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また大手取次が破綻!日販・トーハンの冷酷すぎる「首絞め」、雪崩的に取引奪われる(Business Journal)
http://www.asyura2.com/16/hasan105/msg/545.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 2 月 15 日 01:03:35: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

                太洋社HPより


また大手取次が破綻!日販・トーハンの冷酷すぎる「首絞め」、雪崩的に取引奪われる
http://biz-journal.jp/2016/02/post_13805.html
2016.02.15 文=佐伯雄大 Business Journal


 独立系の出版取次、太洋社が2月8日、取引する出版社と書店に対して自主廃業することを正式に発表した。同社はこれから事業清算に向けて、不動産や有価証券などの資産を現金化すると共に、取引書店を他の取次会社に移行する「帳合変更」を進めていく。同時に取引書店に対する売掛金の回収を進め、資産の売却益も足して出版社への弁済原資を確保していくという。

 実は太洋社が自主廃業する可能性は、1年以上前から出版業界では囁かれていた。そのため、業界4位の栗田出版販売が昨年6月26日に民事再生法適用を申請し、太洋社よりも先に破綻したことのほうが、業界を驚かせた。

 太洋社破綻が噂されていた理由として、「帳合変更」が挙げられる。これは、取次会社が優良書店を自社の帳合(=取引)にしようと、書店にとって利のいい条件などを提示して、すでに取引している取次会社から自社の帳合へ変更させる行為である。

 出版界では、取次があの手この手で優良書店を奪い合ってきた。20世紀までは売り上げ拡大がその大きな目的だったが、21世紀に入って出版市場の縮小と書店廃業の進行により、売り上げの維持・確保のために帳合変更をめぐる争いはますます苛烈になっていった。ある出版社の営業幹部は言う。

「トーハンの子会社になった文真堂書店が2008年頃に太洋社から離れた。ほかにも、ジュンク堂書店創業者の親族が経営する喜久屋書店がトーハンに、さらに東武ブックスは段階的に日販に帳合を変えた。その後も、トーハンや日販に帳合変更する書店が相次いだ」

 別の中堅出版社の営業担当者は話す。

「最近では、太洋社の取引先書店の集まりである太洋会会長を務めたブックスタマがトーハンに変更した。あまり知られていないが、滋賀県のレンタルも併設する書店、ハイパーブックスも優良顧客だったが、そこも変更した。そのほか、コミックに強いといわれていたゲーマーズやメロンブックスもアニメイトがグループ化するなかで、帳合を変更していった。また、大口だった図書館流通センターが太洋社との取引をやめ、レンタルチェーン、ゲオの一部店舗もトーハンに変更した」

 太洋社の並みいる大口取引先書店が、他の取次に変更していったのである。

■生命線を失う

 8日の自主廃業説明会で國弘晴睦社長は、「平成17年6月期に売上高が487億円あったが、出版市場の縮小に伴う競争激化、帳合変更により、複数の主要取引先を失い、平成27年6月期には売上高が171億円にまで激減した」と明かした。

 太洋社は、トーハンと日販が生き残るための草刈り場となってしまったのだ。2大巨頭といえども、縮小する出版市場のなかでは売り上げがどんどん下がってしまう。それを補填するには、書籍や雑誌を送品する先である書店を増やすしかない。つまり、大手書店チェーンが、既存店の売上高が毎年前年割れを続けているので、新規出店しない限り売り上げは増えないという構図と、同じなのである。

 しかし、書店側も新規に出店する余裕もなくなってきているなかで、取次が手っ取り早く取引先書店を増やすのは帳合変更が一番。その絶好の狩り場となったのが、太洋社だった。

 取次にとって帳合書店は生命線である。この取次を通してしか、出版社は有名書店に商品を入れることはできない。だからこそ出版社は取次と取引をするのだ。老舗や大手書店は別として、1書店1取次が基本だからでもある。よって、トーハンや日販に優良顧客を奪われていった後の太洋社には、出版社もどんどん魅力を感じなくなっていった。

 ある老舗出版社の幹部は語る。

「取引書店の減少と共に太洋社への商品搬入数は落ちて、毎月の入金額もどんどん減っていた。太洋社は優良書店がどんどん減ってしまって、出版社から見ると取引する価値が減ってしまった」

■囁かれていたXデー

 こうした帳合変更を背景に、出版業界では太洋社の破綻が噂されるようになった。2011年からは営業損失を計上し続け、昨年には前述の通り栗田が民事再生を申請した。太洋社の破綻へのカウントダウンは、栗田の民事再生申請と同時にスタートしたのかもしれない。ある出版社の社長は言う。

「栗田の民事再生申請と同時に、太洋社への出荷を止めた出版社があると聞いた。当時は『それはいくらなんでも乱暴だろう』と思ったが、余波が太洋社に向かっていったのも事実だろう」

 別の出版社の取締役も語る。

「栗田のような民事再生申請は、太洋社には無理だろうといわれていた。大阪屋や栗田を救った大手出版社が、太洋社の再建にはかかわっていない様子だったからだ。日販に送返品の物流業務を委託した頃から、太洋社も長くないという話が頻繁に出て、同時に売り上げが減っていく中、新刊配本を減数したりするなど出荷を絞っている出版社も出始めた」

 また、ある出版社の営業担当者は言う。

「具体的に自主廃業の話が広がったのは昨年10月頃だった。その後も今年1月20日頃には『なんらかの情報開示があるのでは』という憶測が飛び交った。そのたびに太洋社への出荷を調整する版元が増えていったようです。1月中旬には大洋図書の店舗がいきなり日販に帳合変更となった。この頃から、Xデーは近いのではないかと囁かれ始めた」

 こうした情報を受けて、出版社の営業担当者も情報収集に躍起になった。さらに2月に入ると、大きな異変が起こった。太洋社の取引先で老舗書店の芳林堂書店高田馬場店において、2月3〜7日まで配送倉庫のトラブルで商品入荷ができないという旨の張り紙が出された。芳林堂によると、太洋社からの支払いが滞っており送品を止められたというのだ。

 そして、2月5日午後3時頃、取引出版社に対してファックスが届いた。「お取引先出版社様御中『書籍・雑誌等の供給継続のお願い』」。自主廃業を伝える通知だった。

(文=佐伯雄大)
 

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