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大手家電量販店と互角に張り合う、街の小さな電器屋さんがあった!スゴい「裏サービス」?(Business Journal)
http://www.asyura2.com/16/hasan111/msg/444.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 7 月 31 日 00:30:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

                「でんかのヤマグチ HP」より


大手家電量販店と互角に張り合う、街の小さな電器屋さんがあった!スゴい「裏サービス」?
http://biz-journal.jp/2016/07/post_16103.html
2016.07.31 文=小野貴史/経済ジャーナリスト Business Journal


 数年前から、郵便局、コンビニエンスストア、新聞販売店などが自治体の要請を受けて、高齢者世帯の見守り活動や生活支援に関与するようになった。地域包括支援センターや民生委員だけではカバーできず、自治体は事業者のフットワークに頼らざるをえなくなったのだ。

 高齢化の急速な進行によるこうした動きを、以前から先取りしていた企業がある。家電販売店「でんかのヤマグチ」を運営するヤマグチ(東京都町田市)社長の山口勉氏は20年も前に、無償の生活支援を実行に移した。町田市と旧相模原市の高齢者世帯の間では「遠くの家族よりも、近くのヤマグチ」と評判が立っているという。2012年度には経済産業省から「おもてなし経営企業」に選定された。

 行政とはかかわらずに、独自の路線で取り組んできたことがブレを発生させず、しかも政治的な思惑にも影響されなかったことが、確かな信頼を獲得できた要因である。これは山口氏の姿勢に由来する。長年にわたる同社の実績や、過去4年だけでもテレビ番組で28回も取り上げられたゆえの知名度から、山口氏には経営者団体や行政関連団体など公職への就任要請が相次いだ。しかし、山口氏はそのすべてを断ってきた。

「世の中には、公職の肩書きを経歴にいろいろと並べる人もいますよね」

 山口氏はそれ以上を口にしない。そんな同氏が実直に経営に徹し続けた結果、ヤマグチは今年9月期決算で20期連続の黒字を達成する見通しだ。店舗は町田駅から車で7〜8分のロードサイドに1店舗のみ。1階の家電売場には、エアコン、冷蔵庫、電子レンジ、テレビなど生活家電を中心にパナソニック製品が品揃えされ、パソコンやスマートフォンは陳列されていない。

 2階は売上高の2割を占めるリフォームのショールームになっている。陣容は正社員37人・パートタイマー10人で、売上高は10億円弱だが、目を引くのは粗利益率である。40%を出し続けている。

 なぜ、これだけの数字を出せるのか。それは、粗利益率を高めなければならない事情があったからだ。

■「利は売価にあり」

 話は20年前にさかのぼる。当時の粗利益率は業界平均の25%だった。ところが大型家電量販店が町田市にも進出し、同店と町田駅までの約1.5キロメートルのエリアに6店舗がオープンする。量販店と同じ安売り商法の土俵に乗ったら駆逐されてしまうが、販売量が侵食される事態を想定すれば、粗利益率を高める以外にない。そう判断して、向こう10年で25%から35%に高める目標を定めたところ、8年で35.8%にまで向上した。

 営業社員22人の評価対象も、売り上げではなく粗利益額である。毎日、前日の担当者別営業実績がイントラネットで社内に開示されるが、表示されるのは粗利益額だ。経営計画も売上計画を策定せず、粗利益計画を策定している。安売り商法の回避を仕組み化し、体質にまで浸透させたことが、8年での目標超えを導いたといえよう。

 山口氏の持論は「利は売価にあり」である。小規模の単独店だから、仕入れでバイイングパワーを発揮できず「利は元にあり」を実践できない。粗利益率35%を確保できる売価の設定を目指したのだが、それでも集客力を強化するには、相応の付加サービスが必須である。

 同社はパナソニック専売店だが、全メーカーの修理相談を受け付け、さらに壁スイッチ、電球交換など、規模の小さな工事や修理・交換にも対応している。いわば御用聞きサービスで、「これは家電販売店としては当然のことです」(山口氏)。量販店より10%以上高くても売り上げを持続できる要因は、御用聞きサービスに加えて「裏サービス」と呼ぶ生活支援サービスの提供にある。

 同社は過去5年以内に購入した客を「会員」としてデータベース化し、顧客数は常時8200〜8300世帯に及ぶ。多くが70歳以上の高齢者世帯で、22人の営業社員が担当制でカバーしている。これらの世帯に提供する裏サービスは、例えば買物代行、留守番代行、花への水やり、ゴミ捨て。昨今は、便利屋ビジネスとしてチェーン展開する企業が台頭し、厚生労働省は「公的介護保険外の自費サービス」として、生活支援ビジネスの普及を推進している。だが、同社のサービスはすべて無償だ。

「昔の日本人の生活では、困ったことがあれば隣の家同士で助け合いました。それと同じことをやっているのです。高齢者など社会的な弱者を支えることは、人として当然のことだと思います」(山口氏)

■チップを渡す人も

 山口氏はさりげなく話すが、単純な疑問が浮かんでくる。無償でサービスを提供した顧客は、どれだけリピーターになってくれるのだろうか。
「裏サービスを提供した方の2〜3割は、新たな買物をする時には量販店に行っています。うちにとって営業上は裏切られたという見方もできますが、社員には『我慢しろ』と言っています」(同)

 その一方で、営業社員にチップを手渡す顧客も少なくないという。例えば購入した冷蔵庫の搬入で顧客宅を訪問した際に、古い冷蔵庫を置いていた床と壁が汚れていれば、社員は拭き掃除をして磨いてあげる。その気遣いと労力を目の当たりにした顧客には、チップを渡す人もいるのだ。とくに裏サービスに対しては、無償であるだけに謝意を示すのは自然な行為だろう。

 チップの金額は1000円から1万円の間が多いが、なかには3万円を渡された例もある。同社の場合、チップは全額本人の懐に入るが、必ず報告させ、山口氏がその都度礼状を書いている。ところが、これが思わぬ波紋を呼んだ。税務調査でチップ専用の帳票が指摘され、「チップは所得」と処置されたのである。暗黙の了解として水面下で処理される金でも、書面に記録された以上は、税務署も看過できない。

 課税分は全額を会社が払い、今年からルールを設けた。チップを各自の給与に計上して、課税分も各自から天引きする方式を設けたのだ。これならスッキリする。

■商圏を深堀し続ける

 取材当日、店舗前の駐車場で会員を対象とした「かつお祭り」が開かれていた。かつおの刺身やたたきを無料で振る舞っていたが、たんなるイベントではない。イベントの案内チラシはダイレクトメールで送付され、会員はチラシに氏名と担当社員名を記入して持参する。すると担当社員に連絡が入り、その場に駆けつけて接遇しながら、店内に案内して商品説明などを行なっている。

 こうして商圏を深堀し続ける同社にとって、顧客の老齢化による購買力の低下は懸念材料ではないだろうか。だが、山口氏に尋ねると、実態はそうではないという。

「70歳を過ぎた方は子供に貯金を残さず、テレビやエアコンを買い換えたり、キッチンをリフォームしたりするなど積極的に消費に回す傾向にあります。また、家電のデジタル化が進んで操作が複雑になったことで、新たな顧客層が生まれています。今までは量販店で買って自分で設置や修理をしていた方が、ある程度の年齢になるとギブアップして、うちに来るようになったのです」(同)

 20年前に同社の経営方針を一変させた6店の量販店は、その後、安売り商法に疲弊して3店が閉店した。山口氏は20年前から量販店のチラシを一切見ないし、量販店にも入っていない。

「いろいろなヒントがあるのでしょうが、量販店に行くと、向こうの土俵に引きずられそうな気がするのです」(同)

 経営を極めるには、ここまで徹底することが必要なのかもしれない。

(文=小野貴史/経済ジャーナリスト)

 

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