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バンコク亡命中の中国人「共産党への怒りだけが生きる支え」(SAPIO)
http://www.asyura2.com/16/asia20/msg/232.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 5 月 06 日 16:37:30: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

           2014年3月、タイ南部で拘束された中国人 Reuters/AFLO 


バンコク亡命中の中国人「共産党への怒りだけが生きる支え」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160506-00000015-pseven-cn
SAPIO2016年6月号


 前政権・胡錦濤時代に期待された民主化の兆候は、習近平政権の誕生で瞬く間に瓦解した。中国当局による弾圧は目を覆いたくなる。最近では東南アジアなど、国外にも張り巡らせた“密告網”により民主化を望む中国人が次々と捕らえられている。国際社会の目が届かぬ地で、中国当局は不穏の芽を摘み取っているのだ。

 ノンフィクションライター・安田峰俊氏は、当局の弾圧を受けタイに逃れた民主活動家を取材。習政権に背く者に対する凄まじい拷問の実態が明らかになった。

 * * *
「中国共産党が倒れるまで、俺は死なない」

 昨年2月27日。バイクのけたたましいエンジン音と排気ガスが吹き込むバンコクの喫茶店で、暗い表情を浮かべたまま呟く男がいた。姜野飛(ジャンイェフェイ)氏、当時47歳。現地に亡命中の中国人だった。

 四川省出身の姜氏は、かつて2008年5月に四川大地震が発生した際、法輪功(中国国内で弾圧されている新宗教団体)系メディアの取材に応じたことで公安に連行されてしまった。

 本人は法輪功の信者ではなかったにもかかわらず、睡眠すら許されず3日3晩の取り調べを受けた。上半身裸で天井から吊るされ、殴打され、電気棒による拷問も受けたという。

 火傷だらけの身体で釈放されると、姜氏は職場を解雇されていた。何度も再就職を図ったものの、いずれも公安の嫌がらせを受けてすぐにクビになった。

「その後、再び当局に呼び出された。『スパイになればお前の生活を保障してやる』というんだ」

 結果、もはや中国で生きる道はないと考えた姜氏は亡命を選んだ。ジャングルを陸路で越え、タイまで逃げたのだ。

「しかし、亡命者の立場では定職に就けず、月収は3000バーツ(約1万円)程度。現地でプロテスタント教会の仕事を手伝い、辛うじて暮らしている」

 粗末な服装に丸刈り。話す境遇に偽りはないようだ。彼は「中国共産党への怒りだけが生きる支えだ」と私に語った。

 だが、取材後の昨年10月28日、姜氏は仲間の董広平(ドングアンピン)氏とともにオーバーステイ容疑でタイ当局に拘束され、翌月に中国へ強制送還された。二人はすでに国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の難民認定を受けていたが、それを無視しての送還だった。

「姜氏は亡命後、習近平を風刺するコラージュをネット上に発表していました。中国政府はこれを許さず、タイの軍事政権に圧力を掛けたのではないでしょうか」

 バンコク在住の亡命中国人・韓学鋒氏(仮名)は言う。送還の2週間後、中国国営放送CCTVが、囚人服姿の姜氏と董氏が「罪」を認める動画を大々的に放映した。

「習近平批判という罪状の重さや、過去の姜氏が受けた拷問から想像するに、睡眠を与えられず、肉体的に痛めつけられた上で撮られたように見えます。裁判すら経ない『晒し者の刑』です」(韓氏)

 習近平政権の成立以降、中国は海外に強力な密告網を敷き、経済関係をエサに各国の現地当局へ圧力を掛ける動きを強めはじめた。政治・軍事・経済の各方面で中国が圧倒的に優位な立場にある周辺諸国に対して、この傾向は特に露骨だ。

 昨年7月、タイ当局は国内にいた少数民族ウイグル人の亡命者約100人を、中国に強制送還した。在外民主化人士の拘束や失踪も目立つ。姜氏の受難もまた、そんな中国の動きがもたらしたものなのである。

●やすだ・みねとし/1982年、滋賀県生まれ。立命館大学文学部(東洋史学)卒業後、広島大学大学院文学研究科修士課程修了。在学中、中国広東省の深セン大学に交換留学。主な著書に『知中論』『境界の民』など。公式ツイッターアカウントは「@YSD0118」。

 

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