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コラム:トランプ氏阻止へドル安続くか=池田雄之輔氏(ロイター)
http://www.asyura2.com/16/hasan109/msg/508.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 6 月 06 日 21:31:40: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

コラム:トランプ氏阻止へドル安続くか=池田雄之輔氏
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-yunosuke-ikeda-idJPKCN0YP0RD
2016年 06月 6日 12:26 JST


池田雄之輔野村証券 チーフ為替ストラテジスト
 6月3日、野村証券・チーフ為替ストラテジストの池田雄之輔氏は、状況証拠から判断すると、米欧日中は示し合わせたように、大統領選でトランプ氏に有利に働くドル高を回避すべく努力しているように見えると指摘。提供写真(2016年 ロイター)


[東京 3日] - 6月に入って早々、為替市場は大荒れとなっている。5月31日には111円台だったドル円は2日後に108円台まで急落。6月1日に安倍首相が消費増税の再延期を正式表明したことが、「円安材料出尽くし」「景気対策の発表がなかったのは失望的」といった海外プレーヤーの反応を招いた面も多少はあっただろう。

5月3日の安値(105.55円)から111.45円までの上昇が早かったため、ちょうど半値戻し水準(108.50円)付近への調整は、テクニカルなターゲットにされた可能性もある。だが、市場急変の本当の震源地は、どうやら海外の政治リスクにあった疑いが強い。

6月1日の主な為替レートの終値を眺めると、奇妙なことに気づく。軒並み5月23日の終値付近に引き戻されているのだ。この間、最も大きく「行って来い」を演じたのが英ポンドで、1ユーロ=0.775ポンドから0.758ポンドへと2%強上昇、その後、完全に元のレベルに戻っている。同様にドル円は109円台前半から111円台前半まで2%弱上昇、その後、振り出しに戻っている。両者に影響しているのは、欧州連合(EU)離脱・残留の是非を問う英国民投票(6月23日)をめぐる思惑だ。

すなわち、5月24日には「EU残留派が大きくリード」との世論調査結果が、逆に31日には「離脱派が優勢」との別の調査結果がポンドの乱高下をもたらした。

では、なぜドル円も巻き込まれるのか。市場では、「英国のEU残留派が優勢になれば、米連邦準備理事会(FRB)は追加利上げに動きやすく、ドル高」と理解されている。逆に「離脱=米利上げ先送り=ドル安」である。ユーロはポンドの、円はドルの、受け皿になっているため、結果的にドル円はポンド対ユーロに連動するのだ。

いまのところ、23日のメインシナリオは残留であり、米国の利上げシナリオと相まってドル円を112―113円台へ押し上げる原動力になると見ている。しかし、「一難去ってまた一難」という状況も想定しておく必要がある。次なる政治リスクは米国の大統領選挙だ。

<トランプ氏に有利に働くドル高>

2016年の大統領選挙は、共和党トランプ候補と民主党クリントン候補の対決になることが確定的である。クリントン候補は、サンダース氏との予備選にてこずり、自身の私用メール問題が拡大していることから、一部の支持率調査でトランプ候補に逆転され始めた。投資家は「トランプ大統領」のリスクを徐々に意識し始めており、為替市場では「ドル安、円高要因になる」との警戒が高まっている。

仮にトランプ候補が大統領に就任した場合、直接的な為替介入はないにしても、ドル安を志向することは目に見えている。白人のブルーカラーに支持基盤を持つトランプ氏は、6つの政策綱領の1つで「ただちに中国を為替操作国に認定する」としている。綱領の中に対日政策は含まれないものの、予備選ではメキシコ、中国に並んで日本をバッシングする傾向が明確だった。自動車メーカーや建機メーカーの例を挙げ、米国企業が円安によって不利益を被っていると断じるスピーチは定番であった。

筆者は、FRBの独立性が脅かされない限り、実効的なドル安政策をとり得るとの議論には懐疑的であるが、少なくとも「強いドルがもたらしている大ダメージを見るべきだ」と発言しているトランプ候補が大統領に就任すると想定した場合、為替プレーヤーがドル売り・円買いに傾斜せざるを得ないことは確かだろう。より本質的には、政策の不透明感の高まり、貿易の縮小を通じた米国経済への悪影響も、ドル円には下押し圧力となる。

一方、トランプ候補が大統領選に勝利する確率自体は、さほど高くないとの見方には説得力がある。全国ベースの支持率は選挙結果に直結するわけではなく、カギを握るのはフロリダやオハイオなど「接戦州」での攻防だ。トランプ候補は、女性票、マイノリティー票に大きな弱みを抱えており、「勝算は3割程度」との見方が妥当と思われる。

為替市場にとって、より現実感のあるリスクは、政権交代後の為替政策ではなく、むしろ現政権にかかわっていると言えるかもしれない。というのも、オバマ政権はトランプ候補の大統領就任を阻止すべく、水面下で国際協調を呼びかけている形跡があるからだ。すなわち、ルー米財務長官は主要7カ国(G7)と中国に、「トランプ候補の選挙戦に有利に働くドル高の回避」を訴えている可能性がある。

通常であれば、選挙に絡んだ各国の外交術は「お互い様」であり、一方的な影響力を持つとは考えられない。だが、今回は事情が特殊だ。トランプ大統領の誕生は、世界政治の安定を脅かす大きなリスクであるがゆえ、日本、欧州、中国いずれにとっても、多少の自国の犠牲を払ってでも協力した方が良いとのインセンティブが働く可能性は否定できない。

<日銀の追加緩和、チャンスは6月>

この仮説に基づくと、今年に入ってからの主要国の政策決定プロセスに整合性が見えてくる。転機となったのは、2月26―27日に上海で開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中銀総裁会議だっただろう。そこでは、中国経済が安定軌道に乗るまで、FRBは追加利上げを自重することを約束したと推察される。逆に他国には「通貨安政策」の抑制が求められたのではないか。

3月10日の欧州中央銀行(ECB)政策理事会は、包括的緩和策を打ち出したにもかかわらず、ドラギ総裁は会見で「どこまでも利下げできると思われたくない」と市場のユーロ安期待に冷や水を浴びせた。3月16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)発表では、多数派メンバーの想定する年内の利上げ回数が4回から2回に半減するというサプライズがあった。

日銀は4月28日の政策決定会合で「ゼロ回答」。しかも、黒田総裁会見は一切のリップサービスがなく、マイナス金利貸出についても「まったく議論していない」と発言し、円高に拍車をかけている。おそらく仙台G7と伊勢志摩サミットを控え、「円安政策」と批判されかねないリスクを回避したかったのだろう。この間、中国は人民元を対通貨バスケットでのごく緩やかな元安に安定させており、通貨切り下げを自制している。

状況証拠から判断すると、米欧日中は示し合わせたようにドル高の抑制に努力しているように見えてしまう。その成果もあって、3月から4月にかけてドル安が進んだ局面ではトランプ候補の支持率が伸び悩んだ。逆に5月以降、ドル高に連動してトランプ人気が復活している。

先行き、ルー財務長官のドル高回避の意向に対して、最も忠実に動くのはイエレンFRB議長だろう。6月か7月に利上げを打ち出したのち、大統領選挙が本格化する夏場から11月にかけては利上げを停止する公算が大きい。日銀も夏場以降は、追加緩和に動きにくくなる可能性が高い。

だからといって日銀が完全に手足を縛られることはあり得ない。伊勢志摩サミットを終え、大統領選挙に近すぎない今こそ、乾坤一擲の追加緩和で年初来の円高を押し返すチャンスだ。今月15日にFOMCが利上げを発表、16日に日銀が追加緩和を発表というシナリオが実現すれば1ドル=115円を取り戻すことさえあり得るだろう。

1日の会見で安倍首相が、「一気呵成」「政策総動員」と力を込めた際、念頭にあったのは政府の経済対策だけではなく、黒田総裁のバズーカ砲も含んでいたのではなかろうか。

*池田雄之輔氏は、野村証券チーフ為替ストラテジスト。1995年東京大学卒、同年野村総合研究所入社。一貫して日本経済・通貨分析を担当し、2011年より現職。「野村円需給インデックス」を用いた、円相場の新しい予測手法を切り拓いている。5年間のロンドン駐在で築いた海外ヘッジファンドとの豊富なネットワークも武器。著書に「円安シナリオの落とし穴」(日本経済新聞出版社)。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。

*このドキュメントにおけるニュース、取引価格、データ及びその他の情報などのコンテンツはあくまでも利用者の個人使用のみのためにコラムニストによって提供されているものであって、商用目的のために提供されているものではありません。このドキュメントの当コンテンツは、投資活動を勧誘又は誘引するものではなく、また当コンテンツを取引又は売買を行う際の意思決定の目的で使用することは適切ではありません。当コンテンツは投資助言となる投資、税金、法律等のいかなる助言も提供せず、また、特定の金融の個別銘柄、金融投資あるいは金融商品に関するいかなる勧告もしません。このドキュメントの使用は、資格のある投資専門家の投資助言に取って代わるものではありません。ロイターはコンテンツの信頼性を確保するよう合理的な努力をしていますが、コラムニストによって提供されたいかなる見解又は意見は当該コラムニスト自身の見解や分析であって、ロイターの見解、分析ではありません。


 

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