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注目の人 直撃インタビュー 春名幹男・早大客員教授「米軍が守ってくれるなんて幻想」(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/15/senkyo198/msg/146.html
投稿者 赤かぶ 日時 2015 年 12 月 14 日 07:19:05: igsppGRN/E9PQ
 

               春名幹男氏(C)日刊ゲンダイ


注目の人 直撃インタビュー 春名幹男・早大客員教授「米軍が守ってくれるなんて幻想」
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/171390
2015年12月14日 日刊ゲンダイ


安倍首相自身が同盟の真相を知らない


 つい最近、来年度の米軍基地への思いやり予算がちっとも減額されないことが分かったが、驚くのはまだ早い。スッタモンダした集団的自衛権行使の大前提は「イザというときは米軍が日本を守ってくれる」だったのに、これがウソっぱちだったのである。衝撃の書、「仮面の日米同盟」(文春新書)は膨大な資料、文献から、国民はもちろん、恐らく安倍首相も誤解している日米同盟の真相を暴いたものだ。ボーン・上田賞受賞のジャーナリストで早大客員教授の春名幹男氏がすべてを語る――。


――本の帯には〈「アメリカが日本を守ってくれる」は幻想だ!〉とあります。


 そうです。幻想に基づいて、いろいろな政策が行われている。集団的自衛権の行使容認もそうだし、思いやり予算もそうです。すべてを見直すような議論を始めなければいけません。


――米軍は日本のために血を流してくれる。だから基地の提供は当然だし思いやり予算も必要。集団的自衛権で助け合うことも大事で、そうすれば日米同盟が深化し、抑止力になる。安倍首相は何度もこう言っていますが、ウソであると?


 政治家は勉強不足です。安倍首相自身も分かっていないと思います。


――米国は日本を守ってくれないんですか?


 自衛隊と米軍の役割分担を定めた日米ガイドラインは改訂を重ねて、今は3版目です。最初は1978年。ここには「日本は小規模な侵略を独力で排除する。独力で排除することが困難な場合には、米国の協力を待って、これを排除する」とあり、「陸上自衛隊および米陸上部隊は陸上作戦を共同して実施する」と明確に記されています。ところが、97年の第2版では「日本は日本に対する武力攻撃に即応して主体的に行動し、極力早期にこれを排除する。その際、米国は日本に対して適切に協力する」という文言に変わっているのです。2015年版は「米国は日本と緊密に調整し、適切な支援を行う。米軍は自衛隊を支援しおよび補完する」と書いてあります。つまり、97年以降、米軍の任務は「サブ」に変わった。支援し、補完するだけで、主体的に防衛するのは自衛隊であるわけです。


■官僚が作為的翻訳で“協力”


――「適切な支援」という言葉がまた曖昧ですね。


 適切かどうかは米軍が決める。情報提供だけでも支援になる。血を流すとは限らない。しかも、英語の原文に当たって驚きました。ガイドラインは英語で交渉し、英語で文章を作る。それを官僚が翻訳するのですが、その際、作為的に米軍が日本の防衛に積極的に関与するかのような翻訳をしているのです。


――情報操作ですね。


 例えば「主体的」ですが、英文にはprimary responsibilityとある。「主な責任」という意味で、主体的とはニュアンスが違う。「支援し補完する」も英文はsupplement。栄養補助食品に使う言葉で、補足する、追加するという意味です。補完するであれば、complementがふさわしくて、78年版ではcomplementが使われていた。米軍支援のニュアンスは明らかに後退しているのです。さらに15年版には「米軍は自衛隊を支援し、補完するため、打撃力の使用を伴う作戦を実施することができる」という日本語がありました。「できる」というからにはcanだと思ったら原文はmayだった。してもよい、するかもしれない、という意味ですよ。共同作戦も通常はjoint operationだが、原文はbilateral operation。「2国の作戦」という意味で、これを共同と訳すには無理がある。


――官僚が必死になって、米軍は日本を守ってくれるという幻想を振りまいているんですか?


 外務省はなぜ、こんな訳をしたのか。安保法制を可決しやすくするためなのか、それとも安倍首相の意図なのか。


――いずれにしても、米国は日本を守ることについて、表現を後退させているのはハッキリ分かる。これはなぜですか。


 実は長年の取材、研究を通じて、日米安保条約の真相を物語る幾つかの機密文書を発見しました。一つは1971年、アレクシス・ジョンソン国務次官が一時的に長官代行としてニクソン大統領に提出したメモです。そこにはハッキリ、こう書いてあったのです。


〈在日米軍は日本本土を防衛するために日本に駐留しているわけではなく(それは日本自身の責任である)、韓国、台湾、および東南アジアの戦略的防衛のために駐留している。在日および在沖縄米軍基地はほとんどすべてが米軍の兵站の目的のためにあり、戦略的な広い意味においてのみ、日本防衛に努める〉


米軍協力よりもまずは専守防衛だ



安倍首相(左)とオバマ米大統領(C)日刊ゲンダイ


――そのものズバリ、戦略的な広域防衛の兵站であると?


 似たようなメモは他にもありました。


――ちょっと待ってください。そういうことを外務官僚は知っていながら隠しているわけですか?


 逐一、過去の文書やメモをチェックしているわけではないし、米国もあえて通告はしない。しかし、米国はこうやって、対日政策を戦略的によく考えている。日本の防衛官僚もガイドラインの文言が変わっていることは知っている。しかし、米側の発言があるわけではないので、政治家に「変わりましたよ」とは言わない。日本のメディアも原文に当たらないから、真相が国民に伝わらない。こうやって仮面の同盟の真相が覆い隠されてきたのです。


――でも、尖閣は日本の施政下だから日米安保条約の適用範囲内なんですよね? オバマ大統領も言っていた。


 尖閣主権の経緯について米国はホームページで何も触れていません。都合の悪いことには関わりたくないのが本音でしょうが、政府もメディアもその本質に切り込まず、政府は『安保条約の適用対象だと言ってくれ』という形式を整えることにきゅうきゅうとしている。メディアも大統領がそう言えば、あたかも米軍が尖閣を守るかのような報道をする。幻想で日本の防衛政策が決められているのは極めて不健康なことです。


――安倍首相は閉会中審査で、自衛隊の南シナ海派遣にも踏み込んでいました。


 米国の航行の自由作戦は形だけで完全に腰が引けています。その消極さが米国内でも批判されているほどです。あの海域をイージス艦が通ってもソナーを海に入れるわけでもないし、火器管制レーダーのスイッチも入れてない。ヘリも飛ばしていません。そんなところに自衛隊が出ていく余地なんてありません。


――それなのに、安保関連法案が通ったのをいいことに、安倍首相だけが勇ましい。


 米国の狙いをきちんと分析してないで言っているのですから、危険ですよ。


――結局、日本は日米安保の真相、米国の本音を知らないまま、自衛隊を出す法律だけ作った。そういうことになりますか?


 そうです。これは自衛隊を白紙委任で米国に差し出すようなものです。具体的、緊急の課題があって決めたわけではないし、どのような戦争であれば、集団的自衛権を行使して協力するのか、という議論もなされていない。日本の安全保障が百八十度変わる話なのに、閣議決定から法案成立まで1年ちょっとというのは、あまりにも乱暴な話です。


――大体、米国が日本を守ってくれるかどうか分からないのであれば、米軍にくっついて、地球の裏側まで行くより専守防衛こそ固めるべきじゃないですか?


 その通りです。しかし、それを正面に据えた議論が国会でもなされなかった。集団的自衛権を行使するのであれば、自衛隊の仕事が増える。その分、日本を守る要員が削られてしまう。


――それでなくてもパリの同時テロ以降、トルコのロシア機撃墜もあり、世界は一気にきな臭くなっています。


 イスラム国との戦争は当面、終わらない。終わる可能性が予見できない。トルコのロシア機撃墜でロシア機が領空侵犯したのはたった17秒ですよ。トルコはロシア機の領空侵犯を待っていて、その機会を逃さず撃墜したことになる。それほど世界は血なまぐさいのです。それなのに日本は自衛隊は出すけど、そうした国際情勢を分析、検討するインテリジェンスの体制が整っていない。ますます、危なっかしいのです。


▽はるな・みきお 大阪外大卒。共同通信でワシントン支局長、特別編集委員など歴任。「秘密のファイル CIAの対日工作」など著書多数。現在は早大客員教授。


 

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コメント
 
1. 新共産主義クラブ[1786] kFaLpI5ZjuWLYINOg4mDdQ 2015年12月14日 09:44:58 : EecjAqlQ9s : H8qiKdPauno[1]
 
 「台湾独立派が武装蜂起すれば、米軍が守ってくれる」なんてのも幻想だ。
 
 米軍は、お金とお金持ちが大好きで、お金とお金持ちを守るためならば、どんな仕事でもする。
 
 経済成長が見込めない島や、経済成長に取り残された島の原住民は、米軍は血を流してまでは守らない。
 
 台湾有事には、米軍は、大陸に資本とコネがある者の味方をするだろう。
 

2. 2015年12月14日 11:15:16 : OtUeAykcYA : SHJ116kcX84[17]
> そうです。幻想に基づいて、いろいろな政策が行われている。集団的自衛権の行使容認もそうだし、思いやり予算もそうです。すべてを見直すような議論を始めなければいけません。

「議論を始めなければいけません」と云うだけでは不十分。
こうすべきだとの提案が必要。
一提案

1.憲法前文と9条は改正し侵略を阻止できる軍備の保持を明記する。
2.中国の核ミサイルに対抗できる集団的自衛体制と軍備を保持する。


3. 2015年12月15日 02:23:47 : IJjjrLkBu1 : Tp0IihGPIW0[45]
  2は、この期に及んで人の意見をダシにして随分論理飛躍させているようだが、教授は、世界は血なまぐさい、とは言っているが、日本の大軍拡までは提唱していないだろう。
   政権が虚飾を交えて法案を成立させた、ということを言いたいのであり、それは国民納税者代表として絶対にやってはいけない、との主張であろう。確かに、国民に対する背信であり、安倍政権は主権者代表としての資格はゼロ、というべきである。
   政権党とて、法案成立させる段階では主権者代表の一人であるから、役人の意を国会で代弁するなどは順序が違う。議会制民主主義は、法案可決までは一人一党の精神で自分の支持者の声を国会に届けるのが肝である。その意味では、立法の際に政権党か否かは全く関係が無いのである。
   納税者が納めた税金を、どこに、幾ら、優先的に使うかを法制化するのが国会であるから、2の主張する、中国に対抗するべく大軍拡に投入するか、それとも福一事故の収拾に徹底するか、戦争以前に地球が崩壊しそうな、温暖化阻止の世界共同に使用するか、6人に一人の子供が貧困であり、軍拡はすれど栄養の足りない身体で10億の中国に対峙する矛盾を先に解決するか、納税者主権者代表として、総理、閣僚も一議員として、国会討論に参加しなければならないのである。
   米国とて、米国議会が承認しなければペンタゴンは動けないのである。従って、安保条約があれば米国がはせ参じてくれる、などは議会承認如何であるのは当たり前である。法外な価格で大量の米軍払い下げの兵器を買いこむなど、軍拡予算に歯止めを付けないのは、立法府と行政府が癒着している日本ならではの特徴である。女房子供が餓えているのに祭りの寄付をして悦に入る人間のような日本が、他国も同様だと勝手に思い込んでいる、安倍政権のそこが怖いのである。
   政権党というのは、行政機関の事務処理を管理監督するのが主任務であり、日本ではその任務を、多数の議員を抱えた政党が担う、とルール化しているだけの事なのであり、立法段階では与党と言えど一政党に過ぎないのである。
   国会論戦が全くもって茶番であり、始めに結論ありきの、与党と行政の癒着構造は、予算が全て財務省、外務省、防衛省などの都合で使用される仕組みである。税の使途の優先順位を、国民納税者が代表を介して納得、承認する手続きが全くなされない、疑似国民代表議会制度なのである。
   なおかつ、米国も同じだと勘違いしているから、米軍産複合体の意向イコール米議会の意向と思い込み、軍産複合体ロビイストの言を外務省都合に解釈してしまい、それを政権党が得心しているようである。こうした勘違いのまま日本政府が突っ走ればどういうことになるか、まともな国民納税者であれば、危惧するのは当然である。
  
  

4. 2015年12月15日 21:42:21 : WqAHKP4YHU : rrEyJvpfSdw[1]
2004年に日本記者クラブ賞を貰った御仁ですから
何をかいわんや、ですが、

米国が日本を守ってくれない事が明確になった
のは、

日米安保条約に極東条項が加えられる事が明ら
かになった時点からです。

そこから、米国が日本に駐留する目的は、日本
を守る事ではなく、

米国とソ連が核戦争になった時に、日本列島を
米国の核戦争の前線基地とすることで、

米国本土への核攻撃を少しでも食い止めよう
との考えから

日本にある基地の滑走路を核搭載機が離発着
できる様に、延長する工事が始まりました。

こういった背景から、砂川闘争があり、

そして、重要な「米軍の日本駐留は憲法違反」
という

至極真っ当な「伊達判決」がある訳です。

尚、日米ガイドラインの条文と日米安保・
国連憲章・日本国憲法のそれぞれの条文が
相反すれば、

日本国憲法>国連憲章>日米安保条約>日米ガイドライン
の優先順序で判断されます。


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