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規制委、独立か孤立か:福島原発事故受け設置 専門人材が不足、審査・判定に不満
http://www.asyura2.com/16/genpatu45/msg/194.html
投稿者 あっしら 日時 2016 年 3 月 05 日 16:43:47: Mo7ApAlflbQ6s gqCCwYK1guc
 


[大震災から5年]再建への道程(9)規制委、独立か孤立か
福島原発事故受け設置 専門人材が不足、審査・判定に不満

 東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け、2012年9月に原子力規制委員会ができた。それまでは原発の推進と規制の両方を経済産業省が担い、規制は形ばかりになっていた。規制委は電力会社や行政からの「独立」を大原則に掲げ、新基準をつくり安全審査を進める。だが「孤立」の批判もあり、国民からの信頼回復は道半ばだ。(文中敬称略)


 「福島原発事故から短い年月で規制の独立性や透明性を確保したことは評価できる」。今年1月、国際原子力機関(IAEA)の専門家チームは2週間にわたり規制委の審査体制などを調べた。団長を務めたフランス原子力安全局委員のフィリップ・ジャメはひとまず合格点をつけた。


「なれあい」断つ

 福島の事故は「アクセルとブレーキが一緒」という世界を見渡しても異常な原発行政の下で起きた。01年の省庁再編で原発を推進する経産省に旧原子力安全・保安院が置かれ規制の実務を担った。専門家組織の旧原子力安全委員会も役割があいまいになった。

 「規制当局が事業者の虜(とりこ)になり、監督機能が崩壊していた」。国会の福島原発事故調査委員会(委員長黒川清)は行政と電力業界のなれあいが「事故の根源」と断じた。

 こうした指摘を踏まえて誕生したのが規制委だ。当時の民主党政権は環境省の部局として原子力規制庁を設ける案をまとめたが、野党だった自民・公明両党は行政からの独立性が高い国家行政組織法上の「3条委員会」を主張。両案を折衷する形でいまの規制委と事務局の規制庁ができた。

 発足から3年半。IAEAの評価とは裏腹に、経済界や電力業界には規制委への不満や不信がくすぶる。

 ひとつが安全審査が長引いていることだ。規制委は13年7月に新規制基準を定め、電力会社はこれまでに16原発26基の審査を申請した。だが審査をほぼ終えたのは5基だけ。経団連会長の榊原定征は「原発の長期停止は化石燃料の輸入増などで国にとり損失。審査の加速が必要だ」と規制委をやり玉に挙げる。

 電力会社も活断層をめぐる規制委の判断に疑念を強める。規制委の専門家会合は日本原子力発電敦賀2号機と北陸電力志賀1号機で、直下に活断層の存在が疑われるとした。活断層の真上に原発は建てられず、確定なら廃炉になる。

 これに対し電力会社側は「活断層とは断定できない証拠を示しても規制委は聞く耳をもってくれない」(北陸電力)など、規制委への不満をあらわにする。

 こうした声を受け、規制委も電力会社首脳と意見交換するなど「対話路線」を強めてはいる。「一定の距離を保ちながら聞くべきことは聞くし、言うべきことは言う」(規制庁幹部)

 だが審査の長期化や活断層判定をめぐる疑義は、対話不足が原因なのか。「人材や専門能力の不足」(IAEAの調査報告)が根底にあることは否めない。

 約100基の原発がある米国では原子力規制委員会(NRC)は約3千人のスタッフを擁する。一方で日本の規制庁は定員が968人。旧保安院や所管法人からの移籍組では足りず、50人弱の定員割れが続く。国内の原発は米国の約半分だが、人員は十分ではない。


住民に説明不足

 原子力規制に詳しい法政大学大学院客員教授の宮野廣は「専門知識をもつスタッフが委員を支える体制もできていない」と話す。米NRCは委員1人に10〜20人のスタッフがつき、技術的な検討を経て委員が合議する。一方、日本では5人の委員が縦割りで、合議の雰囲気は薄い。「これでは稼働後の検査や事故への対応に懸念が残る」(宮野)

 規制の意味や審査経過を住民に説明する場もほとんどない。東電柏崎刈羽原発がある新潟県の知事泉田裕彦は「事故時の住民避難など防災計画に規制委がもっと関与すべきだ」と再三求めてきた。だが規制庁は「防災計画は内閣府の所管」と議論がかみあわない。

 規制委の設置法には「発足から3年以内に組織を見直す」との付則が盛られた。これを受け自民党は昨年8月、「国会の特別委員会で規制委の監査・評価機能を強める」と提言したが、組織の見直しは見送った。

 山積する課題にどう向き合うか。「3年」にこだわらず、組織のあり方について不断の議論が必要だ。

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電力業界も自主規制組織 実効性の確保、不透明

 原発の安全性をチェックするのは規制当局だけの役割ではない。米国では79年のスリーマイル島原発事故を教訓に、事業者が相互に安全性を監視する自主規制組織ができた。日本でも電力業界が自主安全組織を設け、米国をモデルにした安全策強化に乗りだした。

 米国では中小を含む電力会社が出資し「原子力発電運転協会(INPO)」を設けた。原発を定期的に検査し、安全対策をランク付けする。評価結果は事故に備えて各社が掛ける損害保険料に連動し、評価が高い原発は保険料が安くなる。これを動機付けに安全向上を競わせる仕組みだ。

 日本の電力業界も12年、INPOをモデルに原子力安全推進協会(東京・港)を発足させた。メーカーや電力会社から190人の技術者らを集め、原発ごとに安全性を点検。対策が不十分と判断すれば運転停止を勧告する権限も持たせた。

 同協会理事長の松浦祥次郎(元原子力安全委員長)は「規制委は安全の規範をつくる。電力各社がそれを超える努力をするように協会が厳しく導く仕組みをつくり役割分担したい」と話す。

 だが実効性を確保できるかは不透明だ。米国のように評価結果を保険料と連動させる仕組みは「導入時期は未定」。電力自由化で電力会社が厳しい競争にさらされるなか、運営資金や人材を安定的に確保できるかも保証がない。

 原子力の信頼回復について提言してきた東北大元学長の阿部博之は「原発の安全を専門家任せにせず、原子力以外の研究者や住民、自治体の声を反映させる仕組みが欠かせない」と訴える。フランスなどが設けたように、住民や自治体が加わり安全向上を話し合う場づくりも考えるときだ。

 編集委員 久保田啓介が担当しました。

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安全の実績、積み重ねる 原子力規制委員長 田中俊一氏 電力経営陣、福島を見よ


 発足から3年半たつ原子力規制委員会をどう振り返り、今後の課題は何か。田中俊一委員長に聞いた。

 ――自身で「規制委はよちよち歩きの3歳児」と例えています。

 「法律(設置法)の条件のもと最大限の努力をしてきたし、国際原子力機関(IAEA)も評価してくれた。だが規制基準が完全なものか、まだ議論がある。規制が文字だけでなく実態として事業者に受け止められているか、審査が国民の信頼を得ているかという点でも未熟だ。欧米の規制機関はスリーマイル島原発事故など苦い経験を積み、審査や検査を磨いてきた。欧米から学ぶことは多い」

 「日本の基準は国際的にみて厳しいが、日本が立派とは口が裂けても言えない。福島原発事故の影響でドイツが原発撤退を決めるなど、世界のエネルギー政策に大きなダメージを与えた。規制責任者としてこの事実を忘れずに国際社会と謙虚に向き合っていく」

 ――経済界は審査が遅いと批判しています。

 「一部の人はそうみるかもしれないが、客観的にみて遅くない。原発でトラブルが起きれば重大事故でなくても再稼働まで1、2年かかる。福島事故から2年強で新基準ができ、その2年半後のいまは4基が再稼働している。海外の規制当局者の多くが『想像を絶する速さ』と驚いている」


 ――規制庁は定員割れし、規制委も合議制を生かしていないとの批判があります。

 「人材不足は非常に深刻だ。メーカーや電力会社などから絶えず人集めをしているが、絶対数が足りない。軍の技術者が人材供給源になっている米国とは事情が違う。長い目でみても日本には原子力の基盤を支える人材が足りない。規制委・規制庁だけの対応では限界があり、政府全体で解決策を考えてほしい」

 「米原子力規制委員会(NRC)は有能なスタッフが委員を支える体制であることは確かだ。しかし日本は法律の枠組みが違い、法律を変えないとNRC型の運営はできない。そもそもNRCのような運営がいいのかは議論の必要があり、それはいまの時点で言い出すことではない」


 ――規制委は「安全神話」を超えた安全の姿を示し、国民と対話できているのでしょうか。

 「事故の確率を数値で示し、リスクをきちんと伝えるべきだと主張する専門家がいる。そうした考え方を否定しないが、数値をどう示したところで国民の信頼や納得は得られない。原発に賛成か反対かという立場が違えば、それぞれが都合よく解釈するからだ」

 「審査に合格した原発が安全に稼働するという実績を積み重ねてこそ、国民から信頼される。再稼働した川内原発や高浜原発は次の定期検査までトラブルゼロで運転してもらう。事業者もそうした努力を重ねて、国民から信頼されるようになる」


 ――今後、電力会社に何を求めますか。

 「規制基準は最低限の要求で、それを超えて安全性を高めるのは事業者の責務だ。トラブルなしで稼働率が上がれば事業者の利益になり、安全確保の動機付けになる。米国では事業者が設けた原子力発電運転協会が自主的に安全性をチェックし、規制当局から信頼されている。これはひとつの理想だ。日本にできた原子力安全推進協会も役割を果たすよう期待したい」

 「東京電力だけでなく、原発をもつすべての電力会社の経営陣が福島第1原発を重ねて見てほしい。避難指示が解除されて他の原発の再稼働が進んでも、日本は原発事故の重い教訓を背負い続ける。これはすべての原子力関係者が忘れてはならないことだ」


[日経新聞2月28日朝刊P.11]

 

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コメント
 
1. 2016年3月05日 18:37:06 : 1ioo7h1uY6 : p1BnCI4sGlI[187]
■『規制委、独立か孤立か:福島原発事故受け設置 専門人材が不足』

 そらそ〜だろう 

 事故前まで見たいに

 原発マフィアから潤沢に金わ出んわな!

 原発はも〜そんなに 美味しくないんですわ

 田中みたいに金の為なら躊躇なく

 何でもする・やれる人非人は

 そ〜そ〜出てきまへんわな!



2. 茶色のうさぎ[-3391] koOQRoLMgqSCs4Ks 2016年3月06日 04:53:40 : y9kt0FBF5U : EvYDq5IW@ys[9]

規制庁って、中立性を感じないけどなー♪ 民主主義の、偽装の為の推進庁でしょ。ぷ♪

日本の行政機関の一つである。環境省の外局ですね。

委員会の事務局として原子力規制庁が置かれている。

国会での答弁みてると、自民党や共産党まで推進派と思います。 分断統治の、プロレスごっこ♪

まぁ、大間原発まで稼動になると思います。 うさぎ♂ バカな共産党だねー。ぺ♪

まぁ、複雑な構造だから断言はしませんよー


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