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2016年、更なる花火を準備する混沌の帝国(マスコミに載らない海外記事)
http://www.asyura2.com/15/kokusai12/msg/193.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 12 月 27 日 00:54:00: igsppGRN/E9PQ
 

2016年、更なる花火を準備する混沌の帝国
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/12/2016-84ba.html
2015年12月27日 マスコミに載らない海外記事


Pepe Escobar
2015年12月25日
"RT"



F18 スーパー・ホーネット © Mark Wilson / Reuters


独創的な著書『ローマ帝国の崩壊: 文明が終わるということ』で、ブライアン・ウォード=パーキンズは書いている。"崩壊前のローマ人は、現在の我々同様、自分たちの世界が永遠に続くと確信していた... 彼等は間違っていた。彼らの独りよがりを繰り返さないよう、我々は賢明になるきだ。”


現代、混沌の帝国の問題は、独りよがりではない。問題は思い上がりと恐怖だ。冷戦が始まって以来、決定的な問題は、ユーラシアの、地政学の生みの親ハルフォード・ジョン・マッキンダー卿(1861-1947)によれば“ハートランド”の、偉大な貿易ネットワークを支配するのは一体誰か、だ。


混沌の帝国にとって、ゲームは、1953年にCIAが支援したイランでのクーデターで、アメリカが、何世紀もシルク・ロードが交差してきた、著名なユーラシアと、ついに直接遭遇し、その全ての征服を開始してから、本格的に始まったと言えるだろう。


わずか60年後の21世紀、それがアメリカのシルク・ロードではなく、むしろ古代の前身と同様、中国のものとなることは明らかだ。自ら“一帯一路”と呼ぶものへの北京の熱望には、衰えゆく帝国とユーラシア統合との間の、21世紀紛争が組み込まれている。主要な脇筋には、何度も繰り返されるNATO拡張と、南シナ海を交戦地帯にするという帝国の強迫観念がある。


北京-モスクワ戦略的提携が分析している通り、混沌の帝国を実際に運営しているオリガルヒ・エリート連中は、貿易、商業と通信のつながりに基づく統合プロセスから、自分たちはほとんど排除と考え、ユーラシア包囲を決意している。


北京とモスクワは、容赦ない悪魔化を伴う挑発につぐ挑発をはっきり認識している。しかし両国はいずれも非常に時間のかかるゲームをしながらも、わなにはまることはない。


ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、欧米を“パートナー”として扱うと外交的に主張している。だが彼は、そして中国国内の情報通も、連中が本当の“パートナー”ではないことを知っている。1999年のNATOによる78日間のベオグラード爆撃以降そうではない。中国大使館への意図的爆撃以降そうではない。留まるところを知らないNATO拡張主義以降そうではない。キエフにおける違法クーデターという形での第二のコソボ以降そうではない。アメリカ傀儡湾岸オイルダラー・諸国による石油価格破壊。ウオール街が仕組んだルーブル下落以降そうではない。アメリカとEUによる経済制裁以降そうではない。ウオール街のアメリカ代理連中による中国株の粉砕以降そうではない。南シナ海における、果てしのない威嚇以降後そうではない。Su-24撃墜以降後そうではない。


本当に間一髪だ


Su-24撃墜へと向かう準備段階を早戻しすると大いに参考になる。オバマがプーチンと会談した。直後に、プーチンはハメネイと会談した。エルドアン皇帝は、不安を感じるべきだった。本格的なロシア-イラン同盟が、テヘランで大々的に表明された。それはSu-24撃墜のわずか一日前だった。


フランスのオランドはオバマと会談した。しかし、その後オランドはプーチンと会談した。エルドアンは、NATO憲章の第5項に従って開始されるべきNATO戦争のための完璧な口実をでっちあげることができたと思い違いをしていたのだ。慌てて、Su-24撃墜を支持したのは、破綻国家ウクライナしかなかったのは偶然ではない。ところが、NATO自体が、いささか恐れをなして、たじろいだ。帝国には核戦争の用意ができていなかった。


少なくとも今はまだ。ナポレオンは、歴史が細い糸の上で展開することを知っていた。冷戦2.0が機能していた限り、また今後機能しつづける限りは、核戦争から間一髪だ。


いわゆるシリア和平プロセスで何が起きようとも、ワシントンとモスクワとの間の代理戦争は続くだろう。思い上がったアメリカ・シンクタンク、ランドは他の見方ができないのだ。


アメリカ例外主義ネオコンにとっても、新自由主義ネオコンにとっても、唯一受け入れ可能な大詰めは、シリア分割だ。エルドアン体制が北部を吸収する。イスラエルは石油の豊富なゴラン高原を吸収する。そして傀儡サウド王家が東部の砂漠を吸収する。


シリア分割後の次の一歩として、アンカラ、リヤドと、“背後であやつる”ワシントンが、聖戦ハイウエイを、はるばる、北のカフカスや、中央アジアや新疆(既に少なくとも300人のウイグル人が、ISIS/ISIL/ダーイシュ側で戦っている)へと推し進めることを計画しているため、こうした入念な計画を、ロシアは爆撃で文字通り灰塵に化した。他が全部駄目な場合、ユーラシア統合という組織に短剣として突っ込むのに、聖戦ハイウェイ以上のものはない。


中国戦線では、混沌の帝国による“創造的”挑発として、何が行われようとも、それが、未開拓の石油とガスの富が詰め込まれている、中国に出入りする主要海路をなす広大な海域、南シナ海における北京の狙いを頓挫させることはあるまい。2020年までに、北京は必ずや恐るべき海洋強国になるつもりだ。


ワシントンは、ベトナム、フィリピン、インドネシアとマレーシアに対し、今後二年で、2億5000万ドルの軍事“援助”をするかも知れないが、それはほとんど無意味だ。“創造的な”帝国の考えが何であれ、例えば射程2,500 kmの核弾頭搭載可能なDF-21D“空母攻撃”弾道ミサイルも考慮しなければならない。


経済面では、ワシントン-北京は、主要な代理戦争地域であり続けよう。ワシントンは、TPP、つまり貿易上のNATOアジア基軸を推進している。12の加盟国、とりわけ、アメリカの極めて敵対的な議会が、それを批准する必要があり、依然、際限なく大変な課題だ。


この一つの芸しかできないアメリカに対し、習近平は複雑な3方面戦略を実施している。TPPに対する中国の反撃策のアジア太平洋自由貿易圏 (FTAAP)。実に壮大な“一帯一路”。世界銀行と、アメリカ-日本が支配するアジア開発銀行(ADB)に対する中国の反撃策で、多数のプロジェクトに資金調達する手段である、アジア・インフラ投資銀行(AIIB)だ。


例えば、東南アジアでは、数字が全てを語っている。昨年、中国は3670億ドルもの額で、最大のASEAN貿易相手だった。2018年までに、2000億ドルの中国投資を吸収する予定の一帯一道によって、これは幾何級数的に伸びるだろう。


『闇の奥』再訪


ヨーロッパの見通しは、ひたすら暗い。フランス人イラン研究者のファルハド・ホスロハヴァルは、問題の核心を明らかにした僅かな人々の一人だ。ヨーロッパ中の聖戦戦士予備軍は、都市中心部の締め出されている貧しい若者の大群を取り込み続けるだろう。EUの新自由主義ネオコンが、新たな形の社会化を実施して、これらの疎外された大衆を、ゲットーから引き出す、妥当な社会-経済政策を促進するだろう証拠は皆無だ。


そこで逃げ道は、狡猾でPRに精通した暴利を貪る連中によって、抵抗の象徴として喧伝されているウイルス風サラフィー聖戦主義しかなくなってしまう。市場で入手可能な唯一の対抗イデオロギーだ。ホスロハヴァルは、それを“歴史的には決して存在しなかった活気ある共同体”ながら、今や自己認識の危機に苦しんでいる、あらゆる若いヨーロッパ人なり、イスラム教徒なりを、あからさまに引き寄せている新ウンマとして定義している。


中東の独立諸国に対する丸15年間の終わりのないアメリカ・ネオコン戦争と並行して、ペンタゴンは、既存基地のいくつかで果てしのない拡張を大幅強化し、アフリカの角のジブチから、イラク・クルド自治区のアルビールまでを“ハブ”にするつもりだ。


サハラ以南のアフリカから、南西アジアで、その全てが嬉々として特殊部隊を受け入れるハブの構築ブームが起きるだろう。この作戦は、ペンタゴン最高権威者、アッシュ“泣き言帝国”カーターによって“必要不可欠”だとされている。“我々は将来を予見することはできないのだから、スペインのモロン空軍基地から、ジャララバードから、アフガニスタンまでの各国の中心地を、テロや他の種類の様々な危機に対応するための前方プレゼンスにする。こうしたものが、一方的な危機対応や、対テロ作戦、あるいは高い価値を持つ標的に対する攻撃を可能にする。”


全てがここにある。帝国の絶対的命令にあえて逆らう全ての人々に対して活動中の、一方的例外主義スタンだ。


ウクライナから、シリアに到るまで、そしてMENA(中東と北アフリカ)全体で、ワシントンとモスクワとの間のリスクが益々高まる代理戦争が弱まることはあるまい。不可逆な中国勃興を巡る帝国の絶望も弱まることはあるまい。新たなグレート・ゲームが速度を増し、ロシアが、ユーラシア大国のイランと中国とインドに、欧米が保有するものをはるかに超えるミサイル防衛システムを提供する中、新たな常態に慣れよう。ワシントンと北京-モスクワ間の冷戦2.0だ。


最後に、ジョセフ・コンラッドの小説『闇の奥』中の文章をお読み願いたい。"嘘には死の汚れ、免れられない死の匂いのようなものがある....大地の底からその宝を掠めとることが彼らの願望であり、金庫破りの盗賊さながらに、その願望の裏には何の道徳的目的もなかった....なぜなら、僕らはあまりにも遠い所に来てしまったのであり、原始時代の夜を、ほとんど何の痕跡も─何の記憶も残していない遠くに去ってしまった時代の夜を、いま旅しているのだったから...”


本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。


Pepe Escobarは、独立した地政学専門家。RT、スプートニクや、TomDispatchに寄稿しており、アメリカから東アジアにまで到るウェブサイトや、ラジオやTV番組にも頻繁に寄稿、出演している。アジア・タイムズ・オンラインの元移動特派員。ブラジル生まれで、1985年から海外特派員をしており、ロンドン、パリ、ミラノ、ロサンゼルス、ワシントン、バンコクと香港で暮らした。9/11前から、特に、大国間の地政学、エネルギー戦争に集中して、中東から、中央アジア、東アジアに到る円弧の報道を専門にしている。彼の著書に "Globalistan" (2007)、"Red Zone Blues" (2007)、"Obama does Globalistan" (2009) および "Empire of Chaos" (2014)があり、いずれもNimble Booksより刊行。最新刊は "2030"で、これもNimble Booksから、2015年12月刊行予定。


記事原文のurl:https://www.rt.com/op-edge/326965-2016-us-syria-turkey/
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