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受け入れるよう賄賂をもらったはずの難民を投棄しているトルコ(マスコミに載らない海外記事)
http://www.asyura2.com/15/kokusai12/msg/172.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 12 月 23 日 00:57:35: igsppGRN/E9PQ
 

受け入れるよう賄賂をもらったはずの難民を投棄しているトルコ
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/12/post-45f9.html
2015年12月23日 マスコミに載らない海外記事


Stephen Lendman
Global Research
2015年12月18日

トルコは重要なNATO加盟国で、アメリカの緊密な同盟国だ。先月、EUは、トルコに、30億ユーロの賄賂を払い、EU加盟諸国が望んでいないシリアや他の戦争で荒廃した国々からの難民を受け入れるのと引き換えに、トルコのEU加盟を支援すると約束した。

EU指導部は、この合意は亡命希望者の殺到を止めるための重要な手段だと述べた。トルコのアフメト・ダウトオール首相は、これは、アンカラ/ブリュッセル関係の新たな起点であると述べた。

特にエルドアン支配下でのトルコの恐るべき人権実績と腐敗の実績を考えれば、不信感は強いままだ。

合意条件は、アンカラが、ギリシャやブルガリアに接する地域でのエーゲ海パトロールを強化し、密入国あっせん暴力団を取り締まり、EU諸国が追い返した難民の受け入れを要求している。

ドナルド・トゥスク欧州理事会議長は、EU当局は、合意条件のトルコによる実行を厳密に監視する予定だと述べた。ダウトオールは、ドイツを一番好もしい目的地として、ヨーロッパに安全な避難場所を求めて殺到する人々の減速を保障しようとはしなかった。

トルコは、シリアや他の地域の難民にとって主要通過地点だ。トルコは海路ではギリシャに近い。国際移住機関によれば、今年、トルコからEU諸国に、700,000人以上の亡命希望者がたどり着いた。

“ヨーロッパの門番”と題する新たなアムネスティー・インターナショナル(AI)の報告書は、逮捕や、隔絶した拘留センターで、殴打や、痛い手かせ・足かせや、他の難民虐待をし、多くは荒廃したイラクやシリアや他の祖国に強制的に本国送還していることで、トルコを非難している。

AIは、EU諸国は“難民や亡命希望者に対する重大な人権侵害の共犯者となる危機にある”と述べている。

難民や亡命希望者は大量に集められ、人里離れた所にある強制収容所としか言いようがない施設に1,000km以上の距離をバスで送られ、酷く虐待され、外部との連絡断たれたままにされ - 更にその多くが強制的に祖国に送り返されている。

AIのヨーロッパと中央アジア担当者、ジョン・ダルフイセンによればこうだ。

“トルコ領内の最も弱い立場にある人々の一部に対する恣意的拘留を記録しています”

“難民や亡命希望者に、シリアやイラクのような国々への帰国を強いるのは非良心的なことであるのみならず、国際法に真っ向から違反しています。”

“難民危機で、トルコをヨーロッパの門番として雇うことで、EUは重大な人権侵害を無視し、今や人権侵害奨励する危機にある。そのような侵害を調査し、終わらせるまでは、EU-トルコの移民関連協力は停止されるべきです。”

トルコは、約220万人のシリア人と世界の他地域から230,000人の絶望的な人々を含め、世界最大の難民受け入れ国だ。

9月まで、対策には、非人道的扱いや、違法な拘留や、強制本国送還は含まれていなかった。EU合意の条件は、トルコが難民を人道的に扱うよう要求している。

ところが、この資金は、もっとましな処遇に値する弱い立場の人々を、非人道的に扱い、追放するために使用されているのだ。AIの代表がインタビューした難民全員が、強制的に拘留され、エディルネやムーラを含むトルコ西部の県、辺境地の南部や東部にあるセンターに移送され、収容されたと語っている。

彼等は何週間も強制的に拘留され、弁護士や家族を含む外部との連絡を拒否された。唯一の連絡手段は隠し持った携帯電話だ。

過酷な扱いを受けた例で、痛い手錠・足かせを掛けられ、7日間隔離された40歳のシリア人男性がいる。

“手と足に鎖をかけられると、奴隷のように感じます。人間でないような気がします”と彼は言う。

多くの人々は、この種の残酷な処遇を受けた後、トルコ難民が理解できない文書への署名を強いられ、強制的に本国送還される。

被収容者たちは、拘留から逃れる唯一の方法は、帰国に同意することだと語っている。三歳の幼児の指紋が、本人の同意の証拠として利用される。

AIは、一体何人の難民が強制的に本国送還されているのかは不明だが、アフガニスタンを含め、多数にのぼると考えている。

ダルフイセンによれば、“トルコ当局が行っているこれら恣意的拘留と、違法本国送還の実数が不明なものを巡る透明性が全く欠如している。”

“トルコ国内の全ての難民と亡命希望者を保護すべく、この新たな慣行を即座に調査すべきなのだ。”

これまでのところ、EU当局は責任をもった介入を何もしていない。連中はトルコとワシントンの共犯者だ - そもそも連中の戦争が難民の殺到を引き起こしたのだ。

スティーブン・レンドマンはシカゴ在住。lendmanstephen@sbcglobal.netで彼と連絡ができる

編集者・寄稿者としての新刊は“Flashpoint in Ukraine: US Drive for Hegemony Risks WW III.”

http://www.claritypress.com/LendmanIII.html

彼のブログ・サイトはsjlendman.blogspot.com.

著名ゲスト達との最先端の議論を、Progressive Radio NetworkのProgressive Radio News Hourで聞くことができる。
放送は週三回行われている。日曜のアメリカ中部時間午後1時と、二つの録音放送だ。

本記事の初出は、Global Research。
Copyright Stephen Lendman、Global Research、2015

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/turkey-dumping-refugees-it-was-bribed-to-accept/5496675

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コメント
 
1. 2015年12月23日 23:15:07 : jXbiWWJBCA : zikAgAsyVVk[168]
難民、避難民 初の6千万人超に 国連推計、欧州流入を反映


18日、カナダのトロント・ピアソン国際空港に到着したシリア難民の子供(ロイター)
 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は18日、内戦で家を失うなどして母国を追われた難民や国内避難民らの数がことし計6千万人を超え、過去最多となる見通しを示した。中東などから欧州に流入する難民・移民が急増した実情を反映した形だ。

 ことし上半期時点での難民は昨年同時期より約70万人増えて約2020万人に到達。出身国は内戦が長期化するシリアのほか、アフガニスタンやソマリアが多い。国内避難民は、戦闘が続くイエメンやウクライナを中心に約200万人増え、約3400万人に上った。

 また、国際移住機関(IOM)は18日、ことし中東などから欧州に流入した難民・移民が99万人を超えたと発表。流入は依然続いており、ロイター通信によると、IOM報道官は「年内に100万人を超える」との見方を示した。(共同)
http://www.sankei.com/world/news/151219/wor1512190038-n1.html


 

欧州への難民、100万人を突破 死者・不明者3700人
2015.12.23 Wed posted at 17:16 JST

(CNN) 国際移住機関(IOM)は22日、今年に入って欧州に流入した難民や移民の数が100万人を突破したと発表した。
IOMによると、21日までに100万5504人の難民や移民が欧州に到着。このうち97万1289人は地中海を渡って欧州にたどり着き、3万4215人はトルコを経由して陸路でブルガリアやギリシャに入国していた。
航海の途中で船が沈没するなどして死亡したり行方不明になったりした人は、把握できているだけで3695人。1日に10人以上の犠牲者が出ている計算になる。
地中海を渡ってきた難民の半数に当たる約50万人は、4年にわたって続く内戦から逃れてきたシリア人だった。
国連によると、シリアの内戦では400万人を超す難民や避難民が発生し、過去25年で最悪の難民危機をもたらしている。
アフガニスタン人が占める割合は20%、イラク人は7%だった。
http://www.cnn.co.jp/world/35075409.html


 

欧州への難民・移民、100万人を突破

毎日新聞2015年12月23日 22時44分(最終更新 12月23日 22時44分)
ギリシャ
欧州
速報
国際
 【ローマ福島良典】国際移住機関(IOM)は22日、中東、アフリカ、南アジアなどから今年になってから欧州に渡った難民・移民が100万人を突破したと発表した。欧州への流入としては、第二次世界大戦後で最多となる。

 欧州連合(EU)も、今年1〜11月に非正規にEU圏内に入った難民・移民が、昨年1年間の5倍以上となる155万人に上ったと発表している。対象地域にずれがあるため数字は異なるが、どちらも今年の欧州への難民・移民らの流れが記録的なものだったことを示している。

 IOMによると、4141人が21日、ギリシャに到着したことで、今年、欧州入りした人数は100万5504人となった。そのうち、地中海経由の海路で欧州に上陸したのは97万1289人。一方、陸路での越境は3万4215人だった。

 国別では、トルコから主にエーゲ海を渡って難民・移民が到着するギリシャへの流入が82万1008人で最も多かった。リビア沖など北アフリカから地中海経由で難民・移民が上陸するイタリア(15万317人)、トルコからの陸路ルートのブルガリア(2万9959人)が続いた。

 IOMと国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の共同声明によると、全体の半数にあたる約50万人は内戦を逃れたシリア難民で、他にはアフガニスタン人が2割、イラク人が7%を占めている。

 北アフリカ・モロッコ沖に浮かぶスペイン領カナリア諸島への渡航を含め、欧州に向かう途中に死亡、または行方不明となった難民・移民は3724人に上った。うち2889人がイタリアを目指す密航船の海難事故の犠牲になった。

 イタリア海軍・沿岸警備隊は22日、南部シチリア島沖の地中海上で計460人の難民・移民を救助した。だがエーゲ海では同日、トルコからギリシャに向かう密航船が転覆し、子ども3人を含む11人が新たに死亡した。
 

「シリア領内安全地帯」設定の案を支持せず

子どもの死亡相次ぐ 1日で15人犠牲に エーゲ海
エーゲ海上で密航船悲劇 18日は子ども15人犠牲

欧州の難民・移民問題

難民登録枠組み、見直し着手合意
[Sponsored Contents] トルコはなぜ日本を助けたのか? 答えは125年前の救出劇にあった
http://mainichi.jp/articles/20151224/k00/00m/030/088000c


 


難民ら25万人行方不明か ドイツ流入後、地元紙報道 テロ不安広がるか

 ドイツ大衆紙ビルト電子版は22日、内戦が続くシリアなどから今年ドイツに流入した難民や移民のうち、最大約25万人の行方が分からなくなっていると報じた。ドイツ政府関係者の話として伝えた。

 ドイツ内務省によると、今年1月から11月末までに約96万人の難民や移民が同国に入国した。行方不明者の中には、ドイツ以外の国に向かうことを目的に姿をくらました人々もいるとみられる。

 容疑者が難民を装って欧州入りしたとされるパリ同時多発テロを受け、ドイツでも過激派組織「イスラム国」(IS)の戦闘員が難民らと一緒に入国している可能性が懸念されている。報道を受け、テロの不安が広がりそうだ。

 政府関係者によると、難民らはオーストリア国境からバスや列車で個人情報を登録する施設に向かう途中で、非常ブレーキを引いて列車を停止させ、飛び降りるなどして姿を消すという。(共同)

http://www.sankei.com/world/news/151222/wor1512220023-n1.html


 


 

長有紀枝さんに聞いた「難民になる」可能性は、日本の私たちにだってある


400万人以上の難民を生み出したともいわれる中東・シリアの内戦。その受け入れや処遇をめぐり、欧米各国でも議論が巻き起こっています。地理的には遠く離れた私たちの国にとっても、決して無関係とはいえません。今後、日本はこの問題とどう向き合っていけばいいのか、国際社会の中でどんな役割を果たしていくべきなのか。NPO「難民を助ける会(AAR)」理事長の長有紀枝さんにお話を伺いました。

TVに映る「難民」の向こうには
もっとたくさんの苦しむ人たちがいる
編集部
 長さんが理事長を務められているNPO「難民を助ける会(AAR)」は、1979年から30年以上にわたって世界各地の難民支援の活動を続けられています。現在は、内戦の拡大に伴って難民が増加しているシリアの問題が世界的な注目を集めていますが…。


 最初にお伝えしておくと、もちろん世界の難民の問題というのはシリアだけではありません。最近ではアフガニスタンやイラク、あるいはアフリカ諸国など、たくさんの国々で難民が生まれています。その中で、今回のシリア難民については、ヨーロッパにあれだけ流入してきたから話題になったという面があるのは否めません。
 ただ、実際にはヨーロッパにやってきているシリア難民というのは、紛争の影響を受けているシリア国民の、ほんの一部に過ぎないという事実もあります。

編集部
 どういうことでしょう?


 おかしな言い方になるかもしれませんが、難民というのは、ある「条件」が揃っていないとなれないんですね。
 私たちは、どうしても国境を越えて逃れてきた人たちの存在にばかり注目しがちですが、実はその前に、家や故郷を追われたけれど国外には出られないでいる「国内避難民」の人たちが大勢います。もっと言えば、家から離れることもできなくてそのまま住んでいるんだけど、食料もなくてインフラも絶たれている、仕事もできないというような人たちもいるわけです。

編集部
 「離れられない」というのは…。


 まず、逃げる場所がない。敵に四方八方を囲まれていたら、そもそも逃げることさえできませんよね。国外に逃れた難民にしても、紛争の初期は圧倒的にヨルダンに逃げる人が多かったけれど、ある時期からトルコに出る人が一挙に増えた。これは前線の場所が動いたからです。戦火が迫ってきたからといって、どこにでも逃げられるわけではないんですよね。
 それから、移動できるだけの体力などがあるかどうか、という問題もあります。女性と子どもだけの世帯や、高齢者や病気の人、障害のある人などが遠くに逃げるのは非常に難しいでしょう。そしてもちろん、国外に、特にヨーロッパに逃げるのは非常にお金がかかるので、そこにまた高いハードルがある。テレビに映っている難民に男性や若い人、外国語が堪能な人が多いのは、そういう「ハードル」を越えてきた人たちだからです。
 あとは、物理的な条件以外にも、ゆくゆくはシリアに帰りたいからできるだけ近くの国にいたいとか、家や家畜が心配で残った家族がいるから、自分たちもあまり遠くには行きたくないとか、いろんな理由でトルコやヨルダンなどの隣国でとどまっている人たちもいます。

編集部
 抱えている事情も思いも、今置かれている状況も、当然ですが本当にさまざまで…私たちが見ている一部の人たちの後ろに、もっと多くの、日常を奪われた人たちがいるんですよね。


 難民の問題はいつもそうなんですが、私たちはその人たちが「難民」になってからの姿しか見ないので、あたかもその人がずっとそういう状況だったかのように思ってしまいがちです。でも、本当はその前に、彼らにも「普通の生活」があったわけで…。
 「どうして難民がスマホを持っているのか」といった声も聞くことがありますが、「難民がスマホを持っている」のではなくて、スマホを使って、私たちと同じような生活をしていた人たちが、ある日突然難民にならざるを得なかった、ということなんですよね。「同じような」というと語弊があるかもしれませんが、少なくとも内戦前のシリアの都市部は「途上国」とはいえなかったと思います。
 だからこそここまでひどい状態になってしまうとは、当初は誰も思わなかった。どこかで「すぐ元どおりになるんじゃないか」と思って傍観している間にここまで来てしまったという感じだと思います。
 AARでは、トルコの国境地帯でシリア難民向けのトルコ語教室などを開いているのですが、内戦がはじまった2011年当時は、真面目にトルコ語を学ぼうとする人はほとんどいませんでした。すぐ帰れると思っていたからです。でも、これだけ内戦が長引いて、最近は「しばらくはここにいるしかない」と考えて、真剣に勉強しようとする人が増えてきているように感じますね。

シリアへの「特別措置」として
まずは病人・けが人の受け入れを
編集部
 そうした状況を受けて、欧米を中心にシリア難民の受け入れが大きな課題として捉えられるようになっています。その中で、日本はどのような役割を果たすべきだと思われますか?


 日本政府が現在、「難民」として認定をしているのは、いわゆる「狭義の難民」——1951年の難民条約(難民の地位に関する条約)の定義に明確に合致する人のみです。この定義は「人種や宗教、国籍、政治的な意見などを理由に、迫害を受ける恐れがあるとして国外に逃れた人」ですので、シリア難民のような、紛争から逃れてきた人は含まれないことになります。
 この認定基準自体がどうなのかという議論は当然あると思いますが、それとは別に、私は今回のシリア難民については特別措置として受け入れをするべきだと考えています。

編集部
 それだけ深刻な問題だということですね。ベトナム戦争などでインドシナ難民が大量に発生したときにも、そうした「特別措置」が取られたと聞きました。


 UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の要請を受ける形で閣議了解が行われ、最終的には1万人あまりのインドシナ難民を受け入れました。それを考えれば、今回のシリア難民についても、ある程度の受け入れは決して不可能ではないはずだと思うのです。

編集部
 政府がそう決断しさえすれば、十分に可能なはずですね。


 ただ、とはいえ今の世論を見ていると、将来的には別として、今すぐ大量の難民を受け入れる素地があるとは、残念ながら言い切れない気がしているんですね。個人個人の考え方は別として、社会全体で見たときにはそのための準備ができていないというか。
 なので、私が提案しているのは、まずは人道的な配慮という形で、障害のある方、病気やけがで治療の必要な方を受け入れるというやり方です。これは個人的な経験ですが、私がトルコで出会ったシリア難民には、「難民認定を受けて日本に定住したい」という人はほとんどおらず、歴史的、文化的に親しみのあるヨーロッパ行きを希望する人たちが圧倒的でした。その一方で、子どもが病気だとかけがをしてリハビリが必要だとかいうことで、必死に「日本で治療が受けられないだろうか」と言ってくる人たちはたくさんいました。日本だからこそできる、重要な支援といえるのではないでしょうか。
 また、日本語を学んでいる学生を中心に受け入れて、将来の国づくりに参加できる人材の育成に貢献してはどうか、という案もあります。こうした教育支援も、日本が担いやすい貢献の形かもしれません。日本をよく知る人材が増えるという意味で、今後の中東との関係をつくっていく上でも有効な策といえるのではないでしょうか。

「外国のことだから関係ない」
それで通用する時代ではない
編集部
 そうしたことが実現すれば、まずは大きな一歩ですよね。ただ、先ほど「将来的には別として」とおっしゃったように、ずっとそうした「限定的な受け入れ」だけでいいのか、とも思います。


 そうですね。将来的には、もっと広く受け入れができるような社会に変わっていく必要があると思います。

編集部
 たしかに現状では、難民の受け入れに批判的な言説もかなり多いと感じます。よく言われるのは、「イスラム圏と日本では文化が違いすぎて摩擦が起こる、来た難民の人たちも嫌な思いをするだけだからやめたほうがいい」といったことでしょうか。あるいは「そもそも中東があんなふうになっているのはヨーロッパの責任なんだから、ヨーロッパが責任をもって対処すべきだ」とか…。


 「文化が違う」というのは、平時にどこに住みたいかという話なのであれば、「苦労するからやめたほうがいい」というアドバイスもあるかもしれませんが、難民の人たちにとっては生きるか死ぬかの選択ですよね。もし自分たちがその立場だったらと考えたら、文化が違って大変であろうとなんであろうと「助けてほしい」と思うんじゃないでしょうか。そう考えると、「文化が違う」というのは、断るときの言い訳でしかないんじゃないだろうか、と思います。
 「ヨーロッパの責任だ」というのも…シリアの今の状況には、確実に遠因としてイラクでの戦争があります。そこに私たちはまったくかかわっていないといえるでしょうか。個人の感情としてはかかわったつもりはなくても、日本政府があの戦争を支持したのはたしかで、その政府を選んだのは私たち国民で…その意味では、シリアの問題に私たちは無関係だとは、やっぱり言い切れないと思うんですよね。
 それ以前に、「外国の問題だから関係ない」といって関わろうとしないという選択肢は、今の社会ではもはやないのではないか、とも思います。日本が完全に自給自足で、国内で何もかも生産して暮らしているというならまだしも、実際には食べるもの一つとっても、多くが海外から来ているわけですよね。私たちの生活は、完全に海外に依存しているんです。

編集部
 ふだんそうした生活をしているのに、いざ何かが起こったら「知らない」というのは…


 ありえないと思います。
 それに、日本人は難民には絶対にならないと思っている人もいるかもしれませんが、例えばある日富士山が噴火したら? あるいは、また原発が爆発したら? 日本の国土に住めなくなるとか、一度国外に出ないと安全な場所に逃げられないとかいった状況は、いつ起こるかもしれない。そのときに他の国の人たちから「日本の人はこれまでいい生活を享受してきたんだから、自業自得でしょ」と言われたくはないですよね。
 決して、難しいことではないと思うんです。だって、東日本大震災のときもそうでしたけど、何か大きな自然災害があるたびに、全国からボランティアが集まって活動しますよね。それは、例えば難民の受け入れに積極的といわれるドイツの人々が難民に対して行っている行為と、何も違いません。困っている人がいれば助けようという思いは多くの人がもっていて、行動もちゃんと伴っている。あとは、その対象を「日本人かどうか」だけで線を引いてしまうんですか? というだけのことだと思います。

編集部
 困っている人がいるから助けませんかという、シンプルな話ですね。そしてそれは、単なる「人のため」ではなく、私たち自身のためでもある。


 そう思います。私たちだっていつ「助ける側」から「助けられる側」になるかもしれないのですから。

長有紀枝(おさ・ゆきえ) 1963年東京都生まれ、茨城県育ち。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。外資系企業に勤務しながら1990年よりNPO「難民を助ける会(AAR)」でのボランティアに参加、翌年から専従職員となる。旧ユーゴスラビア駐在代表、常務理事・事務局次長を経て、専務理事・事務局長(2000〜2003年)。紛争下の緊急人道支援、地雷禁止国際キャンペーン(ICBL)の地雷廃絶活動などに携わる。2003年にAARを退職後、東京大学大学院総合文化研究科「人間の安全保障」プログラム博士課程に在籍し、博士号取得。2008年よりAAR理事長を務める。現在、立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科・立教大学社会学部専任教授。主な著書に、『入門 人間の安全保障ー恐怖と欠乏からの自由を求めて』(中央公論新社)、『スレブレニツァ−あるジェノサイドをめぐる考察』(東信堂)、『地雷問題ハンドブック』(自由國民社)など。
http://blogos.com/article/151423/


 


ノルウェー新設「移民大臣」が難民受け入れ施設を訪問
投稿日: 2015年12月23日 14時23分 JST 更新: 2015年12月23日 14時23分 JST 
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12月15日、ノルウェーの内閣改造で第二次ソールバルグ内閣は、深刻化する難民問題に伴い、新たに「移民・社会統合省」を設けた。大臣となったのは、シルヴィ・リストハウグ氏。移民・難民排斥を掲げる極右・進歩党メンバーだ。かつてないほど支持率が急上昇している進歩党が連日メディアを騒がせているノルウェーでは、「移民に寛容な国」という国際的なイメージが多きく変わりつつある。

「難民管理を強化することが、楽しみだわ」、リストハウグ大臣は内閣改造の発表日に笑顔で記者たちに答えた。同氏は、これまでも移民・難民に否定的な態度を露わにしている。左派勢力の政党や人権団体にとっては、同氏が移民・難民問題を取り扱う最高責任者になったことは脅かしいことだ。

21日、リストハウグ大臣は、首都オスロから電車で約50分ほど離れたところにある、国内最大級の難民管理施設を視察に訪れた。10月に緊急に設けられた施設で、難民申請者はここで身分証明などの登録作業を2〜3日で終えた後、国内各地の受け入れ施設に送られる。

Yahoo!JAPAN  「1日難民1000人」を緊急で受け入れたノルウェーの小さな町、市長が語る「大事なのは対話」

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 Photo:Asaki Abumi

施設管理社、警察、移民局は、大臣に施設内を案内した。どのような手順で登録が行われているのか、どこで難民申請者が寝泊まりしているかなどを説明した後、登録作業においての今後の課題点も話し合った。

「身分をカンニングする者がいる。別の名前に変えて、ノルウェーに渡ってこようとしたり、複数の人が同じパスポートを修正し何度も使うのを防ぐために、指紋管理を強化させます。ノルウェーにくるのを難しくさせる」と大臣は報道陣に語った。大臣は、「カンニング」、「厳しい規制措置」という言葉をこの日に何度も連呼した。

移民・難民排斥を支持する極右政党と、寛容な左派政党。どちらの勢力の党員が「移民・社会統合大臣」になるかで、その印象は大きく変わる。「国民全員」に支持される移民大臣になることは、まず無理だろう。

リストハウグ大臣と、イラクから逃れてきた難民申請者たちが笑顔で記念撮影をしているこの写真を見た時、人はどういう印象を持つだろうか?

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イラクから逃れてきた難民申請者と大臣 Photo:Asaki Abumi

今回の視察には報道陣も同行できたが、後を追っていて感じたのが、「滞在者と交流するために来たのではないのだな」ということだった。リストハウグ大臣は、側に難民申請者がいても、自ら進んで声をかけることはなかった。

滞在者と一緒の写真や交流している光景は、映像を欲しがったノルウェーの報道陣がそうしてほしいとお願いしたからだ。

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報道陣の前で、シリアから逃れてきた難民の家族と短い会話をした大臣 Photo:Asaki Abumi

リストハウグ大臣の肩書きは、難民寛容派にとっては矛盾している。なぜなら、「移民大臣」と「社会統合大臣」が共同しているからだ。「社会統合」は、背景が異なる人々が共存するノルウェーで頻繁に使用される言葉だ。内閣改造前は、「子ども・平等・社会統合」省が管轄していた。つまり、人々が共存しあっていくことを目指す。だが、進歩党が目指す国の未来は、かならずしも「純粋なノルウェー人」(移民などではないノルウェー人)が、移民・難民と共存しあう社会ではないことを、国民は知っている。

難民の受け入れに寛容な姿勢を見せていたノルウェー。しかし、申請者が急増し、自分たちの住む生活圏内に難民受け入れ施設ができる可能性が高くなったことを実感しはじめた途端、進歩党の支持率は急上昇した。

国民の不安が続く限り、進歩党党員たちから笑顔が消えることはないだろう。極右政党が支持され始めたことは、ノルウェー社会の不安定さを反映している。

2年後の国政選挙で、これまで人種差別的だと捉えられていた進歩党の党首が、もし首相になることがあったら?ノルウェーの政治は、歴史の教科書に載る、大きな転換期を迎えることとなる。

Photo&Text:Asaki Abumi
http://www.huffingtonpost.jp/asaki-abumi/norway_b_8865096.html


[32初期非表示理由]:担当:関連が薄い長文


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