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宇宙は事実上、エントロピーの一定の状態で進化する/ユベール・リーヴズ
http://www.asyura2.com/15/nature6/msg/796.html
投稿者 短足鰐 日時 2019 年 12 月 11 日 09:59:10: 1dEIvwQCPSw5M klqRq5hr
 

 宇宙は事実上、エントロピーの一定の状態で進化する/ユベール・リーヴズ

第二部 生の欲動
第五章 宇宙のエントロピー
≪宇宙のエントロピーを増大させる≫
 熱的嗜(し)眠状態は、未来にではなく遠い過去に位置する。それが宇宙背景放射」によって伝えられた世界のイメージである。しかも宇宙の歴史は、強力に組織化された原初の秩序が変質してゆく歴史ではない。それどころか、天文学、物理学、化学、生物学が私たちに誇示するのは、時間の経過にともなった複雑性のピラミッドの構築なのである。
 このような物質の組織化の増大と、熱力学の主張とは、どのように折り合いがつけられるのだろうか。かたや、予期される無秩序への自発的な傾向と、かたや、より複雑な階梯への緩やかな上昇との間には、際立ったコントラストが存在している。
 そのコントラストに、神の摂理の介入の証拠を、すなわち他処から到来する「最後の一押し」を見ようとする者たちもいる。だが今日では、そのような「奇跡」は余分なものと思われる。私は以下の頁で、物質がすでに宇宙の最初期から、複雑さへの上昇を開始し継続するのに必要なすべての情報を持っていたことを示そうと思う。
 だが、「なぜ物質はそうした情報を含んでいたのか」と問われれば、科学は(いまだ)その答えを与えてはくれないのである。

≪宇宙のエントロピー≫
 宇宙のエントロピーという表現に意味を与えることはできるのか。
 私たち宇宙が無限の広がりを持っているとしても(事実そう思われるのだが)、もし事を正確に運ぶなら、宇宙のエントロピーという表現にも厳密で利用可能な意味を与えることが可能でるし、それについて二つの異なった解釈を提示することさえ可能である。
―第一の解釈
 第一の定義は、極限の体積という観念を導入して、宇宙膨張の事実を重視する考え方である。…
 体積はすさまじく増えてゆく。宇宙背景放射は弱まりながら冷えてゆく。これら二つの効果を足し合わせた明白な結果として、極限的な体積における宇宙背景放射の光子の数は一定である。言い換えれば、極限的な体積当たりの宇宙のエントロピー(大部分は宇宙背景放射の光子によって担われるは、(事実上)時間とともに変化しない。宇宙の膨張はエントロピーの一定の現象であって、エントロピーを生み出すことはないのである。
 だから先にこう言っておいたのだ。宇宙は事実上、エントロピーの一定の状態で進化すると。

―第二の解釈
 自然界の他の粒子(陽子、電子など)に比べて、光の光子はかなり特別な振舞いと、独特の存在様式を持っている。電気を点けると、それまでには存在しなかった光子を生み出している。それは壁に当たると吸収され消滅し、もはや存在しない。
 逆に陽子や電子は、例外的な状況を除いては永遠に自己同一性を保ち続ける。原子や分子に結合され、また分離しても、それらの数は一定のままである。
 自然が宇宙のエントロピーを増大させ、それと並行して複雑性のピラミッドの階梯をよじ登ってゆくのは、(ほとんどどつねに)光子産出おいう現象によっている。
 今度は、光子のはかなさに対する核子(陽子、中性子)の永続性を用いて、宇宙のエントロピーの別の定義を示すことにしよう。
 宇宙には、陽子、中性子各一に対しで約10憶の光子があると算定されている。…そしてこの数が、宇宙のエントロピーを算出する別の方法として、核子ごとの宇宙のエントロピーを測る尺度となる。
 宇宙背放射放出以来、この数は核子一個につき、およそ光子百万個の割合で増えてきた。ふたたび千分の一である。…このあらたな計算によって得られる結論は先のものに等しい。
 つまり宇宙のエントロピーは、私たちに察知可能な最も遠い過去以来、事実上変化していないのである。

≪エントロピーと重力≫
 星はスープと違って逆の行動を取る。星は、熱を失って熱くなり、熱を獲得して冷たくなるのである。
 星が宇宙空間で惜しみなく消費する熱エネルギーのために、星の内部温度はその一生のあいだ、段階を追うごとに上昇してゆく。ガス星雲という形で誕生したときには冷たかった星が、しだいに熱くなり、死の直前には数百万度から数十億度に達するのである。
 こうした特別な熱的振る舞いのために、星は宇宙における温度差出現の大きな担い手となっている。ストーブと太陽おでは、なぜこうした熱に対する反応が異なるのだろうか。その責任は重力にある。
 ストーブも星も、宇宙のエントロピーを増大させるように振る舞う。しかしストーブは冷えることでエントロピーを増やし、星は熱くなることでエントロピーを増やす。星が輝くということは、エントロピーを持った光子を生み出し、それを宇宙空間に放出することを意味するのである。

第四部 希望のノート
第十二章 宇宙に対する人間の視点
 組織は「熱的死」によって、すなわち平衡状態の出現によってたえず脅かされている。だが実に幸運なことに、私たちの宇宙が特異な仕方で膨張を続けているおかげで、物質は「熱的死」という致命的な状態からますます遠ざかりつつある。私たちは猶予状態に置かれてはいるが、これはたえず延長されてゆく猶予状態なのであり、革新や創造にますます重要な役割りを与えるような猶予
状態なのである。

【出展】
 ユベール・リーヴズ著『宇宙・エネルギー・組織―宇宙に意味はあるか』国文社‘92年  

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コメント
1. クライシス[710] g06DiYNDg1aDWA 2019年12月12日 22:27:57 : PxS1k7MhD2 : V3E1TmcvaUw5emc=[798] 報告
宇宙は仮想現実(マーヤー)の中に存在します。

[スレ主【短足鰐】による初期非表示理由]:その他(アラシや工作員コメントはスレ主が処理可能)
2. 2019年12月23日 11:54:52 : sGCw5OVVY6 : Z2dMM2Y3cHJXeWs=[1] 報告
>>1
カルトの方は、↓↓↓ こちらでどーぞ(><)
http://www.asyura2.com/19/cult23/index.html
3. 2019年12月29日 02:02:00 : jXbiWWJBCA : Rm5WWGpiTzAwU2c=[259] 報告

>宇宙は事実上、エントロピーの一定の状態

これは単純に物理的な視点からは誤り

一般に物理の世界では、エントロピーは、状態数の対数から計算できる
S=kBln(W)
(情報エントロピーに対応)

その場合、現状のような宇宙の加速膨張が継続する限り、当然、エントロピーは増大し続ける

一定だと言えるのは、宇宙全体の全エネルギーE=K+Vだけであり

それもまた古典物理の近似が成立する範囲でしか言えない

ただし加速膨張の結果、因果の限界を超えた時空領域を<宇宙>に含めないとするのであれば

その領域のエントロピーを計算から除外するので、結局、<全宇宙のエントロピー>など

定義次第の無意味な概念ということがわかるだろう


>極限的な体積における宇宙背景放射の光子の数は一定である。言い換えれば、極限的な体積当たりの宇宙のエントロピー(大部分は宇宙背景放射の光子によって担われるは、(事実上)時間とともに変化しない。宇宙の膨張はエントロピーの一定の現象であって、エントロピーを生み出すことはない


まず、背景輻射は絶えず変化している可能性がある

そして仮に宇宙背景放射の全光子数は時間に依存せず一定であるとしても(多分、誤りだろう)

宇宙が今のペースで加速膨張していくとすれば、いずれは増加していく

>組織は「熱的死」によって、すなわち平衡状態の出現によってたえず脅かされている。だが実に幸運なことに、私たちの宇宙が特異な仕方で膨張を続けているおかげで、物質は「熱的死」という致命的な状態からますます遠ざかりつつある

これも単純な誤り


今後も、宇宙が加速膨張を続けるのであれば、我々が認識できる時空の単位体積あたりの

物質量も輻射密度も低下していき、利用可能な低エントロピー物質(化石燃料、核物質=H,Heなど)は減り続ける

そして、最終的には、いかなる生命も化学反応も起こらなくなる

つまり熱的に死を迎えることになる


4. 短足鰐[62] klqRq5hr 2019年12月29日 09:02:23 : dvPrAYtdjA : TmVBTGh2bGV5NVU=[1] 報告
 最近のwikiは「熱的死」を否定しているように見える。

 方励之夫妻も、重力の存在が、宇宙の熱的死を回避できる可能性を指摘している。

 [熱的死wiki]
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%86%B1%E7%9A%84%E6%AD%BB

 Re:「宇宙が閉鎖系なら、永久機関ではない。開放系なら宇宙は永久機関である」と等価と思う
 http://www.asyura2.com/08/nature3/msg/356.html
 投稿者 短足鰐 日時 2008 年 7 月 23 日 22:41:05: 1dEIvwQCPSw5M

5. 短足鰐[63] klqRq5hr 2019年12月31日 13:50:17 : 5CEo0GMCf2 : YXlzZHVLNzRibnc=[1] 報告

 「宇宙の終わり」について現代の物理学から予想される4つの可能性とは?
 2018年08月22日 07時00分 サイエンス

 https://gigazine.net/news/20180822-universe-end-possibility/

6. ゆめ[279] guSC3w 2020年1月03日 07:29:58 : 9G2lLkIaoE : Q2pQRUhBNjVrY1k=[47] 報告
ハッブル宇宙望遠鏡 から観える宇宙では地球大のUFOが観察される
地球の文明は4000年以前は空想の学問で明確では無い 
学問として教えるのは 定説≠真実 恐らく9割はお花畑理論に想える。

宇宙の知的生命体は何兆年単位の歴史を持つはずで・・・
銀河の誕生と消滅を繰り返す 大宇宙で生存をかけて超科学を使い
滅びゆく星から 新しく生まれた星へ移住を繰り返して来たのでは?

地球の生誕が40億年前とすると 愚かな人類は約5000年発展し核戦争で滅びる
毎度 宇宙の知性が人間を入植させる これの繰り返しが 宇宙の牢獄=地球だ!

産業革命から200年超で 環境汚染と核戦争も近いことからの結論

7. 2020年1月18日 16:57:37 : xMofkKfxNk : MDZkNDV3VlRGOVU=[1] 報告
 


     妄想は奔る、理性は追いつかない
 
 
 

8. 2020年8月06日 07:22:25 : AUE4Gy6boY : QTRGWHA2eDdURk0=[10] 報告
事実1宇宙は特に膨張などしていない。
事実2所謂人間ではない生物、宇宙人と言っていいのか謎だがそれらは確実に存在する。(例:グレイタイプのエイリアン等)
事実3政府は嘘をつきつづける。
事実4ビッグバンはあったかどうかは分からない。
事実5プラズマ宇宙論はなぜか議論されない。大学でも主流派になっていない。

もっといろいろな事実が陳列できるが、今のところこれくらいか。

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