置や部材を使う――など考えたら良い」と伝えた。

 他の日本側のスピーカーというと、矢野経済研究所がグローバル市場における電池産業界の動向と各種部材系における市場シェアの推移と競争力についてを講演。部材メーカーの立場からは日立化成が負極材料を、ダブルスコープがセパレータに関して講演。さらに東洋システムが電池劣化評価と機構について語った。

 一方、韓国を代表しては、筆者の知人であるLG化学のKIMフェローが講演にあたった。トリを務めたLG化学のプレゼンは素晴らしく、特に車載用LIBでビジネスを拡大しているだけに、内容も優れ、自信のほどを示す講演であった。サムスンSDIのマーケティング部門からも参加していたが、大きな刺激となったに違いない。

 昨今、中国経済が深刻な状況下で低迷している中、ここ深センに集う会議からは全くそのような雰囲気が感じられなかった。それだけ、業種・業界間で大きく異なるということだろう。

 例えば、電池メーカーとして香港に本社を、中国福建省に生産拠点を置くATL(Amperex Technology Limited)。同社は日本のTDKの傘下にあるが、米アップルとのビジネスを上手に展開していて勢いが良い。

 また、ATLのグループ企業であるCATLも注目に値する。同社は、経営はATLと独立しており、車載用に特化したLIBの開発と事業化を手掛けている。最近、多くの人材投入と開発投資に余念がない。

 モバイル用LIBでのグローバルマーケットシェアではサムスンSDIやLG化学には及ばないものの、最近のビジネスを眺めると、アップル社からの信頼を得て追い風の中で事業展開している。そして車載用でもしたたかに事業化の機会を伺うATLグループに対して、LG化学は警戒感を隠さない。

日本の材料各社のビジネスモデル

 日本の電池メーカーの部材メーカーに対する求心力が衰えたことで、日本の部材メーカーのスタンスも大きく変化した。すなわち、以前の日系電池各社とのビジネスを最優先してきたスタンスから、もはやサムスンSDIやLG化学を第一優先とする部材メーカーも増えてきた。そしてこの流れを力づくで断ち切ることは不可能なのである。

 確かに10年前までは、日系電池各社の求心力が作用し、韓国の電池各社が日本の先端材料を適用するには日本に1年以上の遅れをとっていた。だが、今は状況が全く異なっている。

 なぜなら、日本材料業界もグローバルビジネスを展開していることから、活路のある方向に向かっていくことは自然の流れだからだ。結局、日本の新素材や先端材料を韓国の電池各社がいち早く実用にする構図は既に始まっており、今後もこのスタンスは続くどころか拡大する機運がある。

 従って、日本の先端材料を海外に出さないようにして日本の競争力を高めるといった考えはビジネスモデルとしては成立しないし、通用しないのである。日本の電池各社がスピード感をもって、しかも調達保証を十分に行えば話は別だが、市場シェアで日本を上回るのは韓国電池業界であることから、求心力の力関係が変わったのである。

 このままでは、日系電池各社の市場シェアが低下し、韓国と中国がシェアを伸ばすことになり、液晶事業と全く同じような構図になってしまうことが容易に予測される。

 今回のアジア国際会議を通じて、中国の成長ぶりを見ると、モバイル用LIBでは日韓中のつばぜり合いが完全に始まっている。日韓の競争が激化した中に、中国勢が割って入ってきた構図だ。

 また、車載用LIBでも早晩、モバイル用と似たような競争段階に突入する。筆者も、中国の成長にはまだ数年を要すると見ていたのだが、背後を振り返ると着実に足音が聞こえてくるのである。中国の本気度に、日韓はどう立ち向かうかの戦略・戦術が問われている。

日本の業界間ビジネスモデルの再構築

 このような状況下で日系電池各社が強いビジネスを展開していくために、残された施策は限られている。まずは、日本の強みである素材・部材業界との強力なパートナーシップを再構築することから始める必要がある。

 そのためには、電池各社が日本の材料メーカーとの共同開発で先行すること、特に先端材料に関しては電池各社がスピード感をもって採用・調達すること、あるいは電池各社が独自に新素材開発で実用化すること、などが挙げられる。電池各社の求心力を高め、排他的・戦略的な囲い込みをどこまで展開できるかがカギとなる。

このコラムについて
技術経営――日本の強み・韓国の強み

 エレクトロニクス業界でのサムスンやLG、自動車業界での現代自動車など、グローバル市場において日本企業以上に影響力のある韓国企業が多く登場している。もともと独自技術が弱いと言われてきた韓国企業だが、今やハイテク製品の一部の技術開発をリードしている。では、日本の製造業は、このまま韓国の後塵を拝してしまうのか。日本の技術に優位性があるといっても、海外に積極的に目を向けスピード感と決断力に長けた経営体質を構築した韓国企業の長所を真摯に学ばないと、多くの分野で太刀打ちできないといったことも現実として起こりうる。本コラムでは、ホンダとサムスンSDIという日韓の大手メーカーに在籍し、それぞれの開発をリードした経験を持つ筆者が、両国の技術開発の強みを分析し、日本の技術陣に求められる姿勢を明らかにする。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/246040/011800016/?ST=print

 

 
中国経済失速でも雇用を生み出すサービス産業

2016年1月21日(木)The Economist


 昨年末、江蘇舜天船舶が中国・長江下流で運営する造船所のクレーンに、ある労働者がよじ登った。この時まで、このクレーンはもう何週間も動いていなかった。苦境にあった同社は注文を受けるのを止め、レイオフという頭痛の種に取り組むのではなく、ただ従業員への賃金支払いを止めていた。クレーンに登った男は、地方官僚の注意を引くためにそこから飛び降りると脅した。役人たちが彼を助けると約束したのを受けて、ようやく降りてきた。

 クレーンに登るよりは安全だが、それと変わらず挑発的な方法で、自分たちの失われた賃金を要求する労働者もいた。彼らは近くのハイウェイまで行進していって、そこを封鎖したのだ。ストライキは、中国においては違法である。

重工業分野の労働者にたまる不満

 舜天船舶の労働者たちがこうした手段に訴えているのは、恐らく驚くことではない。海運業界は世界的な不況に陥っている。貿易が減速し新たな船の需要が縮小するなか、供給過剰に苦しんでいる。

 規模の拡大を急いだ中国企業は今、息切れしている。舜天船舶は別の造船会社を買収したことで拡大しすぎ、倒産の危機が高まっている。賃金の不払いは、苦境に陥った中国企業がとる常套手段だ。舜天船舶の造船所がある砂だらけの町、江蘇省儀徴市の政府は、そのような雇用主を戒める声明を出している。

 大きな打撃を受けている企業、特に重工業を営む企業では、多くの労働者が同様の不満を抱えている。香港を本拠地とする労働問題監視団体、中国労工通報によると、2015年には中国全域で2774件のストライキと抗議行動が発生した。これは2014年に記録された1379件の2倍に当たる。

 2016年1月初め、中国製造業の中心地である広東省で、4人の労働運動家が逮捕された。これは、増大する抗議の声に政府当局が不安を感じていることを示唆している。

農民工が失業しても失業率は高まらない

 株価の下落や通貨安がこのところ世界の注目を集めている。だが、中国政府がより慎重に扱うべき問題は雇用の伸びが鈍化していることだ。中国共産党は常に、市場と、その延長線上にいる投資家を、軽視する傾向がある。しかし労働者を軽視するわけにはいかない。彼らの生活水準が過去30年にわたって着実に改善してきたことが、共産党による支配体制に正統性を与えている。

 雇用の伸びが鈍化していることは、どれくらい心配すべきことなのだろうか。公式発表を見る限り、今のところ、全体的な雇用者数を少し減らしたにすぎない。31の大都市を対象に政府が行った最新の調査によると、失業率は昨年初めの時点で5.1%、昨年9月末の時点で5.2%だった。製造業は間違いなく人員を削減している。財新が発表する製造業雇用指数は昨年12月に47.3に低下し、26カ月連続で50を下回った。この指数が50を下回ると雇用が縮小していることを示す。

 一方、製造業より経済に占めるシェアが大きいサービス業の財新雇用指数は雇用の拡大を示している。昨年12月の値は51.3で、昨年8月に付けた最低値50.1を上回った。

 しかし、この雇用データは、中国ならではの2つの特徴によって下駄を履いた値になっている。1つは、「戸口(hukou)」と呼ばれる中国の世帯登録制度だ。この制度の下では、大都市に出稼ぎに出た労働者約2億7000万人は、その都市で失業保険金をもらえないばかりか、その地に永住する権利を取得することもできない。彼らが大都市で職を失っても、大抵は農村部にある実家に戻るものと思われており、失業者としてカウントされない。

 2008年に世界金融危機のまっただ中にあった時には、数千万人に上る出稼ぎ労働者が農村部に戻り、畑を耕したり、わずかばかりの賃金を得るために必死に働いたりせざるを得なかった。今回はその時のような集団移動は起こっていないが、農村部は相変わらず、失業者を吸収する安全弁となっている。

人員削減できない国有企業

 もう1つの緩衝装置は国有企業だ。国有企業は実は、中国経済の成長をそもそも妨げている障害の1つである。民間企業の方が経営状態が良く、収益性も高い。しかし、国有企業は政府の後ろ盾があるために、融資を容易に受けることができ、エネルギーから輸送部門まで一連の規制業界を独占している。

 だがこうした特権は労働者をレイオフしないことで社会の安定を維持するなどの政治的な義務を伴う。人民解放軍は近代化計画の一環として約30万人の人員を削減する予定だ。政府は12月、国有企業に対して、除隊する元兵士たちのために就職口の5%を充てるようにと注意をうながした。

 国際通貨基金(IMF)が昨年公表した報告書の中で、アナリストは「生産能力が過剰になっている製造部門において労働力の蓄積が進んでいる」兆候が見られると指摘した。生産性を犠牲にして失業率を抑えているわけだ。だが、国有企業にも無限の雇用余力があるわけではない。業績が好転する見込みがほとんどない赤字企業は、人員削減を始めている。東北部・黒竜江省最大の国有企業、竜煤鉱業は昨年9月、従業員の半分近くに当たる10万人を削減すると発表した。

 中国経済は理論的には、失業者の多くを養うことができるはずだ。労働年齢人口は2012年にピークに至った。このため、ほかのすべての条件が平等であるならば、求職のための競争は緩和する。同時に、製造業よりも労働集約的なサービス事業への偏りが強いため、経済全体の成長が鈍化しても雇用は生み出される。サービス事業は製造業より労働集約的だからだ。

 サービス部門は昨年、数十年ぶりに中国のGDPの半分以上を占めたとみられる。しかもその割合は増え続けている。名目GDPで見ると、2015年1〜9月期のサービス部門生産高は、前年比で11.6%増加した。一方、製造業はわずか1.2%しか成長しなかった。

雇用のシフトは容易には進まない

 中国人民銀行は次のように予測している――サービス部門がGDPに占める割合が2015年に1%増加したならば(実際にはもっと良かった)、中国経済は0.5%近く減速したかもしれないが、それでも2014年と同程度の新規雇用を生み出しただろう。中国各地の雇用センターがなぜいまだに労働力不足と報告しているか、その理由がここにある。平均求人倍率は1.09だ。会計事務所やレストランで働きたい人にとって機会は豊富にある。

 造船工や鉱夫にとって問題なのは、サービス部門が、より若く教育を受けた人材を求めていることだ。造船工や鉱夫が新たに得られる仕事は、管理人であれ料理人であれ、現在より賃金がだいぶ下がる。政府は、製造業で職を失った人々向けに再訓練を提供すると約束しているが、それはわずかな助けにしかならない。「こうした人々のほとんどが、腕力で生計を立てる生活から頭脳で生計を立てる生活に移行することができない」。儀徴市人材センターの採用担当者はこう語る。

 舜天船舶の従業員にとって、次の仕事は何かという問いは最も差し迫ったものではないかもしれない。彼らはずっと職場に通っていたのに、賃金が支払われていないのだ。

 溶接工のワン氏(45歳)は「数カ月分の給料が未払いである」と書かれた、マネジャーの署名入りのメモ書きを持っている。そのお金がないと、ワン氏は家を建てるために親戚から借りたお金が返せない。彼は、ハイウェイの封鎖に加わったが、何も成果がなかった。上司たちを問い詰めたこともあったが、それも何の役にも立たなかった。最近では、よじ登るためにクレーンを眺めて高さを測っていると言う。

©2016 The Economist Newspaper Limited.
Jan. 16, 2016 All rights reserved.
英エコノミスト誌の記事は、日経ビジネスがライセンス契約に基づき翻訳したものです。英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。

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The Economist

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どんな若者も幹部になると腐敗する中国の役所
少額の賄賂がどんどん大きくなり、いつの間にか当たり前に
2016.1.21(木) 柯 隆
中国・上海の夜景。今日もどこかの店で接待が繰り広げられている。(資料写真)
?27年前、私は私費留学生として名古屋へ留学した。中国では公務員だったため、月給は2000円程度だった。渡航費を節約するために、飛行機に乗らず、上海港から神戸港までフェリー「鑑真号」に乗った。

?日本に行くのは初めてだったので、できるだけ中国から身の回りの物を持っていくようにした。しかし、上海港で乗船しようと思ったら、係りの者から荷物が「超重」(ウェイトオーバー)だといわれ、300元(約6000円)の追加料金を求められた。私にとって300元は大金だった。

?少し離れた検査台を見ると、私よりも数倍もの量の荷物を持った女性が追加料金を払っていない。その瞬間、南京を出発したときに親友からもらった外国のタバコ「555」を2箱持っているのを思い出した。そこで、さりげなくタバコを検査係に差し出した。すると、彼はそのタバコを受け取って、「行きなさい」と言った。

?当時の中国では、腐敗といえばこの程度のものだった。タバコを取られるのは不愉快だが、仕方がなかった。

若者が志望する就職先の変遷

?1980年代半ばまで、中国の若者にとって就職先の花形は「国営企業」(1990年代の国営企業改革以降は「国有企業」と呼ばれるようになった)だった。国営企業に就職すると解雇される心配がなく、何よりも福利厚生が整っていたからである。

?その後、「改革・開放」が本格化するにつれ、外資系企業が大挙して中国に進出した。すると若者は外資系企業への就職を志望するようになった。一番の理由は給料が高いからである。国営企業と違って解雇される心配はあるが、給料の高さは魅力だった。

?1998年、朱鎔基元首相が国営企業の経営にメスを入れて抜本的な改革を行うと、ますます国有企業の人気は低下する。改革では中小国有企業を民間に払い下げ、大型国有企業は余剰人員を削減した。その結果、国有企業は雇用の安定性を一気に失ってしまったのである。

?2003年、朱鎔基首相(当時)が引退し、温家宝首相が就任した。2003年から2012年までの胡錦濤・温家宝政権の10年間、中国ではほぼすべての改革が先送りされたが、その中で国有企業はそれまでの改革の効果が表れ、巻き返しを図った。とくに2009年、温家宝首相がリーマン・ショックの影響を抑えるために4兆人民元(当時の為替レートで約56兆円に相当)の財政出動を行うと、資金が国有企業に流れ、一気に挽回する。国有企業は市場を独占し、民営企業を逆に買収した。

?中国政府は2005年7月から人民元の切り上げを始めていた。同時に北京や上海などの大都市で最低賃金が毎年10%ずつ引き上げられた。それをきっかけに、外資系企業の業績は低下し、リストラも行われるようになった。さらにリーマン・ショックが外資系企業に大きな打撃を与えた。

?こうして外資系企業の人気は低下し、中国の若者は大型国有企業への就職または公務員(含む国家公務員と地方公務員)になることを目指すようになった。理由は、もちろん安定した雇用が担保されていることにある。

幹部が腐敗していくプロセス

?公務員になろうとする若者の多くは、最初から腐敗しようとは思っていないはずだ。しかし、公務員になると、誰もが何らかの権限を握るようになる。

?中国では役所で手続きを行う際、「関係」(コネクション)が大きくものを言う。たとえば、公共事業を受注しようとした場合、公開入札に参加しても「関係」がなければまず落札できないだろう。「関係」、すなわち発注側のキーパーソンと知り合いであれば、落札できる可能性が高い。

?ただし「関係」はタダでは築けない。すべての関係は有償だと言ってよい。そこで、公務員になって役所に入った若者は、上司にお礼を言いに来る業者の姿を毎日目にすることになる。

?役所の中で階級が上がっていき幹部になると、業者がさまざまな便益を与えてくれるようになる。たとえば、鉄道の貨物輸送の許認可権限を持つ処長(日本の行政組織の課長に相当)になると、自分の荷物を一刻も早く発送したい業者から必ず賄賂が送られる。歴代処長がみんなもらっているのに、自分だけ断るわけにはいかない。最初はやむなく少額の賄賂をもらうことにとどめていても、徐々に金額が大きくなり、当たり前になっていく。繰り返しているうちに罪悪感の意識は薄れていく。

?賄賂を贈る業者も年々巧みになっている。たとえば、いきなりたくさんの札束を持っていくと、幹部は拒否反応を起こす可能性がある。そこで、無記名の「現金カード」(商品券のようなもの)を使うのだ。札束よりも1枚のカードのほうが、受け取る側の抵抗感は少ない。

?そうこうしているうちに、局長ぐらいになると業者との付き合いも深くなる。局長と業者との間である種の信頼関係ができてしまう。そうなると業者が局長に贈るのは数十万円とか数百万円の現金ではなく、その息子の留学費用をすべて肩代わりするといった、より大きな便益を提供するようになる。

?夜は業者の接待が連日続く。筆者が個人的に知っている高官は、ある日、私に「柯先生、今、金と権力は十分に持っているが、生活の質が下がった気がする」ともらした。なぜなのと尋ねると、「家族と食事する機会が1年に数回しかない」と言う。それは本当のことなのだろう。

?習近平政権になってから、厳しい腐敗撲滅運動が行われている。課長級以上の幹部で、まったく賄賂をもらったことがないという人はおそらくいないはずだ。反腐敗の収束が宣言されない限り、幹部たちは枕を高くして眠れないのではないか。しかし、反腐敗の収束を宣言すれば、再び腐敗が蔓延する。要するに、幹部が腐敗するのは個人のモラルの問題ではなく、現行制度の問題である。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45826

 


中国の経済顧問、大規模追加刺激の可能性否定−改革を擁護

中国の中央財経領導小組の方星海氏(2012年9月)

By LINGLING WEI
2016 年 1 月 21 日 03:13 JST

 【ダボス(スイス)】中国の習近平国家主席の上級経済顧問は20日、経済成長モデルを再構築する取り組みを続けるための強力な指導力が同国にはあるとして経済情勢を擁護する一方、成長を再び活性化させるための大規模な追加刺激策を打ち出すことはないと明言した。

 世界経済フォーラム(ダボス会議)に出席した方星海氏は会合の合間にインタビューに応じ、「中国経済は投資主導型から消費主導型への移行が進んでいる」とし、「2016年以降もこの転換を進めていく」と述べた。方氏は、共産党の経済・財政政策諮問組織である中央財経領導小組に所属する。

 中国で今週発表された15年通年の国内総生産(GDP)は前年比6.9%増と25年ぶりの低い伸びとなり、成長減速を浮き彫りにした。これを受けて中国経済の失速に対する懸念が一段と強まり、政府が長期的な経済改革を犠牲にしてでも短期の成長を後押しする追加刺激策を講じるとの憶測が広まった。

 方氏は「中国にとり最大のリスクは一定のペースでの減速ではなく、非現実的な勢いにまで景気を刺激したために突如として崩壊し、燃え尽きてしまうことだ」と指摘。向こう数年は「消費者需要の変化に対応するため、サプライサイド(供給側)の構造改革」を加速することが焦点になると語った。

 中国指導部が12月に発表した改革の実施計画には、製鋼所など過剰設備を抱えたゾンビ(死に体)企業の閉鎖や、農業従事者の都市部移動を容易にして売れ残った住宅を減らすこと、外資や民間企業による国内投資に一段と門戸を開くこと、不良債権処理、そして中国経済の長期的な足場を固めるための構造改革推進が含まれる。

 方氏は、「供給側の構造改革を成功させれば中国経済の移行を大いに促進し、世界経済に有益となるはずだ。最も必要とされるのは投資拡大ではなく消費拡大だからだ」との見方を示した。

 一方で「中国は急激な景気減速を容認するつもりはない」とし、「適切に支援」する財政・金融政策を16年も維持していくと述べた。

 また、中国経済を正しく理解するために、世界の投資家には大局的に状況を把握するよう求めるとした。政府による経済リバランス(再均衡)の進展を示す例として、GDPに占める民間消費の割合が2010年の49.1%から15年には52.5%に、非製造業の占める割合も同期間中に44.2%から50%に拡大したことを挙げた。

 「おそらく移行速度が不十分と見る向きもあろうが、中国ほどの規模の国にとり実際には相当速く、この移行プロセスは今後も続く」とした上で、「金融市場の変動は、この移行に伴う目下の資産価格の再評価が原因だ」と説明した。

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中国の「宴」終わらず それが問題だ

中国経済は鈍化したが、インフラ案件への投資は調整されていない PHOTO: AGENCE FRANCE-PRESSE


By ANDREW BROWNE
2016 年 1 月 20 日 19:03 JST

 2008年に米大手投資銀行リーマン・ブラザーズを破綻に追い込んだウォール街の危機を受けて、中国の国家資本主義が救済に駆けつけた。

 世界で最も広範な高速鉄道網、空港、地下鉄、そしてインターシティー高速道路を記録的な短時間で建設した中国に感謝しよう。この一心不乱の支出は世界経済が恐慌に突入するのを阻止した、とノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ氏は言う。

 今日、政府主導の景気刺激に端を発した債務の山と過剰な生産能力は、中国の「ハングオーバー(パーティー後の二日酔い)」、つまり過去の遺物だと評されることがしばしばだ。しかし、パーティーは終わっていない。むしろ、ヒートアップしているのだ。

 債務残高はGDP(国内総生産)比で160%未満から、現在は260%近くにまで膨らんでいる。しかも対GDP比率でみた過去12カ月の債務の伸びは、投資フィーバーが始まった時期のそれを上回る。現在を除いて、中国は全ての追加的な投資を吸収できないのだ。その大半は無駄になりつつあり、企業は新たな借金をして古い借金を返している。

 この勢いは衰えていない。なぜなら中国指導部は何を犠牲にしても成長することを要求しているからだ。経済がうまく消費主導型にシフトしつつあるとはいえ、製造業や投資面で失われた成長をそれによって穴埋めできないのだ。

 エコノミストたちは長年、中国が浪費に耐えられると主張してきた。彼らは、政府の債務残高について、それほど多くなく、国民貯蓄率は高く、債務の圧倒的多数は地元の通貨(人民元)建てであるため、海外の債権者が資金を引き揚げたり、古典的な国際収支危機をもたらしたりするリスクはないと指摘している。

 このような主張は今や、ララバイ(子守歌、気休め)のように聞こえる。債務の膨張に伴い、市場は中国の「審判の日」が近づいていると確信するようになった。

 彼ら市場関係者の見方は正しい。ただし、それはいつなのか。もし投資家が中国の金融危機が目と鼻の先だと感じているのなら間違っている。すぐにパニックになる理由はない。ある計算によると、現在のペースで債務が増えれば、今から5年ほどで危険ゾーンに入ることになるという。それは不均衡な状態が、他の東アジアの国々の金融システム崩壊前の状況(例えばアジア通貨危機当時のインドネシアや韓国)に似始めてくるかもしれないときだ。

 しかし、金融破綻のサイエンスは信頼できない。日本の経験がこの点を浮き彫りにしている。日本は危機を起こすことなしに、巨額の債務をほぼ永続的に増やせるように見える。だが、中国に関して言うと、以下の点は確かだ。つまり、中国が過去に行った投資フィーバーと違い、今回は債務病から脱却できない。債務がGDPより速いペースで伸びているからだ。

 債務の大半は伝統的産業部門の国営企業の帳簿上にある。鉄鋼、造船、石炭、ガラス、セメントなどの部門だ。これらの企業の利益は減少している。工場渡し価格は4年近くにわたって下落している。

 皮肉なのは、7年前に世界経済を安定させた国が、今や差し迫った混乱の震源になっていることだ。混乱がいつ、どのようにして到来しようとも、である。


鉄鋼・石炭など中国国有企業は減益と債務増に見舞われている PHOTO: KIM KYUNG-HOON/REUTERS


 リオデジャネイロからジャカルタに至るまで、投資家たちを神経質にしているのは、まさにこうした不透明感だ。カネを引き揚げられる富裕層の中国人はそうしている。主流エコノミストたち(単に中国の破滅到来の予言者だけではない)も、自分たちの予測を調整し始めている。つまり、中国が決して金融を緩和しない可能性、債務が自己の重みで崩壊するまで積み上がり続けるという可能性に向けて修正し始めているのだ。

 債務問題が今や制御不能になっていることを示す確実な兆候がある。それは政治家たちが、極めてあいまいな言い方を除いて、それを話題にしなくなったことだ。

 それは、中国の経済官僚トップの年次会合である最近の「経済工作会議」でほとんど議題にもならなかった。

 不愉快な現実に直面しようとしない消極性は、政治によっておおむね説明できる。習近平国家主席自身の信頼性が危うくなっているのだ。習氏は3年前に権力の座に就くや否や、中国民族の「偉大な復興」を約束した。したがって成長は力強くあり続けなければならない。目標未達は容認できないのだ。

 習氏は他の目標も追求している。中国共産党創設100周年の2021年までに、中国は国民1人当たりGDPを2010年比で倍増すると想定されている。そして中華人民共和国創立100周年の2049年までに、中国は世界の「中等先進国」の仲間入りをしなければならない、と国家計画で明記されている。

 習氏にとって残念なことに、重力の法則は不変だ。何十年間も上昇してきた中国は、解決できない債務問題の重みによって、再び地上に落ちてくるだろう。

(筆者のアンドリュー・ブラウンはWSJ中国担当コラムニスト)


 

 
2016年1月21日 陳言 [在北京ジャーナリスト]

人民元安でも中国の輸出は拡大しない

?2015年8月11日、中央銀行は人民元の対ドル中間レートを6.2298と発表、1日の下げ幅が1.9%にも達し、史上最安値を更新した。この後、人民元レートは多少戻したものの、11月に入って米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを見込み、さらに元安方向に振れた。2016年1月に入ると、6.7に近づき、1月18日には、6.5840に戻ったものの、この5ヵ月間に5%もの元安となっている。


?この元安は、ちょうど中国の株安、中国経済の減速と重なり、金融不安を引き起こし、もう一段と元安になるのではないかと思われている。元が1割安くなることはないと金融関係者は繰り返しているものの、市場はあまりそれを信用していない。

?株安については先週のコラムでサーキットブレーカー制度の不備を指摘したが、今回は元安の影響を分析する。注目はこの元安が、中国の輸出を好転させるかどうかだ。好転がないとすれば、中国が積極的に元を安くさせることはないだろう。

日本の経験によれば
通貨安は輸出を拡大しない

?民生証券の管清友・李奇霖両氏が2015年12月29日に発表したレポートによれば、「短期的にみれば、元安はある程度、輸出を後押しする作用があるだろうが、世界的な景気の下落傾向、輸出の為替相場の変動に対する柔軟性の低さ、低コストという強みの消失、海外需要が楽観視できないなどの要素により、中国の輸出はやはり低迷を続けることだろう」とのことである。

?このレポートによれば、1997年から今までの人民元の実際の有効為替レートの前年同期比と輸出の前年同期比の増加速度との関係からみれば、人民元の実際の有効為替レート前年同期比は輸出の増加速度より半年ほど先んじて変化している。しかし、世界の経済情勢や貿易条件の変化により、元安が輸出を促進する作用は弱まっている。

?日本の経験から見れば、2012年以降、円の下げ幅は40%前後となっているが、日本は輸入超過を続け、輸出はあまり拡大してこなかった。ここからも、為替レートの安値が貿易条件の改善にすぐさま効果を及ぼすわけではなく、2者の間の高度な関係性が因果関係を持つのか、それとも2者のマクロ経済情勢が反映しているためなのかは、やはり熟考に値する。

?日本を見る限り、人民元安も中国の輸出拡大には貢献しないだろうと思われる。

その他主要通貨の
安値競争を激化させる

?今回の元安の過程では、同時進行で多くの新興国が資本流出リスクに直面したため、その他の通貨も同様に下落過程にある。ドル高、石油価格の暴落、商品価格の下落といった背景のもとで、ロシアのルーブルは暴落し、マレーシア、インド、タイ、インドネシアの通貨はみな投げ売り状態となっている。

?これらの下落はみな、元安が中国経済を後押しする力を弱めている。ほとんどの新興国の為替レートは人民元とほぼ同傾向にある。これ以外にも、先進国通貨の対ドルレートも大幅な下落を始めている。

?アジアは中国の輸出額において最も大きな割合を占め、中国に続いて通貨価値が下落したアジアの国のほとんどは、中国の重要な輸出国である。同時に、現在、世界的な需要の収縮、輸出増加速度の下落がみられるなかで、世界の主要国は自国の商品保護や雇用確保のために、関連対応措置を採るとみられる。

?世界経済が一体化し、貿易自由化が行われる今、世界恐慌の時のようにブロック経済化、大規模な外国為替統制、保護貿易が採られることはないだろうが、規則で許される範囲内で自国経済の保護が行われると考えられ、これらは元安が中国の商品輸出にもたらす価格的優勢をすべて弱めてしまう。これによって、中国の輸出企業が通貨安によって得られる競争力が低下し、通貨価値下落が輸出を牽引する作用は大幅に弱められる結果となる。

海外顧客の値下げ圧力が
中国企業の利益を圧迫

?人民元の為替レートは現在、中央銀行である中国人民銀行で決められている。この対ドル中間レートメカニズムの市場化改革がさらに進むにつれ、今後も元レートは元安・元高の双方向で乱高下が激化するだろう。

?為替変動リスク回避策がいまだ不完全で、企業が変動リスクへの対応能力に欠く現状では、一部の輸出企業は契約と同時に短期で少額の契約を主とする比較的小回りのきく方法をとる傾向にあり、それが契約額の縮小を生み、企業の輸出額が拡大を続けることに不利となる。

?これ以外にも、輸出金額と人民元の対ドルレートの変化に対する柔軟性分析を行うと、元安はたしかにほとんどの商品輸出を後押しする作用があるが、柔軟性は比較的小さく、すべて0.2%以下である。

?つまり、元の実際の有効レートの下げ幅は1%だとしても、それによりもたらされる商品輸出の前年同期比増は0.2%以下である。同時に、元安という好条件は、顧客の値切りなどの要素により相殺されてしまう可能性もある。

?元安は企業の手元にある注文書からすれば、利潤を一時的に増加させるものであるが、のちに続く注文書では、弱者の地位に置かれた中国の加工企業にとって、元安によって生まれた利益は国外顧客の「未払い勘定」となり、買い叩きによって、元安によって増えたコストを中国企業に転嫁させられるかもしれない。このため、元安による利益の企業利潤に対する貢献は弱められるだろう。

中国の低コスト輸出という
強みはすでに喪失

?現在、中国は紡績業を代表とする従来の労働集約型・輸出志向型企業は、労働コストの上昇の影響を受け、特にローエンド製品の一部のシェアはすでに大幅に縮小しており、海外市場からの注文も東南アジア国家などに奪われ、一部の労働集約型企業はさらに生産拠点を中国の東南沿岸部から撤退させている。

?今回の人民元の短期的な小幅安もこれらの産業移転のトレンドを止めることはできず、従来の輸出志向型企業が中国の輸出全体に占める割合は下がり続け、元安がもたらす輸出の好条件の作用も限られたものとなるだろう。

?全体としていえば、短期的にみれば元安はある程度、輸出を後押しする作用があるだろうが、世界的な景気の下落傾向、輸出の為替相場の変動に対する柔軟性の低さ、低コストという強みの喪失、海外需要が楽観視できないなどの要素により、中国の輸出はやはり低迷を続けることだろう。

?関係指導者によれば、政府には元安政策をとって輸出を促進する意図はなく、為替レートメカニズムを整備しようとしており、輸出型企業が実質的な改善を実現したければ、そのカギはやはり輸出製品そのものの競争力を上げることにある。
http://diamond.jp/articles/-/84903


 


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