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「水素水は体に良い」は本当か?効果の真偽を徹底検証
http://www.asyura2.com/15/health17/msg/553.html
投稿者 ピノキ 日時 2016 年 2 月 13 日 23:05:22: /cgEbzQ/iEx0c g3ODbYNM
 

http://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E3%80%8C%E6%B0%B4%E7%B4%A0%E6%B0%B4%E3%81%AF%E4%BD%93%E3%81%AB%E8%89%AF%E3%81%84%E3%80%8D%E3%81%AF%E6%9C%AC%E5%BD%93%E3%81%8B%EF%BC%9F%E5%8A%B9%E6%9E%9C%E3%81%AE%E7%9C%9F%E5%81%BD%E3%82%92%E5%BE%B9%E5%BA%95%E6%A4%9C%E8%A8%BC/ar-BBprE3s#page=2
msn ニュース
ダイヤモンド・オンライン


 若い女性を中心に「健康、美容に効果的」と話題の水素水。だが、水素水は本当に健康維持に役に立つのか、それが今回のテーマである。


 最初にはっきりさせておかなければならないことがある。単に「水素水」と言った場合、水素ラジカル(H・)や水素化物イオン(H−)が溶存しているとされる「活性水素水(ミネラル還元水)」と、水素分子(H2)を溶かし込んだ「水素分子水」に大別される。


 活性水素とされる水素ラジカルや水素イオンが水の中に安定的に存在するという主張には科学的根拠が乏しく、かつ過去には、所謂「ミネラル還元水素水の生成装置」と称する製品を製造・販売していたメーカーに対して、公正取引委員会が誇大広告(優良誤認)であるとして景品表示法による排除命令を出している(2005年12月26日)。よって、本稿では「活性水素水」を除外した水素分子水を以下「水素水」として扱う。


濃度が重要?生成方法で違う?「水素水」競争が激化中
 最近では、2015年7月に伊藤園が発売した「高濃度 水素水」が、主にネット上で物議を醸した。同社は元々、2008年から「還元性 水素水」を取り扱っていたが、水素濃度を高めた新製品を出したことが耳目を集め、工業的に水素分子を加圧注入して過飽和水素水としていることの説明はあっても、生理学的説明が一切されていないことで非難を浴びたようだ。


 エネルギーとしての水素それ自体はクリーンであることからか、「水素水を飲めば体内がきれいになる」――そんなイメージを抱いてしまう人が少なくないからなのかもしれない。


 と同時に、「水素がからだにいいのは当たり前」を前提として、「水素水は実際に飲むときの濃さが大事」としてその濃度を競う商品も登場。あるいは「水素水製品は○○タイプがお勧め」といった感じで、効能や副作用が検証されないままに、その生成方法の優位さを競う段階にスキップしてしまっている(以下に代表的な方式を挙げておく)。


a.「水素ガス充填方式」(アルミパウチ水素水)b.「金属マグネシウム反応方式」(水素水スティックなどで水素を発生させる)c.「水素生成剤方式」(耐圧容器の中で水素を発生させる)d.「サプリメント方式」(体内で水素発生剤から水素を発生させる?)e.「電気分解方式」(サーバー内で電気分解を行う)


 水素はからだにいいことが“確かなら”、あとは自分に合う方式を選べばよいだけなのだが、如何せん、効能やメカニズム、科学的な根拠が示されているとは言い難い。せいぜい試験管レベルの化学式でお茶を濁している程度で、エビデンス(医学的根拠)にお目に掛かったことはない。だが、実際にいくつかの宣伝サイトを覗いてみると、以下のような惹句が並んでいる。


「水素を体内に入れると、直ぐに活性酸素と結合して、それを中和(還元)します。つまり、体内の活性酸素を効果的に素早く消去してくれる」


「水素水には、老化や体の不調の原因になる、体内の悪玉活性酸素を体外に排出する作用がある」


「水素水は悪玉活性酸素を安全かつ効果的に除去する唯一の存在」


 そこで以下では、水素水に関する科学論文を手掛かりに、その生理学的特性などを追ってみたい。参照するのは、社団法人日本老年医学会が発行する「日本老年医学会雑誌」Vol.49(2012)に掲載された、「水素分子の生理作用と水素水による疾患防御」(大澤 郁朗)である。


糖尿病の治療には効果アリ?科学論文に学ぶ「水素水」の実態
 同論文の要約には、次のような記述がある。


〈水素分子(H2)は,生体内で容易に拡散して毒性の高いラジカルを選択的に還元する.このため,H2はフェントン反応※1や放射線照射により生じたヒドロキシルラジカル(OH・)による細胞死を抑制する.(中略)このH2を容易に摂取する方法として,H2を高濃度に溶かした水(水素水)が開発された.水素水の飲用によって体内に取り込まれたH2は,速やかに呼気ガスとして体外に排出される.(中略)水素水の臨床研究では糖尿病患者のLDLと酸化ストレスが抑制され,肝がん患者の放射線治療におけるQOLの改善が報告されている.H2及び水素水の作用機序については未だ不明な点が多く,効果の検証についても臨床レベルの大規模な研究が必要である.しかし,H2は安全性が高く人への投与も容易であることから,酸化ストレスや炎症に関連する多くの疾患で新たな治療法となることが期待されている.〉(句読点ママ、太字による強調は筆者による。以下同様)


※1 フェントン反応 ヒドロキシルラジカルはフェントン反応(下式)により生成するとされ、強い酸化力を発揮することが知られている。Cu+も同様の反応を起こすことが知られている。   Fe2+ + H2O2 → Fe3+ + OH− + OH・


 ちなみに人体内においては、上式の反応は、鉄分の多い食事プラス便秘の際に大腸内で促進される。よって、(1)血液分の多い肉(赤身肉など)をたくさん食べて、(2)野菜はあまり摂らず、(3)しかも便秘してしまった、という組み合わせは、大腸がんリスクの点で最悪である。また、そのためか、米国では「鉄分フリー」な食品は、けっこうポピュラーである。


 さて、どうだろうか。少なくとも、H2を巧く取り込めれば、活性酸素種(ROS;Reactive Oxygen Species)中で最も酸化力が強い(とされる)OH・による害を減らしてくれそうではあるのだが。


 以下、同論文本文中の気になる記述を絞り込んで拾い出してみる。


〈水素水は水素ガスの溶解や,水の電気分解で容易に調製できる.摂取したH2は体内に拡散して血流に乗り,大半は呼気ガスとして排出される.人における飲水後の呼気ガス中水素濃度のピークは10分程度で,1時間後にほぼ元に戻る〉


 H2が体内の一部にしか回らないのか、全身に満遍なく回るのかは重要な点であると同時に、呼気ガス中の水素濃度のピークが10分程度であることから、“効き目”は数十分間に限られそうだ。


〈糖尿病患者に1日900mlの水素水を8週間連続投与したところ,脂質代謝と糖代謝に好影響をもたらし,インスリン抵抗性関連疾患の予防と治療に有益である可能性が示された.また,水に金属マグネシウムを投入することでH2を発生させ,この水素水をメタボリックシンドローム予備軍の披験者に8週間投与した臨床研究が報告されている.この研究では,尿中のSOD活性増加とチオバルビツール酸反応性物質(TBARS)の低下が認められ,酸化ストレス抑制効果が示された.こうした一連の研究は,メタボリックシンドローム全般で水素水に病態改善効果がある可能性を示唆しているが,人における有用性を論じるにはさらに大規模な長期に渡る臨床研究が必要である.〉


〈肝がんの放射線治療患者25名に水素水を飲ませ,プラセボ25名とQOLを比較した.すると,食欲や味覚障害が改善され血中の酸化ストレスが抑制された.水素水の飲用は放射線の治療成績には影響を与えていない〉


 糖尿病の改善や、放射線治療副作用の抑制には、効果が認められるようだ。


 上記からわかる水素水の生理学的特性のポイントは以下の4点だ。


・水素水を飲んでもH2が体内に留まる時間は他の医薬品と比べると極めて短い(数十分程度)。


・飽和水素水を摂取した直後、胃や小腸、小腸と門脈で直結されている肝臓は、数十分程度のあいだは高濃度のH2下に置かれる。


・つまり、H2が大腸まで届くかどうかは疑わしい。


・同様に、水素水由来のH2がからだの隅々の細胞にまで到達するとは考えにくい。


水素を体内に取り入れる最も効果的な方法とは?
 じつは一般に、H2を体内に取り入れる方法は3つある。


1.水素水の飲用(冒頭で紹介したa.からe.までの5つの方式)2.水素ガスの吸入(酸素缶からO2を吸入するのと同じ方法)3.水素水浴(浴槽に入浴剤を投入して炭酸ガスを発生させるイメージ)


 3つめについては、〈からだは皮膚呼吸をしていますので、水素風呂に浸かることで水素をからだ全体で取り込み、全身に浸透します。また口からの呼吸によってお風呂から出た浴室内に充満した水素を、口からも取り込むことができるのです〉と、「水素水浴」をイチオシしているサイトもある。


 言うなれば、H2に関しても美肌術と同様、永遠のテーマ?とも言える、「飲むと塗るではどちらが効果的か?」も焦点となっているわけだ。


 敢えて、筆者なりに使い分けを考えてみると次のようになる。


・全身にH2を行き渡らせたいなら、小まめに水素ガスを吸引するとよいかも。


・消化器系をターゲットにするなら、水素水の飲用も、ものによってはメリットが得られるかもしれない。


・皮膚の不調を改善したい場合、入浴剤タイプの水素風呂を試してみてもいいかもしれない。


 ただし、筆者は基本的には水素水の飲用効果に関しては懐疑的である。以下、冒頭に挙げた5つの方式に沿って説明する。


a.「水素ガス充填方式」(アルミパウチ水素水)


 安全性の点では問題ないと考えるが、高濃度競争による高価格化には意味がないと考える。『理科年表』にあるデータを元に計算すると、H2は1m3の水に0℃・1気圧下で0.98mol溶けて飽和する(気体は水の温度が低いほど多く溶ける)。これをppmに換算すると1.96ppmとなる。伊藤園の公式オンラインショップ「健康体」によると、同社の「高濃度 水素水」の水素濃度(充填時)は1.9〜2.5ppmである。炭酸飲料と同様、常圧に戻った瞬間、過飽和分のH2は速やかに抜け出すため、これ以上の濃度(過飽和)は無意味である。このあたり、大手メーカーはさすがに心得ている。


b.「金属マグネシウム反応方式」(水素水スティックなどで水素を発生させる)
c.「水素生成剤方式」(耐圧容器の中で水素を発生させる)


 いずれも、マグネシウム(=b.)やアルミニウム及びカルシウム化合物(=c.)、水素を発生させるための材料としている。


   Mg + 2H2O → Mg2+ + 2OH− + H2


 からも分かるように、H2を摂ろうとすればするほど、マグネシウムイオンやアルミニウムイオンを一緒に体内に入れることになる。その生成比からして、十分なH2を取り込む前に、マグネシウムやアルミニウムの過剰摂取になるのではないかと懸念される。


d.「サプリメント方式」(体内で水素発生剤から水素を発生させる?)


 水素発生剤を粉末のまま直接体内に入れることになるため、何がどの程度起こっているのかよく分からない。水素発生のための材料としては、b.c.と同様のもの、またはH2を吸着させたものがある。前者ではb.c.と同じリスクがあり、後者では体内でH2が遊離するのかどうかなど、その程度も含めて判断のしようがない。


e.「電気分解方式」(サーバー内で電気分解を行う)


 この方式でも確かにH2は発生するが、H2が水の中にどの程度安定的に存在できるのか疑問。一部のサイトには、アルカリ性の水溶液中ではH2が安定するなどと書かれているが、甚だ疑問。仮にそうだとしても、胃の中で一気に中和されてしまい、炭酸飲料を飲んだときのようにH2ガスが抜けてしまうはず。いずれにせよ、この説明では自家撞着である。


 しかしながら、水を電気分解した際に陰極側に生成するアルカリイオン水は、効能・効果として胃腸症状の改善が認められている。元々の効能・効果表記としては、「慢性下痢」「消化不良」「胃腸内異常発効」「制酸」「胃酸過多」だったものが、2002年に二重盲検による再治験が行われ、一般消費者に分かりやすい「胃腸症状の改善」との表現に改められたとのことだ。


有効性を証明するための相応しい検証方法は?
 いずれにせよ、水素水などのメーカーは、医学的エビデンスを待つだけでなく、たとえば以下のような検証を行って、その有効性を示すべきだろう。


 じつは、そのヒントは先の論文「水素分子の生理作用と水素水による疾患防御」の中にも書かれている。


〈8−ヒドロキシ−デオキシグアノシン(8-OHdG)を指標とした酸化ストレスが減少した〉とあるが、この8-OHdGとは、DNAを構成する4つの塩基(A:アデニン、T:チミン、G:グアニン、C:シトシン)のうち、最も酸化されやすいグアニンが壊れたものである。そしてこの8-OHdGは、尿中の濃度を測定することが可能である。たとえば、「II型糖尿病患者と健常者を(男,女)×(非喫煙者,喫煙者)の4組に分けて、1日あたりの尿中の8-OHdGの排出量を比較してみると、いずれの組み合わせでもII型糖尿病患者は健常者の2倍前後の量になった」という結果がある〉(東女医大誌,69(5),280-284,1999)。


 となると――ある人の1時間単位の尿中の8-OHdGの量を予め何日分か測定しておき、別の日に1時間ごとに決まった量の水素水を飲み続けながら、1時間ごとの尿中の8-OHdGの量の時系列変化を測定すれば、水素水によるDNAの酸化ストレスの軽減効果を見ることができるはずだ。


(吉田 克己)


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水素水にしろ水素吸引法にしろ、実際どれだけ効果があるのか検証されてないってのが危ういよね。
 

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