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あとは「黒田砲」の発射待ち!日銀が「金融政策限界論」を打ち破らなければ「円高・株安」は止まらない 政府の経済対策は28兆
http://www.asyura2.com/16/hasan111/msg/365.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 7 月 28 日 08:48:20: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

             日銀による追加緩和の期待が高まるが、果たして…〔PHOTO〕gettyimages


あとは「黒田砲」の発射待ち!日銀が「金融政策限界論」を打ち破らなければ「円高・株安」は止まらない 政府の経済対策は28兆円超
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49299
2016年07月28日(木) 安達 誠司「講座:ビジネスに役立つ世界経済」 現代ビジネス


■米国のマネタリーベースは減少中だが

7月26、27日に米国でFOMC(連邦公開市場委員会)、続く、28、29日には、日本で日銀の金融政策決定会合が開催される。

現時点で、今回のFOMCはほとんどマーケットの話題になっていない。そのため、FOMCで利上げが決定される可能性はそれほど高くないようにも思える(当コラムが掲載される頃にはFOMCの結果は公表されている)。

だが、@イギリスのEU離脱が米国経済に与える影響はそれほど大きくないという考え方が浸透してきたこと、A米国経済自体もそれほど大きな減速感がないこと、等から、FRBが7月にいきなり利上げを実施する可能性は低いものの、9月利上げに向かって「地ならし」を始める可能性は否定できない。

また、「出口政策」の局面に入ったFRBは、マーケットにネガティブなサプライズを与えることは避け、「市場との対話」を通じて株価のソフトランディングを試みると思われる。従って、8月以降、(ジャクソンホールでのカンファレンスも含め)今後の利上げのスケジュール感に関してマーケットに何らかのメッセージを出してくるのではないだろうか。

それよりも、筆者が気になるのが、米国のマネタリーベースの動向だ。当コラムでも再三指摘しているが、リーマンショック以降の米国のマネタリーベースは、米国株価の先行指標になっている(平均して1ヶ月程度、株価指数に先行している)。

その米国のマネタリーベースだが、昨年12月に実施された利上げ直前の11月半ば以降、残高が急減した。そして、利上げ実施直後も減少は続き、今年の1月6日時点では昨年9月16日時点のピーク4.17兆ドルから3.65兆ドルへ約3ヶ月強で12.5%減少した。その後、米国だけではなく、世界の株式市場が大きな調整局面を迎えたことは記憶に新しい。

その後、FRBはマネタリーベース残高を再び拡大させた。そして、概ね2014年以降の平均残高である約4兆ドルの水準を維持させてきたが、5月以降、米国のマネタリーベースは再び、減少基調に転じた。そして、7月6日には、1月6日以来では最低水準となる3.74兆ドルまで残高を減少させている。

足元(7月20日時点)では、3.81兆ドルと多少戻したが、マネタリーベースの残高は緩やかな減少基調で推移している。昨年12月の利上げ前のマネタリーベース残高の動きを考え合わせると、もし、FRBが9月の利上げを考えているとすれば、今後、マネタリーベースはさらに減少する可能性があるため注意が必要である。

■「量の拡大」を実施すべき

一方、日本の方だが、参院選で大勝した安倍政権が大型の経済対策を打ち出すタイミングでもあり、それにあわせる形で、今回の金融政策決定会合において、日銀が何らかの追加緩和を発表するとの期待が高まっている。

27日の某新聞では、複数の追加緩和の手段について正副総裁で話し合いがもたれ、今回の政策決定会合でも検討される旨の報道がなされた。

この内容が、経済対策の規模や内容に対する失望による円高株安の流れを食い止めるために意図的にリークされたものなのか、マーケットの反応を実験的に観察する「観測気球」的なものなのか、はたまた、純粋なリーク記事なのかは定かではない。

だが、これによって、マーケット参加者は再び大規模な追加緩和を期待し、株価や為替レートがそれを織り込みに行く可能性があるため、逆に今回の金融政策に対する期待値を上げ過ぎる懸念がある。もし、そうであれば、たとえ追加緩和を決めたとしても、その内容次第では、金曜日のアナウンスメントと同時に円高・株安が進むリスクは排除できない。

ちなみに、筆者は、これまでの円高の流れを断ち切るために、「量の拡大」を実施すべきだと考えている。それは、2月以降の円高進行の理由の一つとして、「日銀のQQE(量的質的緩和)政策が持続不可能である」という「金融政策限界論」がマーケットで流布されていると考えるためだ。

QQE政策の枠組みでは、日銀は、流通量の多い新発国債を国債買いオペの対象としている。だが、新発国債は、毎年度の財政計画に依存しており、年末に策定される国債発行計画で買い入れ総額が制約されているという見方がコンセンサスになっている。

そのため、現状の国債発行計画における新発国債発行額では、「年間80兆円」ペースを上回るマネタリーベース拡大は難しく、そのため、1月末の追加緩和ではマイナス金利政策が導入されたのではないか、というのがマーケット参加者(特に海外投資家)の間の共通認識である。

しかも、マイナス金利(現行は-0.1%)は、無限に拡大はできない。欧州諸国の例を考えるとせいぜい-0.5%が限界であろう。そのように考えれば、マイナス金利を導入しても、「日銀の金融政策は限界を迎えつつある」という「ストーリー」は不変だというマーケット参加者の見方に変わりはない。となると、マイナス金利政策実施以降、円買いは合理的な通貨投資戦略であったと考えられる。

従って、円高の流れを断ち切るためには、日銀がQQEを再開させ、マネタリーベースの増加ペースを加速させ、「金融政策限界論」を打ち破る必要がある。だが、3、4、6月と、日銀は追加緩和を見送った。これが、「日銀の金融政策は限界が近い」というマーケット参加者の見通しを強化させ、さらに円高が進行したというのがこれまでのドル円レートの流れであったと推測される。

■28兆円超の経済対策

ところで、短期間であったが、参院選直後から先週までの一時的な円安の流れを作ったのは、経済対策として「建設国債が追加発行される」見通しが発表されたことであったと考える。

これは、金融政策の面では、日銀の国債買いオペの余地が高まったことを意味している。これまでの円高ストーリーが、「日銀はこれ以上、国債買いオペを増額してマネタリーベースを増やすことができない」というものであったため、建設国債の追加発行の期待は、このストーリーの再考を迫るものになったのではないか。

すなわち、国債増発を伴う財政拡大が、同時に日銀によるQQE再開(国債買いオペ増額によるマネタリーベースの拡大ペースの加速)を伴うことで、一転、デフレ解消が加速する可能性が出てきた、というのが、参院選後の円安の大きな理由であろう。

つまり、マーケットでは、建設国債の追加発行額と日銀による追加緩和の規模がリンクしており、これが「ヘリコプター・マネー」期待につながっている(ただし、これは、今後の追加緩和が新発国債の増発額に依存しているという意味で「金融政策限界論」が生きていることを意味するのだが)。

7月27日に安倍首相が福岡で行った講演では、政府が新たにまとめる経済対策の事業規模が28兆円超となる見込みである。この事業規模は過去と比較しても大型経済対策の部類に入るが、追加の財政支出(いわゆる「真水」)は国・地方計で13兆円程度になるとしている。

いずれにせよ、講演会での発言ということでその詳細は不明であるため、日銀の追加緩和を考える際に重要な情報となりうる建設国債の増発額がいくらになるかも不明である。

また、28兆円超の事業規模が、補正予算だけなのか、それとも、26日の発表のように、来年度の当初予算も含んだものなのかも不明である。従って、27日の円や株高は期待先行の色合いが強く、29日の日銀の決定会合の内容次第では、「材料出尽くし」で、午後から売りが先行して下げる可能性も排除できない。

建設国債の追加発行額にも依存するし、場合によっては、財投債の買いオペを日銀が新たに導入するか否かにもかかっているが、現段階では、「日銀のQQE復活」ストーリーは描きにくい状況である点に、注意が必要であろう。

■QQEの拡大は実現するか

以上を踏まえると、今回の金融政策決定会合は、マーケット環境を好転させるような大きなインパクトをもたらす追加緩和策を出す必要に迫られている。そして、それは、これまでとは異なる枠組みでQQEの拡大が実現させることを意味するのではなかろうか。

米国では、2012年9月に始まったQE3が景気回復に寄与したと考えられるが、米国のQE3は、国債ではなく、MBS(住宅ローン担保証券)の購入がメインであった。

現在、日本の国債のイールドカーブはかなりフラット化しているため、マイナス金利政策を導入しているとはいえ、国債買い入れの効果は乏しくなっているという見方もできる。残念ながら、日本は米国ほどMBS残高がないため、MBSに代わる資産の買い入れの方が効果があるだろう。その意味では、株式の購入の効果が大きいと考える。

だが、ETFは組成ペースが日銀の買い取りペースに追いつかない可能性が高いため、日銀が日経平均やTOPIX、JPX400を再現するようなバスケット取引を行うことで、米国でのQE3に似たような効果を出すスキームを作ることができないだろうか(何か技術的な問題点があるのかもしれないが)。

逆に、追加緩和といっても、その手段がマイナス金利の拡大(現行の-0.1%を-0.2%にする)であれば、マーケットに近視眼的なその場しのぎの対応という誤解を与えかねない。それをやるくらいであれば、経済対策の規模の上乗せに伴う国債の追加発行の規模感や為替レートの変化、米国利上げ等の動向などを見極めながら、追加緩和の時期を慎重に議論するほうがよいとも思う。

とにかく、29日には、マーケットをいい意味で驚かせるような画期的な追加緩和スキームが発表されることを望むばかりだ。


 

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コメント
 
1. 2016年7月29日 00:36:04 : MBTn4mCYpU : vr0DvNHnV9c[2]
FRBは反則金利がお好きで利上げ回避だ。
反則金利がリーマンショックを呼び込む。
追加も、ヘリマネも反則金利の原資だ。
ヘリマネ大砲で、わざわざリーマンショックを呼び込むことはない。
ヘリマネも緩和も黒田も既に廃棄処分の時である。


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