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KjuCTXCyEoさんへ:消費税は歳入増加(財政再建)が目的ではなく経済政策:特別会計400兆円の内実と意味
http://www.asyura2.com/15/senkyo196/msg/743.html
投稿者 あっしら 日時 2015 年 11 月 19 日 20:40:32: Mo7ApAlflbQ6s
 


「低所得者の税負担軽減 政府税調の中間整理案 若年層の子育て後押し:所得再分配機能の強化に動く安倍政権 」
http://www.asyura2.com/15/senkyo196/msg/579.html

のコメント欄でKjuCTXCyEoさんからいただいたコメントへのレスポンスです。


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【引用】
6. 2015年11月16日 11:17:48 : KjuCTXCyEo

軽減税率なんかどうでもいいから腐敗利権層の聖域特別会計400兆を問題にすべきじゃないの?

この400兆は一般会計100兆と違い国会承認なしに彼ら利権層や官僚が国民の知らない処で使い放題だが・・・

またこれを日本病として国会で追及しようとした石井紘基議員はその日に暗殺され消費税を上げなくても財源はいくらでもあると言った小沢一郎は
法務官僚テレビ新聞により国策事件をデッチ上げられ政治的失脚を計られた

そもそも あっしらさんの軽減税率云々の問題提起が本末転倒なのであって
この400兆にメスを入れれば消費税も必要ないし軽減税率の議論自体も不要です

現に敗戦から20年前まで消費税など無かった訳だからそれでなくても日本は
間接税は他国に比べれば莫大な税収が入るシステムになっております

日本国民から搾取したお金は宗主国並びにその手先にすべて収奪される仕組みになっております。

【コメント】

1)消費税の性格

 まず、消費税制度と特別会計の“埋蔵金”(余剰金)はまったく無関係です。というより、消費税は、財政健全化とも無関係で、財政赤字を幾分なりでも緩和するという制度でさえありません。

 昨年の消費税増税についても、社会保障の持続性確保や財政の健全化のために“必要な”政策だと受け止め、イヤだけど仕方がないと思っている人が少なくありません。

 しかし、消費税やその税率引き上げといった政策は、これまで何度も書いてきたように、歳入増加策ではなく“経済政策”でしかありません。

(他の税制についても同じように言えますが、今回はそれに触れません)

 消費税(付加価値税)制度は、たとえ財政赤字がなかったとしても、他の税目を減税したりなくしたりしてでも導入されたでしょう。

 ですから、「この400兆にメスを入れれば消費税も必要ないし軽減税率の議論自体も不要です」という論は成立しません。

 消費税は経済政策という意味を単純化して言えば、日本経済を牽引すると考えているグローバル企業(輸出企業)の国際競争力や経営基盤を強化する手段として消費税は導入されたということです。
 さらに、消費税は実質的に関税の上乗せですから、国内市場における外国企業との競争も有利にします。

 このようなことは、消費税が導入された経緯や消費税の税率が引き上げられてきた経緯を考えればわかります。

 日本では、70年代後半から、注意深く名称を考慮しながら付加税を導入する動きが始まりました。
 それは、71年のニクソンショックを経て変動相場制に移行にすることで、円高傾向が明瞭になったことが誘因です。

 円高は、(短期的には)輸出企業の国際競争力を劣化させるとともに利益を縮小させ経営にも打撃を与えます。かといって、政府が輸出企業に補助金などを支出することは禁じられています。

 そのようななか、消費税は、国際的非難を浴びることなく輸出企業の国際競争力を増強する手段となります。
 消費税(付加価値税)制度が輸出企業に対する実質的な“補助金”であることは理解されていますが、欧州諸国は先行するかたちで付加価値税を導入しているので、日本に対して輸出補助金といった非難は投げかけられません。

 当時の大蔵省は、円高傾向のなかで、輸出企業の価格競争力や収益減少をカバーするために付加価値税の導入を画策したのです。
 97年の消費税税率引き上げも、94年から95年にかけての“超円高”(80円を切るほど)のなかで政策化されたものです。
 14年の消費税引き上げも、リーマン・ショック以降の円高傾向に対応するかたちで政策化されたものです。

 ところが、民主国家である日本は、今消費税の税率を引き上げたいと思っても、すぐに法律にすることができません。
 14年の消費税引き上げの実施について安倍政権が悩んだのも、いざ税率を引き上げる段階になってみると、円安傾向に転じており、税率を引き上げる必要性がなくなっていたからです。

(それでも最終的に実施したのは、TPPなどで関税の引き下げが予想されたからだと思っています。工業製品は平均2.5%の関税ですから、TPPでそれが撤廃されても、3%の消費税増税で実質的な関税は以前よりも高いというおかしな状態になります)


 消費税が歳入増加策であるなら、89年の消費税導入以降、91年をピークに歳入の大半を占める税収は減少しているのですから、財務省(大蔵省)は消費税を放棄したはずです。
 しかし、それでも、財務省は、97年に税率を5%に引き上げ、14年に税率を8%に引き上げています。

 バブル崩壊後の税収減少はともかく、97年以降は同じような経済状況ですから、消費税増税が、中期的には税収減をもたらすこと少なくとも税収増にはならないことは明瞭です。
 幸か不幸か日本の名目GDPはここ25年ほど500兆円を少し切る水準で推移していますから、消費税増税と税収の関係は、すっきりわかりやすいかたちで見ることができます。

 日本の財政が本当に危機なら、350兆円もの内部留保があり増税してもGDP的経済に影響がほとんどない法人税(継続的黒字企業のみが対象)の増税を行います。また、大きな増収は期待できないとしても、高額所得者を標的とした所得税の増税に踏み切るはずです。
 さらに言えば、財務省は、財政危機といいながら、赤字国債の発行を“意図的に”増やしています。これこそが、財政危機という言説が消費税増税を正当化するプロパガンダである最大の証拠です。

 赤字国債の増大も、歳入不足にともなうものではありません。なぜなら、無駄な歳出の他に、ここ4年で累計15兆円ほどの予算未消化まであるからです。(目立たないよう地方交付税に振り向けている)
 財務省が赤字国債を増やすのは、銀行の資金運用難を助けるためです。預貸率が70%ほどしかない銀行は、なんとしても国債を増発して欲しいのです。

 このように消費税やその増税は、「財政危機」問題と無関係なのです。

※追記

「現に敗戦から20年前まで消費税など無かった訳だからそれでなくても日本は
間接税は他国に比べれば莫大な税収が入るシステムになっております」と書かれていますが、消費税は、政府がそのように説明しているとしても、間接税ではありません。あくまでも、事業者が稼いだ付加価値に課される直接税です。

 消費税は、間接税ではなく、“給与支払い税”であり、“利払い税”であり、“元本返済税”であり、“利益税”でもあります。だからこそ、消費税を導入したりその税率を引き上げると経済が低迷するのです。

 「デフレ不況」も、97年の消費税税率引き上げを契機として始まりました。
 バブル崩壊も、いずれやってくるとは言え、あの時点(90年初頭)から崩壊が始まったのは89年の消費税導入が原因です。

2)特別会計について

 貴殿にとっては本命である特別会計の問題に移ります。

 特別会計は、「隠れた国営企業」といえるものです。

 国営ディベロッパーであり、国営融資会社であり、国営短資会社であり、国営保険会社であり、国営エネルギー事業会社といったものです。

 年金などは民間に任せると、加入を強制できないだけでなく、倒産や過大損失で国民生活をずたずたにする可能性もあります。
 原油権益などエネルギーにまつわる事業も、リスクが高いため民間頼みでは動きが期待できません。


 貴殿は、「この400兆は一般会計100兆と違い国会承認なしに彼ら利権層や官僚が国民の知らない処で使い放題だが・・・」と書かれていますが、特別会計はおざなりの審議で済まされているという問題はあるとしても、一般会計の予算と同じで国会の承認が必要です。

 なお、400兆円という特別会計の予算規模は、特別会計のあいだの出入りなど重複を含む金額で実質の純予算は190兆円です。
 さらにそのなかでも、「国債整理基金特別会計」や、年金や健康保険などの資金を管理する「年金特別会計」が大きなウェイトを占めており、地方交付税交付金まで含めるとその三つで80%を占めます。

 貴殿は、「これを日本病として国会で追及しようとした石井紘基議員はその日に暗殺され消費税を上げなくても財源はいくらでもあると言った小沢一郎は
法務官僚テレビ新聞により国策事件をデッチ上げられ政治的失脚を計られた」と書かれていますが、特別会計の問題追求や余剰金の指摘で暗殺や政治的抹殺が行われる可能性は低いと思います。

 特別会計とりわけ公共事業関係の特別会計や財政投融資特別会計は、貴殿が指摘する“利権層や官僚が国民の知らない処で使い放題”という問題を孕んでいます。
 端的に言えば、それらは、高度成長期に膨らんだマネーサプライ(とりわけ郵便貯金や簡保保険料に流れ込んだもの)を“第二国家会計”として“活用”したことに原因があります。
 郵貯の利払いや簡保の保険金を果たすため、高速道路や国鉄などの国家事業に融資することで利子を受け取る構造を作り上げたのです。

 それも、経済的苦境が続くなか、仕方なくでしょうが、少しずつ是正はされています。

 “埋蔵金”とも言われる特別会計の余剰金問題も、06年から5年間で20兆円程ほど一般会計や「国債整理基金特別会計」に組み入れました。

 貴殿の「日本国民から搾取したお金は宗主国並びにその手先にすべて収奪される仕組みになっております」という指摘に原理的に同意します。
 しかし、それは日本に限ったことではなく、米国でも欧州諸国でも同じか似た話です。

 ドル買いを主に行っている「外国為替資金特別会計」は、03年のように、米国政権の戦費までファイナンスしています。当時、日本政府が30兆円を超えるドル買いをしなければ、米国の金融市場は金利の急上昇で動揺したはずです。

 最後に、「この400兆にメスを入れれば消費税も必要ないし軽減税率の議論自体も不要です」という貴殿の指摘があっているのは、「年金特別会計」です。
 年金特別会計にあるおよそ120兆円は、年金が「積み立て方式」から「賦課方式」に移行していることから、論理的には余剰金と言えるものです。
 単年度に入ってくる年金保険料と単年度に出て行く年金給付は基本的に同じでなければなりません。一時的に不足する場合は、借り入れを含むやりくりでしのげば済むことです。

 だからといって、120兆円を「国債整理基金特別会計」や一般会計に組み入れるべきだとは思いません。
 120兆円があることで、なんとなく年金は安心だという話はともかく、保険料引き上げを抑制することができるからです。

このようなことから、

「軽減税率なんかどうでもいいから腐敗利権層の聖域特別会計400兆を問題にすべきじゃないの?」や「そもそも あっしらさんの軽減税率云々の問題提起が本末転倒なのであってこの400兆にメスを入れれば消費税も必要ないし軽減税率の議論自体も不要です」といった貴殿のご指摘に対しては、軽減税率は、世論形成に大きな力をもつメディアに税を通じて利益を供与することで、メディアが消費税税率引き上げを煽る誘発力を持つ極めて危険な制度として強く反対した方がいいと変わらず言い続けます。


 

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