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阪神大震災とマルコポーロ廃刊事件−−22年目の冬に   西岡昌紀
http://www.asyura2.com/15/jisin21/msg/753.html
投稿者 西岡昌紀 日時 2017 年 1 月 31 日 12:35:58: of0poCGGoydL. kLyJqo@5i0k
 

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http://blog.livedoor.jp/nishiokamasanori/archives/8728423.html
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1958380825&owner_id=6445842

あれから、22年が経ちました。


阪神大震災とマルコポーロ廃刊事件からです。


阪神大震災は、22年前(1995年)の1月17日の早朝起こり、6000人を超える人々の命を奪ひました。


又、マルコポーロ廃刊事件は、阪神大震災と同じこの年の1月17日(日)に発売された文藝春秋社の月刊誌「マルコポーロ」が、私が寄稿した記事(「戦後世界史最大のタブー/『ナチ・ガス室』はなかった」)へのシオニスト団体からの抗議を切っ掛けに、同年1月30日(月)、同誌の突然の廃刊決定に至った事件です。


この二つの出来事は、私にとって、不可分の記憶と成ってゐます。


その為、毎年、1月17日が来ると、私は、阪神大震災が起きたあの日の事を思ひ出すと同時に、その日から1月30日のマルコポーロ廃刊までの時間を思ひ出します。

(関連する記事「マルコポーロ廃刊事件」)
http://blog.livedoor.jp/nishiokamasanori-rekishiokangaeru/archives/52050190.html

特に、阪神大震災が起きた直後、当時、厚生省直轄の病院に勤務して居た私が、震災当日に、当時の私の病院院長に、被災地に行って医療活動に参加したいと申し出たのにも関はらず、院長からその許可が下りず、神戸からの報道を見ながら、関東で空しい時間を送らざるを得なかったあの時の焦燥感が心に蘇るのを、毎年この時期、私は、どうする事も出来ません。

(関連する記事:「医師たちは何故足止めされたのか?−−阪神大震災の時、厚生省は何をしたか」)
http://blog.livedoor.jp/nishiokamasanori/archives/7760795.html


(関連する記事: 厚生省は何故国立病院職員の現地派遣を遅らせたのか?)
http://blog.livedoor.jp/nishiokamasanori/archives/6253936.html

今年は、何故か、特にその気持ちが強かったのですが、その間に、私は、当時の或る雑誌記事を読み返しました。


それは、ジャーナリストの江川紹子さんが、阪神大震災発生とマルコポーロ廃刊の後、月刊『創』に寄稿した記事でした。


その冒頭を引用し、御紹介します。

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 明石市から被災地に入って、毎日少しずつ移動しながら8日目に西宮市に到着した。もちろん今回の阪神大震災の取材のためである。1月30日、今回の取材日程も最終日となった日の午後3時頃のことであった。携帯電話が鳴った。「突然ですが・・・」聞こえた文藝春秋社の月刊誌『マルコポーロ』のKデスクの声は暗く深刻だった。「マルコが廃刊となりました。今売られている号で最終号です。次号は出ません」「ウソでしょう。なぜ・・・」
 ユダヤ人のホロコーストを巡る記事が問題になって、ユダヤ人の団体から抗議を受けたとのこと。交渉中だったが、会社が廃刊を決め、それが産経新聞に出るという話だった。青天の霹靂とはまさにこのことだ。
 確かに私も問題の記事を読んで、疑問を抱いた。「こういうのを一方的に、無批判に出していいのかなあ」という思いもあった。ユダヤ人団体が抗議するのは当然と思いつつも、廃刊という結論だけを通告された身になってみれば、唖然とするばかりであった。なにしろ私は、『マルコポーロ』に掲載するために、震災の取材をしていたのだ。
 
(江川紹子「『マルコポーロ』廃刊事件で何が問われたか」月刊『創』1995年4月号110ページより)

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江川さんが書いておられる様に、江川さんは、阪神大震災が発生した直後、被災地に急行し、毎日少しずつ移動しながら、現地の悲惨な状況を取材して居ました。その江川さんが、取材開始から8日目の1月30日、突然、電話で知らされたのが、御自分が取材して居る震災の状況についての記事が掲載される予定だったマルコポーロ誌が廃刊と成った言ふ知らせだったのです。

周知の通り、文藝春秋が、マルコポーロの廃刊を決定した理由は、私が寄稿した記事(「戦後世界史最大のタブー/『ナチ・ガス室』はなかった」)に対するアメリカのシオニスト団体サイモン・ヴィーゼンソール・センター(SWC)からの抗議とそれによる影響が深刻化したから、とされて居ます。(本当の理由は、他に有ったとする説も有ります)


いずれにしても、同年1月30日(月)、文藝春秋社はマルコポーロの廃刊を発表し、それから大騒ぎが始まる訳ですが、この廃刊事件が、阪神大震災の発生直後に起きた為、被災地を取材して居た江川さんは、御自分の取材が無に成ると言ふ辛い目に遭ひます。


その悔しさを江川さんは、この記事の中で、こう書いてゐます。

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 廃刊とするにしても、その顛末をきっちり読者に報告してからやめるのが、読者への礼儀だろう。
 しかも、責任は他の筆者や読者に対してだけではなく、取材協力者に対してもある。私の場合、被災者たちに「次号の『マルコ』に掲載する」として取材している。中には「次号の『マルコ』を買うからね」と言ってくれた被災者もいた。私はもちろん送るつもりでいたのだが、「家がなくなったので、雑誌が出るころにはどこにいるか分からないから」と言われた。また、対策で多忙な中「『マルコポーロ』ならいいですよ」とインタビューに応じてくれた首長もいた。そういう人々への責任をどう考えているのだろうか。
 私は、住所がわかっている人たちに対しては手紙を書いて、せっかく協力してもらったが、それを掲載できないことを伝えた。しかし、伝えることができない被災者たちがいる。私はその人たちに申し訳なくてたまらない気持ちなのだが、文藝春秋社の幹部たちにはその思いはわかってもらえなかったようだ。田中社長の口から、とうとうそうした協力者たちへのお詫びは出なかった。
 
(江川紹子「『マルコポーロ』廃刊事件で何が問われたか」月刊『創』1995年4月号118ページより)

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これを読む度に、私は、本当に辛い気持ちに成ります。


そのマルコポーロの廃刊について、江川さんは、次の様に書きます。


先ず、私が寄稿した記事については、


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  第一に、問題の記事をどう考えるかという点だ。私は前述のように、この記事を支持しない。

(江川紹子「『マルコポーロ』廃刊事件で何が問われたか」月刊『創』1995年4月号113ページより)

-----------------

と、明確に述べて居ます。そして、そう断った上で、マルコポーロ廃刊直後に文藝春秋社とSWCのクーパー師が開いた共同記者会見に出席した際の事を踏まえて、この様に、文藝春秋を批判します。

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  第二の問題点は、サイモン・ウィーゼンタール・センターのとった、広告ボイコットという手法についての評価だ。(中略)この点についての私の結論を申し上げる。ウィーゼンタール・センターの今回の手法は、民主主義のルールを踏み越えていると思う。クーパー師は「広告拒否という強硬手段は異例なことだった。ボイコットは大変深刻な場合のみである」と述べたが、私はその答えでは納得できない。『マルコ』側は反論の機会を用意していた。(それが同じ号に掲載するべきだったことは前述の通りだが)。『マルコ』に西岡氏の記事の倍のスペースを求めて、同センターが調査したホロコーストの実態を伝えることもできた。あるいは謝罪を求めるにしても、『マルコ』で出された記事については『マルコ』誌上で詫びさせるのがスジだろう。ところが、同センターはなんの交渉もせず、広告主へのボイコット要請を行った。(今私の手元にあるマイクロ・ソフト宛のボイコット要請文書は1月19日付である)。当初から広告による圧力を行ったのだ。仮に文春あるいは『マルコ』編集部の側に交渉の誠意がない場合は、このような強硬手段もやむを得ないだろうが、この場合はそうではない。(中略)確かに、言論の自由は面倒くさい側面がある。分かり切ったことであっても、異論が出た時には、きちんと言論によって反論しなければならない。いちいちそうした手間をかけるのは、時に面倒なものだ。しかしそれは、いかなる内容のものであれ、優秀な独裁者を抱くよりも民主主義を選択している私たちにとって最も大切な原則の一つ言論の自由を守るための、いわば経費である。私たちが惜しんではならない手間ではないだろうか。自由な議論の中で、事実に反する言論は淘汰されていくだろう。

(江川紹子「『マルコポーロ』廃刊事件で何が問われたか」月刊『創』1995年4月号115〜116ページより)

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そして、SWCについては、次の様に、批判します。

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 ウィーゼンタール・センターの今回の措置は、私にはアンフェアであるのみならず、ユダヤ人に対する漠然とした脅威を感じさせる要因になるのではないかとも危惧している。

(江川紹子「『マルコポーロ』廃刊事件で何が問われたか」月刊『創』1995年4月号117ページより)

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今読むと、私は、江川さんのこの「危惧」の的確さには驚かずに居られません。そして、更には、江川さんが、この記事において、次の様に予言して居た事に、驚かずには居られません。


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  今回の事件で、ユダヤ人を巡る問題は完全なタブーになるだろう。前出の木村氏は、西岡氏と同じ立場で単行本を出す予定だが、「新聞広告は出してもらえないし、流通も通常のルートからは拒否されそうな状況」(出版社)という。ホロコースト否定でなくても、ユダヤ人批判は当分マスコミから消え失せるだろう。それがユダヤ人に対する新たな偏見や差別を生む危険は大いにある。同センターとは別に、冷静に(かつ 毅然と)交渉を持とうとしたイスラエル大使館が「これが原因で、強大なユダヤの力によって雑誌を廃刊させたなどといわれ、ユダヤに対する偏見を助長させないかと心配しています」(『週刊現代』に対するコメント)と危惧するのも当然だろう


(江川紹子「『マルコポーロ』廃刊事件で何が問われたか」月刊『創』1995年4月号118〜119ページより)
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事件から22年が経った今、阪神大震災の只中で起きたこの事件について、当時、江川さんが書いてゐたこの記事を読み直すと、私は、江川さんお「予言」が当たってしまった事に驚かずには居られません。そして、後発生したオウム真理教による地下鉄神経ガス事件(1995年3月20日(月))の記憶と共に、これらの事件が起こった1995年と言ふ年の特異さに戦慄を覚えるばかりです。

平成29年(西暦2017年)1月30日(月)

マルコポーロ廃刊から22年目の夜に

西岡昌紀(にしおかまさのり)


関連する記事

(「医師たちは何故足止めされたのか?−−阪神大震災の時、厚生省は何をしたか」)
http://blog.livedoor.jp/nishiokamasanori/archives/7760795.html


(厚生省は何故国立病院職員の現地派遣を遅らせたのか?)
http://blog.livedoor.jp/nishiokamasanori/archives/6253936.html


(「マルコポーロ」廃刊事件 (西岡昌紀(著)『アウシュウィッツ『ガス室』の真実/本当の悲劇は何だったのか』 (日新報道・1997年)より))
http://blog.livedoor.jp/nishiokamasanori-rekishiokangaeru/archives/52050190.html


(「マルコポーロは特攻隊だったんだ」−−戦後70年目の訃報)
http://blog.livedoor.jp/nishiokamasanori/archives/8724442.html


(「火垂るの墓」と阪神大震災)
http://blog.livedoor.jp/nishiokamasanori/archives/8720918.html


(マルコポーロ廃刊事件から18年−−SWCを批判したユダヤ人たち)
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(アンネ・フランクは何故死んだか?−−ユダヤ人大量死の原因は発疹チフスの爆発的発生だった。)
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(彼らにとって原爆とは何なのか?(2011年01月30日ミクシイ日記))
http://blog.livedoor.jp/nishiokamasanori/archives/5138919.html


(或る在日レスラーの言葉(2010年01月30日ミクシイ日記))
http://livedoor.blogcms.jp/blog/nishiokamasanori/article/edit?id=5138892


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コメント
 
1. taked4700[5927] dGFrZWQ0NzAw 2017年2月01日 16:43:30 : 7rLS1H2HTo : VPGChg8RaF8[1]
西岡さん、まず述べるべきは、なぜ西岡さんが、マルコポーロにあの記事を書こうと思ったのか、ではありませんか。


2. 2017年2月03日 17:59:40 : dA5yAjb9fQ : 4L1Rw3HJGqM[7]
ユダヤと地震の関係

3. 2017年2月15日 16:27:47 : pCRceE6Nnw : MO5zibrPCyY[1]
「白い肌のユダヤ人の権利団体」とかいう人達は自分の遺伝子を鑑定して古代ヘブライーユダヤ人と遺伝子が
一致している結論を提示しなさい。

人類に対する詐欺師団、ペテン師団、強盗団、大量殺人鬼団を死刑にすべきです。

諸国民に対する詐欺師団、ペテン師団、強盗団、大量殺人鬼団は死刑にされるべきです。

[32初期非表示理由]:担当:言葉使い


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