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食業界の底知れぬ闇…ココイチ廃カツ横流し、「大山どり」偽装地鶏が10年も流通(Business Journal)
http://www.asyura2.com/16/hasan106/msg/322.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 3 月 06 日 00:34:50: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

食業界の底知れぬ闇…ココイチ廃カツ横流し、「大山どり」偽装地鶏が10年も流通
http://biz-journal.jp/2016/03/post_14102.html
2016.03.06 文=石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト Business Journal


 1月半ばに異例の廃棄カツ横流し事件が起きたが、環境省は全国的な調査の結果、類似事件が発生していないことからこれにて一件落着とし、早くも幕引きを図ろうとしているようにもみえる。しかし、事件の全容解明には至っておらず、新たな食の不安は増すばかりだ。

 過去のショッキングな偽装事件を振り返り、また今回の事件に前後して発覚したもう1つの偽装事件を通して、食の不祥事の深層の解明に迫る。

■大山鳴動してネズミ一匹見当たらずか

 1月半ばの「カレーハウスCoCo壱番屋」廃棄カツ横流し事件に関連し、環境省は2月16日、次のような発表をした。

「都道府県等による全国的な立入検査の結果、他に同様の事案の報告はなく、今回の事案(CoCo壱番屋廃棄カツ横流し事件)は、一部の悪質な事業者によるものと考えられます」【編注1】

 これに先立って環境省は1月20日、都道府県と産棄物処理法上の政令市を合わせた115自治体に対し、食品廃棄物(動植物性残さ)を扱う産廃業者合計1798施設への立入検査などを行うとともに、環境省への報告を要請していた。

 その結果、食品転売とマニフェスト(産業廃棄物管理票)【編注2】のそれぞれの虚偽記載のいずれのケースもないことが確認された、というのだ。大騒ぎになったにもかかわらず、大山鳴動してネズミ一匹見当たらず、ということか。

■10年近く前の食品が流通か

 しかし、この発表をいくら読み返してみても、何か肩すかしを食らった感じがするばかりで、心の底から安堵感が湧き上がってこない。

 それは、第一に「CoCo壱番屋」廃棄カツ事件の全容解明があまりに不十分だからなのではないのか。そのために、この事件の背後に底知れぬ黒い闇の広がりの気配を感じ、つい疑心暗鬼になって、不安が掻き立てられるばかりだ。

 それも解明が不十分なのは、ビーフカツだけではない。産廃処理業・ダイコー(愛知県稲沢市)から横流しを受けたみのりフーズ(岐阜県羽島市)の施設で、全国10都道県11市に販売・製造元がある焼き鳥やケーキなど108品目もの廃棄食品が見つかった。特に気になるのは、一部で報道された、その「多くは賞味期限切れで、最も古くて2007年9月20日」という点だ【編注3】。

 この「07年9月20日」の件について、筆者の質問に対して岐阜県の担当者は、「それに該当する自治体に問い合わせたが、『すでに書類が残っていない、調査も困難』との回答を得た」と語った。未確認とはいえ、10年近く前の食品が最近まで流通していた可能性も否定できず、驚くばかりだ。

 そして、10年前といえば、必ずしも廃棄食品の話ではないが、実にショッキングな事件が思い出される。

■ミートホープ事件の教訓生かされず

 この07年9月20日のちょうど3カ月前の6月20日、北海道の食肉卸会社ミートホープによる牛肉コロッケ偽装事件【編注4】が発覚した。同社がコロッケに使う牛肉(牛のひき肉=ミンチ)の代わりにコストの安い豚ひき肉だけでなく、鶏ひき肉や鴨ひき肉、さらに豚の内臓肉まで混入させていた。

 それどころか、水やパンくずを増量材にし、サルモネラ菌などの汚染肉も加熱すれば問題がないとして、混入させる。わざわざ廃棄した肉を仕入れ、工場の床に落ちた肉も使い、クズ肉に化学調味料を加えて味を良くするといった行為も発覚した。

 偽装牛ひき肉はミートホープから、事件発覚までの1年間だけで417トンが販売された。それが北海道から九州・沖縄までの各種製造業者や販売・中間流通業者を合わせた301社を経て加工・販売され、最終的に偽装牛ひき肉を原料とするさまざまな食品9838トンが、全国的に幅広く消費された。

 それは主に冷凍食品(コロッケ、メンチ、ラザニア、肉ジャガ、ミートフライなど)やレトルト食品(カレー、ミートソースなど)、惣菜などとして、またスーパーなどで販売されるだけでなく、外食などの業務用向けや学校給食・病院給食など特定施設向けとして供給された。

 この牛ひき肉偽装は1998年頃から始まったといわれ、10年近く続けられたことになる。ミートホープはまさに“偽装肉の百貨店”であり、食の裏側に君臨した筋金入りの確信犯というわけだ。代表者はその後、不正競争防止法違反(虚偽表示)と詐欺罪で懲役4年の実刑判決【編注5】を受けて服役した。

 この牛肉コロッケ偽装事件は社会的に大きな衝撃を与えた。それを機に、業界ぐるみの自主規制を含めて、さまざまな法的な規制や罰則の強化など、再発防止のために万全の対策がなされてきたはずだった。ところが、今回の廃棄食品の思いがけない“危険な再利用”というかたちで、見事に裏をかかれたことになる。

■新たな鶏肉産地偽装事件が発覚

 それだけではない。廃棄カツ横流し事件の大騒ぎの余韻もさめやらぬ今年2月17日、新たな鶏肉の産地偽装事件が発覚した。新聞報道【編注6】によれば、こうだ。

 事の経緯が今ひとつはっきりしないのだが、京都市の食肉加工会社の「都(みやこ)ジャパン」が、九州産のブロイラーを鳥取産の「大山(だいせん)都どり」と偽って、京都府や大阪府のスーパーなどに販売していたという。同社の社長が同年1月29日に京都府警に自首後、不正競争防止法違反の疑いで取調べを受けているが、2月17日に自ら記者会見をして、公表した。

「やったらあかん」という認識を持ちながら、「人気の高いもも肉の欠品を防ぐ」ために、社長の指示に従って社員が本社兼加工場で、鹿児島県産や宮崎県産などのもも肉を、「大山都どり」と表示されたポリ袋に詰め替えて出荷していた。

 同社は01年に設立されたが、偽装に手を染めたのは06年頃からで、ミートホープ事件発覚後も素知らぬ振りをしながら、延々10年間も続けてきた。 社長は謝罪した上で、近く経営陣が辞任するとともに、会社を廃業にするとしたという。

 ただし、経営陣にとっては、それで一件落着とはなりそうにない。大山どりは株式会社大山どり(鳥取県米子市)の登録商標【編注7】だ。大山どりは、鶏肉生産のために飼育される実用鶏(コマーシャル鶏)の親世代に当たる種鶏の育成から自社で行い、専用飼料を与えて、ジューシーで旨みのある鶏を育てているという。

 同社は今回の偽装発覚当日、同社のHPに「この件に関しまして、当社及び当社製品『大山どり』とは一切関係がございませんので、誤解無きようお願い致します」とのお知らせを掲載した。
 
 また、県産品のPRに懸命な鳥取県も2月23日、「産地偽装事件に係る本県の対応状況等について」【編注8】を発表した。そこには、「京都府における鶏肉の産地偽装では当県の『大山ブランド』が利用され、県としても看過できない重大な事件であるため、消費者庁、農林水産省及び京都府に対し、厳格な法的措置を講ずるよう要請を行った」とある。

 さらに、新聞報道【編注9】によれば、平井伸治・鳥取県知事は産地偽装事件に対し、「産地に対する侮辱で決して許せない。徹底的に糾弾し、大山ブランドを守らなければならない」と話したという。県の緊急対策会議では、県内業者が訴訟を起こす際には支援することなどを確認したそうだ。

 つまり、都ジャパンの経営陣は、たとえ会社が廃業になっても、不正競争防止法などの罰則だけでなく、大山どりからの訴訟や、賠償金の請求などで責任を追及される可能性もある。

 ミートホープ事件と今回の廃棄カツ横流し事件、そして大山都どり事件の3つは、いわばメビウスの輪のように捻じれながら、一本化してつながっているのではないか。つまり、生産から流通・消費までの“食の動脈”と、食資源がゴミと化した産業廃棄物を処理する“食の静脈”が“浄化装置”なしで還流し合っているようにみえる。

 次回は、科学的知見を生かしながら、このメビウスの輪型の“食の還流”の解明にアプローチする。横流し廃棄カツは、広い意味で食品偽装の1つ。そこで、題して“偽装の経済学”だ。
(文=石堂徹生/農業・食品ジャーナリスト)

【編注1】環境省「『食品廃棄物の不適正な転売事案の再発防止のための環境省の対応について(案)』について(お知らせ)」報道発表資料、2016年2月16日
【編注2】マニフェスト(産業廃棄物管理票)=廃棄物処理法第十二条の三第一項=事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業者は、その産業廃棄物の運搬又は処分を他人に委託する場合には、環境省令で定めるところにより、産業廃棄物の引渡しと同時にその運搬又は処分を受託した者に対し、産業廃棄物の種類及び数量、運搬又は処分を受託した者の氏名又は名称その他を記載した産業廃棄物管理票〈以下、単に管理票〉を交付しなければならない。
 同条の三第三項=産業廃棄物の運搬を受託した者は、運搬を終了したときは、交付された管理票に環境省令で定める事項を記載し、環境省令で定める期間内に、管理票交付者にその管理票の写しを送付しなければならない。
 虚偽の記載をして管理票の写しを送付した者は、同第二十九条の規定により六月〈6ヵ月〉以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
【編注3】朝日新聞2016年1月19日付
【編注4】1.農林水産省ミートホープ問題に関する検証チーム「『牛ミンチ』事案の事実関係及び今後の改善策に関する調査報告書」2007年7月や、2.石堂徹生「『食べてはいけない』の基礎知識」主婦の友社、2007年10月、3.中嶋康博・東京大学大学院准教授『フードシステムと食の安全・安心』「NIRAモノグラフシリーズNo.18」2008年3月、4.新井ゆたか等(農林水産省・消費安全局・規格課)「食品偽装」ぎょうせい、2008年9月など
【編注5】2008年3月19日に実刑判決
【編注6】朝日新聞デジタル、毎日新聞、京都新聞のいずれも2016年2月17日付など
【編注7】株式会社大山どりのHP
【編注8】鳥取県農林水産商工常任委員会提出資料(平成28年2月23日)
【編注9】毎日新聞2016年2月19日付

 

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