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昭和シェルとの経営統合に”待った”!「海賊と呼ばれた男」の血を引く出光創業一族の思惑(現代ビジネス)
http://www.asyura2.com/16/hasan110/msg/562.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 7 月 05 日 09:38:06: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

昭和シェルとの経営統合に”待った”!「海賊と呼ばれた男」の血を引く出光創業一族の思惑
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49085
2016年07月05日(火) 町田 徹「ニュースの深層」 現代ビジネス


■30年来の国策に暗雲

1年半越しの交渉の末にようやく合意に漕ぎ着けた、石油元売り業界2位の出光興産と同5位の昭和シェル石油の経営統合に、にわかに暗雲が垂れ込めてきた。

ショッキングなことに、統合に待ったをかけたのは、歴史経済小説『海賊と呼ばれた男』(百田尚樹著)のモデルにもなった出光佐三氏の血を引く創業者一族である。

石油元売り会社の統合は、30年来の歴史的な国策だ。加えて、今後も需要減少が続くとみられる石油業界にあって、経営統合は各社が避けて通れない選択肢とされる。

それにもかかわらず、出光経営陣が創業者一族の同意を得られなかった背景には、新たな企業統治(ガバナンス)の確立を求められている日本企業に共通の弱点と課題が横たわっている。

石油業界は戦後長らく、政府の規制下に置かれてきた産業の一つだ。中でも「元売り」は、戦後の復興期にあたる1949年4月、輸入基地の運営と配給業務の遂行を引き継がせる狙いで、政府が内外10社を指定したのが始まりという統制色の強い業態である。

出光は、出光佐三氏が1911年(明治44年)に前身の石油販売業者「出光商会」を門司で立ち上げた。日本では、メジャー(国際石油資本)と肩を並べる“民族系”の石油会社だ。1947年には出光の全国29ヵ店が石油配給公団の「販売店」指定を受け、元売りでも制度発足時に第1陣として指定を受けた10社のうちの1社となった。

1980年代半ば以降に実施された2度の規制緩和まで、元売り業界は、旧通商産業省(現経済産業省)の「護送船団行政」の下に置かれた。1951年の民間企業による石油の輸入解禁や1962年の原油の輸入自由化も名ばかりで、元売り各社は限られた外貨の割り当てや石油業法に基づく供給計画による生産調整を強いられた。

■業界は再編ムードなのに

出光が石油の輸入に成功して内外の喝采を浴びた「日章丸事件」は、この時代のできごとだ。当時、出光は、イラン政府の石油国有化宣を受けて、英国海軍が海上封鎖していたアーバーダーン港に、極秘裏にタンカーを派遣。日本への帰港に成功したのである。

2度の石油危機を経て、1980年代後半になると、政府は石油行政の段階的な見直しに着手した。その結果、20社近い会社が乱立していた元売り業界は再編・統合の波に襲われた。

現在、国内の元売り会社は、JX日鉱日石エネルギー、出光、東燃ゼネラル石油グループ(EMGマーケティング、キグナス石油を含む)、コスモ石油、昭和シェル、太陽石油などに集約されている。

こうした統合を後押ししているのが、石油需要の長期的な低迷だ。日本エネルギー経済研究所石油情報センターによると、わが国の石油消費は1999年度に2億4597万キロリットルと過去最高を記録した後、総じて減少を続けている。2009年度以来、2億キロリットルの大台を割り込み、最新統計(2013年度)では1億9352万キロリットルに減少した。

こうした傾向は今後も続く見通しだ。2030年度には1億3300万キロリットルに落ち込むという市場予測もある。石油需要の低迷の背景には、人口減少や経済成長率の低下に伴う消費量の減少、地球温暖化対策による省エネ努力などの要因があげられる。

出光にとっても、石油需要の低迷は看過できない問題だ。石油精製の過剰設備を整理・縮小するのりしろを作るためにも、海外での石油以外の資源開発を強化するためにも、さらには電力・ガスの自由化の機を捉えて国内で異分野に進出するためにも、同業他社との統合は避けて通れない。

■統合は秒読みのはずだったのに…

出光経営陣は、昭和シェルとの経営統合交渉に2年近くの時間を割いてきた。そもそものきっかけは、2014年春に昭和シェルの大株主である英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルが金融機関を通じて、出光に昭和シェル株買収の用意があるか打診したことという。

2014年12月20日付の日本経済新聞が「出光、昭和シェル買収へ交渉」との見出しで、出光が5000億円規模のTOB(株式公開買い付け)を実施して、昭和シェルを子会社化する構想があると報じたことが仇になり、交渉はロングラン化した。

傘下の特約店や従業員が反発、昭和シェルが出光による子会社化に難色を示したのだ。昭和シェルの香藤繁常会長兼経営最高責任者(当時)は2015年3月の株主総会で、株主からの質問に「決定した事実はないが、広く検討はしている」と回答するにとどまった。

そして、両社は2015年7月末、「対等の精神での統合」で大筋合意。出光の月岡隆社長と昭和シェルの亀岡剛社長が都内のホテルで共同会見をした。公正取引委員会の審査待ちとはいえ、統合は秒読み段階に入り、2017年4月に実現する予定になっていた。

ところが、先週火曜日(6月28日)になって、突然、2社の統合に待ったをかけることになりかねない動きが勃発した。出光の定時株主総会で、昭和シェルとの統合を目指す取締役陣を選任する議案に対し、創業家が反対票を投じたのである。

創業家の株式保有比率は、日章興産、出光文化福祉財団、出光美術館などの合計で33.92%。今回は、経営側が取締役陣の選任に必要な過半数の議決をかろうじて確保したものの、近く開かれる予定の臨時株主総会で経営統合の特別決議を可決するのに必要な3分の2以上の確保が難しい状況にあることがはからずも浮き彫りになったのだ。

■創業家の言い分は…

ちなみに、株主総会の場で、創業者の長男で元社長の出光昭介氏らに代わって質問に立ち、経営統合への反対意見を表明したのは、出光家の顧問を長年務めている浜田卓二郎弁護士(元衆院、参院議員)だ。浜田氏は、創業家の資産管理会社である日章興産の代表取締役も兼ねている。

一方の会社は、浜田弁護士が質問することすら把握していなかったらしい。会社としての危機管理が甘く、不都合な情報が経営陣に共有されない仕組みなのかとの疑問が湧く話だ。

新聞報道を総合すると、創業家は、@「大家族主義を掲げてきた出光と違って昭和シェルに労働組合があることや、日章丸事件以来イランと親密な出光と違い昭和シェルがサウジアラムコ(サウジアラビアの国営企業)から出資を得ていることから、社風が違い過ぎること、A出光独自で合理化、販売努力をすべき時期と考えられること、B創業家側が昨年12月以降、数回にわたり、合併に反対する意見書を出したにもかかわらず、会社から明確な回答がなかったこと、――などを理由に、合併に反対しているという。

筆者は真偽を判定する情報を持ち合せていないが、創業家の上げた合併反対理由が本当に憂慮すべき問題だとすれば、出光や昭和シェルの一般株主にとっても聞き捨てにできない話だろう。

経営統合の方式を、当初の子会社化案から合併案に変更したため、新たに出光株を発行して昭和シェル株主に割り当てることになり、創業家の株主権が希薄化しかねないことを問題視しているのではないか、そうした考え方は出光が公開企業であることを顧みない創業家特有のエゴではないか、との批判もある。

ただ、出光経営陣が、現在、最大の課題であるはずの経営統合に関して、大株主の創業家から反対の意思表示を受けている事実を伏せたまま、最高意思決定機関の定時株主総会を乗り切ろうとした点は残念でならない。

経営陣には、総会で議案の提案・質疑に入る前に、業績や経営課題を説明する機会があったはず。その機会に、ステークホルダー(利害関係者)である創業家の賛成を取り付けていない問題も含めて、統合計画の進捗状況を説明し、広く一般株主の理解を得るべきだったのではないだろうか。そうすれば、一般株主から、出光経営陣が秘密主義的な総会運営を志向していると不信に思われることは避けられたはずである。

情報公開に関して、上場企業はいつ、この種のリスクに直面してもおかしくない。そういう場合には、不都合な情報や議論の割れ得る問題についても公開し、堂々と経営のスタンスを表明することによって、すべての株主にわかり易い意思決定を目指すべきだろう。
 

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