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NY外為(午前):円急伸、対ドル109円台半ば−消費増税先送り表明で 胸なで下ろす住宅や小売り業界も、消費者冷ややか 
http://www.asyura2.com/16/hasan109/msg/346.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 6 月 01 日 21:46:03: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

NY外為(午前):円急伸、対ドル109円台半ば−消費増税先送り表明で
Eshe Nelson、小宮弘子
2016年6月1日 20:21 JST
ニューヨーク時間1日朝の外国為替市場で円は全面高。安倍晋三首相が消費増税先送りを表明したことを受け、日本銀行が追加緩和を遅らせるとの観測が強まった。日本株安で質への逃避が進み、対ドルでは1カ月余りで最大の上昇を記録する勢いだ。
  ニューヨーク時間午前6時38分現在、円は対ドルで1.1%高の1ドル=109円58銭。このまま行けば4月29日以来の大幅上昇となる。対ユーロは0.8%高の1ユーロ=122円27銭。
原題:Yen Jumps as Stocks Drop After Abe Says He’ll Delay Tax Increase(抜粋)
http://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-06-01/O83AAW6JTSFB01

胸なで下ろす住宅や小売り業界も、消費者冷ややか−消費増税延期
桑子かつ代、油井望奈美
2016年6月1日 06:00 JST 更新日時 2016年6月1日 20:37 JST
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大和ハウス工業会長:増税後の住宅需要落ち込みへの心配なくなった
「上向きの力が出てこないので引き続き消費厳しい」−エコノミスト

安倍晋三首相は、来年4月に予定していた消費増税を2年半延期する方針を発表した。高額消費の代表である住宅市場では増税後に需要が落ち込む懸念が当面なくなり、小売各社も消費者心理の改善を期待して安堵(あんど)感が広がるが、街の声は冷ややかだ。
  少子高齢化で住宅市場の縮小が続く中、大和ハウス工業の樋口武男会長は、消費増税の先送りについて「需要が落ち込むという心配がなくなり、安堵の要素だ」と述べた。ミサワホームの竹中宣雄社長は、「増税前のタイミングで買う必要がなくなったので商談が長期化する」との見方を示したうえで、駆け込み需要発生の可能性がなくなり、「今年度の住宅着工は減るだろう」と述べた。
  政府は1月、16年度の実質経済成長率を1.7%程度とする政府経済見通しを閣議決定。民間住宅投資については「消費税率引き上げ前の増加が見込まれる」として3.8%増程度との見通しを発表していたが、みずほ証券の石沢卓志上級研究員は、「駆け込み需要を織り込んでいたので、この伸びは達成できない可能性がある」と指摘する。
内需の腰を折りかねない
  消費税率をめぐっては、安倍首相が14年に10%への引き上げ予定を15年10月から17年4月まで延期した経緯があった。首相は、1日の自民党代議士会であいさつし、消費増税を2年半延期することを決断したと述べた。同日夕方に記者会見を開いた安倍首相は、内需の腰を折りかねない消費税の引き上げは延期すべきだと判断したと説明した。
  消費増税後は住宅需要が落ち込む傾向が過去にみられている。新設住宅着工件数は5%に引き上げられた97年度は前年比約18%のマイナス、8%に引き上げられた14年度は5年ぶりに減少に転じた。

財布のひもは固く
  一方、消費者は財布のひもを固く締めたままだ。経済産業省の商業動態統計によると、小売業販売額は4月に前年同月比0.8%減。15年11月以降では、今年2月に同0.4%増だったのを除いて、落ち込みが続く。前回消費増税が行われた14年4月には4.3%減となった。
  銀座で買い物をしていた井上侑幸子さんは「節約していますよ。高級な物なんて買わない。今、必要な物だけ安く買う」と話す。「安くてそこそこのものが手に入りますからね」という。
  歯科クリニックを経営する安藤大輔さん(38)は「今は延期した方がいい」と話す。消費税率が「10という数字は大きい」ため、消費に二の足を踏むようになるからだという。
  母親と買い物をしていた中村淳子さん(54)は「増税前にと、トイレットペーパーやらティッシュペーパーやらシャンプーやら、すでにまとめ買いして押し入れに入れてある」と言う。「ぜいたく品なんて買わないし、必要な物だけ買う。消費増税が延期されても一緒」と述べた。
  さらに買い控えるという声もある。出口ひろ美さん(40)は「高い物を買うなら増税前にと、この間パソコンを買い換えてしまった。そしたら延期ということになったので、急ぐ必要はないんだなと」感じたという。
「決定を歓迎」
  消費の最前線にある各社は、増税延期を好感を持って受け止めている。国内コンビニ最大手のセブン&アイ・ホールディングスの井阪隆一社長は、消費増税延期の「決定を歓迎したい」とのコメントを発表。国内の消費環境は「過去の増税影響などにより、大変厳しい状況」が続いているとしている。ローソンの竹増貞信社長は「政府が決めたなら、われわれもその判断を尊重して、しっかり準備」するとインタビューで述べた。
  国内ビールシェア首位のアサヒグループホールディングスの小路明善社長は「決定は購買心理にプラスの影響をもたらす」とコメント。サントリーホールディングスの新浪剛史社長は「総理の決断を評価したい」とした上で、「国民生活の向上を目指した構造改革に腰を据えて取り組んでいただきたい」などとする声明を発表した。
  第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは、消費増税の延期が、弱くなっている消費を上向きにすることはないと指摘する。「短期的には企業にとって懸念材料が遠のいたけれども、冷静に頭を冷やしてみると、全然上向きの力が出てこないので引き続き消費は厳しい」と話す。値下げ競争に陥りがちな日本の消費産業には「デフレ体質が根強く残存」しており、「これをどう打開するかは、20年来の問題になっているということ」だと述べた。
http://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-05-31/O80VLG6KLVR701

Business | 2016年 06月 1日 19:21 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
消費増税延期、参院選で審判 首相「改選議席で過半目指す」

[東京 1日 ロイター] - 安倍晋三首相は1日、通常国会閉幕後に記者会見し、2017年4月の消費増税を2年半延期すると正式に表明した。予定通りの増税を明言してきた首相の方針転換は「公約違反との批判も真摯(しんし)に受け止めている」と言及。6月22日公示、7月10日投開票の参院選を通して「国民の信を問いたい。与党で改選議席の過半数の獲得を目指したい」との考えを示した。

<将来のリスクに備え>

首相は会見の中で、消費増税について「内需を腰折れさせかねない消費増税は延期すべきと判断した」と明言した。

現状の景気認識について、首相は「新興国や途上国が落ち込み、世界経済は大きなリスクに直面している」、「熊本地震など新たな下振れリスクもあり、再びデフレの長いトンネルに逆戻りするリスクがある」と強調。

「直面する危機はリーマン・ショックのような金融危機とは異なる。世界経済の将来は悲観していないが、リスクには備える必要がある」と指摘し、先の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)での合意も踏まえ、あらゆる政策を総動員する考えを示した。

<今秋にも大規模対策>

首相はまた「総合的で大胆な経済対策を今秋に講じる」と述べ、16年度第2次補正予算案を編成し、秋の臨時国会での成立を目指す考えも示した。

少子高齢化対策や介護職員の処遇改善を柱とする1億総活躍社会の実現に向けた対策に関しては「アベノミクスの果実を含めて財源を確保する」と指摘。「赤字国債を財源に、社会保障を充実するような無責任なことはしない」と語った。

首相は、消費増税を延期しても、基礎的財政収支の赤字を20年度までに解消する目標は維持する考えを強調、「財政再建の旗は降ろさない」と明言した。

<不信任案で「解散、頭よぎった」>

会見では「内閣不信任案が提出され、解散が頭をよぎった」と言及する一幕もあった。

ただ、首相は増税延期判断に関し、「これまでの約束と異なる判断をするなら、国民の審判を仰いでから実施すべき。新たな判断について、参院選を通して国民の信を問いたい」とした上で、「今の段階では解散の『か』の字もない」と述べ、衆参同日選は見送る考えを示した。

参院選に関し、首相は、与党で改選議席の過半数の獲得を目指す考えも表明した。
http://jp.reuters.com/article/pm-abe-idJPKCN0YN3ZV


Business | 2016年 06月 1日 19:57 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
安倍首相、消費増税の再延期表明 記者会見要旨

[東京 1日 ロイター] - 安倍晋三首相は1日夕の記者会見で、2017年4月に予定していた消費税率10%への引き上げを2年半延期することを正式に表明した。首相の冒頭発言の要旨は以下の通り。

<冒頭発言>

足元では新興国や途上国の経済が落ち込んでおり、世界経済が大きなリスクに直面している。こうした認識を、先般、伊勢志摩サミットに集まった世界のリーダーたちと共有した。

先般の熊本地震では、熊本や大分の観光業や農業、製造業など、九州の広い範囲にわたって経済や暮らしが打撃を受けている。これらが日本経済にとって新たな下振れリスクとなっている。最悪の場合、再びデフレの長いトンネルへと逆戻りするリスクがある。今こそアベノミクスのエンジンを最大に吹かし、こうしたリスクを振り払い、一気呵成に抜け出すためには、脱出速度を最大限まで上げなければならない。

アベノミクスをもっと加速するのか、それとも後戻りするのか。これが来る参院選の最大の争点だ。伊勢志摩で取りまとめた合意を議長国として率先して実行に移す決意である。アベノミクス3本の矢をもう一度力いっぱい放つため、総合的かつ大胆な経済対策をこの秋、講じる考えだ。

G7で協力し、世界的な需要を強化するため、将来の成長に資する分野で大胆に投資を進める。人工知能、ロボット、世界に先駆けた技術革新を日本から起こす。しっかりと内需を支える経済対策を行う考えだ。

そのうえで、来年4月に予定される消費税率の10%への引き上げについて、お話しする。1年半前の総選挙で、私は来年4月からの消費税率引き上げに向けて、必要な経済状況を作り上げると約束した。そしてアベノミクスを強力に推し進めてきた。現在、有効求人倍率は、24年ぶりの高い水準となっている。

リーマン・ショック以来、減少の一途をたどっていた正規雇用は昨年、8年ぶりに増加に転じ、26万人増えた。この春の高校生の就職率は24年ぶりの高さである。大学生の就職率は過去最高となった。

雇用を作り、そして所得を増やす。まだまだ道半ばではあるが、アベノミクスは順調にその結果を出している。

しかし世界経済は、この1年余りの間に想像を超えるスピードで変化し、不透明感を増している。最大の懸念は、中国など新興国経済に陰りが見えること。リーマン・ショックの時に匹敵するレベルで、原油などの商品価格が下落し、さらに投資が落ち込んだことで、新興国や途上国の経済が大きく傷ついている。これは世界経済が成長のエンジンを失いかねないということであり、世界的な需要の低迷、成長の減速が懸念される。世界の経済の専門家が今、警鐘を鳴らしているのはまさにこの点である。

これまで7回にわたって「国際金融経済分析会合」を開催し、ノーベル経済学賞を受賞したスティグリッツ教授やクルーグマン教授をはじめ、米国や欧州、アジアの経済の専門家から直接意見をうかがってきた。その専門家の多くが、世界的な需要低迷によって今年そして来年、さらなる景気悪化を見込んでいる。

こうした世界経済が直面するリスクについて、G7のリーダーたちと伊勢志摩サミットで率直に話し合った。その結果、新たに危機に陥ることを回避するため、適宜にすべての政策対応を行うことで合意し、首脳宣言に明記された。

私たちが現在直面しているリスクは、リーマン・ショックのような金融不安とは全く異なる。しかし、私たちはあの経験から学ばなければならない。2009年、日本経済はマイナス成長となったが、その前年の08年時点ではIMFも4%近いプラス成長を予測するなど、リスクは十分に認識されていなかった。

プラス4%の成長予測が一気にマイナス成長になってしまう。これが、リスクが現実のものとなった時の危機の恐ろしさだ。私は世界経済の将来を決して悲観しているわけではない。しかし、リスクには備えなければならない。今そこにあるリスクを正しく認識し、危機に陥ることを回避するため、しっかり手を打つべきだと考える。

そうした中で、内需を腰折れさせかねない消費税率の引き上げは延期すべきであると、そう判断した。

いつまで延期するかについてお話しする。中国などにおいては、過剰設備や不良債権の問題など、構造的課題への対応の遅れが指摘されており、新興国経済の回復には時間がかかる可能性がある。そうした中で、世界的な需要の低迷が長期化することも懸念されることから、できるかぎり長く延期すべきとも考えた。

しかし私は財政再建の旗を降ろさない。我が国への国際的な信認を確保しなければならない。そして、社会保障を次世代に引き渡していく責任を果たす。安倍内閣のこうした立場は揺るぎないものである。20年度の財政健全化目標はしっかり堅持する。そのため、ぎりぎりのタイミングである19年10月には消費税率を10%へ引き上げることとし、30カ月延期することとする。その際に軽減税率を導入する。

3年間のアベノミクスによって、国・地方合わせて税収は21兆円増えた。その2年半の延期によって、その間にアベノミクスをもう一段加速する。そのことで、更なる税収アップを確保し、20年度のプライマリーバランスの黒字化を目指す考えである。

1年半前、衆院を解散するに当たって、まさにこの場所で私は消費税率の10%への引き上げについて、再び延期することはないとはっきりと断言した。リーマン・ショック級や大震災のような事態が発生しない限り、予定通り来年4月から10%に引き上げると繰り返し約束してきた。

世界経済は、今、大きなリスクに直面している。しかし、率直に申し上げて、現時点でリーマン・ショック級の事態は発生していない。それが事実である。熊本地震を大震災級だとして再延期の理由にするつもりももちろんない。

今回再延期するという私の判断は、これまでの約束とは異なる新しい判断である。公約違反ではないか、との批判があることも真摯に受け止めている。国民生活に大きな影響を与える税制において、これまで約束してきたことと異なる判断を行うのであれば、まさに税制こそ民主主義であり、そうであるからこそ、まず国民の皆様の審判を仰いでから実行すべきである。信なくば立たず。国民の信頼と協力なくして政治は成り立たない。新しい判断について、国政選挙であるこの参院選を通して国民の信を問いたいと思う。国民の信を問う以上、目指すのは連立与党で改選議席の過半数の獲得である。

世界経済がリスクに直面する今、ロケットが大気圏から脱出する時のように、アベノミクスのエンジンを最大限に吹かさなければならない。デフレからの脱出速度をさらに上げていかなければならない。そのためには、もう一度、国民の皆様の力が必要だ。国民の皆様のご理解とご支持をお願いする。
http://jp.reuters.com/article/abe-extract-idJPKCN0YN49U?sp=true
 

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1. 2016年6月01日 21:48:01 : OO6Zlan35k : ScYwLWGZkzE[480]

FX Forum | 2016年 06月 1日 20:00 JST 関連トピックス: トップニュース
コラム:米中のドル安・元安戦略、挫折か進化か=高島修氏
高島修
高島修シティグループ証券 チーフFXストラテジスト
[東京 1日] - ドル円は4月下旬の111円台後半の高値を上抜けて上昇することは当面困難だろう。米連邦準備理事会(FRB)の引き締め観測が全般的にドルを上昇させているものの、それに伴いブラジルなど新興国市場に動揺が見られ、リスク回避の兆しが出てきているからだ。

ドル高に伴って人民元安が進行し、それが中国株を下落させる場合、そのリスクは一段と高まる。ドルと人民元の複雑な関係を理解する必要がある。

<不可解なFRBのタカ派転向>

5月18日に公表された4月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録が思いのほか、タカ派だったことが国内外の市場参加者に衝撃を与えている。

議事録によれば、「ほとんどの参加者は、もし今後の経済指標が4―6月期に経済成長が持ち直し、雇用情勢が強くなり続け、インフレ率が2%の目標に向けて前進するという姿と整合的であれば、FOMCが6月にフェデラルファンド(FF)レート目標レンジを引き上げることが適切になる可能性が高い判断した」。

一方、4月27日に発表されていたFOMC声明文では、FRBは、雇用情勢の底堅さや海外情勢の持ち直しを指摘する一方で、個人消費を中心に米経済が減速したことに警戒感をにじませ、市場はハト派的な声明文と解釈していた。

過去を振り返っても、両者(声明文と議事録)にここまで大きなギャップが生じることは稀であり、確かに市場参加者の驚きも理解できる。

このギャップに対する筆者の理解はこうだった。文書の発表の順番こそ声明文が先で議事録がその数週間後に公表されるため、今回のように時に市場参加者の混乱を招くが、本来の流れは、議事録で確認される様々な議論を踏まえた上でFOMC声明文が発表される。恐らく、4月会合では議事録が示すようにタカ派的な議論が行われたが、その時の市場環境が不安定なため、声明文ではタカ派色を封印し、ハト派的な声明文を出したのではなかろうかと筆者は整理していた。

その後、原油こそその時よりも上昇し、ややインフレ圧力が増したと考えるべきかもしれないが、米株は4月後半以降、上値の重い商状が続き、ブラジルなど新興国市場の回復も止まった。ドルも強含んできており、今、あえてFRBがタカ派色を打ち出さなければならない理由はほとんど見当たらない。

したがって、「4月FOMC議事録こそタカ派色が濃かったものの、それは過去の議論であり、再びFRB関係者はハト派色をにじませるのではないか。つまり、市場が警戒感を強め始めたFRBの早期追加利上げ観測は、結果的には杞憂に終わるのではないか」と筆者は考えていた。

ところが、現実的には、5月27日にイエレンFRB議長が追い打ちをかけるように、「数カ月以内に利上げが適切となるだろう」と発言。大学での挨拶だったため、金融政策の示唆はないだろうと考えていた市場は完全に意表をつかれ、この想定外のサプライズ発言を受けて、金利政策の方向性を織り込む米2年金利が0.9%台を回復。市場は7月追加利上げの可能性を織り込み始めた。

議長は6月14―15日のFOMCを控え、ブラックアウト期間に入る直前の6日にも講演を行う予定だ。23日には英国で欧州連合(EU)離脱を問う国民投票が予定されており、6月利上げは非現実的なシナリオだろうが、6日の講演では7月利上げに向けてさらなる地ならしが行われる可能性も出てきた。

<ドル安・元安戦略転換は時期尚早か>

筆者がこのFRBのタカ派転向に驚いているもう1つの理由は国際通貨政策の観点である。というのは、今回のFRBのタカ派転向で、米国と中国が主導するドル安・元安戦略も挫折を余儀なくされそうだからだ。筆者がその存在を初めて意識したのは、3月中旬にNY株と上海株がともに7連騰した時である。

2月26―27日に上海で開催された20カ国・地域(G20)財務相・中銀総裁会議から3月15―16日のFOMCにかけて図られた、FRBのハト派転向とそれに伴うドル安が、基本的にドルリンクの人民元安(円やユーロ、アジア通貨などに対する元安)につながった。それが世界の二大経済大国である米中両国の経済にポジティブに作用し、米中株に持ち直し色を強めさせる背景になった。その結果、原油・資源相場や新興国市場も下落基調を脱してきた。ドル安とそれに伴う実効相場ベースでの元安が、米中経済のみならず、資源国や新興国にもプラスに作用してきたのである。

この「ドル安」を受けて、ドル円相場も一時は105円台への下落となった。だが、市場のリスク選好への感応度の高いドル円の場合、昨年前半までのような、過度のドル高とそれにもつれた元高で米中経済や株式市場が苦戦し、世界的にもリスク回避色が強い市場環境になってくると、水面下でドル安・円高圧力が蓄積される。現にこの半年でその下落圧力が表面化してしまった。

一方で、この数カ月、米中主導でドル高と元高の是正が図られ、資源相場や新興国市場が持ち直しながら、市場のリスク選好が回復してくると、長期的なドル高・円安基調に復帰する可能性が芽生える。筆者に言わせれば、「ドル安」はドル円が長期上昇トレンドに復帰するための「産みの苦しみ」なのである。

しかるに、今回、FRBの引き締め観測が再燃したことで、米株の上値は重くなり、中国や新興国の市場動向も冴えない展開となってきた。FOMC声明で海外の経済環境を注視する意向をFRBは明示している。こうした事情を考慮すると、3月のハト派転向から2カ月しか経っていない今、FRBがタカ派に転向し、追加利上げの地ならしを始めるには少し時期が早すぎるというのが筆者の率直な印象だ。中国にしても、このドル反発に伴う円安やユーロ安、アジア通貨安の余波で人民元が割高化することは望ましいことではなかろう。

<リスク選好とドル円回復の条件>

こうした中、中国は対ドルでの元安誘導を再開させた模様で、上海のオンショア人民元の対ドルレートは今年1月以来の安値圏へ下落してきた。昨年8月の元切り下げの時や今年1月の元急落の時は元安に伴って中国株は急落した。元相場の先安観測が、脆弱化していた中国市場から海外への資本流出を加速させたことがその一因と考えられる。

今回もドル高・元安に伴う中国株下落は警戒すべきリスク要因であり、それが現実に起こった場合、すでに頭打ち感が生じてきているブラジルをはじめとした新興国市場を再び危機的状況に陥れ、50ドル台を回復し始めた原油など資源相場にも改めて下落圧力が加わるだろう。その段階では、市場環境は完全にリスク回避に逆戻りしているはずで、ドル円は直近安値である105円に向かって再び値を崩すことになっても驚かない。

とはいえ、筆者にはやや意外なことだが、そのドル高・元安の中で、今回は中国株が思いのほか底堅く推移しており、5月31日の上海株は3%を超える高騰を見せた。この株高は昨年8月の元切り下げや今年1月の元急落の時に中国株が大幅下落となったことと対照的な動きだ。最近、外貨準備の減少が止まったことにうかがえるように、中国から海外への資本流出には歯止めがかかり始めている模様だ。

中国当局がより厳格に資本規制、外貨管理を行い、資本フローのコントロールに成功しつつあるのかもしれない。これが元安の中での今回の中国株反発の背景にあるのかもしれない。

上記の通り、筆者が今、警戒しているのは、FRBの突然のタカ派への再転向とそれに伴うドル高が、ブラジルなど新興国市場や原油・資源相場の回復を頓挫させ、世界的なリスク回避を再発させることだ。その際に付随して生じるドル高・元安が、昨年8月や今年1月のように中国株下落につながる場合、そのリスクは高まる。現在は新興国が全般的に低調な中、中国は持ちこたえている構図であり、マチマチな市場環境だ。

もし、このドル高局面を米株と中国株が乗り切ることができれば、それはその後の本格的なリスク選好の回復につながり、米金融引き締めと並んでドル円を力強く回復させることになろう。その見極めが必要な現段階では、4月下旬につけた111円台後半の高値がドル円のレジスタンスとなり、110―111円を中心レンジとした保ち合い相場に移行していくイメージである。

なお、4月下旬、日銀の追加緩和見送りに伴うドル円急落の出発点となったその高値を筆者は「日銀レジスタンス」と呼んでいる。

*高島修氏は、シティグループ証券のチーフFXストラテジスト。1992年に三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)に入行し、2004年以降はチーフアナリスト。2010年シティバンク銀行入行、チーフFXストラテジストに。2013年5月より現職。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-osamu-takashima-idJPKCN0YN372?sp=true


Business | 2016年 06月 1日 11:22 JST 関連トピックス: トップニュース, ビジネス
法人企業統計1─3月、設備投資リーマン前取り戻し GDP上方修正へ
[東京 1日 ロイター] - 財務省が1日発表した2016年1─3月期の法人企業統計(金融業・保険業を除く)によると、経常利益は足元減少したとはいえ高水準を維持し、設備投資額はリーマン・ショック前の水準まで回復したことが明らかとなった。企業部門は資源安や円高の影響を受けながらも、全体として緩やかな回復基調を維持していると財務省は判断している。

設備投資はソフトウエアを含むベースで前年比4.2%増となり、12期連続で増加した。過去との比較が可能なソフトウエアを除くベース(原数値)でみると12.5兆円と、リーマン・ショック時の景気後退期直前08年1─3月期の15.5兆円以来の高水準となった。季節調整値の前期比では前期比1.4%増と2四半期ぶりの増加。

輸送用機械で新型車向け能力増強投資、化学で医薬品投資が活発だったほか、電気業で発電所安全対策対策や発送電装置新設などが押し上げた。

他方で、売上高は前年比3.3%減で、2期連続の減収。経常利益も前年比9.3%減と、2期連続の減益だった。経常利益は自動車が関連工場火災による生産停止や円高で減益、卸売業では資源安による投資有価証券の評価損や在庫評価損が響き減益となったことが足を引っ張った。それでもここ3年間ほどは、リーマン・ショック時をしのぐ16兆円前後の高水準を維持している。

こうした結果を受けて、1─3月期国内総生産(GDP)二次速報値は設備投資の上方修正によりプラス幅を拡大するとみられている。みずほ証券では1次速報の前期比年率1.7%から2.5%への上方修正を見込む。三井住友アセットマネジメントでも同2.0%程度を予測している。

*内容を追加します。

(中川泉 編集:田中志保)
http://jp.reuters.com/article/jp-march-investment-idJPKCN0YN2WL


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