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米国経済指標の鈍化傾向に注意  とれんど捕物帳 ひと安心かもしれないが果たして?
http://www.asyura2.com/16/hasan111/msg/622.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 8 月 06 日 12:59:41: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

2016年08月05日
第20回 米国経済指標の鈍化傾向に注意

【ズバリ!江守哲の米国市場の"いま"】

米国経済指標にやや陰りが見え始めています。先週末に発表された第2四半期(4〜6月)の実質GDPは年率換算で前期比1.2%増となりました。数字自体は大きく落ち込んだわけではないのですが、市場予想を下回ったことや、最近の数値が低迷していることもあり、景気の鈍化が懸念されています。これを受けて、米連邦準備理事会(FRB)が利上げに対して慎重姿勢を強めるのではないかとの思惑から、ドルが対主要通貨で大きく下落しました。これまで比較的堅調な指標が多かっただけに、市場の見方がややネガティブになりつつあるように感じます。これを受けて、ニューヨーク連銀のダドリー総裁は「米国経済へのリスクが残る」と指摘した上で、「FRBは利上げを慎重に検討すべき」とし、年内利上げの可能性が低いとの認識を示しました。また「年内の政策引き締めを排除するのは時期尚早」としつつも、英国のEU離脱決定の影響やドル高を踏まえると、ネガティブなショックがポジティブなものよりも大きいとしています。ただし、景気や労働市場が急速に改善した場合には、11月の大統領選挙の前でも利上げを行う可能性を示唆しました。結局のところ、イエレンFRB議長が繰り返すように、「利上げの判断は景気動向次第」であり、景気回復が緩やかであれば、FRBの対応もゆっくりとしたものになりそうです。
一方、ダラス地区連銀のカプラン総裁は弱いGDP統計を受けて、「ひとつの経済指標に過度に反応することがあってはならない」との考えを示し、9月の次回連邦公開市場委員会(FOMC)までにGDPの勢い、労働市場の改善、インフレ率の進展などに関する情報に注視し続けるとしています。またアトランタ地区連銀のロックハート総裁も、「9月のFOMCで利上げに踏み切る可能性を除外することは時期尚早」としています。地区連銀総裁やFRB理事は、米国内のこれまでの堅調な経済指標や過熱しているとみられる商業用不動産価格などの抑制のため、できれば利上げをしたいと考えています。彼らは米国内の状況を重視したうえで、利上げのタイミングを模索しています。しかし、イエレン議長やフィッシャーFRB副総裁、前述のダドリーNY連銀総裁などは、海外情勢を注視しており、海外市場が不安定になった場合、米国の事情だけで利上げは出来ないとのスタンスです。いずれにしても、利上げのタイミングについては、判断が非常に難しくなっているといえます。
今週に入ってからは、米国経済指標の鈍化がさらに多く見られます。製造業受注額は相変わらず軟調です。また7月のISM製造業景況指数は52.6と、前月の53.2から低下し、ISM非製造業景況指数も55.5と、前月の56.5から低下しました。さらに非製造業の内訳をみると、新規受注が60.3と前月の59.9から低下し、雇用も51.4と前月の52.7から低下しています。ちなみに、製造業指数と非製造業指数を3対7の割合で複合し、前年比で比較すると、米国株の動きに非常に似た推移になっています。2009年以降の相関係数は0.74と高く、株価の先行指標ともいえます。ちなみに、この関係から導き出される米国株の理論値は、現行の水準の8%程度下の水準になります。つまり、今年3月初めごろの水準で、ダウ平均株価に当てはめるとおおむね16,850ドル程度になります。この点からも、8月は米国株の調整の可能性を念頭に入れておきたいところです。8月相場がやや波乱含みとなれば、9月利上げは見送られることになりそうです。

http://lounge.monex.co.jp/pro/special1/20160805_emori_graph01.JPG 
江守 哲
エモリキャピタルマネジメント株式会社・代表取締役
大手商社、外資系企業、投資顧問会社等を経て独立。コモディティ市場経験は25年超。現在は運用業務に加え、為替・株式・コモディティ市場に関する情報提供・講演などを行っている。
著書に「LME(ロンドン金属取引所)入門」(総合法令出版)など
共著に「コモディティ市場と投資戦略」(勁草書房)
前の記事:第116回 窓について(下落パターン) その93 【福永博之の今さら聞けないテクニカル分析講座】 −2016年08月02日
http://lounge.monex.co.jp/pro/special1/2016/08/05.html 


 
とれんど捕物帳 ひと安心かもしれないが果たして?


配信日時 2016年8月6日(土)09:35:00 掲載日時 2016年8月6日(土)09:45:00
 さぞかし週末の米雇用統計にひと安心という方も少なくなかったであろう。失業率こそ予想より高かったものの、非農業部門雇用者数(NFP)は25.5万人増となりベンチマークである20万人を2ヵ月連続で上回った。前回分も上方修正され、春先の弱いデータを完全に払拭している。平均賃金も上昇傾向をしっかり維持しており、現状であれば満点と思われる。

 市場も年内利上げ期待を高めたが、9月利上げとなると、まだそこまでは強気にはなれない。米雇用統計に隠れてしまった感があるが、同時刻に6月の米貿易収支が発表になり、3ヵ月連続の赤字拡大となっている。これを受けて第2四半期のGDPは下方修正される可能性も出てきた。速報値は前期比年率換算で1.2%だったが、もしかすると、1%を下回る可能性も指摘されている。雇用は力強いが、低成長では利上げは難しいものと思われる。せめてFRBの長期見通しである2.0%を超えた水準は見たいところではあろう。

 その他、米経済への気掛かりな点として、自動車と住宅が挙げられる。週初に発表された7月の米自動車販売はトータルでは強い内容だったが、フォードとGMが予想を下回っていた。フォードは先日の決算発表で下期に弱気な見方を示し、通期目標を達成できない恐れがあると警告している。米自動車販売は7月こそ強い内容ではあったが、昨年後半から鈍化傾向も見せ始めており、かねてから観測が伝わっている2009年以来の回復基調が一旦ピークを迎えつつあるとの警戒感を再度強めている。

 そして、米住宅市場だが、確かに足元は強く、先月発表になっていた住宅関連指標も強い内容が相次いでいた。しかし、指標の一部からは需要の鈍化傾向を示す数字も出始めている。住宅ローンの申請件数が7月中旬以降伸び悩む動きが続いており、住宅建設も高水準ではあるが、春以降、やや頭打ちの傾向も見られる。大半の需要は既に満たされており、今後は限定的な伸びに留まるだろうとの指摘も聞かれる。一部の都市では家賃の値上がりが鈍化し始め、空室率も徐々に上がっているという指摘もエコノミストからは出ていた。

 雇用回復傾向が続いており、先週の米GDPでも米個人消費だけは力強さを堅持していた。ただ、米小売売上高に占める自動車関連の割合は20%を占め、約13%の食品を凌ぐ。言わずもがな、住宅市場は経済のマクロ経済の源泉だ。自動車と住宅の鈍化が鮮明になるようであれば、さすがの米経済も力強さを堅持できないであろう。その意味でも今後、動向を注視したいところではある。

 なお、個人的な見解での次の米利上げの確率は、9月を10%、12月を40%と先週と変わらずとしたい。年内の利上げの可能性はまだ十分にあるとの見解は維持する。

 少し日銀について触れておきたい。市場では先日の日銀決定会合以降、様々な思惑が市場に広がっている。先日の黒田総裁の会見での「次回9月の決定会合で、今の金融緩和策を総括的に検証」との言及に解釈が錯綜している模様。

 筆者はだいぶ前からだが、日銀限界説を唱える向きが増えつつある。日銀は緩和を縮小するのではとの憶測まで出ているようだ。今週は岩田副総裁の講演が伝わっていたが、ドル円は一喜一憂している。円高志向のファンド勢も再び増えつつあるようだ。

 しかし現実的に、たとえ限界が来ているとしても、日銀が緩和政策を止めるという選択肢はないと思われる。唯一景気が好調とも言われている米国も、このところ先行き不透明感も見られる。欧州、そして、中国をはじめとした新興国はもちろんだ。そのような中、ここで日銀が緩和政策を止めたら日本が世界不況のトリガーを引く可能性も皆無とは言えない。限界だから止めるという選択肢はない。

 ただ、2%のインフレ目標はなかなか厳しそうだ。原油がWTIで50ドル付近を維持していれば、年終盤には前年比で物価にプラスに寄与する可能性もあるが、現状は再び下値模索を見せ始めており、何とも言えない状況だ。そもそも、原油高でインフレ目標達成というのも変ではあるが。

 ふと思い起こせば、白川前日銀総裁が政治的圧力に追い込まれ、インフレ目標めいたものを打ち出してきたことがあった。それが1%であったことから、当時野党だった自民党をはじめ、それに近いエコノミストや評論家といった、金融政策はハト派志向だが、雰囲気はバリバリのタカ派な人たちから、「やる気が感じられない!気合が入っていない!」などと罵倒さていたことを思い起こす。どちらかと言えば学者肌の前総裁にとっては、さぞかし懊悩する日々であったでろう。ただ、いま思えば、適切な設定だったのかもしれない。

 そんなことはさて置き来週だが、強い米雇用統計ではあったが、ドル円の上げは限定的と思われる。8月ということもあり、夏休みで市場参加者も徐々に少なくなって行くであろう。予想レンジとしては、ドル円は100.00〜103.00を想定する。

 ユーロドルは200日線を上放れし、テクニカル的には反転の兆しも見せているが、そうは続かないと見ている。ただ、下押し圧力もさほど小さいであろう。想定レンジは1.1000〜1.1250と狭い範囲でのレンジ相場を想定する。

()は前週
◆ドル円(USD/JPY) 
中期 中立継続
短期 ↓↓(↓)

◆ユーロ円(EUR/JPY)
中期 中立継続
短期 ↓↓(→)

◆ポンド円(GBP/JPY)
中期 中立継続
短期 ↓↓(→)

◆豪ドル円(AUD/JPY)
中期 上げトレンド継続
短期 ↓↓↓(↓)

◆ユーロドル(EUR/USD)
中期 中立継続
短期 ↑↑(↑)

◆ポンドドル(GBP/USD)
中期 下から中立へトレンド変化
短期 →(→)

みんかぶ「Klug」 野沢卓美
http://klug-fx.jp/fxnews/detail.php?id=325372
 

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