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最強企業トヨタで「偉くなる人」に共通すること〜30万人の中から部長・役員はどう選ばれるのか?全ビジネスマン必読
http://www.asyura2.com/16/hasan108/msg/650.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 5 月 16 日 17:06:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

           豊田社長はカンパニー毎に競争し、切磋琢磨するよう発破をかける〔PHOTO〕gettyimages


最強企業トヨタで「偉くなる人」に共通すること〜30万人の中から部長・役員はどう選ばれるのか?全ビジネスマン必読
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48625
2016年05月16日(月) 週刊現代,井上久男


30万人のなかから50人の役員、500人の部長はどうやって選ばれていくのか?


「人事はメッセージだ」。豊田章男社長がそう言って憚らないように、人事には社長の考えが凝縮されている。トヨタの人事の裏を徹底取材してみると、トヨタの強さの秘訣から課題までが見えてきた。


取材・文/井上久男


■部長になれるのは同期で1割


トヨタ自動車が4月18日からカンパニー制を導入し、「平成の大組織改編」に乗り出した。'16年3月期決算では過去最高益を更新する好業績の中で、敢えて組織を大きく変える狙いは何なのか。


「全員がバッターボックスに立ち、『ナイス・スイング』と声を掛け合おう。これから私は評論家ではなく、バッターボックスに立つ人を評価する。そして空振りの三振は許すが、見逃しの三振は駄目だ。この組織改革が課題を解決するための『ソリューション(解)』ではなく、仕事の仕方を見直すための『オポチュニティー(機会)』と考えて欲しい」


豊田章男社長は'16年度方針としてこんな挨拶を社内向けに行っており、この人事改革には秘められた大きな意図がある。それは後述するとして、まずはトヨタの人事の仕組みを見ていこう。


トヨタは連結ベースで30万人、国内には単体で7万人の社員を抱える。このうち約4万人が生産現場で働く技能系、残りが事務系・技術系(総合職)と業務職(一般職)となる。それぞれのキャリアは次ページの表通り、組織ピラミッドを上がっていくことになる。


大卒の事務・技術系の場合、基幹職3級(課長級)が約7300人、同2級(次長級)は約1700人、同1級(部長級)は約480人、役員は約50人。3級は入社15年程度、2級は20年程度、1級は25年程度で昇格し、大卒の9割は3級にまでは昇格できるものの、そこから先は狭き門だ。


たとえば、'16年1月1日付で1級に昇格したのは58人。同期の10%程度しか1級には昇格できない。ちなみに1級になると年収2000万円を超えることが多い。


では、トヨタではどういう人が偉くなるのか。


■「俺が、俺が」は出世しない



※人数は常務理事以上は4月1日現在、基幹職1級以下は1月1日現在。基幹職1級、2級、3級はそれぞれ部長、次長、課長級のポスト


実はトヨタが求める人材像は明確で、一言で言えば、「花見幹事ができる人材」(元人事担当役員)。


自動車メーカーは社外の関係先が非常に多岐にわたるため、多くのプレイヤーをまとめあげる力が重要。花見では日取り、用意する酒や食事、予算の都合などを勘案しながら、最適な場に仕上げることが求められる。それは大袈裟に言えば、会社を切り盛りする中小企業の社長の仕事に似ている。


トヨタでは、若い時からこうした仕事ぶりを徹底させられ、価格や納期交渉などの場面で若手に仕事をやらせて、力量を見られる。


「言い換えれば、いくら頭脳明晰で優秀な人材でも、『俺が、俺が』の自己主張ばかりを押し通すタイプでは出世は望めない」(現役社員)


トヨタでは自分の仕事の実績だけではなく、いかに後輩や部下の面倒を見たかも大きく問われる。


トヨタ社内では、上司と部下、あるいは先輩と後輩の関係を「教え・教えられる関係」とよく言い、数年上の先輩が後輩の研修の講師をするという仕組みが、主任から管理職、役員になっても継続されている。チームプレイのできない人間は絶対に偉くはなれないのが不文律で、若い頃から多くの部下を束ねるトップマネジメントの資質があるかを見られる。


ある幹部は「入社3年目くらいまではお客様扱いで、おだてて木に登らせて、それを過ぎると下から火をつけて降りられないようにする風土がある」と言う。これは、若いときから苦難に放り込み、「やり抜く力」があるかを見るためだ。


実際、'13年からは「修行派遣プログラム」が始まった。これは大卒のホワイトカラーが入社4年目以降、海外事業体に派遣され、日本語ができない上司の下で仕事をしなければならないというものだ。


出向く先も英語圏とは限らず、東南アジアなどもあり、まさに「可愛い子には旅をさせよ」。何ヵ国語も使えるスーパー社員がトヨタにはいるが、語学力だけで偉くなれるわけでもなく、どこまで「やり抜けるか」という根本的な能力が見られる。


トップエリートが集うトヨタにあって出世競争は熾烈だが、最近では中卒入社の技能系から役員に抜擢されるなど、「人物本位」がより徹底されてきたとも言える。


■役員は「上がり」ではない


こうして若手時代から常に力量を問われ、残った一部だけが役員昇格するわけだが、役員になれる人材の共通項もある。ざっくり言えば、部下のためを思って仕事は鬼軍曹のように厳しいが、いったん職場を離れると、気のいいおじさんで面倒見がいいという人物像。求める人材の方針が明確だからこそ、こうした「共通項」が生まれる。


トヨタの役員人事のもう一つの特徴は、役員になっても「上がり」ではなく、徹底的に鍛えられるというもの。


たとえば、今回の組織改編で本社部門の中に位置づけられた販売金融事業本部長の犬塚力常務役員は、人事の経験が長いが、今は門外漢の自動車ローンなどの金融担当。「人」と「カネ」が分かる役員に育てたいとの意図が見える。


実は今回のカンパニー制度導入という組織大改編には、このように人材をより徹底的に鍛えあげる狙いもある。


そもそも、今回の組織改編は極秘裏に準備され、役員でもごく一部にしか事前に知らされていなかったという。


「あまりに突然の組織改編で、役員人事は4月1日付だったのに、社内の経費伝票処理などのシステム変更が追い付かなかった。そのため、カンパニー制の導入は18日付となった」(大手部品メーカー幹部)


急遽3月2日に幹部が招集される「緊急部長会」が開催され、戦略を担当する寺師茂樹副社長が狙いをこう説明した。


「トヨタは身の丈を超えた成長ではなく、年輪的な経営を目指すビジョンを掲げているが、具体的な取り組みがまだ不十分。部門をまたぐ社内調整に終始することも多く、会議だらけで物事が進まない。競合企業に比べて開発のスピードも遅い。今回の組織改編は、組織を変えることが目的ではなく、仕事の進め方を変革するための基盤整備だと思ってください」


いまトヨタのトップマネジメントには強烈な危機感があり、それが今回の組織改編につながったというわけだ。


実際、20年以上トヨタを取材してきた筆者から見ると、今のトヨタは「外観」と、「内側」の実態が大きく乖離している。決算は過去最高益を3期連続で更新する見通しで、ライバルの独フォルクスワーゲンも排ガス処理の不正問題で自滅したため、「死角なし」と見られがちだが、実情は違う。


たとえば、トヨタの販売状況を細かく見ると、これまで強かった中近東や東南アジアなどでは販売が伸び悩み、少子高齢化で国内販売も低迷し、販売を伸ばしているのは北米地域だけ。実はトヨタの'17年3月期決算は一転して減益になると見られている。


「巨大化の弊害」も出てきて、現在のトヨタは1000万台の巨大な生産規模を誇るが、規模の利益を享受できず、固定費が増大傾向にある。


さらに言えば、ローマ帝国が外敵に滅ぼされたのではなく内部崩壊したのと同じようなリスクにも、トヨタは直面している。好業績などを背景に社内の一部は危機感が薄れ、仕事の進め方も社内調整が中心となり、内向きになっている。


「トヨタの社員は情報収集に熱心で社交的な人も多かったのが、ここ数年は劇的に変わって、業界や財界の社外の会合にも顔を出さないので、誰がキーマンか分かりづらい」(大手商社幹部)との声もある。


豊田社長の意向を忖度する風潮も蔓延っていて、「それが原因で、会社のために自分が感じている問題点を率直に意見し、思い切って自分のやりたいことをする社員が減った」(トヨタOB)。


こうした課題は、豊田社長自身がよく分かっていて、それが冒頭の発言に表れているわけだ。


■「豊作の'80年組」のエース


そもそも、今回の組織改編は、もの造りの分野を7つのカンパニーに分けるというもの。


その内訳は、燃料電池車や自動運転などを担当する「先進技術」、ヴィッツなどの小型車を担当する「コンパクトカー」、カムリやクラウンなどを担う「ミッドサイズヴィークル(中大型車)」、ランドクルーザーなどの「CV(商用車)」、最高級車の「レクサスインターナショナル」、エンジンや変速機を開発する「パワートレーン」、クルマとITの融合を進める「コネクティッド」。量販車を担当するコンパクト、ミッドサイズ、CV、レクサスでは、各カンパニーがデザインから設計、調達、生産までを一貫して責任を持つことになる。


豊田社長は今回の組織改編の狙いについて、次のようにも語ったという。


「私は最後のフィルター役はするが、商品の開発はすべてカンパニーで完結させる」


そして、餅は餅屋に任せる——。


つまり、役員たちに経営者として厳しい判断を下す局面を経験させ、グループ全体を見渡せる経営者、すなわち豊田社長の後継者を育成していく狙いがある、と筆者は感じる。実際、カンパニーの社長の役割を担う「プレジデント」の顔ぶれからは、「トヨタの人事」の意味がより深く見える。


まずはミッドサイズのプレジデントに就く吉田守孝専務(58歳)。名古屋大学工学部機械科卒で'80年入社。「開発のエース」「トヨタでクルマ造りが最も分かっている男」などと呼ばれ、トヨタの最高級車『レクサス』のチーフエンジニアを務めた。トヨタ系列企業幹部が言う。


「バランス感覚が優れていてユーモアもあり、若い時から経営者の視点でモノをいうタイプだった。社内外の人望が厚く、名門私学、東海高校の同窓会長も務めている」


同カンパニーはカムリやクラウンなどの開発を担う本流中の本流で、絶対に負けられない闘いをエースに託したと言える。


次はコンパクトカーの宮内一公専務(59歳)。名古屋工業大学機械工学科を卒業して'80年に入社。吉田氏と同期で、役員就任も'09年と同じだが、畑は違って生産管理や調達など工場に近い部門の経験が豊富だ。


'80年入社は「豊作」と言われる中でも、「宮内さんは仕事に厳しいことで有名で、数値管理にも細かく『こんな数字どこから出てくるんだ』とミスを一喝することも。トラブルが起こると、自ら現場に出てきて対策を指示するタイプで、下請けからは恐れられる反面、尊敬を集める」(トヨタ関係者)。


コンパクトカーはトヨタにとって不採算部門で、厳しいコスト管理をしなければますます収益的には苦しくなる。そのため、「数字に厳しい宮内さんに白羽の矢が立った。さらに、今後はトヨタがダイハツを完全子会社化し、同社がこのカンパニーの傘下に入ると見られる。宮内氏はダイハツのリソースを有効活用する重責も担う」(前出・トヨタ関係者)。


■異例の抜擢にはワケがある


「愛のある厳しさで指導してくれる人」との社内評があるのは、先進技術カンパニーの伊勢清貴専務(61歳)だ。同期の前出・吉田氏と並んで「開発のエース」と呼ばれ、モータースポーツ本部長などを務めた。


主に担当する燃料電池車や自動運転は、次世代の技術であり、他社・他業界との連携も必要になってくる分野。このため、「フットワークが軽くて視野も広い」と言われる伊勢氏が登板した形だ。


CVのプレジデントに就く増井敬二専務(61歳)は、京都大学法学部卒の'77年入社。調達部門の経験が長く、生産管理部長も務めた「現場派」だ。トヨタではよく、一流大学を出た事務屋に作業着を着せて現場に近いところで働かせるが、その頂点に立つ一人と言える。


「とにかくまじめな人で毎日でも生産現場に行きたいと思っている人。トヨタラグビー部の顧問をしており、プライドが高い選手をうまく操る操縦術にも長けている」(トヨタグループ幹部)


このCV部門は、グループの車体メーカーであるトヨタ車体と一体運営され、増井氏は同社社長も兼任する。グループとはいえ別会社だけに、持ち前の人柄で人心掌握が期待されているのだ。


異色な経歴ながらプレジデントに抜擢されたのは次の2人だ。


レクサスインターナショナルの福市得雄専務(64歳)は'74年、多摩美術大学美術学部を卒業してトヨタに入社。デザイナーとしてトヨタのミニバン初代「エスティマ」を手掛けた。卵形のデザインのユニークさはいまもクルマ好きの間では語り継がれる。一度は関連企業に転籍したが、豊田社長がトヨタに連れ戻して、デザイナーとして初の役員に昇格させた。


「苦労人ゆえに人の意見に耳を傾け、反対派を味方に変えるのがうまい。がんにかかって助かる見込みがないと言われたのに、奇跡的に助かった。社内では『もう私には失うものはない。トヨタで仕事をさせてもらうだけで感謝の気持ちで一杯』と言っている」(前出・系列企業幹部)



ベンツやBMWなどの海外プレミアムブランドに比べてレクサスは苦戦していることは否めないが、覚悟をもって仕事に臨む福市氏の姿勢が社内外の求心力になることが期待されている。


「パワートレーン」の水島寿之専務(57歳)はトヨタグループのアイシン精機出身。同社で副社長まで務めた後、'15年トヨタの専務に登用された。


「アイシンでは若くして工場長になり、仕事ができて部下から慕われるタイプ。アイシンの社長候補だった」(同社OB)


グループ企業生え抜きがトヨタ本体の役員になることはなかったので、異例の人事だ。しかし、アイシングループはパワートレーンの中核部品などを生産しており、自動運転時代に向けて技術をさらに磨いていかなければならない領域。グループ連携強化の象徴として水島氏を起用したと見られる。


さらに、水島氏と「交換人事」の形で、トヨタの小木曽聡常務役員が昨年、アイシン子会社の社長に転出した。現在、グループにまたがっていたブレーキ事業をこの会社に集約中で、自動ブレーキ技術の進化は自動運転の時代には欠かせない。アイシン関係者は「いずれ小木曽氏はトヨタ本体に戻るだろう。そのために経験を積ませている」と見る。


豊田章男社長は、こうした抜擢人事、交換人事などをドラスティックに行ったうえで、幹部たちの仕事ぶりを見ながら、これからの「後継者」を選んでいくのだろう。


「豊田社長は自分の次は40代か50代前半の社長にしたいと思っている」(トヨタグループ首脳)


次世代のカンパニープレジデントから「ポスト豊田章男」が誕生する可能性がある。


「週刊現代」2016年5月7日・14日合併号より


 

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