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「7000人リストラ」シャープは結局、鴻海にダマされたのか?〜知っておきたいM&A「後出しジャンケン」の善し悪し
http://www.asyura2.com/16/hasan110/msg/361.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 6 月 28 日 08:10:40: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

「7000人リストラ」シャープは結局、鴻海にダマされたのか?〜知っておきたいM&A「後出しジャンケン」の善し悪し
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49023
2016年06月28日(火) 中沢光昭 現代ビジネス


■これは、ごく当たり前のこと

「約束がまったく違う」
「やっぱりあいつらは信用できない」

M&Aされた企業関係者からしばしば聞かれる言葉です。

先日の行われたシャープの株主総会でも鴻海がリストラするという噂に対しても同様の声が出ていると聞きます。確かに、鴻海はシャープを買収する前は「リストラしない」とアピールをしていました。こうした事前の約束はどこまで信じていいものでしょうか。今回はこの問題について考えてみたいと思います。

まず、結論から言って、買収・投資実行後の運営についての事前の約束はあくまでも「努力目標」であり、反故にされる可能性は常にあると捉えるべきです。とりわけ片方の業績が極端に悪く、もう片方が支援するタイプのM&Aでは一層その可能性は高くなります。

第一の理由は、どれだけ事前に調べても、相手企業の内情を100%知ることは不可能だからです。直感的に言えば、会社の真実の姿を100とすれば、買収交渉前のデューデリジェンス(会社の資産などあらゆる側面を評価するプロセス)時点で理解できる内容は、30にも満たないというところでしょう。

買収する側にとっては、蓋を開けてみないとわからないことが相当あるのが普通で、その結果として「事前に約束した内容を変更せざるを得ない」という事態に至ることは、ごく当たり前のこととして起きるわけです。

もちろん、「高い買い物をしたと後で文句を言われても困る。約束は約束。守ってもらわなければ困る」と相手に言いたくなる気持ちも理解できないわけではありません。しかし、契約の段階で「どんな状況になっても約束は守る。破った場合は●●のペナルティがある」といった条項があるならば、恐くて買収する気になれないでしょう。その結果、だれも救済の手をさしのべてくれないとすれば、買収される側にとっても、賢い選択とは言えません。

■決して二枚舌ではない

さらに言えば、大きな自然災害やテロが起こる可能性もゼロではありませんし、そうした当事者ではどうしようもない外部要因を考慮するためにも、将来にわたって「必ず」という約束はしたくてもできないのが現実です。

最近流行の言葉で言えば、「新しい判断」が必要になる事態を考え、契約書にはさまざまな付帯事項が付けられるのが一般的です。雇用で言えば、雇用は守るように努力はするが、結果的にどうなるかわからないとうことは、あらかじめ書面から読み取れるようになっています。

もちろん、買収する側が悪意を持って、何かトラップめいたものを契約書の文面に仕込んでいるわけでもありません。

仮に買収直後に雇用の整理や事業の撤退などをすることになったとしても、買収交渉時点では最大限の配慮をしたいと純粋に思っているのが普通で、初めから「よーし、人を減らすぞ」と思って買収することはありません。仮にこうした二枚舌のように見えることをやっていると、あの会社は誠意が感じられない、という評判が立ち、その後に同様のM&Aができなくなってしまう危険があるからです。

そうした経営上の大きな制約をわざわざ作る会社は、一定レベルの規模を超えているような社会においてはあり得ません。

そう考えると、契約書の「『原則として』を『不測の事態が起こった場合に限り』など違う表現にしてください」とか、「人員等」とあったら「等」を外せとか外さないとか、そうした言葉の入れ込み方で延々と議論したりすることもお互いの信頼を築く上からもいいこととは言えません。

M&Aと結婚はよく似ていると言われます。あらかじめ決めた約束事なんて時間が経てばどこかに行ってしまい、それを後からほじくり返したところで何かが解決するわけでもなく、喧嘩だけ起こったりもします。事前に契約書面の文字で縛ろうにも限界がありますし、先に縛ろうとしすぎても、その後一緒にやっていくことを考えると難しいということです。

大切なことは、その状況や場面において未来を考えて、最善のことは何かを一緒に考えられるようにしておくことです。建設的な展開が生まれることもないような話題や議論は、言わないでおくほうが無難に収まり、何かにつけいいようなこともあるでしょう。

■文句を言えない厳しい現実

鴻海によるシャープ救済を巡る情報において、一般の方から見ると「リストラしないというようなことを言っていたはずなのに、正式に決定したらもうリストラの話を出してるじゃないか」と感じるかもしれません。

真相は著者も知りえませんが、直近5期のうち4期が営業赤字の会社を、何千億円も投入して買収したのですから、1日でも1秒でも早く様々な手を打ちたいと考えるのは当たり前でしょう。むしろ連日のように出てくる「新しい判断」に即断即決で対処するのが正解。それを後のばしにしてきたからこそ、いまのシャープがあるわけです。

どっちがどう得をするためだなど、色々な推論が飛び交うとは思いますが、まずは結婚した以上は家計のやりくりを早く安定化させてから将来のことをじっくり話し合いましょうということかと思います。

こうした後出しジャンケンを少しでも減らしたいと思うなら、交渉において「降りる」という選択肢を持つことです。交渉をしていて相手に対して不信感が募って、嫌になってきたならば降りればいいのですが、(例えば法的整理に入った場合などとの合理的な比較により)降りるという選択肢を持てなくなった段階で、交渉は優先順位を考えた妥協の連続で行くしかないことを覚悟しなくてはなりません。

原則として雇用は守りますと約束されていても、「よくよく見たらリストラすべき会社だった」と言われてしまうリスクを徹底的に排除しようと思ったら、交渉は成立しなかったでしょうし、後からそう言われても文句は言えないのが厳しい現実です。

買収されるのに慣れている会社はそう多くないと思いますが、今後はM&A案件自体増える事があっても減るとは考えられません。多くの経営者はそうした現実を意識した経営を心がけて欲しいものですね。

■「買われる側」になったら、どう立ち回るべきか

最後に、あなたが買われる側の従業員であった場合、どう立ち回るべきかについて触れます。

社員個人の対応として一般論として言えることは、少なくとも、焦って飛び出しても良いことはないです。かといって、何もしないのも良くないと思います。

とりあえず転職先がないか情報収集に当たり、選考があればどんどん書類を出し、面接があればどんどん受けていくべきだと思います。理想的な状態は次への内定を確保してから早期退職制度に応募することですが、割増退職金はスパッと諦める覚悟も必要かと捉えています。それよりも次への機会を大事にすべきです。

そして、内定をもらった後に改めて考え直して「やっぱり今の会社が好きだ」と考えたら、辞退すればいいでしょう。そこまで素晴らしいと思える会社だったと確認したプロセスがあれば、その後も誇りを持って(仮に給与が将来下がるような事態になったとしても、納得して)頑張れると思います。

最悪の選択は、「とりあえず、今の会社や仕事に愛着あるし」といって何もしないで忠誠を誓っているような態度を取るのは、小説的な美しさはありますが、その姿勢を誰かが評価してくれたり、自分自身で心の底からずっと納得できたりする可能性よりも、将来何かあった時に「あの時動いていたら違う人生になっていたのでは?」と思ってしまう可能性のほうが高いと思います。

それは、会社や経営者にとっても、社員に選ばれるか否かが試される局面になるということでもあります。

正確な情報はわかりませんが、多くの人がシャープから日本電産に転職しているという話があります。転職した方々は「技術者」と「管理者」に分かれるのかと推測されます。

技術者においては現場感覚が残っていれば元々優秀な人も多いようですから、普通に結果を出して過ごせるのかと思います。一方で管理者の方は技術(者)マネジメントを求められるのかと思いますが、そのマネジメントスキル自体の問題よりも、恐らくは永守会長・日本電産の目線からすると時間軸・スピード感が噛み合うかが懸念されます。3カ月でやって欲しいことを2年かけてやろうとして、とがめられるような例です。

著者の経験上、良い時代の大企業に長く在籍し(て、その後自分の会社が悪くなって転職し)た管理職の場合、環境が変わっても、何か不都合なことが起こると「前の職場にあったあれやこれがないからダメなんだ。部下のレベルが低い。だから用意してくれ」と、より恵まれた条件を望んだり言い訳をたくさん並べたりすることは得意ですが、早く結果を出す、そのために自分がプレーヤーの仕事を一時期背負ってでも手段を選ばずPDCAを早く回すというような姿勢が決定的に欠けていることが少なくありません。

シャープの元社員がどうかはわかりませんが、その予測が当たるかどうかは、1,2年もすれば見えてくるでしょう。

 

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コメント
 
1. 2016年6月28日 12:32:27 : 46au376vfM : ZYM7DDGC_rw[637]
中国においても、ブラックであった企業が日本で白馬の王子になどなりえない!

シャ-プは、終わりました。

製品を買って応援していましたが、もう買いません。

松下政経塾(パナソニック)の製品も買いたくないし、、どのメーカーにするかな。


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