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スーパーチューズデー目前! 共和党はトランプを止められるのか?(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/15/kokusai12/msg/734.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 3 月 01 日 18:50:50: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

           トランプ候補と、その支持を表明したクリスティ・ニュージャージー州知事(右)〔photo〕gettyimages  


スーパーチューズデー目前! 共和党はトランプを止められるのか?
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48052
2016年03月01日(火) 渡辺将人 現代ビジネス


渡辺将人(北海道大学)


■クリスティ、「トランプ支持」の波紋


現地3月1日(日本時間2日)のスーパーチューズデーを目前に、ニュージャージー州のクリス・クリスティ州知事がトランプ支持を表明した。


「トランプ阻止」を目指す共和党主流派の一本化に水を差し、「トランプ大統領」誕生を後押しするかのような動きにも見えるが、共和党内の見方はどうなのか。


共和党インサイダーの声から、スーパーチューズデーの観察ポイントを絡めて確認しておきたい。


* * *


クリスティ知事はニューハンプシャー州予備選前からルビオ批判を強めてはいたが、穏健派「エスタブリッシュメント」としてはルビオを支持することが期待されていた。あるいは州知事としての盟友であるオハイオ州知事のケーシックを支持するのが自然とされていた。


それだけに、散々批判してきたはずのトランプを支持する行為は、多くの共和党関係者を動揺させた。


だが、クリスティのトランプ支持の決断は、クリスティ個人の戦略としては想定内という擁護論もある。


筆者の旧知の共和党委員に、数年前からクリスティの立候補を強く応援してきた人物がいる。クリスティの予備選遊説の縁の下の力持ち的な存在だった。同委員は、アイオワでクリスティが伸びなかった頃から機嫌が悪くなりはじめていたが、意外にも今回の決断には冷静な見方を示している。この共和党関係者は筆者に対してこう述べる。


「クリスティにとってルビオは支持するには軽量級すぎた。かといって、クルーズはあまりに一致できることが少ない。ケーシックではトランプを倒すことはできない。


したがって、クリスティのトランプ支持は純粋にトランプから自らの利益を引き出す戦略だ。トランプ政権では司法長官、国土安全保障長官などの可能性がある」


これだけ早期に、しかもエスタブリッシュメントといわれる主流派としてトランプを支持するのだから、トランプもそれなりにクリスティを処遇するだろうという論理だ。クリスティ支持層内には「副大統領にしてしまうのは、クリスティの能力はもったいない。ただ、大統領にもしものことがあれば、そのときは良き大統領になる」という棚ぼた期待論まである。


ただ、現実的にはトランプの地盤のニューヨークとクリスティが知事を務めるニュージャージーは隣接州で、大口を叩くキャラクターも似ていることから、正副大統領候補の組み合わせとしては理想的ではない。むしろ、トランプの副大統領候補のパートナーとして望ましいのはケーシックだ。


ちなみにケーシックは大統領の可能性は薄いが、副大統領候補としては「万能」だ。本選の激戦州のオハイオ州の知事として同州で手堅く票が取れることに加え、同性愛者や移民にも穏健で無党派層の支持を得やすい。


1990年代の下院議員時代は、ギングリッチ下院議長下の連邦下院で、財政タカ派として財政均衡をめぐる抗争でクリントン政権との交渉で譲らず、経済保守の信頼もある。特にルビオとの「正副」の組み合わせを民主党は恐れている。


■「反トランプ」も勢いを増している


無論、クリスティのトランプ支持についての擁護論はごく一部で、トランプ支持がクリスティの評価を傷つけたのは事実だ。トランプ以外の候補が指名獲得の暁には、クリスティは共和党内では完全に立場を失うかもしれない。極めて大きなギャンブルだ。


クリスティの地元ニュージャージー州の関係者は「彼にはコア・ビリーフ(核になる信念)」がもはや何もないと手厳しい。クリスティの突飛な行動は「今に始まったことではない」からだ。


2012年大統領選挙で、クリスティ知事がハリケーン・サンディへの対応でオバマ大統領と手を携えたことの「罪」を共和党支持者は忘れていない。災害対応は州知事の優先事項だ。しかし、結果としてクリスティの「超党派」対応は、オバマ政権側の臨機応変さを印象付けただけで、むしろ2012年のオバマ再選を後押ししたからだ。


「オバマを再選させたあのクリスティが、トランプ支持か。共和党を害する迷走はいつものことだ」とシニカルな党幹部は、以下のようにも述べた。


「今回の大統領選挙はクリスティにとって名誉回復の機会だった。ハリケーン・サンディの件では、州知事として人命と災害対応を優先し、やむを得ずオバマと連携したことを説明できたはずだ。クリスティのそうした直言が好きで、クリスティを応援している人は多い。


しかし、残念ながら、今回の利己的に見えるトランプ支持で、そうした名誉回復の機会も吹き飛ばしてしまったようだ」


他方で注意したいのは、クリスティの支持が「反トランプ」の勢いをかえって増している様子もあることだ。


Twitter上では「#Never Trump」のハッシュタグで「絶対にトランプ大統領だけは阻止を」との共和党内の声が、クリスティ支持表明後にむしろ強まっている。



共和党の候補者選びから「撤退」したジェブ・ブッシュは誰を支持するか?〔photo〕gettyimages


ジェブはトランプ批判を最も早い段階で始めた候補で、トランプ支持にはクリスティ以上の矛盾感を与える。だが、ジェブにとって辛いのは、フロリダ州で後輩分のルビオを支持することが、この上ない屈辱であることだ。


フロリダ州で地盤が重なるルビオは、ジェブを立てて出馬を見送るはずだった。しかし、見送るどころか予備選でジェブを凌駕し、ブッシュ家に恥をかかせた。連邦上院の再選を棒に振ってまで2016年の大統領選挙に賭けたルビオは、ブッシュ家への謀反と言ってもよいほどの覚悟を決めているように見える。


それだけにジェブのルビオ支持には、政権誕生後に向けた「取引」、そしてジェブの面子の確保が欠かせない。ジェブにとってフロリダ州の「子分」であったルビオに思い切り貸しを作って、閣僚人事や政策について、背後から動かせるのであれば旨味はないわけではない。


ケーシックは指名獲得の可能性は低いにもかかわらず、本人があまりそれを自覚していない問題があり、選挙戦に居残り続けて非トランプ票を奪い続けてしまうことが懸念されている。これまた選挙戦からなかなか降りない脳外科医のカーソン候補が、クルーズの票を目減りさせ続けているのと同じ問題だ。



ケーシック候補〔photo〕gettyimages


スーパーチューズデーで競われる10以上の州の多くでトランプはリードしているが、クルーズがテキサス州で勝利し、ルビオかクルーズがそれ以外のいくつかの州で善戦すれば、トランプ阻止の可能性はまだ残されている。


その際は、共和党の指名争いの決戦は3月15日に持ち越されるかもしれない。15日に行われるフロリダはトランプ打倒にはルビオにとって必勝(a must win)の州であり、同じくオハイオはケーシックにとって必勝州である。


したがって、スーパーチューズデーで重要州になるのはまず、代議員数の大票田でもあるテキサス州だ。クルーズは選挙戦を継続するにはこの地元州で勝利する必要がある。


また、ミネソタ州という穏健北部州をルビオが取れるかも注目だ。ミネソタ州知事だったティム・ポーレンティがルビオ支持の立場を示している。ヴァージニア州は北部を中心に連邦政府や軍関係の共和党支持者も多く、トランプが食い込めるか試金石になる。


別の共和党指名争い長期化のシナリオもある。


1つは、スーパーチューズデーでクルーズが不振に終わり、ルビオがフロリダ州で敗北しても、ケーシックがオハイオ州とミシガン州で勝利する場合だ。そうするとケーシックとトランプという構図も可能性としてはゼロではない。あるいは、クルーズが南部諸州で蘇り、ケーシックとクルーズで反トランプ票を奪い合うという可能性もある。


しかし、以下に述べるようにクルーズ陣営の頭上には暗雲が立ち込めている。


■南部キリスト教福音派にも食い込みを見せるトランプ


クリスティや多くの共和党関係者に「トランプの指名獲得」に現実感を与えたのは、サウスカロライナ州の予備選の出口調査だった。


トランプがキリスト教福音派票の33%を獲得し、福音派を票田としているはずのクルーズが27%しか取れなかった。クルーズはニューハンプシャー州を捨てて、サウスカロライナ州に資源を振り向けていただけに、惨敗感は凄まじかった。


アメリカの最高裁ではギンズバーグ判事の引退の可能性もあり、次の大統領の間に2回ほどは最高裁判事の指名機会があるとされる。最近ではそれに加えて、スカリア判事の急逝もあった。アメリカ大統領選挙は最高裁判事の間接選挙でもあり、本来であれば同性婚や人工妊娠中絶で、最高裁の判断見直しをシングルイシューとしてきた宗教保守層が活性化する条件が整っている。


それにもかかわらずトランプが南部福音派への食い込むというのは相当に異常事態であり、宗教保守内ですら、白人ブルーカラー層の「反職業政治家」感情が、伝統的な宗教保守の「価値争点」よりも優先されつつある気配を示した。


トランプは予備選挙中の孫の誕生などで「家族の価値」をアピールしてみせてはいるが、離婚歴があり過去には人工妊娠中絶の権利に賛成し、「プランド・ペアレントフッド」(全米家族計画連盟)を支持するなど、宗教保守の意中の候補ではない。


サウスカロライナ州は南部でのトランプの思いがけない宗教保守への浸透とクルーズの苦戦を示唆した。だからといってクリスティの計算高い行動を共和党主流派のコアな支持層が赦すことはない。他方で、トランプが指名を獲得すれば、クリスティは無視できない力を握ると考えて、クリスティに再接近する者もいるだろう。


しかし、トランプが自分に支持表明をしてくれた政治家を高待遇で処遇するかどうか、そもそも分からない。何しろトランプは「政治家」ではないのだから。アメリカ政界の慣習や常識は通用しないことを忘れてはいけない。


トランプのことである。「クリスティに何か約束した覚えなどない」とばっさり切り捨てる可能性はある。トランプは本人自身よりも、彼に寄り添う人間をある種のピエロに見せる能力があるという意味で、恐ろしい存在だ。


渡辺将人(わたなべ まさひと)
1975年東京生まれ。北海道大学大学院准教授。シカゴ大学大学院国際関係論修士課程修了。早稲田大学大学院政治学研究科にて博士(政治学)取得。ジャニ ス・シャコウスキー米下院議員事務所、ヒラリー・クリントン上院選本部を経て、テレビ東京入社。「ワールドビジネスサテライト」、政治部記者として総理官 邸・外務省担当、野党キャップ。コロンビア大学、ジョージワシントン大学客員研究員を経て現職。『見えないアメリカ』(講談社現代新書)、『現代アメリカ選挙の変貌』(名古屋大学出版会)、『アメリカ西漸史』(東洋書林)など著書訳書多数。


 

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