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がん死亡の8割、生活習慣と環境が原因…過剰な塩分、運動&野菜不足、タバコ
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20160213-00010002-biz_bj-nb&ref=clipRank
Business Journal 2016/2/13 08:00 文=岡田正彦/新潟大学名誉教授
がんは、遺伝ではなく、日常の生活習慣や身近な環境中に原因があることがわかってきました。がん死亡の8割ほどは、自分の努力で予防することができるのです。
以下は、筆者が世界中の論文を精査してまとめた「がんの9大原因」です。( )内は、それぞれ発がんに関与する割合(%)です。互いの影響を排除する統計処理がなされていますが、若干の重複は避けられず、実際よりいくぶん高めと考えてください。
【第1位 タバコ(21.0%)】
タバコの煙には4,000もの化学物質が含まれ、うち50に発がん性があります。とくに肺がんは、その8割が喫煙によって生じています。日本で紙巻きタバコの売れ行きがピークを迎えたのは1977年でしたが、それからちょうど20年後、肺がんで死亡する人の割合が最大になりました。
【第2位 野菜、果物の不足(20.8%)】
紫外線、放射線、排気ガス、タバコの煙などは、体を構成する原子の中の電子を弾き飛ばすという激しい性質を持っています。傷ついた原子は、周囲の健康な原子から電子を奪い取るようになり、やがて報復の連鎖となって遺伝子まで傷つけてしまいます。
遺伝子の中には、細胞分裂がほどほどに行われるように調節を行っている部位があるのですが、そこが傷害されると細胞分裂が止まらなくなり、暴走を始めることになります。これが発がんのメカニズムで、一連の出来事は「脂質過酸化反応」ともよばれます。
野菜・果物には、脂質過酸化反応を止める成分「抗酸化物質」が豊富に含まれています。葉物野菜なら、毎日、味噌汁椀の大きさの器で4杯以上、果物は種類を問いませんが、リンゴであれば1個以上食べるようにしましょう。
【第3位 過剰な塩分(13.7%)】
塩分の多い食事を取り続けると胃粘膜の細胞が破壊されます。すると破壊された部位を修復するため、周囲の細胞が次々に分裂します。これが繰り返されるうち、DNAのコピーミスが起こり、発がんの引き金となってしまうのです。塩分の多い食事は、胃がんの重大な原因となっています。
【第4位 発がん性ウイルスの感染(9.7%)】
ウイルスによって生じるがんとして、肝臓がんと子宮頸がんが知られています。肝臓がんのウイルスは血液で伝染しますので、他人の血液に触れないこと、家族でも歯ブラシや髭剃り用カミソリを共用にしないことです。子宮頸がんのウイルスは性行為によって感染しますから、自重が肝要。浮気も要注意です。
【第5位 運動不足(8.6%)】
ほとんど運動をしない人は、比較的よく運動している人に比べてがんが明らかに多いことが実証されています。運動によってがん抑制遺伝子が活性化されたり、インスリン分泌が適正に調整されたりするなどの実験データもあります。
【第6位 レントゲン検査(4.4%)】
がん検診や病院で受けるレントゲン検査による放射線被曝もがんを引き起こします。とくに被曝量が大きいのは、胃や腸のバリウム検査、心臓CTなどで、いずれも胸部レントゲン撮影の最大1,000倍にもなります。
【第7位 空気汚染(3.0%)】
家の中の空気にも発がんリスクがあります。タバコの煙、掃除で舞い上がるホコリ、たき火の煙、各種スプレー中の界面活性剤、日曜大工の木屑、ベビーパウダーの粉末、自家用車の排気ガスなどがすべて、鼻腔がんや肺がんの原因となります。
【第8位 肥満(2.5%)】
肥満が糖尿病などの発症をあと押しすることはよく知られていますが、がんの原因でもあることをご存知でしょうか。体脂肪が脂質過酸化反応にかかわっているためと考えられています。
【第9位 お酒の飲みすぎ(1.9%)】
ほどほどのお酒は健康寿命を延ばしますが、飲みすぎによって口腔がん、食道がん、乳がんなどによる死亡が明らかに増えます。
無益、かつ有害ながん検診は直ちにやめて、身近な発がんリスクをなくする努力を、国を挙げて行うべきでしょう。
(文=岡田正彦/新潟大学名誉教授)
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