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ポケモンGOがうつ患者を世界中で癒やしている理由(ダイヤモンド・オンライン)
http://www.asyura2.com/16/hasan111/msg/127.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 7 月 20 日 09:05:50: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

うつで外出できずに苦しんでいる患者たちを次々に外出させることに成功した「ポケモンGO」。米国ではオバマ大統領の健康促進プログラムの成果を、たった1日で超えたとまで賞賛されている(写真は本文と関係ありません)


ポケモンGOがうつ患者を世界中で癒やしている理由
http://diamond.jp/articles/-/96028
2016年7月20日 渡部 幹 [モナッシュ大学マレーシア校 スクールオブビジネス ニューロビジネス分野 准教授] ダイヤモンド・オンライン


■イスラエル首相もハマった!
 ポケモンGOのすさまじい人気

 本連載「黒い心理学」では、ビジネスパーソンを蝕む「心のダークサイド」がいかにブラックな職場をつくり上げていくか、心理学の研究をベースに解説している。

 このところ、テロやクーデター、都知事選挙など、国内外の重要な政治ニュースが相次いでいる。そういったシリアスなニュースが多い中で、ゲームアプリ「ポケモンGO」の熱狂的人気が世界を賑わせている。

 オーストラリア、ニュージーランド、そして米国でリリースされた本作品のニュースはすでに多くの人が目にしていることだろう。

 すでにヨーロッパの主要国でもリリースされており、アジアではシンガポールでもう使えるらしい。筆者の住むマレーシアでも、若い層を中心に、もう待ちきれないといった様子だ。シンガポール版をハッキングして使う者もあらわれているという(ただし、当然ながら地図にはポケモンは出ないが)。

 日本では今月中のリリースが予定されているようだが、この原稿を書いている時点ではまだのようだ。あまりの人気に米国ではサーバーが不安定になっているため、日本でのリリースにも慎重を期しているのもしれない。

 米国ではリリース1週間で、アプリとしては過去最大のヒットとなり、アクティブユーザー数ではツイッターを軽く抜いた。サーバーが不安定になるわけである。

 ポケモンを求めて、特定の場所に、夜中に人がたくさん集まる現象が多々起きている。その様子が一部ユーチューブ等にアップされているが、皆楽しそうで、まるでお祭り騒ぎだ。

 ポケモンを求めて夜中に人が集まっているのを、ドラッグ売買と勘違いした警官が警戒しつつ聴取にいくと、ポケモンGOのことを教えられ、その場でダウンロード、警官含めて皆で笑顔で写真に納まっている姿がアップされた。

 プロレスラーの勝利インタビューの最中に、タッグを組んでいる相棒レスラーがインタビューそっちのけでスマホ片手にうろうろし、「あっちだ、あっちにいる!」と勝手に廊下を駆け出して、皆苦笑いしている映像や、天気予報を生放送しているカメラの前を、スマホ片手にポケモンを探すキャスターが、カメラのことなどまったく気にせず横切る映像などがひっきりなしに報道され、いかにこの現象が熱狂的かを示している。

 さらにはイスラエルの首相が、自分の執務室に「ニャース」を見つけた映像をアップして「誰か警備員を呼んでくれ」と冗談のツイートをしたりと、要人たちの心もつかんだようだ。

 またポケモンを求めて多くの人が歩き出したのを見て、「オバマ大統領が8年かけてもできなかった肥満解消のための健康促進プログラムをポケモンGOは24時間で成し遂げてしまった」という声も出るくらいだ。

 もちろん、ここまで大規模な社会現象になると、良いことばかりではない。

 ポケモンを探して近所の河原を歩いていたら、偶然死体を見つけてしまったり、ポケモンを探すユーザーを待ち伏せして強盗を働いた者が逮捕されたりといったニュースも目にする。

 最近では、カリフォルニア州の若者2人がポケモン探しに夢中なあまり、15メートルの高さの崖から転落する事故が起きた。運よく2人とも命に別状はなかったが、洒落にならない高さである。

 以上のような問題もあるにはあるが、筆者が注目しているのはポケモンGOの持つ、意図せざる心理学的効果、特にメンタルヘルスへの効果だ。対人不安やうつ病に悩む人々は、米国にも数多くいるが、そういった人々がポケモン欲しさに、自ら積極的に外に出ようとしているのだ。

■ポケモンGOが
 精神疾患を癒す!?

 すでに多くの人がツイートしている。

 米国オレゴン州に住むジェシアンヌさんは、「ポケモンGOは、すでに医者やセラピストが薦めるどんなものよりも、自分のうつに効いている」と語り、オーストラリアに住むララさんは「ポケモンGOはたった1週間で私の病気をものすごくよくしてくれた。ポケモンGOは、うつや不安に悩む私を助けてくれて、外に出してくれたの」と話す。

 米国に住むデヴィッドさんは「本当の話だ。不安やうつに悩む者として、週末のほとんどを外で友人と過ごしたなんて事実は、自分にとっては現実じゃないみたいだ」という。

 このように、精神疾患が原因でこれまで外出できなかった人々が、ポケモンGOをすることで、外に出ることができてきたのだ。もちろん、ポケモンに興味のない精神疾患患者にとっては、このアプリは意味のないものだが、それでも全患者の一部を救うことができるだけで、ポケモンGOの意義は大きいと筆者は思っている。

 すでに米国の心理学者や精神医学者が、メディアのインタビューの中で、ポケモンGOが、精神疾患患者に対して「意図せぬポジティブな効果」を持っているという意見を表明している。

 ポケモンGOがうつや社会不安障害に悩む人々のとって有効なのは、ポケモンをゲットするために外に出る、ということだけではない。いくつかほかに要素がある。

 そのうちのひとつは、ポケモンを育てるためには、2kmから10kmのウォーキングが必要なことだ。

 もちろん家の中を歩いてもいいが、歩くこと自体に意味がある。それは歩くことで、うつと関連性が深い脳内ホルモンであるセロトニンの分泌が促されるからだ。セロトニンは、不安を低減し、心の安定をもたらす作用がある。うつや不安患者には、脳内でのセロトニンの分泌や摂取に問題がある場合が多い。そのセロトニンの体内での分泌を促すのに効果的なのは、規則的で苦痛が伴わない有酸素運動なのである。このため軽いダンスやウォーキングなどが推奨される。

 余談だが、ネット上ではこれをやりたくないユーザーが、プラレールの上にスマホを載せて動かしたり、ドローンを使ったりして、「動かずに動く知恵」を働かせている様が面白おかしく紹介されている。歩きたくない人の代わりに歩く「代行歩行屋」まで現れる始末だ。

 話が逸れたが、セロトニンの分泌のために重要なのは「苦痛を伴わない」という点だ。イヤイヤ歩いていたのでは、セロトニンは分泌されない。だが「ポケモンを育てる楽しみ」があれば、よりセロトニンが分泌されるかもしれない。

 このため、ポケモンGOをプレイしていたら、いつの間にか外でたくさん歩いていた、という行動は、うつや社会不安に悩む者にとって、それらを克服するために最も必要な行動ということになる。むろん、ダイエットや運動不足にもよい。その意味で、筆者はこのゲームのもたらす「意図せざる効果」に驚いているのだ。

 通常、うつや不安に悩む人への対処は、「不安を取り除く」ことがメインとなる。何が不安の原因かを、カウンセリングにより探り、効果的なセラピーを選択していく。筆者がポケモンGOに衝撃を受けたのは、それとは違うやり方で人々を外に出したからだ。それは「不安を取り除いて人々を外に出す」のではなく「もっとすごい興奮(ポケモン狩り)を提供して人々を出す」というものだ。このことは、学問的にみると、実に画期的なことだと思っている。

■うつに効く脳内物質を
 次々に出させる驚きの仕掛け

 かなり乱暴に言えば、不安を取り除くセロトニンではなく、むしろ最初のきっかけは「興奮」をもたらすドーパミンを使う感じだ。外に出る最初のきっかけは、安心ではなく興奮のほうが、効果が高いのかもしない。

 だが、基本的にドーパミンの効果は一時的でしかない。例えば覚せい剤は強力にドーパミン系を刺激して、ものすごい興奮が得られる薬だが、それが切れたときには、かえってうつになりやすく、ひどい禁断症状が出ることは、知識としてご存じの方も多いだろう。このように、ドーパミンは一時的には作用するが、それがなくなったときの反動が大きい。

 もしポケモンGOが本当にうつや社会不安障害に効くならば、それはドーパミンだけではなくて、やはりセロトニン系をも刺激するものでなくてはならない。上記のポケモンを育てる強制(だが強制と思わない)歩行は、セロトニン系を刺激する大変良い仕掛けだと思っている。

 メンタルヘルスケアとしてポケモンGOが優れているもう一つの理由がある。

 米国フロリダ州に住むナオミさんは「ポケモンGOは、自分の社会不安を癒やしてくれるかもしれない。会った人は皆すごく親切だった。最初に自分が思っていたほどには、他人は怖くないのかもしれない」とツイートした。

 他人と会うことが怖いのは社会不安の典型症状だが、ポケモンGOには、そういった人々の対人恐怖を取り除くことができる可能性がある。皆おなじ目的のために集まって、和気あいあいとポケモン話に花を咲かせる。さらにジムと呼ばれる場所での集まりや、今後搭載される「ポケモン交換機能」は、ますます人々同士の親密なコミュニケーションを引き出すことになるだろう。

 他者との良い関係は、社会不安やうつにとって最も重要な「薬」である。それはセロトニンばかりでなく、愛情ホルモンや信頼ホルモンと呼ばれる脳内物質、「オキシトシン」の分泌も促すのだ。

 脳内物質でみれば、ポケモン欲しさに外に出るのはドーパミン系の力。その後のウォーキングでセロトニン系が働き、同じユーザー同士の良い関係でセロトニン+オキシトシン分泌を促進するのがポケモンGOの仕組み、となる。

 専門的には、こういった脳内物質だけで、人間の社会性すべてをコントロールできるわけではもちろんない。だが少なくともポケモンGOはこれまで様々な医療ができなかったことを、やっている。それも世界規模でだ。その意味で、メンタルヘルスケアに関わるものとして、この現象は注目すべきだと感じている。

 そして、当の患者さん自身がその効果を実感しているのだ。

 米国に住むシェップさんはこうツイートしている。「何年もうつ症状で悩んでいたけど、ポケモンGOはついに私に、部屋を出たい、人と触れ合いたいと思わせたの。大好きよ、このゲーム」。彼女だけではない、世界中の多くの同じ悩みを持つ人々がポケモンGOへの感謝をツイートしている。

 日本での公開が楽しみである。


 

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