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日経はなぜFTを買収したのか? ――的確な分析なき企業の持続的成長はあり得ない(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/16/hasan110/msg/454.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 7 月 01 日 08:47:41: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

日経はなぜFTを買収したのか? ――的確な分析なき企業の持続的成長はあり得ない
http://diamond.jp/articles/-/93922
2016年7月1日 嶋田毅 ダイヤモンド・オンライン


MBAで教えられている「分析ツール」は知っているだけで仕事に「差」がつく武器になります。本連載ではクリティカル・シンキング、定量分析、交渉、経営戦略などの分野から分析ツールを50個厳選した『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス分析ツール50』から、そのエッセンスを紹介します。第1回は「日経によるFT買収」がテーマです。


■日経はどのような分析をして
 FT買収を決めたか


昨2015年、日本を代表する経済紙の発行元である日本経済新聞社は、「フィナンシャル・タイムズ」(以下FT)を発行する英国フィナンシャル・タイムズ・グループをピアソン社から買収しました。買収金額は当時のレートで1600億円に上ります。


これにより、日経新聞社の新聞とFTの合計発行部数は300万部となり、経済紙としては一気に世界トップに立ちました。


FTは特にグローバルにおける経済報道で強みを持っており、欧米に幅広い読者層を持っています。市場が国内にほぼ限定されていた日経新聞としては、グローバルに成長する上でも、また国内向けの記事のグローバル化を進める上でもFTの買収が効果的と判断したわけです。


ところで、もしあなたが日経新聞社の本件の担当者だとしたら、どのような分析を行ったでしょうか?


一般に、一部のベンチャー企業の起業家などを除けば、何か事を進めるにあたって、根拠を求められないということはありません。しかも今回のように1600億円もの金額で海外企業を買収するとなると、極めて説得力の高い根拠を必要とするでしょう。


ではその根拠がどこから来るかと言えば、調査による生データに加え、多くはそれらをさらに多面的に深掘りしたり加工したりした「分析」によってもたらされるはずなのです。


筆者は日経新聞のインサイダーではありませんので以下はあくまで想像ですが、今回のケースでは、下記のような分析が行われたのではないかと想像します。


まずベースとして必要なのは、日経新聞が置かれている経営環境の分析です。マクロ環境を分析するPEST分析や、業界分析(規模、成長性、事業特性、儲けやすさ等に関する分析)を、教科書そのままではないにしても、ある程度は行ったはずです。また、市場・顧客分析や競合分析なども当然なされていると考えていいでしょう。



<経営環境分析>『グロービスMBAキーワード 基本ビジネス分析ツール50』より


■分析なくして
 1600億の買収は行われなかった


次に、今回は買収という話ですから、買収先であるFTのリソース分析は当然行ったでしょう。彼らが持っている経営資源がどのくらいの価値を持つのか、あるいは模倣が難しいものなのかといった分析です。なお、図中に示したVRIOは、それぞれ経済価値、希少性、模倣困難性、組織の英語の頭文字をとったもので、多く該当するほどその経営資源の価値は上がります。


今回は新聞というビジネスの特性上、モノに関する分析よりも、ヒトやブランドに関する分析を慎重に行ったのではないかと想像されます。また、会計的な指標分析(収益性分析、効率性分析、安全性分析など)も当然行っているでしょう。



<リソース分析>『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス分析ツール50』より


また、日経新聞が今回、他にどのような買収先候補を検討していたかは分かりませんが、もし他にも候補があったのであれば、そうした候補先企業についてもリソース分析や指標分析を行い、比較したものと推定されます。


次に、買収金額に関しても1600億円と巨額ですから、その妥当性についてはかなり突っ込んだ分析がされたことでしょう。


企業価値の評価方法には大きく3種類のものがありますが、経済を売りにする日本経済新聞社のことですから、図に示した中では、1番上と2番目の、ファイナンス的な発想をベースにした分析を行ったものと想像されます。



<企業価値評価>『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス分析ツール50』より


この時に重要なのは、単にFT単独の企業価値を求めるのではなく、日経新聞とのシナジーをどのくらい見込んで、付加的にいくらの経済的価値が新たに創出されるかを適切に推定することです。この見極め如何で「安い買い物」にもなりえますし、逆に「高値掴み」にもなりえます。


もちろん、そうしたシナジーを実現するだけのノウハウがあるか否かという意味で、日経新聞社自社の被買収企業のマネジメントノウハウの分析などもある程度は行われたことでしょう。


実際には、これらの分析を全関係者が納得するまで精緻に行うことは難しいものです。それでも案件の重要性に鑑みると、かなりの手間暇をかけてしっかり分析したことは想像に難くありません(もしそうでないとしたら、経済を売り物にする新聞社としては説得力を欠くことになってしまいます)。


■分析力はビジネスパーソンの必須スキル


今回はかなり多数の分析を要する事例を紹介しましたが、意思決定が重要なものになればなるほど、こうした分析は必須のものとなります。正しい意思決定をする上でも、また、組織を巻き込む上でも、分析力はビジネスパーソンにとって非常に重要なスキルなのです。


とは言え、何事にも第一歩があります。まずは基本となるビジネスの分析ツールを知っておかないことには、何もスタートしません。6月に上梓した
『グロービスMBAキーワード 図解 基本ビジネス分析ツール50』
では、実際にビジネスシーンで多用される重要な分析ツールや手法を50個選び、分析例も交えて解説しています。今回ご紹介した分析ツールもそこで解説しています。是非ご参考にしていただければ幸いです。


次回以降は、今回紹介できなかった別の分析ツールについてご紹介していきます。



 

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コメント
 
1. 2016年7月02日 01:10:24 : 6wAZDMaAlo : 7VqpHlRCfLo[6]
洗脳される為に買収。
売国新聞世界一


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