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牛乳やヨーグルトが元凶?下痢・便秘等お腹の不調、食事改善で7割の人が解消(Business Journal)
http://www.asyura2.com/15/health17/msg/733.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 6 月 08 日 01:24:25: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

牛乳やヨーグルトが元凶?下痢・便秘等お腹の不調、食事改善で7割の人が解消
http://biz-journal.jp/2016/06/post_15404.html
2016.06.08 文=江田証/江田クリニック院長、医学博士 Business Journal


 世の中は、「腸内細菌ブーム」である。書店に行けば、「腸内フローラで健康に」「腸内細菌を整えてアンチエイジング」「腸を整えてやせる!」などの書籍、雑誌がずらっと並ぶ。最近、腸内細菌に対する研究技術が著しく進歩したことで、これまでブラックボックスだった腸内細菌に対する理解が急速に進んだ。
 
 Lederburgという学者は、腸内細菌をたとえて「超生命体(スーパー・オーガニズム)」と呼んだ。つまり、腸内細菌は「ひとつの臓器」としてとらえてもいいくらい重要なのだ。

 人体に存在する細胞は37兆個。それに対して、われわれの腸の中に住む腸内細菌数はなんと100兆個。つまり、自分の細胞よりも多くの数の細菌が、腸の中に住んでいるのだ。そして腸内細菌は、われわれの全身を整えていつも同じ状態にあるよう調整してくれている(恒常性の維持)。

 ただし、この「腸内細菌健康法」ブームによって、かえってお腹の調子を崩している「腸内細菌健康法難民」がいるのをご存じだろうか?

 過敏性腸症候群という病気がある。実はこの病気、地球規模の健康問題となっている現代病だ。下痢、お腹のゴロゴロ、張り、痛み……。日頃から腸の調子がすぐれないという日本人は多い。過敏性腸症候群とは、大腸内視鏡などの検査を行っても目で見える異常がないにもかかわらず、下痢、腹痛などの症状に悩まされる病気。主にストレスや幼少期のトラウマなどに原因があると考えられてきた病気で、日本人の実に13.1%は過敏性腸症候群だ。

 アジア全体では全人口の9.6%を占め、地球規模の健康問題となりつつある。特に都市に住む人に多く、世界的な都市化の波によるストレスやPM2.5などの環境汚染物質が腸の炎症を悪化させることを反映している。

 さて、この病気に対し、新しい知見が得られてきた。それは、腸の症状がまったくない人と、過敏性腸症候群の人に対する食事法や対処法はまったく逆だということだ。

 つまり、一般的な腸の健康書に書かれているような食事法をしていると、もともと腸の調子が悪い人はさらに症状が悪化してしまう可能性があるのだ。

■腸内細菌がつくる代謝産物とは

 さまざまな健康本に書かれていることを概説しよう。

 腸内細菌にはさまざまな種類があるが、腸内環境を整えるには、できるだけたくさんの種類の腸内細菌がいたほうがいい。腸内細菌の「多様性」が腸の粘膜のバリア機能を高め、免疫力を向上させる。

 そして、腸内細菌の多様性を高めるには、腸内細菌のエサとなる食べ物の種類を増やすことが重要である。なるべくたくさんの種類の食べ物を食べることが大切なのだ。同じものばかりを食べていると、腸内細菌の種類まで減ってしまい、同じ菌ばかりが増えてしまう。この状態を「ディスバイオーシス」と呼び、腸内環境の劣化を招く。

 だから、アスパラガス、ネギ、豆、ゴボウなど食物繊維を摂り、納豆、味噌などの発酵食品、オリゴ糖などの特定保健用食品(トクホ)などを摂りましょう、ということだ。

 そして、腸内細菌の働きとして新しく解明されてきた重要なことがある。腸内細菌は、ただ大腸の中に住んでいるだけではなく、腸の粘膜の維持に欠かすことのできない代謝産物をつくっているということだ。

 代表的な代謝産物が以下の3つ。腸内細菌が腸内でつくる「乳酸」。これは腸の粘膜の細胞(上皮細胞)のエネルギー源となって、腸の細胞が増えるのを助ける。

 また、腸内細菌が腸内でつくる「酪酸」。これは免疫細胞が成長するのを促し、免疫力を強くする。

 最後に腸内細菌が腸内でつくる「酢酸」。これは腸管の細胞のバリア機能を高めることで、感染症を予防する。

 このように、腸内細菌はただ腸の中で生きているだけではなく、腸の中でいろいろな代謝産物をつくっており、それが血液中に入り循環することで、私たちの体全体に大きな影響を与えているのである。

■誰もがあてはまるわけではない「腸内細菌健康法」

 以上のことはお腹の症状がない人にとっては有益な健康法の情報だ。
 しかし、腸の辛い症状で悩んでいる過敏性腸症候群の人の腸内細菌を調べてみると、意外なことが判明してきた。それは、下痢や腹痛などの症状が強い重症な人ほど、前述した腸内細菌がつくる代謝産物(酢酸、プロピオン酸)などが過剰なのである。

 前述のとおり、本来、腸内細菌が腸内で産生する乳酸やプロピオン酸などは腸の健康に良い影響を及ぼすものである。しかし、過剰になれば下痢や腹痛などの症状を悪化させるということである。

 ではなぜ、過敏性腸症候群の人では、代謝産物が過剰状態になってしまうのだろうか。

 最近の研究により、過敏性腸症候群の人の腸内では、ヴァイロネラという細菌とラクトバチラスという細菌が増えている。ラクトバチラスはグルコースを乳酸に代謝する細菌で、ヴァイロネラは、乳酸を酢酸やプロピオン酸に分解する細菌である。なんらかの原因によるこれらの細菌の増加が、酢酸などの代謝産物を増やし、症状を悪くしているのだ。

 つまり、腸の健康法の本を読んで、つらい腸の症状を軽くしようとまじめに実行すればするほど、症状が悪化してしまう人がいるわけだ。

■新しい腸内細菌健康法 低FODMAPダイエット

 下痢、便秘、お腹のゴロゴロ、張り、痛み……。そんな弱った腸を助けてくれるのが「低FODMAP食」だ。過敏性腸症候群の新しい食事法としてオーストラリアのモナッシュ大学にて開発され、最も権威のある消化器系の医学誌「Gastroenterology」誌の最新号でもその有効性が証明されている。

 FODMAPとは、「発酵性のオリゴ糖類」「二糖類」「単糖類」「ポリオール類」のアルファベット表記の頭文字に「AND」を加えて並べたもの。

 これらの糖質を避けた食事を3週間続けると、約7割の過敏性腸症候群の人で胃腸の調子が回復するという論文が出ている。腸内細菌が産生する過剰な代謝産物も減って症状が楽になる。

 これらの糖質は小腸で吸収されにくいため、小腸の中の浸透圧が高まる。すると、この浸透圧の高まりによって腸管内に過剰に水分がひきこまれ、小腸内に過剰に水分が貯留することになる。すると、これにより小腸が刺激されて運動が異常に高まり、お腹がゴロゴロしたり、痛みが出たりする。

 また、小腸で吸収されにくいこれらの糖質は大腸まで到達し、大腸内の腸内細菌と反応して異常な発酵を起こす。発酵により水素ガスがたくさん生産されるため、お腹の張りや便秘の原因になる。さらに、異常発酵は有機酸などの代謝産物を大量につくり出し、下痢や腹痛を招く。過敏性腸症候群に対して低FODMAP食は、この病気の改善に有効だと認められている。

 06年に豪州で行われた研究によると、62人の過敏性腸症候群患者に低FODMAP食を実施してもらったところ、90%近くの症状が改善した。14年には、豪州で行われた研究が権威ある医学誌「ガストロエンテロロジー」に報告されている。過敏性腸症候群の患者を(1)3週間にわたって低FODMAP食を食べたグループと、(2)通常食を食べたグループに分け、ランダム化比較試験を行ったところ、(1)のグループの70%の症状が大きく改善したという。

■代表的な低FODMAP食

 日頃から胃腸の具合が悪い人は高FODMAP食を控え、代わりに低FODMAP食を摂ることがすすめられる。代表的な低FODMAP食を拙著『一流の男だけが持っている「強い胃腸」の作り方』(大和書房)のなかで解説した。

 お腹に良いといわれているヨーグルトや牛乳には乳糖が含まれる。一般的な“腸の常識”とは逆で、過敏性腸症候群の人は食べ過ぎに注意。

 小麦、大麦、大豆、アスパラガス、ゴボウなどにはオリゴ糖が豊富に含まれている。オリゴ糖は、腸の健康によい影響を与えるとしてトクホに認定されているが、これも同じ。納豆やキムチなど発酵食品も大腸内で発酵を促進するため、過敏性腸症候群の人は控えたほうがいいものとされている。

 乳糖、果糖、フルクタン、ガラクタンなどのオリゴ糖類を含む小麦、タマネギ、レンズ豆、ひよこ豆を控える。甘味料として使われるソルビトール、キシリトールなどのポリオール類が使われている食品を避ける。高乳糖食のヨーグルトや牛乳、高果糖食のハチミツ、リンゴやモモなどの果物の摂取量を減らす。こうした食事を心がければ、腸の調子は回復する。

 豪州などで推奨されている低FODMAP食事法は、3週間はFODMAPの高い食品をすべて避け、その後、徐々にFODMAPの高い食品の摂取をひとつずつ再開していくというものだ。厳密に実践するのは難しいが、研究では、意識して高FODMAP食の摂取量を減らすだけでも、症状が改善することがわかっている。

 ただし、低FODMAP食事法は、あくまでも胃腸の調子が悪い人に向けたもの。まったく問題ない健康な人が実践すると、かえって有用な腸内細菌の代謝産物を減らしてしまうこともある。普段から、腸の不調に悩んでいる人は試してみる価値ありだ。

(文=江田証/江田クリニック院長、医学博士)
 

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