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電通の変貌、なぜ脱「伝統的広告代理店」加速?広告とコンサル、垣根消失&相互侵食で競争(Business Journal)
http://www.asyura2.com/16/hasan109/msg/860.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 6 月 17 日 00:49:45: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

                  電通本社(「Wikipedia」より/Wiiii)


電通の変貌、なぜ脱「伝統的広告代理店」加速?広告とコンサル、垣根消失&相互侵食で競争
http://biz-journal.jp/2016/06/post_15505.html
2016.06.17 文=牧田幸裕/信州大学学術研究院<社会科学系>准教授 Business Journal


 企業の消費者に対するプロモーションのあり方は、今後劇的に変化していく可能性がある。

 たとえば、我々が街を歩いている。画像認識技術の進化により、センサーが我々をユニークなIDとして認識する。我々の普段の行動、興味関心は、スマートフォン(スマホ)のGPSにより、またはインターネットの検索履歴により蓄積されているが、それがビッグデータとなり、我々のバックグラウンドとなっている。

 そうすると、IDとビッグデータを紐づけて、AI(人工知能)が我々の潜在ニーズまでも察知し、リアルタイムにレコメンド(推薦)できるようになる。そして、街じゅういたるところにある3Dデジタルサイネージが、我々にOne to Oneプロモーションをかけてくる。まるで、映画『マトリックス』の世界のようだが、近い将来、消費者に対するプロモーションは劇的に変化していく可能性があるわけだ。

 このようなプロモーションは、伝統的なマーケティング手法、市場をセグメンテーションし、ターゲット顧客を定め、ライバルとのポジショニングを考え、マーケティングミックスを考える、という手法とはまったく違う手法である。

 ビッグデータを蓄積し、データサイエンティストまたはAIがそれを解析し、プロモーションをかける。ビッグデータを蓄積するため、GPS情報を入手し、消費者の購買意思決定プロセスを把握できるようにするために、ECでの購買へ消費者を誘導する。マーケティング部門のみならず、システム部門、営業部門との連携が必要になる。もはや広告宣伝部長だけではマネージしきれない。部門横断的な経営会議マターになる。

■侵食し合う、外資系コンサル会社と伝統的広告代理店

 このような背景のもと、アクセンチュアやIBM、PwCといった外資系コンサルティング会社が、デジタルマーケティング領域に今、進出を加速してきている。

 デジタルマーケティング領域の代理店市場の売上を見ていくと、米国では2014年には、1位がIBM、2位がデロイト、3位がアクセンチュア、5位がワンダーマン、6位がオグルビーとなっており、伝統的な広告代理店の売上を、外資系コンサルティング会社のデジタルマーケティング部門が凌駕している。

 一方で、日本の伝統的な広告代理店も、デジタル領域への進出を進めている。電通は電通デジタルを設立する。これは、電通のデジタルマーケティング部門、運用型広告のネクステッジ電通、CRMの電通イーマーケティングワンを統合したものだ。これにより、単なる代理店機能を提供するだけでなく、デジタルマーケティング領域のコンサルティングに進んでいこうとするものである。

 先に述べたとおり、企業がデジタルマーケティング領域を検討する場合、広告宣伝部長マターではなく経営会議マターになるのだから、この電通の取り組みは、至極真っ当な取り組みだといえる。

 外資系コンサルティング会社が、「コンサルティング+デジタルマーケティング」へ。伝統的な広告代理店が、「デジタルマーケティング+コンサルティング」へ。お互いが、お互いの領域へ踏み込んでいくわけだが、どのような競争になっていくのだろうか。

■技術進化をいかにビジネスに導入するか

 そもそも、デジタルマーケティングといっても、その領域にはいろいろなテーマがある。デジタルメディア、アドテクノロジー、データドリブンマーケティング、デジタルコンテンツマーケティング、モバイルプロダクション、SNS、SEOなど、米国発のテーマなのでカタカナばかりだが、検討すべき範囲は多い。

 この中でも、ビッグデータを解析し示唆を得るデータドリブンマーケティングは、もともとその領域を得意としてきたIBMやアクセンチュアが強いし、グーグルが「Googleアナリティクス」をコンサルティング機能と共に提供してくると、これも大きな脅威となる。

 今回のケースを見ていくと、伝統的な広告代理店がデジタルマーケティング戦略立案の上流工程まで入っていきたいということだが、人材育成、組織能力の獲得スピードを考えると、かなり大変な道程になるということがいえる。

 一方、外資系コンサルティング会社が手薄なのが、クリエイティブ機能だ。米国では、コンサルティング会社のクリエイティブエージェンシー買収が相次いでいる。買収は別にかまわないのだが、PMI(買収後の組織統合)が腕の見せ所になるだろう。左脳中心のコンサルティングと右脳中心のクリエイティブは、プロトコルが大幅に異なるからだ。社内でさまざまな衝突を生じながら、よいアウトプットを出せるか、特に日本市場での外資系コンサルティング会社のパフォーマンスは、その結果に期待したい。

 なお、本稿では伝統的な広告代理店が、デジタルマーケティング領域で活躍する道程は大変だろうという仮説を提示したが、従来のマス広告の領域では、相変わらず大きな存在感で活躍するだろう。また、外資系コンサルティング会社にとっては、従来の経営コンサルティング領域から事業領域を拡大するチャンスが生まれたわけで、国内外で本気でデジタルマーケティング領域を取りにくる。

 とにかく技術進化が速い分野なので、技術進化をいかにビジネスに解釈し導入するか、そのスピードが勝負のカギとなる領域である。今後の動向を見ながら、さらに見解を深めていきたい。

(文=牧田幸裕/信州大学学術研究院<社会科学系>准教授)

 

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