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総括検証で日銀「マッチポンプ」化の恐れ 街角景気16カ月ぶり上昇 ドル上昇102円台 債券幻想崩壊 豪AAAにリスク
http://www.asyura2.com/16/hasan111/msg/661.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 8 月 08 日 15:44:55: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

コラム:
総括検証で日銀「マッチポンプ」化の恐れ

上野泰也みずほ証券 チーフマーケットエコノミスト
[東京 8日] - 事業規模28兆円超の経済対策が閣議決定された8月2日の金融市場は、大荒れの展開になった。債券相場が急落したほか、日経平均株価は前日比200円を超える下げ幅。ドル円相場は欧米市場で100円台後半まで円高ドル安に動いた。

むろん、この円高進行の背景には、日本の政策動向だけではなく、米4―6月期国内総生産(GDP)の予想比大幅下振れによる年内の米追加利上げ観測後退という別の材料もあった。だが、外形的には、「アベノミクス再加速」を目指した政策行動に対して、市場は厳しい反応をした。

政府内にはおそらく、市場の動きが厳しいものになった原因を、経済対策の「真水」が大きくなかったことだけでなく、日銀が前週末7月29日の金融政策決定会合で「量」の追加緩和に動かなかったこと、すなわち補正予算における建設国債の増発とタイアップする姿勢を見せて市場の「ヘリコプターマネー」の思惑を刺激するのを避けたことに求める向きもいるだろう。そうした政府と日銀の姿勢のずれが市場を動かした面は、確かにある。

日銀の決定内容と、9月の金融政策決定会合で行われることになった異次元緩和の効果などに関する「総括的な検証」への警戒感から、債券市場は一気に不安定化し、長期金利は急上昇した。株式市場の一部では、債券相場大幅下落とボラティリティ急上昇によるリスクテイク能力の低下が2日午後の株の下落幅拡大に結び付いたという声も出ていた。さらに、円金利上昇は為替の世界では円買いの材料である。

<円高・株安の火消しへ追加緩和の悪循環も>

日銀の事務方は現在、「総括的な検証」に向けた準備作業を行っているとみられる。市場では、この検証の結果についてさまざまな予想がなされているが、比較的多く見受けられるのが、以下の2つの見方だ。

1)「量」の数字(年間約80兆円という長期国債保有残高の増加ペース)を将来の「札割れ」にあらかじめ備える狙いから、例えば「70―90兆円」といったレンジに書き換えることで柔軟化させる。

2)マイナス金利の深掘りをする一方で超長期ゾーンの国債買い入れを減額することによりイールドカーブをスティープ化させて、長期金利の上昇幅はある程度抑制しつつ、長短金利差が基本である銀行収益への悪影響を緩和する。

将来に備えた異次元緩和の枠組みの部分的・テクニカルな修正としては、1点目はいかにも日銀が考えそうなことである。また、2点目は、日銀の思い描いた通りに債券のイールドカーブがうまく軟着陸してくれるようであれば、民間金融界と日銀の間で広がったように見える「溝」の修復に、ある程度まで寄与するかもしれない。

だが、そう話がうまく運ぶだろうか。筆者には疑問である。

債券市場では、日銀が7月の会合で「量」「金利」の追加緩和を行わず、同時に「検証」を行うと言い出したことによって、一種の疑心暗鬼が深く根付いてしまったように見える。

黒田東彦日銀総裁は、麻生太郎財務相と会談した後の8月2日の記者会見で、「検証」を経て金融緩和は縮小に向かうのではないかと尋ねられた際に、「いまおっしゃったようなことにはならないと思う」と返答した。

また、岩田規久男日銀副総裁は4日の記者会見で、「金融政策の緩和の程度を緩めるというようなことは、もともとあり得ない」「量を減らすとか、質を減らすとかいう、金融をむしろ引き締める方向ということは考えられない」と述べた。だが、いずれについても債券相場の反応は限定的で、いったん根付いた疑念を払拭(ふっしょく)することはできなかった。

「検証」を終えて日銀が9月会合終了後に出すメッセージを受け、市場(特に海外投資家)が日銀の政策運営(追加緩和)姿勢は明らかにトーンダウンしたと判断する場合、円高・株安が急進行し、その「火消し」のために追加緩和カードを切るという「マッチポンプ」状況に陥る可能性が少なからずあると、筆者は見ている。日銀の拙いハンドリングに対しては、政府内などから不満を表立って口にする向きが出てきかねない。

<マイナス金利政策の失敗を素直に認められるか>

仮に「検証」の結果が上記で挙げた2点となり、日銀の想定した範囲を超えて債券相場が一段と下落する(利回りが大幅に上昇する)場合も、政策運営の失敗と見なされやすい。「実質金利の低下」が緩和効果の源泉だと主張してきた日銀が、名目金利の急上昇を促したり、それを放置したりするわけにはいかない。そこで、一種の歯止めとして「長期金利ターゲット」というアイディアが浮上しているようである。

だが、どの年限にどういう水準で設定するのかというテクニカルな問題に加え、金利上昇にフタをするという米国で以前に議論された手法に沿う場合には債券市場の価格発見機能を片サイド(金利上昇方向)だけ明示的に消滅させる形になること、「出口」で急膨張する日銀財務への悪影響など、難題が複数ある。

日銀は9月会合で、上記のようなリスクを認識しつつも、将来の追加緩和にブレーキをかけたと受け取られかねないメッセージを発信するリスクを、どこまでとるのだろうか。追加緩和が「量」の面で将来行き詰まることに備えたり、「金利」の面で銀行収益を過度に圧迫しないよう配慮したりするというのは、確かに合理的で自然な発想である。だが、そうすることの掛け金や失敗した場合のリスクはかなり大きいように、筆者には見える。

「べき論」を最後に述べておくと、日銀はただ単に、マイナス金利政策は失敗だったと素直に認めてこれを早急に解除する「原状復帰」を行えばよいのではないか。そうすれば、行き過ぎた長期金利の低下が是正される上に、日銀と民間金融界のぎくしゃくした関係も修復されるだろう。

むろん、そうする場合には、債券市場で中短期ゾーンの金利が上昇し、為替市場で円高ドル安が進行することはある程度覚悟せざるを得ないが、「屋上屋を架す」ようなことをするよりもよほどましではないかと、筆者は考えている。しかも、米国の利上げ路線の行き詰まりが露呈すれば、為替は遅かれ早かれ円高ドル安に動くだろう。

*上野泰也氏は、みずほ証券のチーフマーケットエコノミスト。会計検査院を経て、1988年富士銀行に入行。為替ディーラーとして勤務した後、為替、資金、債券各セクションにてマーケットエコノミストを歴任。2000年から現職。

*本稿は、ロイター日本語ニュースサイトの外国為替フォーラムに掲載されたものです。(こちら)

*本稿は、筆者の個人的見解に基づいています。
http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-yasunari-ueno-idJPKCN10J0CA?sp=true



街角景気「持ち直しの兆し」16カ月ぶり上方修正、先行き懸念和らぐ

[東京 8日 ロイター] - 内閣府が8日に発表した7月の景気ウオッチャー調査では、景気の現状判断DIが45.1で、前月比3.9ポイント上昇した。判断の表現は「持ち直しの兆しがみられる」と16カ月ぶりに上方修正。英国の欧州連合(EU)離脱に伴う円高・株安などの先行き懸念が和らいだことから、先行き判断DIも2カ月ぶりの上昇に転じた。

現状判断DIは4カ月ぶりの上昇となった。企業動向関連、雇用関連、家計動向関連のすべてが上昇した。ただ、横ばいを示す50の水準は12カ月連続で下回った。 

2─3カ月先を見る先行き判断DIは47.1で、前月比5.6ポイント上昇。50の水準は12カ月連続で下回った。

内閣府は、景気ウオッチャー調査の判断の表現を「景気は、金融資本市場が落ち着きを取り戻す中、持ち直しの兆しがみられる」と上方修正。先行きについては「引き続き海外経済や金融資本市場の動向等への懸念がある一方、経済対策への期待がみられる」とした。

7月調査では、英国のEU離脱や円高・株安の先行きに関するコメントが6月と比べて急減。「欧州の政情不安が一段落し、株価が戻ってきたほか、政府の経済対策が決定されることにより、消費マインドが幾分回復してくる」(近畿・百貨店)などのコメントが寄せられた。
http://jp.reuters.com/article/economywatcher-july-idJPKCN10J0FV


ドル・円が102円台に上昇、米景気楽観や年内利上げ観測で
小宮弘子
2016年8月8日 09:19 JST 更新日時 2016年8月8日 15:25 JST

朝方に一時102円26銭と2日以来のドル高値を付ける場面も
ドル・円、足元ぐらいのレンジにとどまりやすい−バークレイズ証

8日の東京外国為替市場では、ドル・円相場が1ドル=102円台へ上昇。先週末発表された米雇用統計が堅調で、世界的な株高や年内の米利上げ観測が広がったことを背景に、ドル買い・円売りが先行した。
  午後3時25分現在のドル・円は102円08銭前後。朝方には一時102円26銭と2日以来の水準までドル買い・円売りが進み、その後は102円ちょうどを挟んでもみ合う展開となった。
  バークレイズ証券の門田真一郎為替ストラテジストは、「米雇用統計が強かったのでドル買いの流れが続いてはいるが、今週はあまり大きなイベントがなく、そういう意味ではダイレクションが出にくいタイミング」と指摘。今後の焦点は今月下旬のジャクソンホールでのイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演となるため、それまでは利上げ観測がさらに高まるような環境でもなく、ドル・円は「足元ぐらいのレンジにとどまりやすい」と話した。

  5日発表の7月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)が前月比25万5000人増と、ブルームバーグのエコノミスト調査での全ての予想を上回った。平均時給は前月比0.3%増と市場予想を上回り、4月以降で最大の伸びとなった。
  フェデラルファンド(FF)金利先物市場動向に基づくブルームバーグの算出によると、年内の米利上げの確率は47%と、4日時点の37%から上昇。9月の利上げ確率も18%から26%に上昇している。今週は12日に7月の米小売売上高が発表される。
  上田ハーロー外貨保証金事業部の小野直人氏は、米国ではインフレの伸びが穏やかで、次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げの可能性は低いとの見方が一般的だが、「今後発表されるデータが強めとなり、9月会合での利上げ期待を強化する可能性もある」と指摘。そうなれば、ジャクソンホールでのFRB議長講演への注目度がさらに増すことになるとみている。
  
  一方、コモンウェルス銀のシニア通貨ストラテジスト、エリアス・ハダド氏(シドニー在勤)は、米金融当局が12月に利上げしたとしても、昨年や一昨年のように金融政策の乖離(かいり)は顕著にならないと指摘。「相対的な金融政策という意味で、英中銀は追加緩和する見通しで、ECB(欧州中央銀行)も追加緩和するリスクがあるため、ドルはポンドやユーロに対して上昇余地があるだろう。また、円に対しては潜在的にアンダーパフォームするだろう」と話した。  
  日銀は8日午前、7月28、29日の金融政策決定会合の「主な意見」を公表した。バークレイズ証の門田氏は、「積極的な緩和の余地がまだまだあるという意見もあるし、一方で緩和の限界のような意見もあるが、そうした意見の分裂は従来から分かっていた話で、これで9月にどう動くかというのは読みづらい内容。為替の方もあまり反応していない」と話した。
  ブルームバーグのデータによると、円は主要16通貨中15通貨に対して前週末比で下落。世界的な株高を背景に、リスクセンチメントの改善に伴う円売り圧力がかかった。
  
  朝方発表された日本の6月の経常収支は9744億円の黒字となった。エコノミストの予想中央値は1兆1035億円の黒字だった。
  一方、中国の7月の人民元建て輸出は前年同月比2.9%増加、輸入は5.7%減少した。その結果、貿易黒字は3428億元となった。ドル建てでは輸出が同4.4%減、輸入が12.5%減だった。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-08/OBKD6Q6JIJUQ01


債券市場の大きな幻想崩れる−米国債利回りも実際はマイナス圏
Brian Chappatta、Andrea Wong、野沢茂樹
2016年8月8日 12:40 JST 更新日時 2016年8月8日 06:49 JST

通貨リスクのヘッジ後のリターンはマイナスに
国外投資家の米国債需要、一変する可能性も

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iST3ZLgiEzZU/v2/-1x-1.png

DIAMアセットマネジメントの堰合薫ファンドマネジャーは振り返る。かつて安定したリターンを確保することは単純明快だった。米国債を買えばよかったのだからと。
  日本国債のような低リスク投資に比べ、米国債は昔から相対的に高い利回りを提供してきた。ドル相場の変動に対するヘッジのコストを加味しても、その状況は変わらなかった。
  「為替ヘッジ付きの米国債は国内債の代替投資先として、太古の昔から外債投資の基本だった」と堰合氏は語った。
  その基本は通じなくなった。日本人にとっての米10年債投資は先月、通貨リスクをヘッジした後の利回りがマイナスとなった。この現象は金融危機以来、起きていない。ユーロ圏の投資家はさらに厳しい状況に置かれ、米国債リターンは史上初のマイナス圏に閉じ込められている。

  従って日欧をはじめ世界的な低利回り環境で米国債だけが比較的高い利回りを提供できるという概念は、もはや幻想にすぎない。ジェフリー・ガンドラック氏からビル・グロース氏に至るまで、債券バブルを警告する声が各方面から聞かれるなか、米国債に対する外国勢からの記録的な需要は一変する可能性がある。
  ブラックロックの債券担当最高投資ストラテジスト、ジェフリー・ローゼンバーグ氏は「単純な話は受け入れられやすい」と話す。「しかし、タダ飯などない。為替の差異を話さずして利回り格差を単純に話すことは不可能だ」と述べた。

ローゼンバーグ氏 Photographer: Patrick T. Fallon/Bloomberg
  米国債の国外投資家保有が過去最高を記録した翌月の4月から、DIAMアセットマネジメントの堰合氏は米国債を敬遠している。その代わりにフランスやイタリアの国債を選好しているのは「欧州の大国で利回りもある程度あり、為替ヘッジのコストも安いからだ」という。
原題:Bond Market’s Big Illusion Revealed as U.S. Yields Turn Negative(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-08/OBHWBR6TTDS001

豪州「AAA」格付けにリスク、財政赤字の抑制策支持訴え−財務相
Benjamin Purvis
2016年8月8日 14:54 JST

オーストラリアのモリソン財務相は、同国の最上級格付けがリスクにされされていると指摘し、野党や少数政党に財政赤字抑制策を支持するよう呼び掛けた。
  同財務相は7日のテレビ局スカイ・ニュースとのインタビューで、世界的な要因が豪州の財政に影響を与えているため、豪州の「AAA」格付けは「より広くリスクにさらされている」と指摘。「現在の経済状況でこの格付けを維持することは難しいが、われわれはそれを成し遂げるために必死に努力する方針だ。ただ、財政均衡に向けた節減策を成立させればこの仕事は一段と容易になるだろう」と述べた。
  最近の総選挙の結果、ターンブル首相率いる与党・保守連合(自由党・国民党)は議席を減らし、下院では過半数を1議席上回るにすぎないほか、上院で法案を通すには引き続き野党の労働党や少数政党の議員に頼らなければならない。S&Pグローバル・レーティングは先月、豪州の格付け見通しを引き下げ、「より強力な財政政策の決定」が必要との見方を示した。
原題:Aussie AAA at Risk Prompts Push by Treasurer on Budget Savings(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-08/OBKQK76JTSED01
 

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コメント
 
1. 2016年8月08日 16:34:55 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[2192]

>市場(特に海外投資家)が日銀の政策運営(追加緩和)姿勢は明らかにトーンダウンしたと判断する場合、円高・株安が急進行し、その「火消し」のために追加緩和カードを切るという「マッチポンプ」状況

>日銀は マイナス金利政策 を早急に解除
>行き過ぎた長期金利の低下が是正 日銀と民間金融界のぎくしゃくした関係も修復
>債券市場で中短期ゾーンの金利が上昇し、為替市場で円高ドル安が進行

上の議論では、政府が無策のままでも構わない、という暗黙の前提があるが、そこが根本的な間違いだろう

既に金融政策では、日本は超先進国になっているが、その一方で、政府の対応は異常に遅い

政府が、規制緩和などの構造改革と、老人から子育て世帯への効率的な社会保障実現と再分配政策を行うのであれば、

今のような大幅な緩和を日銀が強いられることもないし

多少、円高に振れたところで、企業も弾力的に雇用が調整でき、失業者も政府が生活を保障するので、大したダメージにはならない

金融政策や財政政策に頼り過ぎるのは間違いだが、上野のように、政府の無策を容認し、
円高加速で明らかに産業が衰退する方向に動くのを、放置するのも間違いだろう



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