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クックパッド 内紛の末に残された「ある疑問」(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/16/hasan107/msg/895.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 4 月 28 日 08:54:40: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

クックパッド 内紛の末に残された「ある疑問」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48559
2016年04月28日(木) 伊藤 博敏「ニュースの深層」 現代ビジネス


■大モメの内幕

ベンチャー企業のなかでも「ユーザー投稿型レシピサイト」を運営、有料会員180万人を抱えるクックパッド(東証一部)は「超」の付く優良企業である。

売上高147億円(15年12月期)で営業利益は65億円(同)。右肩上がりで成長しつつ、高い営業利益率をキープしてきた立役者が、穐田誉輝(あきたよしてる)前社長(46)であるのは衆目の一致するところだ。

ところが、穐田氏の多角化路線に不満を抱くオーナーの佐野陽光氏(42)が、半年前から経営の主導権を取り戻そうとして穐田氏と対立してきた。

最終的には、発行済株式の44%を握る佐野氏の力が圧倒的に強く、3月24日の株主総会後の取締役会で、穐田氏は社長を退任して代表権のない取締役執行役に降格。佐野氏も同じ取締役執行役に就き、社長に据えたのは外資系コンサル出身の岩田林平氏(42)だった。

このクックパッドの経営権を巡る騒動は、「会社は誰のものか」という古くて新しい命題を突きつけた。

佐野氏の判断に、明確に「ノー」といったのは、証券市場と従業員である。騒動は、1月19日、佐野氏が株主総会に向けて取締役の交代案を提出したことで表面化。翌20日、クックパッド株は23%下落してストップ安となり、21日にも6%下げた。証券市場は、成長をリードした穐田氏の退任が不満だった。

■解任同意書名に8割が賛成

それを受けて和解が模索されたが、株主総会後の取締役会で佐野氏は自らの人事を押し通した。穐田氏は経営陣に残ったものの、割り振られたのは「国内関連事業」のひとつだけ。M&Aを加速させ、電子出版、ウェディング、ベビー関連と事業を広げてきただけに、その後始末を担うことになった。

この措置に、またも証券市場は反発。株価は前日比13%も下落した。

また、株主総会の4日後の3月28日、ある幹部社員から「今の状況はおかしいのではないでしょうか」というメールが全社員に発信され、それを受けて「佐野陽光氏の執行役解任に同意される方は返信ください」という署名活動が始まり、約240人の正社員のうちの8割以上が賛同。さらに、新体制に不安を持つ社員が立ち上がり、労働組合まで結成された。

資本市場において、「会社は株主のもの」である。しかし同時に、従業員や地域社会といったステークホルダーのものでもあり、株式を公開していれば、投資家に対しても責任を負う。

クックパッドは、慶応大学を卒業した佐野氏が24歳で立ち上げたもので、食に対する思い入れが強く、創業理念は「毎日の料理を楽しみにすることで心からの笑顔を増やす」である。

佐野氏には、穐田氏の多角化路線は暴走に映ったが、証券市場と従業員は佐野氏の“巻き戻し”に不安を覚え、「反対」という明確なメッセージを佐野氏に送った。加えて、情報発信力では定評のある堀江貴文氏が参戦。期間限定で営業利益100億円を目指した穐田氏の手腕を評価したうえで、ツイッターでこうつぶやいた。

<私物化したいなら身銭切ってMBO(経営陣による会社買収)せいや。大体アメリカにいて日本に帰らんのも節税のためやろ。どこまでいってもセコイ奴や>

会社は誰のものか論争も、オーナー経営者VS従業員という構図も、ありふれたものではある。だが、節税のためのアメリカ在住という指摘はさすがに鋭く、「パナマ文書」で富裕層の節税に対する批判が高まっているだけに、時宜を得ている。

■本末転倒

佐野氏は、12年4月、プロ経営者としてカカクコム社長などを務めた穐田氏を社長に招請すると、家族とともに米国に移住。国内は穐田氏に任せ、海外事業は自分が展開するという体制を敷いた。

米国移住には、自身、帰国子女として幼少から海外生活が長く、子供に英語圏での教育を望んだ面もあるという。

だが、ここに税務上のリスクが発生する。株主総会では、元日銀副総裁で社外取締役の西村清彦氏が、佐野氏が代表執行役として業務を執行していると、クックパッドの支店(PermanentEstablish)と見なされ、「PE課税の対象とされる危険性がある」と指摘したという。

穐田氏解任騒動を振り返るまでもなく、人事権を握り、営業方針を決めているのは佐野氏である。市場と従業員の反発を制してクックパッドをリードする以上、社長に就くのは自分であり、代表権を持つべきだろう。それをしないのが、PE課税のリスクを少なくするためだというのなら、「海外事業推進のための米国在住」は本末転倒だ。

加えて、米国在住へのこだわりが「節税のため」という堀江氏の指摘は、「出国税」を想定したものだろう。

昨年7月から、日本に居住するものが海外に居住地を移して「非居住者」となる場合、資産に一定割合(株式なら含み益の15%)の課税を受けることになった。これが「出国税」と呼ばれるが、多くの資産家がこの課税を嫌って海外に移住した。

佐野氏の場合、最初から課税を逃れているわけだが、一度居住地を日本に戻すと、再度「米国在住」とする時、「出国税」を支払わねばならない。クックパッド株だけで約770億円(4月26日の終値で計算)を持つ佐野氏は、その課税を嫌ったのではないか。

■佐野氏には説明責任があるはず

この点については、広報を通じて佐野氏に、@今後も経営権を握るつもりなら、PE課税のリスクを避けるためにも日本に住民票を移すべきではないか、A米国在住へのこだわりは、出国税を避けるためなのか、というふたつを質問したものの、「佐野個人の居住に関する内容については、当社としては回答を差し控えます」とのことだった。

しかし佐野氏は、オーナーというだけならともかく、株主権を行使して経営体制を一新、取締役執行役に就いている。

よって、「一個人ではない」として、再度、今後の経営体制や海外事業展開をどうするのかということと合わせて質問書を送ったが、「経営体制の変更に伴い、社内の調整を行っているタイミングとなりますので、現時点では、開示されている内容以上のご説明が難しい」とのことだった。

ベンチャーの成功例としてクックパッドの注目度は高い。そこに騒動が発生、「オーナーの節税」という疑惑も生じている。佐野氏には説明責任があると思うのだが、佐野氏は一切、表に出ることなく沈黙を貫いている。

 

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