★阿修羅♪ > 経世済民109 > 284.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
「消費再増税、延期すると財政破綻」は完全に間違い…アベノミクスで国の借金大幅縮小(Business Journal)
http://www.asyura2.com/16/hasan109/msg/284.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 5 月 31 日 00:48:55: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

                「首相官邸 HP」より


「消費再増税、延期すると財政破綻」は完全に間違い…アベノミクスで国の借金大幅縮小
http://biz-journal.jp/2016/05/post_15302.html
2016.05.31 文=田中秀臣/上武大学ビジネス情報学部教授 Business Journal


 伊勢志摩サミットが終了し、安倍晋三首相が消費増税の再延期を決めたと報じられている。実際に安倍首相がどのような判断を下すのかは予断なく見ていく必要があるが、消費増税再延期や事実上の凍結を決めると、増税を推進する勢力から必ず「消費税を上げなければ財政規律が保てない」という声が挙がる。

 この財政規律の話題について、2つの主張を報道でみかけることがある。ひとつは、2020年までに政府が基礎的財政収支(プライマリバランス:PB)を黒字化するという計画が達成されなくなるという指摘だ。もうひとつは、日本の財政赤字が1000兆円をはるかに超える規模であり、国民一人ひとりが膨大な借金を抱えていてその歯止めがかからなくなるという指摘である。

 これら2点について、以下で批判的に検討を加えていこう。

■PBの黒字化問題

 まずPBの黒字化問題である。PBは簡単にいうと「税収マイナス政府支出」のことでしかない。この数字自体が黒字になろうが赤字になろうが、ほとんど大きな意義はない。政府の財政を個々の家計にたとえるのは間違いのもとではあるが、ある期限まで給料(税収)よりも支出のほうが大きく赤字が続いても、ローンを組み、あるいは資産を売却すればそれで話が済んでしまう。個々人でいえば、もちろんこのローンの返済がちゃんとできないのであれば、破産のリスクが増えるだろう。実は国の経済でも破産のリスク(財政危機)のメカニズムは同じだ。

 財政危機を定義すれば、「国債の新規発行分と名目GDPの比率」がどんどん拡大すること(=発散すること)である。反対にこの比率が一定の値に収束すれば財政危機は回避される。あえて家計にたとえれば、年間所得に対して毎年新たに借金する額がどんどん増えていく状況を考えればいい。借金に借金を重ねる状況に歯止めがかからないのだ。
 
 この財政危機を回避するには、PBに注目するのではなく、名目金利と名目GDP成長率に注目するのが経済学の標準的な考え方である。名目金利のほうが名目GDP成長率よりも高ければ、「国債の新規発行分と名目GDPの比率」は発散してしまい財政危機がやがて訪れる。他方で、名目GDP成長率のほうが名目金利よりも高ければ、この財政危機は回避される。これを「ドーマー命題」という。

 家計でいえば、借金をする金利よりも給料の伸び率のほうが大きいので、年数がたてば新たな借金をすることがなくなることを意味する。既存の借金もやがて減少していくだろう。名目金利と名目GDP成長率だけに原則注目すればいいので、PBが黒字だろうが赤字だろうが財政危機には関係ない。

 つまり政府が目標としている「20年度のPB黒字化」は、それ自体は大した意味を持たないのである。むしろこの意味の乏しい目標を、マスコミや増税に加担する人々が固執することの弊害のほうが深刻である。

 なぜなら、先ほどのドーマー命題のカギになるのは、名目GDP成長率を上げる政策、つまりデフレを脱却する政策(金融緩和政策と財政拡張政策)である。ところが、14年度からの消費増税による経済減速のために、名目GDP成長率は大きく下振れしてしまった。もちろんPBは赤字のままなので、増税勢力の人たちは、これを問題視してさらなる増税を主張している。それが10%への引き上げの根拠となっている。

 もちろん、また増税すればさらに経済が減速して税収が落ち込み、PBの黒字化は(それ自体は意味がないにせよ)さらに遅れるので、また増税を要求するだろう。増税を重ねればさらに経済低迷で税収不足し、さらに増税、という悪循環しか起こらない。

 対して名目GDP成長率を高めていけば、ドーマー命題から財政危機は回避できるし、また税収増が実現できるので、PBにあえて注目してもその黒字化は早期に達成される。ちなみに高橋洋一嘉悦大学教授は、増税なしでデフレ脱却をしたケースのほうが、増税ありのケースよりもいち早くプライマリーバランスの黒字化の実現スピードが早いことを実証している(『数字・データ・統計的に正しい日本の針路』<講談社/高橋洋一>第6章より)。

 このように、そもそもPBの20年度実現が財政規律維持に不可欠であると鵜呑みにするほうがおかしいのであるが、さらにあえてこの間違った財政規律の思想に則ったとしても、さらなる消費増税こそが財政規律を破綻させる可能性が高いこともおわかりいただけるだろう。

■「1000兆円を超える借金」問題

 次に「1000兆円を超える借金」問題である。これも端的に誤解を誘発する悪い議論の典型である。すでに財政危機の回避方法をみたので、この「1000兆円を超える借金」自体にも大して問題があるわけではないことは、賢明な読者にはおわかりだろう。

 だが、それでも「1000兆円を超える借金は、大きくてそれ自体が恐怖である」という人もいるかもしれない。ソシエテジェネラル証券東京支店調査部チーフエコノミストの会田卓司氏は、論説『財政再建へ正しい道筋 政府負債残高GDP比率がとうとうピークアウト』のなかで、政府がリフレ政策(デフレを脱却してインフレ目標の到達を目指す政策)を採用したため、名目GDPが着実に増加して税収の回復に至り、政府の負債残高のGDP比率がピークから減少に転じて財政再建にメドがついていることを解説している。

 さらに、政府の負債(=借金)残高に注目するのはあまり適当ではない。個々人でも企業でも負債と資産がバランスしているかどうかに注目すべきだろう。政府も同じで、そのバランスシートに注目して政府の純負債がどう変化しているかに注目しておくべきだ。この点については、筆者は論説『財政危機のウソと大災害』のなかでも書いたが、アベノミクス発動が効果をあげており、日本の純負債残高は14年後半では約200兆円あったものが、現時点では100兆円程度に圧縮されている。

 この純負債の圧縮に当たって効果があったのは、消費増税で下振れしてしまったもののアベノミクスの12年度後半から13年、14年前半ぐらいまでの名目GDP成長率の増加とそれによる税収増、日本銀行による長期国債を中心とした買いオペやマイナス金利政策などによる政府部門の「資産」増加効果が貢献していると思われる。ここでも今後の財政規律破綻の可能性は、消費増税をしないことではなく、むしろ増税して経済を悪化させてしまうことで高まってしまうだろう。

 日本の財政危機は、本当は財政危機を声高に主張する勢力自体がもたらしているといえる。このような増税教をいかに退治するか、そこに日本経済の浮沈がかかっている。

(文=田中秀臣/上武大学ビジネス情報学部教授)
 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民109掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民109掲示板  
次へ