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セブン&アイ、子会社幹部と取引先の癒着疑惑…不明朗なアイドルグッズ取引、経営混乱の発端(Business Journal
http://www.asyura2.com/16/hasan107/msg/479.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 4 月 14 日 00:35:40: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 


セブン&アイ、子会社幹部と取引先の癒着疑惑…不明朗なアイドルグッズ取引、経営混乱の発端
http://biz-journal.jp/2016/04/post_14700.html
2016.04.14 文=山口義正/ジャーナリスト Business Journal



イトーヨーカドー浦和店


 鈴木敏文会長兼CEO(最高経営責任者)が突然辞任を表明し、セブン&アイ・ホールディングス(HD)がぐらぐらと揺れている。傘下のイトーヨーカ堂の業績不振と戸井和久前社長の退任、創業家との確執、米国投資ファンドのゆさぶり、セブン−イレブン・ジャパンの社長交代問題など、セブン&アイHDの動揺は複合的な要素によるものだ。そして、その発端になったのは、実はヨーカ堂の在庫をめぐる問題だったことが、筆者の取材により明らかになってきた。


 3月下旬、イトーヨーカ堂浦和店の催事スペースには女性アイドルの写真を使った等身大の書き割りが、非常階段のほうを向いて立っていた。このアイドルはイベントで浦和店に来たことがあるらしく、サインとともに「浦和店でイベントできて嬉しかったです!!!」と書き添えられている。こうした書き割りは、小売業界ではスタンディポップと呼ばれている。


 その周囲は地元の埼玉を舞台にしたアニメ『浦和の調ちゃん』の関連グッズで埋め尽くされ、どういうわけかこのアイドルの関連グッズはひとつもなかった。彼女はエイベックス・グループに属するアイドルグループのひとり。ヨーカ堂のテレビCMなどにも起用されており、本来ならスタンディポップは、彼女が描いたイラストなどが入った文房具などに取り囲まれているはずなのだが、現在はすべて片付けられている。


 恐らく廃棄処分が決まったのだ。「恐らく」とつけなければならないのは、ヨーカ堂の持ち株会社であるセブン&アイHDの広報担当者がこれを否定しているためだ。しかし、このアイドル関連グッズはほかの店舗を回ってみても見つからず、ヨーカ堂のHP上でプライベート・ブランドの項目を探しても、セブン&アイHDのネット通販「omni7(オムニセブン)」を探しても姿を消している。


 決して有名とはいえない女性アイドルのキャラクターグッズについてあちこち店舗を回って調べたのは、これがヨーカ堂の社長と常務のクビを飛ばし、部長や店長クラスに左遷や降格の嵐を巻き起こし、さらに親会社のセブン&アイHDの総帥だった鈴木氏を退任に追い込む遠因になった可能性があるからだ。



■ヨーカ堂社長の電撃辞任


 今年に入ってセブン&アイHDでは騒動が絶えない。異変は1月に始まった。不調が続くヨーカ堂のテコ入れを図るため、2014年5月に社長に就任したばかりの戸井和久氏が突如、辞任した。報道ではヨーカ堂の立て直しが軌道に乗らず、鈴木氏から厳しく叱責を受けた戸井氏が「ブチ切れて」辞表を叩きつけたことになっており、実際にセブン&アイHD広報担当者も「業績低迷の責任をとって辞任した」と説明している。


 しかし関係者によると「業績の責任をとって辞めたことに間違いはないが、それだけが理由ではない」という。確かに戸井氏やその周辺がどのような処遇を受けたかをたどると、不可解な点がいくつも浮かび上がる。


 戸井氏は社長の辞任とともに「社長付」となり、社長から一気に一般社員の扱いに落ちた。そのわずか3週間後の1月29日にはさらに「社長付を解く」という辞令が出て、2月末でヨーカ堂を去っている。対外的な公表はない。会社から放逐されたかのような扱いで、ヨーカ堂の社長を務めていた人物に対する処遇としては違和感が残る。


 戸井氏は衣料関連畑で実績があり、14年5月にヨーカ堂の社長に就任した。セブン&アイHDでのポジションは常務執行役員である。「社員の前で怒った顔を見せたことがなく、人望の厚い人だった」というのが、戸井氏に対するヨーカ堂関係者たちの評である。


 4月7日に発表された決算では、ヨーカ堂は139億円の営業赤字を計上。衣料品の在庫を処分したことで粗利益率が低下したことなどが響いた。


 実はこの赤字転落には、人事面での伏線があった。15年1月7日付で発表された異動では、執行役員衣料事業部長を務めていた池田安希子氏が同副事業部長に下がり、戸井氏が衣料事業部長を兼任することになったのだ。その後まもなく始まった新年度、つまり16年2月決算期では、ヨーカ堂の業績不振の一因である衣料事業で赤字を出して在庫を処分に踏み切った。ヨーカ堂社内では従来、「衣料品事業は100億〜200億円規模で、在庫の問題を抱えている」との見方が根強く、これを一掃したとみられる。戸井氏が強力なリーダーシップを発揮しなければできなかったはずだ。


 必要な手は、思い切って打った。戸井氏は今年1月4日に開かれた新年の朝礼で社員を激励してやる気をみなぎらせ、「辞任のそぶりなどまったく見せていなかった」(関係者)だけに、その4日後の辞表提出に誰もが驚いた。


■アイドル関連グッズ購入めぐる不可解な動き


 話を元に戻す。戸井氏の辞任に続き、取締役常務執行役員として戸井氏を支えていた青木繁忠氏も2月1日付で辞任した。青木氏は社内では「鈴木氏の子飼いの部下で、社内の実力者」と恐れられていた人物だ。社長が任期の途中で突然辞任し、実力者だった常務も任を解かれたことと、冒頭で紹介した女性アイドルの関連グッズは水面下でつながっているとの見方がある。


 概要はこうだ。銀座のホステスだった女性が10年に商品企画のA社を立ち上げ、ヨーカ堂と取引先である文房具の卸売を手掛けるM社とともにアイドルグッズをヨーカ堂に納入し始めた。ところが価格設定のまずさもあって大量に売れ残ってしまい、その処理に困ったヨーカ堂は在庫を浦和店に集め、さらにこれを販促資材の納入業者T社に隠した。T社はヨーカ堂販売促進部と懇意で、多少の無理は聞いてもらえる。そこで帳票上は浦和店に在庫を保管していることにして、現物をT社に隠したのだった。


 ところが「昨年10〜11月に浦和店に監査が入り、在庫隠しが発覚した」(関係者)。これを裏付けるように今年に入って関係者に対し、次々と降格人事が発表されている。その後、監査部の指示でヨーカ堂は卸売りのM社に対し、返品分と契約残の分を合わせて買い戻しを約束したという。


 2月決算の同社が10〜11月に棚卸をするのは、時期的に考えてイレギュラーだ。この在庫監査はあずさ監査法人が行ったとの情報もある。同社広報は「あずさ監査法人が監査を行ったという事実はない。在庫の廃棄もしていない」と話すが、それなら在庫はどこへ行ったのか、その伝票はどう処理されてどこにあるのかという疑問が残る。実は在庫が保管されている営業拠点は、センターコードも把握できた。しかも廃棄処分を決めたことで、損失額も2億5000万円ほどで確定していることも判明した。


 セブン&アイHDは信賞必罰がはっきりしている企業である。ヨーカ堂が2月5日付で対外発表した「人事異動のお知らせ」には部長クラス3人の異動が記されているだけだが、実はこれとは別に同日、在庫隠しがあった浦和店のストアマネジャー(店長)に対し「釧路店副店長を命ずる」との辞令が社内向けに発せられた。首都圏のストアマネジャーから北海道の副店長への異動は、明らかに降格人事である。


■相次ぐ降格人事


 在庫が浦和店に集められT社に移されていたことについて、セブン&アイ広報担当者は次のように説明する。


「売りやすい店舗に在庫を集めることを移動集約と呼び、浦和店でこれを行っていたことは事実。しかし移動集約は従来から行っており、(売れ行きには)個店差があるため規模などから考えて売りやすい店に集約することがある。T社に在庫を移したのは、年末年始に福袋などとしてリパッケージするため。在庫はPOS管理されており、隠し在庫や廃棄は一切ない」


 しかし、この説明を鵜呑みにはできない。浦和店はヨーカ堂の182店舗のなかで売上高ベースで80位前後の中規模店舗。商店街の一画にある4階建ての店舗に入ってみると、昭和40〜50年代にタイムスリップしたような雰囲気にあふれており、ヨーカ堂の苦境を象徴するような店だ。衣料品を見ても若年層が好むとは思えない品揃えで、ここで若年層向けのアイドルグッズを捌ききろうとするのは無理があるのだ。


 広報担当者の説明を関係者にぶつけてみると、次のような回答を得た。


「たしかに在庫の移動集約が行われることもあるが、浦和店への集約など聞いたことがない。浦和店が売れる店であると考えているのなら、その判断は狂っているとしか思えない。リパッケージのために返品したのなら、返品先はT社ではなく、各店から直接M社に返品するはず」(関係者)


 4月7日にセブン&アイHDが発表した決算で、ヨーカ堂が初めての営業赤字に転落したことはすでに触れた。衣料品の在庫処分を断行したのが赤字の主因だが、説明資料には「単品管理と販促(販売促進)政策に課題残す」と書かれており、グッズに関わった販売促進部やその周辺で降格人事が相次いだこととも符合する。宣伝装飾費が36億円増加したことも記されており、これもアイドルグッズやスタンディポップと無関係ではないだろう。


 しかし、これだけならヨーカ堂の社長と常務が同時に辞めるほどの理由にはならない。たとえば、オムニセブンで扱うのは約180万品目もあり、アイドルグッズはそのうちほんの数品目の問題である。前述のとおり、アイドルグッズによる損失額は2億数千万円でしかない。


■幹部と取引先の癒着か


 謎を解くカギは、前述した商品企画のA社がなぜヨーカ堂と取引できたのか――にありそうだ。A社は10年の創業で会社としての歴史は浅く、信用調査会社の評価はまだ高いとはいえない。一般に大企業が新規の取引先と取引を始める場合、与信管理の都合上、信用調査会社の評価が一定水準に達することを要件とするケースが少なくない。ヨーカ堂も同様で、A社は信用調査会社の評点が低く、ヨーカ堂で取引アカウントを開設できないはずなのだ。


 にもかかわらずA社はヨーカ堂に食い込み、ヨーカ堂幹部も前述のアイドル関連グッズを強力にプッシュ。ヨーカ堂の購買担当者が仕入れを渋ると、A社社長は「(ヨーカ堂の幹部が)コミットしていますから」と言って、アイドルグッズをねじ込んだ。しかしせっかく仕入れたアイドルグッズは、何の変哲もないノートが一冊600円以上するなど割高で、大量の売れ残りが発生した。


 やはりA社から購入した販促用の什器(子ども向けテレビ番組『チャギントン』の店内遊具など)は、本来なら鈴木氏の決裁を仰がなければならないのをヨーカ堂の独断で購入を決めてしまったとの情報もある。


 さらに「アイドルグループを店に呼んでミニコンサートなどのイベントを開かせ、閉店後にヨーカ堂幹部の誕生日パーティーを催してアイドルを参加させるなど、供応が目立った」(関係者)という。


 戸井氏らの辞任は、こうしたヨーカ堂幹部と取引先の癒着で大量の不良在庫を生んだことの責任を問われた面もあるのかもしれない。


 こうして鈴木氏はヨーカ堂を任せていた股肱の臣(ここうのしん)を失った。さらにセブン−イレブン・ジャパンの井坂隆一社長の首をすげ替えようとして失敗し、創業家との確執も表面化。躓きが相次いだ鈴木氏は、今年に入ってわずか3カ月ほどの間に急速に求心力を失っていったのだ。鈴木氏の側近だった村田紀敏社長兼COO(最高執行責任者)が辞任する意向とも報じられている。


 巨大流通グループを支えた重鎮たちが次々に去ったセブン&アイHD。社員たちは「会社が漂流し始めるのではないか」と危ぶみ始めている。
(文=山口義正/ジャーナリスト)


 

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