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アマゾン、驚愕の取次中抜き&直取引勧誘セミナーの全貌!公然と取次の限界を指摘(Business Journal)
http://www.asyura2.com/16/hasan108/msg/538.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 5 月 13 日 00:31:10: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

                アマゾンの倉庫(「Wikipedia」より/Asacyan)


アマゾン、驚愕の取次中抜き&直取引勧誘セミナーの全貌!公然と取次の限界を指摘
http://biz-journal.jp/2016/05/post_15066.html
2016.05.13 文=佐伯雄大 Business Journal


 アマゾンジャパン(以下、アマゾン)は昨秋から今春にかけて、中小零細出版社を対象に「和書ストア売り伸ばしセミナー」「和書ストア販売促進セミナー」などとうたった催しを開催している。このセミナーの実態は、アマゾンの直取引システム「e託販売サービス」に出版社を勧誘するものであることは、当サイトでもこれまで伝えてきた通りだ。しかも、アマゾンは昨今の出版取次の破綻を追い風に、こうしたセミナーを活用して出版社との直取引契約を増やしてもいる。

 では、なぜ出版社はアマゾンの勧誘に乗ってしまうのか。その実態を探るために、セミナーに出席した複数の出版社の人たちに話を聞いた。彼らの証言から、巧みな言葉を使って版元を勧誘するセミナーの実態が明らかになった。以下、詳細にメモをとっていた3氏の話を軸にし、このセミナーの実態を暴露する。

■「三方よし」の心得

A氏 まず、セミナーのはじめに村井良二バイスプレジデントが挨拶しました。彼は、これまで書籍部門の責任者だった渡部一文前バイスプレジデントの後任者です。村井氏は「アマゾンが伝えたいことが、なかなかストレートに伝わらないので、直接話す機会を設けた」と出版社向けのセミナーを開催した理由を説明しました。要は、「アマゾンが日本の出版界を理解せずに、黒船や大砲で威嚇して地位を高めてきた」と思っている出版社の誤解を解きたいのだそうです。

B氏 そこで、売り手よし、買い手よし、世間よし、という近江商人の「三方よし」の心得を引用するのです。アマゾンという外資企業を日本人に理解してもらうために、考えたのでしょう。この心得をもじって、彼らは「著者よし」「出版社よし」「読者よし」の「三方よし」が「我々の基本哲学」であり、この三方がうまくまとまることでアマゾンもうまくいくのだと。

 今回のセミナーでは、その一方である出版社の「自社に在庫があるのに、なぜアマゾンで在庫切れになっているのか?」「急な需要で在庫が切れた。どうしたらすぐ在庫ありになるのか?」という悩みを解消するというのです。つまり、アマゾンでの在庫切れを少なくするための方法を伝授するのがセミナーの要旨でした。

 確かに、著者からの「アマゾンの在庫が切れている」というお叱りの連絡に頭を悩ます出版社は多いです。それに、せっかく売れてきた本が旬の時期にアマゾンの在庫にないと機会損失も大きい。だが、多くの小零細出版社にとって、アマゾンとは話をする伝手もなく、唯一の連絡手段である「ベンダーセントラルのお問い合わせ」でも、ほとんど返信がありません。そうしたなか、アマゾンとの連絡手段ができる上に、こうした悩みまで解決できるのであればありがたいという思いで参加した出版社は多かったと思います。

■「本を読む人は増えている」との仮説

C氏 村井氏の話の後に、書籍事業本部の男性が壇上に立ち、「出版市況とアマゾンの概況」について説明しました。新刊の紙の出版市場が減少するデータを示しつつも、ブロガーのChikirinさんが発表した「急成長する読書市場」のデータを用いて、「書店の販売冊数」「図書館の貸出冊数」「ブックオフの販売冊数」の2012年の合計冊数が00年と比べて2億冊増えていると説明しました。

 このデータより、「本を読む人は増えている」との仮説を立てていました。さらに、その仮説を裏付ける証左のひとつとして、アマゾンの電子書籍の年間販売冊数を持ち出し、12年から15年まで前年比30〜40%増で推移していると伝えました。

B氏 続けて、アマゾンの自己紹介というか、会社説明が始まりました。同社のビジョンは「地球上でもっとも豊富な品揃え」「地球上でもっとも客を大切にする企業」の2つであり、そのもっとも大事にする客の満足度を支える柱が「品揃え」「利便性」「付加価値」の3つであり、これらを下支えするのが人手をかけずに自動化するという「イノベーション」であるということでした。

 担当者は原稿でも読むかのように早口に話していました。おそらく、地球上で最高を目指すと公言するアメリカ人的発想は、「奥ゆかしさ」を美徳とする日本人には馴染まないというか、担当者も恥ずかしくなったのか、まくしたてるように説明していたという印象を受けました。

C氏 さらに、この3つの柱を充足させるために、アマゾンは物流と会員サービスに投資しているのだそうです。アマゾン流に言うと、「フルフィルメントセンター」という倉庫が全国に14カ所あり、出版物はそのうち市川(千葉)、小田原(神奈川)、多治見(岐阜)、堺(大阪)、鳥栖(佐賀)の5カ所に置かれています。上陸当初の市川の倉庫からスタートして物流拠点が拡大することに伴い、当日配送エリアも広がっているとのことです。

 また、会員サービスとしては、年会費3900円の「プライム会員」向けのサービスを強化しているようです。会員になれば音楽や映画が見放題・聞き放題というプランを開始したほか、会員限定のセール「プライムデー」も実施しているそうです。このプライム会員数は前年比50%増と伸びており、プライム会員1人当たりの本の注文冊数は15年で前年比1.7倍にもなっているそうです。

 それらの結果として、アマゾンの書籍・雑誌、マーケットプレイス、Kindleといった本にまつわる売上が伸びていると。また、返品率も5〜7%と、40%前後といわれる出版市場の返品率よりも格段に低いことを強調していました。それが可能なのも、複雑なアルゴリズムを用いたアマゾンの自動発注の仕組みが優れているからだと自慢していました。

■アマゾンの売上構造

A氏 次は戦略企画部の男性と女性の社員が出てきて、出版社役とアマゾン役に分かれて、アマゾンの売上構造の仕組みなどを説明しました。売上構造については、下記がその数式だと説明しました。

・売上(アマゾン)=閲覧数(リアル書店でいう来客)×購買率×商品の値段

 アマゾンはこの真ん中の「購買率」が売上への影響がもっとも大きく、注目している数値だと言いました。この購買率は「商品情報」や「在庫」「マーケティング」によって変化する数値で、なかでもモノがなければ購入できないという理由から、購買率をもっとも左右するのが「在庫」だと強調していました。

 それを測る指標を「在庫あり率」といい、この考えに沿って在庫を管理しているようです。そして、この「在庫あり率」を上げる一番の手段が、「搬入スピードのアップ」だと説きました。

C氏 こうした売上構造を説明した後、前述した(1)「自社に在庫があるのに、なぜアマゾンで在庫切れになっているのか?」、(2)「急な需要で在庫が切れた。どうしたらすぐ在庫ありになるのか?」という疑問に回答しました。

(1)への回答は、「在庫ステータスが影響している」でした。在庫ステータスというのは、取次と出版社による「本の受発注システム」において、この商品は在庫があるのかないのか、その商品の状態を示す数値のことです。「在庫あり」であれば「11」、「絶版」であれば「34」という具合です。アマゾンの場合、この在庫ステータスが「11」、「12」(出庫部数調整中)、「21」(在庫僅少)の商品のみを取次に発注しているそうです。裏を返せば、これ以外の在庫ステータスが付いている商品は、アマゾンは発注しないということです。そのため、出版社は取次と在庫ステータスの更新をリアルタイムで行うべきだと言っていました。

 ただ、取次は、絶版商品もなんでもかんでもアマゾンは注文してくるとも言っていました。アマゾンの主張を信じるとすれば、その原因は小零細出版社にもある可能性があります。在庫ステータスを管理していないため、古い商品が「11」(在庫あり)のままになっている可能性が考えられます。実際に、ある小出版社から「在庫ステータスってどうやって変更するの?」と聞かれたこともありました。

(2)についてはまず、どのようにアマゾンから取次へ注文が出されているのかを説明しました。基本的にアマゾンは、新刊も既刊本も自動発注でシステム化しています。取次への発注は2種類あって、ひとつが「スタンダード発注」、もうひとつが「取寄せ発注」。「スタンダード発注」は毎日午前中に行われており、最初に日販、なければ大阪屋などの順番に取次に注文が飛び、要望数の在庫があれば即日出荷され、翌日までにアマゾンの倉庫に入るそうです。

 各取次の在庫にない場合は、再度日販に注文が飛び、そこから出版社への注文に回されるのが「取寄せ発注」です。ただ、日販がどのタイミングで出版社に注文を出し、いつどのような回答を出版社から受けたかは、アマゾンはまるでわからないそうです。

■取次の限界を指摘

A氏 ここがひとつのポイントでした。取寄せ発注の入荷率が50%で、搬入リードタイムが8〜16日かかるというのです。アマゾンからすると、在庫ステータス上は存在する商品が結局は半分しか調達できない、この「取寄せ発注」が悪玉だと言いたいようです。それで、彼らは最終的に調達できない商品を数値化して「欠品率」「もったいない率」と表現していました。

 アマゾンの出版社売上順位で150位までのアマゾンに貢献している出版社は、151位以下のそうでない出版社と比べて欠品率が低く在庫引当率も高い、小零細出版社は損していると暗に訴えていました。ハッキリいえば、150位以内の出版社は直取引している出版社や大手出版社なのだから、欠品率が低いのは当たり前の話。ここで大げさに「もったいない感」を出して、小零細出版社をあおっているところがアマゾンの巧妙なところです。

 さらに、今年1月1〜21日の書籍・雑誌部門の引当率と欠品率が昨年よりも悪化したとグラフで説明しました。その理由について、「アマゾン全体の物流が増えて、取次のキャパシティが限界にきているからだ」と言うのです。ここまではっきりと既存の取次流通の限界を指摘するとは驚きでした。おそらく、出版社に取次流通一辺倒では対アマゾンの売上を上げることはもう難しいと印象付ける狙いだったのでしょう。

 これだけもったいない感をあおった後に、「この機会損失を改善できる可能性がある。大幅な売上伸長ができる可能性がある」とあおりにあおって、第2部へと話が続きます。そうです。本題である直取引システム「e託販売サービス」の説明です。
(文=佐伯雄大)

※後編に続く

 

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