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「日の丸」液晶会社JDI、存亡の危機…今期業績算定困難、サムスンに全然歯立たず(Business Journal)
http://www.asyura2.com/16/hasan111/msg/841.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 8 月 14 日 00:47:15: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

                 JDI・本間充会長兼CEO(ロイター/アフロ)
 

「日の丸」液晶会社JDI、存亡の危機…今期業績算定困難、サムスンに全然歯立たず
http://biz-journal.jp/2016/08/post_16304.html
2016.08.14 文=編集部 Business Journal


 日の丸液晶会社、ジャパンディスプレイ(JDI)が資金繰りに窮している。液晶パネルの販売が振るわず、筆頭株主の産業革新機構に数百億円の金融支援を要請した。JDIが経営破綻すればアベノミクスの失敗の証明になりかねないだけに、実質的に経済産業省の別動隊である革新機構は面倒を見ざるを得ない。JDIはそれを見越している。

 JDI会長兼最高経営責任者(CEO)の本間充氏は8月9日の東京証券取引所での記者会見で、「革新機構から全面支援を取り付けている」と語り、「事業運営に一切懸念はない」と強調した。JDIは本間氏がワンマン体制を敷いている。

 シャープの液晶部門を分社化して、革新機構が追加出資してJDIと合併させるというシナリオが練られたが、シャープは鴻海精密工業の軍門に下り、JDIの窮状が一段とはっきりしてきた。

 革新機構の内部には「上場までさせ、出口戦略を確定させた。JDIの融資の要請に安易に応えるのは、ファンドの役割を逸脱している」との正論もあるようだ。それでも革新機構はシャープ+JDIの新会社に東芝の白物家電をくっつけるというウルトラCまで用意し、JDIの経営にコミットしてしまった。ここで引き返すことはできないのだ。

 本間氏は「全面支援」と明言したが、革新機構の具体策が決まっているわけではない。銀行によるJDIへの融資に債務保証をつける案を中心に検討されることになるとみられている。

 JDIが8月9日に発表した2016年4〜6月期の連結最終損益は、117億円の赤字(前年同期は4.6億円の赤字)となった。営業損益段階ですでに34億円の赤字(同22.4億円の黒字)に転落した。

 JDIは5月に4〜6月期の売上高と営業利益の予想のみを公表、4〜9月期(上半期)も17年3月期の通期予想も開示しなかった。実際の4〜6月期の業績は、売上高は前年同期比29.2%減の1743億円、営業損益は10億円の黒字予想から一転して34億円の赤字に陥った。

 米アップルや中国のスマートフォン(スマホ)メーカー向けの液晶パネルが苦戦。円高による為替差損も重荷になったというが、為替の急激な変動を除く、こうした悪条件は5月の段階でほぼ見通せたはず。JDIの決算見通しは、ことほどさように信用できないのだ。

 4〜9月期の売上高は24.3%減の3843億円、営業損益は24億円の赤字を予想している。前年同期は105億円の営業黒字だったから、4〜9月期としては2年ぶりの赤字だ。17年3月期の業績予想は「算定が困難」として、また開示しなかった。

■本間充会長兼CEOの役割

 15年6月末に、元三洋電機副社長の本間氏が、新設された会長兼CEOに就任した。社長兼最高執行責任者(COO)には有賀修二取締役が昇格した。親会社の官民ファンドの革新機構は同年6月30日、日産自動車副会長の志賀俊之氏が、非常勤で会長兼CEOに就いた。

 会長になった本間氏は、三洋時代に「電池の顔」といわれた人物。三洋が銀行管理になっていた時、三井住友フィナンシャルグループとゴールドマンサックスから副社長が送り込まれたが、本間氏は生え抜きで唯一、副社長として経営を担い、「将来の三洋の社長候補」といわれていた。

 三洋はパナソニックに吸収されたが、パナソニックの津賀一宏社長とソリが合わず、13年に退社した。

「本間氏は、三洋でハイブリッド専用の電池をやっていた。ハイブリッド用電池はパナソニック=トヨタ連合と、三洋=ホンダ連合が勢力を二分するライバル関係にあったから、パナソニックでの本間氏の立ち位置は微妙だった」(関係者)

 捨てる神あれば、拾う神ありだ。本間氏に手を差し伸べたのが経産省=革新機構だった。13年、水面下で“日の丸電池”統合構想が進められていた。革新機構主導でソニーの電池子会社と、日産自動車とNECの合弁電池会社を経営統合。新会社に革新機構が出資し、社長に本間氏を据えるというシナリオだった。

 ところがソニーが電池事業を自前でやると言い出して離脱したため“日の丸電池”構想は白紙に戻った。革新機構は、JDIのトップに据えることで本間氏に借りを返したことになる。

 JDIにおける本間氏の使命は、シャープを手際よく解体することだったはずだ。革新機構の志賀CEOと連係し、シャープの解体を実現できれば大成功だったが、シャープは鴻海精密工業に奪われてしまった。本間氏が託されたミッション(使命)は失敗に終わった。

 本間氏のエピソードを紹介しておきたい。三洋の経営が傾いたのは、08年に開催された北京オリンピックの時期と重なる。

「『オグシオ』と呼ばれ、絶大な人気を誇った小椋久美子と、潮田玲子のいたバドミントン部を潰せと銀行団が要求したが、彼が体を張って存続させた」(三洋の元役員)

「三洋で出世できたのは、井植家3代目の敏雅さん(8代目社長で三洋を事実上潰した張本人)と大学が同じ甲南大学出身だったから。オーナーと同窓ということで可愛がられた。敏雅さんが電池の責任者になったので本間さんはついていった。本間さんは敏雅さんの番頭のような存在だった」(別の三洋の元役員)

■JDIは一度、シャッフルすべき

 JDIに良い話は皆無だ。日立製作所がJDIの保有株を売却していたことが、定時株主総会後の6月22日に公表された有価証券報告書で明らかになった。JDIは12年に東芝、ソニー、日立の液晶部門が事業統合してできた会社だ。日立は14年3月期に1070万株を保有していたが15年同期に547万株に減らし、15年5月までに全株を市場で売却した。JDIの16年3月期の有価証券報告書によると、東芝とソニーは各1070万株を保有している。

 JDIの株価は6月28日に154円の上場来安値をつけた。14年4月の高値(836円)の5分の1以下の株価だ。14年3月の公開価格は900円。初値は769円で公開価格を15%下回る低空飛行ぶりだった。上場してから一度も公開価格を上回ったことがない稀有な銘柄である。

 スマホの中小型パネルで有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)の採用が進むが、先行する韓国サムスン電子などの競争でJDIは決定的に立ち遅れている。16年3月期にJDIのアップル向け売り上げ比率が5割を超え「iPhoneへの依存」を懸念する見方が広がっていた。サムスン電子は有機ELに今年8兆ウォン(7200億円)を投じ増産してアップル向けに供給する。アップルは17年からiPhoneに有機ELパネルを採用する方針だ。韓国LG電子も有機ELに1兆円規模の投資計画を発表している。

 JDIは従来の液晶パネルが主力である。500億円を投下し、17年春に千葉県茂原工場内に有機ELラインを立ち上げるが、月産3000枚の試作段階だ。サムスンは月産最大18万枚を目指しているので、まったく勝負にならない。

 さらにJDIは石川県白山市に1700億円を投じ、中小型液晶パネル工場を建設した。しかし、この白山工場が無用の長物になるかもしれないのだ。JDIが破綻すればアベノミクスの失敗の証明になる。だから衆議院議員選挙が取り沙汰されている年内は延命させるだろうが、資金繰りは毎月綱渡りだ。銀行から5月と6月にそれぞれ300億円、7月に150億円を短期で借り入れた。

 JDIは14年の株式上場で1200億円を調達。自己資金は厚く、実質的な無借金会社だが、企業統治がゆるすぎて上場企業の体をなしていない。本間氏が経営責任を取り、一から出直すぐらいの覚悟が必要だ。トランプを切るようにシャッフルし、新JDIとして再スタートするのもひとつの選択肢だろう。

■歴代経営者に成功体験がない

 JDI社長の有賀修二氏は、エプソン出身のエンジニアだ。1983年、東京農工大・大学院工学研究科修了、諏訪精工舎(現セイコーエプソン)に入社し、03年に取締役に就任。05年、セイコーエプソンと三洋電機の中小型液晶の合弁会社、三洋エプソンイメージングデバイスの社長を経て、11年からソニーの中小型液晶子会社、ソニーモバイルディスプレイの社長を務めた。JDIの発足後、執行役員に就任、13年に取締役になり、15年6月に社長兼COOとなった。

 ちなみにJDIの初代社長の大塚周一氏は、倒産したエルピーダメモリのCOOだった。米テキサス・インスツルメンツ(TI)の工場長やソニーのシステムデバイスカンパニーのプレジデントも務めてきた。TI時代の先輩であるエルピーダメモリの坂本幸雄社長に誘われた同社に転じ、坂本社長の側近として日本で唯一のDRAM専業メーカーであるエルピーダのCOOに上りつめた。

 だが、エルピーダは12年2月、会社更生法を申請して倒産した。ここでも捨てる神あれば、拾う神ありだ。業界に通じている点を買われ、大塚氏はJDI社長の座を射止めたのである。だが、大塚氏はエルピーダの二の舞を演じるのではないかと冷ややかに見られていた。そして案の定、業績の下方修正を繰り返し市場と投資家の信頼を失った。

 こう見てくると、歴代経営者は成功体験が乏しいのである。運を持っているリーダーを選ばないと企業は浮上しない。

 シャープの鴻海グループ入りが決まった時、本間氏はJDIの決算会見で「“日本連合”で闘うべきだと思う」と悔しさを滲ませた。しかし、民間のことは民間でやるのが筋で、シャープの経営陣とメインバンクが鴻海に身売りすると決めたのだから、外野が口を挟む余地はない。経産省は「液晶技術の海外流出阻止」を錦の御旗のように掲げていたが、シャープの技術者は、すでに散り散りになっている。シャープの液晶技術など、とっくの昔に韓国や中国に流出しているのだ。鴻海がシャープを解体せずに経営再建するというのなら、お手並み拝見である。

 鴻海はシャープを解体して最先端の液晶部門だけを継承するとの見方もある。シャープは事実上、解体される運命にある。JDIも革新機構におんぶに抱っこではなく、一から出直すべきだ。経産省が主導した企業再生でうまくいった例はない。

(文=編集部)
 

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