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憲法第9条は「現代の禁酒法」なのか
http://www.asyura2.com/15/senkyo189/msg/744.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 7 月 31 日 18:05:17: Mo7ApAlflbQ6s
 


             憲法学者122人へのアンケート調査の結果(朝日新聞)


池田信夫氏の論考を紹介させていただくが、結論は、「国民の安全を守ることが目的で、憲法はその手段に過ぎないのだから、憲法が現実に合わなくなったら憲法を改正するのが立憲主義である」というものである。

 最後まで読んでも、憲法第九条を「現代の禁酒法」と表現したタイトルの意味がわからない。(むろん、気持ちはわかるが...)

 社民党の「自衛隊合憲」論への転向で護憲主義者が絶滅してしまった今となっては護憲主義者に転向しようかなと思ってしまうが(笑)、改憲派として、池田氏の論理は危ういと思う。

(現行の「非戦主義(不戦主義)憲法」を“非現実”的なものとは考えていない)

 まず、「憲法が現実に合わなくなったら憲法を改正する」という表現は、アプリオリに“現実”という言葉を持ち出すことで“錯誤”を誘導しかねないもので、「憲法が主権者多数派の価値観に合わなくなったら憲法を改正する」というような表現を使うべきである。

 そして、立憲主義は、憲法が多数派の価値観に合わなくとも、立法及び行政は憲法に則って行われるべきというのが基本で、主権者の多数派の考え方が変わったときは憲法を改正していくというのが立憲主義の上手な適用である。

 池田氏は、なんとかなく「そうかも」と思わせる書き方をするので、

「A. 憲法は正しい
B. 自衛隊は憲法違反だ

という2つの命題から導かれる結論は、三段論法で考えると

C. 自衛隊は廃止すべきだ

ということしかない。」

といった論理を提示する。

 言いたいのは、「A. 憲法は正しい」という命題が奇妙だということである。

 立憲主義や法治主義に立つのなら、憲法や法律は、超越的な意味で正しいかどうかが問題なのではなく、手続き論や立憲主義に照らして誤りがあるかないかが問題となる。

 そのような考え方からまとめると、A.の命題は不要で、現在の自衛隊は憲法第九条に反するので、自衛隊は廃止するか改組するしかないという論理になる。
警察や海上保安庁そしてPKO派遣要員などは憲法第九条に抵触しない可能性が高いのだから、自衛隊については、廃止だけではなく改組という対応も可能である。

 リベラル的な人々のおかしさを突くのが好きな池田氏らしく、「少なくとも「憲法違反(可能性も含む)」とした77人のうち「改正が必要」と答えた6人以外の71人は、自衛隊はないほうがいいと考えているはずだ。これは回答者の58%である。それなら憲法学者は「自衛隊を解散せよ」という論文を書くべきだが、私の知る限りそういう学術論文は見たことがない。彼らの主張は、明白に矛盾しているのだ。そもそも憲法学者の過半数が非合法と考えるような軍隊が24万人もいる国が、法治国家と言えるのだろうか」と批判している。

 憲法違反状態を是正するのは国会や政府の役割であり、廃止するのか、改組するのか、憲法改正をするのか様々な対応策がある問題なのだから、法律学者は、憲法違反であるという事実を論理的に説明するだけで十分である。

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憲法第9条は「現代の禁酒法」なのか
国会で改正の議論を始めるべきだ
2015.7.28(火) 池田 信夫

 日本の国会で建設的な政策論争が行われることは少ないが、今度ほどひどい国会も珍しい。2014年7月の閣議決定の段階で解釈を変更した安保法案を、野党が「憲法違反だ」とか「解釈改憲は許さない」などと騒いだからだ。

 このきっかけは、国会審議が終盤になってから与党側の参考人として招いた長谷部恭男氏(早大法学部教授)が「安保法案は憲法違反だ」と述べたことだが、これは一研究者の意見にすぎない。野党が「強行採決反対」のプラカードを振り回した国会は、とても見るに耐えないものだった。


論理的に矛盾している憲法学者

 長谷部氏の事件をきっかけに、マスコミはいろいろな憲法学者の意見を紹介し、朝日新聞は次のようなアンケートを掲載した。この記事について「不都合な結果を隠している」と批判があったため、同社はその詳しい内容を実名入りで掲載した。

 安保法案については、122人中119人が「憲法違反(可能性も含む)」としているが、興味あるのは自衛隊についての回答だ。自衛隊が「憲法違反」とする人が50人、その「可能性がある」とする人が27人いるのに対して、それ以外の答は45人である。

 常識的には、自衛隊は憲法第9条第2項で禁じる「戦力」にあたるので、それが憲法違反(の可能性がある)と答えた77人は「憲法9条を改正する必要がある」と答えると思われるが、そういう答は6人しかない。このうち「憲法違反の可能性がある」と実名で回答した17人の中で「改正が必要」と答えたのは2人だけで、「憲法違反」と実名で断定した42人のうち「改正が必要」とは答えた人は1人もいない。これはどういうことだろうか。

A. 憲法は正しい
B. 自衛隊は憲法違反だ

という2つの命題から導かれる結論は、三段論法で考えると

C. 自衛隊は廃止すべきだ

ということしかない。

 残念ながら朝日新聞のアンケートにはそういう質問がないので、彼らがそう答えるかどうかは不明だが、少なくとも「憲法違反(可能性も含む)」とした77人のうち「改正が必要」と答えた6人以外の71人は、自衛隊はないほうがいいと考えているはずだ。これは回答者の58%である。

 それなら憲法学者は「自衛隊を解散せよ」という論文を書くべきだが、私の知る限りそういう学術論文は見たことがない。彼らの主張は、明白に矛盾しているのだ。そもそも憲法学者の過半数が非合法と考えるような軍隊が24万人もいる国が、法治国家と言えるのだろうか。


偽善的な「平和憲法」擁護論

 実際には、自衛隊を解散すべきだと考えている憲法学者はいないだろう。それなら残る答は、自衛隊を認めるように憲法を改正することしかないが、そう答えた人は6人しかいない。彼らの頭の中は、どうなっているのだろうか。

 このような憲法学者の矛盾を、井上達夫氏(東大法学部教授)は「原理主義的に護憲を世間に主張しながら、実際には自衛隊と安保を認めていることを、みずから世間にバラしている」と批判する。「非武装中立を言い続けるほうが自衛隊と安保を現状のまま維持するのに有効だから」である(『リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください』50〜51ページ、強調は引用者)。

 いわゆる「歯止め論」だが、こんな論理は法律にはない。合憲でなければ違憲であり、その中間はないのだ。長谷部氏は「表現の自由を定めた憲法にも刑法のわいせつ罪のような例外がある」というが、軍隊とわいせつ罪を同列に論じるのは非常識だ。

 要するに憲法学者も野党も、自衛隊が国民の安全を守っている現状を認識しながら「平和憲法を守れ」というきれいごとを言っているのだ。こういう日本人の法律についての曖昧な態度について、かつて川島武宜は次のように批判した。

 いやしくも法律が有効に存在すると認められるかぎり、人は法律をもって現実に対しはたらきかけなければならないのであり、そのあいだに妥協は許されない、というのが法の二元主義の基本原則である。その典型的な例証の一つは、アメリカの1919年の禁酒法である(『日本人の法意識』44ページ、強調は引用者)。

 禁酒法は極めて非現実的な法だったが、アメリカ政府はその醸造を摘発し、1933年に廃止されるまで公の場では販売が許されなかった。いかに非現実的な法であっても、それを守るのが法治国家というものだ。国民の安全を守ることが目的で、憲法はその手段に過ぎないのだから、憲法が現実に合わなくなったら憲法を改正するのが立憲主義である。

https://mail.google.com/mail/#inbox/14ed29e94ca721f4

 

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コメント
 
1. 日高見連邦共和国 2015年7月31日 18:23:52 : ZtjAE5Qu8buIw : lt7TdFOYcQ

どんな意味合いであっても“憲法論議”は大歓迎デスっ!!

2. pochi 2015年7月31日 20:04:52 : gS5.4Dk4S0rxA : s8W9uPhyZI
個人的なことを吐露致しますが無意味にハイテンションな方は大嫌いです。
さて、

理念と現実が剥離した場合において、理念を現実に合わせなければならない理由など一切ない。と私は考えます。

理念とは現実がそれに剥離しているからこそ。
理念に導くためにこそ存在しているのだから。

池田某が何を言っているのか読んでなくてすみません。


3. 2015年7月31日 22:07:28 : eyY5TlCgk6
現行憲法の誕生は、

敗戦の占領期(昭和20年から昭和27年まで)に米国GHQの手で1週間で作成

された事実、内容は日本を二度と戦争の出来ない国にする(、憲法9条

軍隊は保持しない、戦争放棄、)のが目的に作られている。

米国からら押し付けられたもの。

その後は、米国のご都合により勝手に解釈していけるようなってる。

米国の植民地から脱却するには、現行憲法を破棄(ドブに捨てて)して、日本人

の手で自主憲法を作成すべき。

その上でも 9条が必要だという意見が多数なら、受け入れざるを得ないが・・。



4. pochi 2015年7月31日 22:33:48 : gS5.4Dk4S0rxA : s8W9uPhyZI
人を殺す自由は誰にでも与えられてます。

人を殺す権利が与えられてないだけです。



5. 2015年7月31日 22:47:45 : eyY5TlCgk6
04>>
権利が与えられてないのに、なぜが自由が与えられるのですか。


そんなことより、人殺しはわるいことです、死刑にされます

(仏教では)人殺しや悪い行いしたら、死後も地獄に落ちて。長い間

苦しむことになるのです。これをお伽ばなしではありませんよ。終わり


6. 2015年7月31日 22:52:18 : CooIHyXALs
基本的な数値の読み取りに関して、池田氏の記事の中にまちがいがあった。自分が書いたばかりの内容と矛盾していたらふつう気がつくだろ。池田氏は経済学者らしいけどだいじょうぶなのか。


> 常識的には、自衛隊は憲法第9条第2項で禁じる「戦力」にあたるので、それが憲法違反(の可能性がある)と答えた77人は「憲法9条を改正する必要がある」と答えると思われるが、そういう答は6人しかない。このうち「憲法違反の可能性がある」と実名で回答した17人の中で「改正が必要」と答えたのは2人だけで、「憲法違反」と実名で断定した42人のうち「改正が必要」とは答えた人は1人もいない。

> [自衛隊が]「憲法違反(可能性も含む)」とした77人のうち [憲法9条の]「改正が必要」と答えた6人以外の71人


上の2箇所の引用箇所は矛盾している。前者が正しく、後者は数値の読み取りをまちがっている。あっしらさんが引用した箇所で、池田氏は初歩的なまちがいをおかしているのだ。


憲法9条の改正が必要と答えた6人の内訳 [実名回答者は5人]

自衛隊の存在は憲法違反にあたる……………0人
憲法違反の可能性がある………………………2人 (吉川和宏・宮原均)
憲法違反にあたらない可能性がある…………1人 (齊藤芳浩)
憲法違反にはあたらない………………………2人 (小林節・浅野善治)

http://www.asahi.com/topics/word/%E5%AE%89%E4%BF%9D%E6%B3%95%E6%A1%88%E5%AD%A6%E8%80%85%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%88.html?iref=comtop_keyw_01


自衛隊と憲法9条の折り合いをどうつけるべきだと考えているのか、おれも憲法学者の意見が聞いてみたいけどね。


7. 2015年8月01日 00:27:25 : QKftDSYino
>自衛隊と憲法9条の折り合いをどうつけるべきだと考えているのか、おれも憲法学者の意見が聞いてみたいけどね。

本を探すなりwebで探すなりしてみたら?
ここにもいくつか動画が貼り付けられてたけど木村草太の(彼だけではないけれど)
13条との兼ね合いで合憲であるというのは説得力があるように思います。
http://ameblo.jp/kattann2525/entry-12048841667.html


8. 2015年8月01日 01:26:06 : CooIHyXALs
>>7

とっつきやすいアメブロ記事のご紹介をありがとう。
実名回答者の名前を見るかぎり、木村草太氏は朝日新聞アンケートの対象(判例集の執筆者)ではないようですが、とにかく自衛隊が合憲だというなら話はわかるのです。ところが自衛隊は憲法違反ないし違憲の可能性があるという回答の方が多い。それで私も池田氏と同じ疑問を抱いたというわけです。これは単なる好奇心です。気
が向いたら調べてみようかというくらいのものです。基本的にはあっしらさんの次の見解に賛成するものです。

「憲法違反状態を是正するのは国会や政府の役割であり、廃止するのか、改組するのか、憲法改正をするのか様々な対応策がある問題なのだから、法律学者は、憲法違反であるという事実を論理的に説明するだけで十分である。」


9. 2015年8月01日 05:42:07 : FjmwakhJZ6
 多摩散人です。

池田信夫氏の意見に賛成です。それに関連する私のコメントがあるので、リンクします。

●(動画)集団的自衛権「合憲派」学者の会見が痛快すぎると話題に 無礼なフランス人記者を完全論破し発狂させる 会場笑いと拍手
http://www.asyura2.com/15/senkyo187/msg/714.html#c16
投稿者 会員番号4153番 日時 2015 年 7 月 01 日 05:31:10:

● 安保法案は立憲主義に反し憲法違反です | 日本弁護士連合会
http://www.asyura2.com/15/senkyo189/msg/410.html#c4
投稿者 pochi 日時 2015 年 7 月 25 日 17:18:21:


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