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ADB歴代総裁にみる日本の自己本位:AIIB問題:国際機関はヘゲモニー国家の覇権強化のための“ソフトな道具”
http://www.asyura2.com/15/kokusai10/msg/284.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 3 月 19 日 14:15:11: Mo7ApAlflbQ6s
 


 UNを含む国際機関は、ヘゲモニー国家がむき出しの姿ではなく“ソフトなかたち”で覇権を強化していくための手段である。

 中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)については、米国や日本から融資基準や組織運営の恣意性が問題視されているが、アジア開発銀行(ADB)が、戦後米国のアジア政策に従って政治的に利用されてきたことはよく知られている。

 米国の政策に逆らう国には融資をせず、独裁国家や人権抑圧国家であっても米国と良好な関係を維持している国には融資が行われるというものだった。
 歴代ADB総裁が日本人であったのは米国がむき出しで支配しているという姿を見せたくないという思惑によるもので、対米従属国日本出身の総裁は、米国の意向に沿ったり、米国に配慮しながらADBを運営することに腐心してきた。

 今ではそれほどの存在感がないが、かつての日本のODAも、日本企業がプロジェクトや物品を受注する「紐付き援助」志向だったことは有名である。

 それを好むかどうかは別として、AIIBは、内政干渉を行わないで必要かつ有望なインフレに融資を行う考えを示していることで政治的基準を持ち込むADBとは一線を画しており、そのことで多くの途上国から期待を寄せられている。


※ 韓国政府は、ほどなくAIIBの創設メンバーになるかたちでの参加を表明するようだ。

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記事入力 : 2015/03/19 11:05
【コラム】ADB歴代総裁にみる日本の自己本位

 67人が投資した会社に株の15.7%を持つ筆頭株主がいる。その会社で筆頭株主が後押しする人ばかりが代表取締役になっていたら、どんなことになるだろうか。中国が設立を主導する国際金融機関「アジア・インフラ投資銀行」(AIIB)をめぐる論争はこうした状況に端を発する。

 アジアには既にアジア開発銀行(ADB)という開発援助機関がある。AIIBは新たな領域を開拓するのではないということだ。1966年に発足し、まもなく半世紀を迎えるADBは、その歴史が物語る通り、規模がかなり大きい。資本金は1650億ドル(約20兆円)に達する。フィリピンのマニラにある本部の職員は約3000人。だが、現職を含む歴代のADB総裁9人は全員、日本人だった。加盟国は67カ国にもなるが、何が起こっても総裁の国籍は一度も日本以外にならなかった。もちろん、その理由は日本の出資比率(15.7%)に負うところが最も大きいが、形式的であれ寛容さを示しているほかの国際機関を見ると、ADBは非常に対照的だ。

 国際通貨基金(IMF)は「ヨーロッパの専有物」だと批判されているが、それでも69年間で6カ国の人物が交代でトップを務めてきた。米大統領が事実上の人事権を行使する世界銀行の総裁もオーストラリア出身のジェームズ・ウォルフェンソン氏が務めたことがある。現総裁のジム・ヨン・キム(韓国名:キム・ヨン)氏も米国籍だが、韓国系移民だ。ADBに似たほかの機関を見ても、アフリカ開発銀行(AfDB)総裁は出資比率上位20位以外のルワンダ人、中南米の米州開発銀行(IDB)総裁はブラジルやアルゼンチンでなくコロンビア人が務めている。

 しかし、日本は「ADB総裁に執着し、欲張っている」という批判の声に耳をふさいできた。だが、世の中の物事は日本の思い通りばかりにはならないものだ。2010年に日本の経済規模を上回った中国は、ADBから上がった声を拡大させようとした。2年前に黒田東彦氏(現・日本銀行総裁)がADB総裁を退いたとき、中国は総裁候補を立てることを検討した。しかし、日本のヘゲモニー(主導権)を崩すのは困難だと気付き、候補者を立てずAIIBを設立する方向に進んだ。韓国の経済担当部処(省庁)の高官は「日本が常にリーダー役にこだわっているので、中国は別の場所をつくろうとした」と説明した。

 ところが、英国などの西欧諸国までもがAIIB参加を表明したことから、日本はかなり焦り始めている。今月になって突然、ADBが融資余力を40%増やすと表明したことだけを見ても、それは明らかだ。日本の記者たちが数日前に訪日したローラン・ファビウス仏外相にAIIBに関する質問をしたところ「(AIIB)加入を検討している」という答えが返ってきた。これは日本が望んでいた答えでなかったのはもちろん、フランスがAIIBへの参加意向を初めて表明した場所がほかならぬ日本になってしまったのだ。ファビウス外相は「AIIBは(性格上、似ている)ADBに影響を与えないものとみている」とも述べた。東京のど真ん中で、中国が聞けば大喜びする話をしたのだ。

 AIIBをめぐる世界の流れの中で、自己本位に終始一貫していた日本という国があらためて見詰め直されることになる。

国際部= 孫振碩(ソン・ジンソク)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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コメント
 
01. 2015年3月19日 16:36:52 : nJF6kGWndY

>AIIBは、内政干渉を行わないで必要かつ有望なインフレに融資を行う

それを素直に信じるとしたら、かなり笑える


02. 2015年3月19日 18:11:29 : 2htW5wuCdw
笑っているうちに外堀を埋められるという話。
まあ、しょせん日本は米国次第。

03. 2015年3月20日 13:35:31 : 2QBqDKD7DU
とにかく需要がある以上、それに答えうるものが出来ることはより良い。投資競争により、アジア全体に資金が配布されればそれに越したことはなかろう。

04. 2015年3月20日 14:18:55 : nJF6kGWndY

焦って参加したところで、結局、日本のマネーを国内でなく海外に使われるだけ、という話だが

まあ、アジア、特に中国のためにはなるだろうなw


05. 2015年3月21日 20:17:31 : wv04JWnyLs
世銀やIMFは出資金の大元が得をするようにできている。
中国が得をしたいと思うのは当然。
そもそもこの記事の言いたいところはそこしかない。

世界銀行の最大の出資国は米国、続いて日本、IMFも世銀と同じく本部をワシントンDCに置いていることは何を物語るか一目瞭然である。
またアジア発銀行(ADB)の出資額は日米共で約40パーセント弱占めている。
これも何を意味するか言うまでもない。

AIIB創設に米以外の欧州や豪の国々が参加することをもって、AIIBの中国独占を阻みたい米の意向が反映しているという見方もあるが、本部を香港に置くことと中国が最大の出資国になるであろうことから、欧州や豪が米の意向に沿うような活動ができるか疑わしいところだ。

なおロシアが主導提唱して動き出すBRICS(新開発)銀行は出資金額をBRICSが平等に負担するよう義務付けられているため一国だけが突出することを避けている。


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