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FRBが備える「新常態」深刻な景気後退の対応手段 新興国債務の償還 黒田緩和検証 GDP批判 タイ中銀バーツ高 トルコ 
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投稿者 軽毛 日時 2016 年 8 月 22 日 20:22:18: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

FRBが備える「新常態」

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カンザスシティー連銀は今週、ワイオミング州ジャクソンホールで年次経済シンポジウムを開く PHOTO: JONATHAN CROSBY/REUTERS
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JON HILSENRATH
2016 年 8 月 22 日 10:50 JST
 金融危機以降の大半において米連邦準備制度理事会(FRB)当局者らは、昔のやり方に戻ることができると信じていた。成長が緩やかに回復し、年間インフレ率は2%に上昇し、金利はゼロ近くから4%ないしそれ以上の正常な水準に段階的に上がるだろうとみていた。
 ワイオミング州ジャクソンホールの年次会合に備えるにあたり、当局者らは険しい顔つきで、そうはならないとの見方に至っている。
 インフレ率がFRBの目標を下回りやすい状態にあって、経済生産の伸びは遅いペースのままだと思われる。このためFRBは、金利が正常に戻ることはなく、金融政策の取り方やリセッション(景気後退)への対処を変える必要がある、と考え始めている。
 サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁は先週、金融政策の状況変化に関する論文で、「新たな現実が金融政策の実施に多大な課題となっている」と指摘した。
 現状においては、新たな景気悪化に見舞われた場合、長期金利を押し下げるための長期米国債の買い入れや将来にかけて低い短期金利を約束するなど、金融危機後に用いた非従来型の政策手段をとることができる。現在4兆2000億ドルあるFRBの有価証券持ち高も拡大が可能だ。FRBへの準備預金に対する不人気な付利も続けることができる。
 要するにニュー・ノーマル(新たな常態)とは、ここ数年間にFRBがやってきたこととほぼ似たような状況になる可能性がある。
 だからと言って、FRBが年内どこかでまた利上げはしないということではない。当局者の多くがそうなると予想している。FRBは昨年12月、指標とする翌日物フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標をゼロ近くから0.25%引き上げた。ただ、今後数カ月ないし数年での次の数回の利上げから、さらに大幅に金利を引き上げる公算は小さいということだ。
 ニューヨーク連銀のダドリー総裁はFOXビジネスネットワークの番組で、「われわれが今後実際に行う金融引き締めはおそらく多くはない」と語った。
 経済成長は低く、今後も低位にとどまる可能性がある。それに応じてインフレも低い恐れがあるので、FRBは長期的にFF金利がどこまで高くなるかについての見通しを下方修正した。大半の当局者らは3%ないしそれ未満を予想している。4年前には4%かそれ以上が総意だった。
 正常時の低金利は、新たなリセッションに見舞われた場合、FRBを苦境に追い込む。1980年代初期までさかのぼる過去4回のリセッションにおいて、借り入れや消費、投資を促す取り組みとしてFRBは短期金利を5%ないしそれ以上引き下げた。

https://si.wsj.net/public/resources/images/BT-AK579_OUTLOO_16U_20160819153606.jpg 
利下げ余地はわずか 米リセッション期のFF金利の推移【青:80〜82年、赤:90年、カーキ:01年、黄:07〜09年】

 いまや次にそうする余地はないように思われる。当局者らは景気下振れから成長を支えるために、他の手段に転じる必要があるだろう。そこには債券買い入れや将来の低金利に対する確約などが含まれる。
 FRBは、量的緩和(QE)と呼ばれる前回の債券買い入れで、有価証券の持ち高を2兆6000億ドルから4兆2000億ドルに拡大した。スタンダード&プアーズ(S&P)の分析によると、3回目のQE(QE3)が190万人の雇用創出を支え、失業率を1.3ポイント下げる助けになった。S&Pは「この意味でQE3は機能した」と結論づけた。
 当局者らは、さらに大胆な措置については慎重だ。ウィリアムズ総裁は、FRBがインフレ目標を2%から3%に引き上げることを検討する必要があるかもしれないと指摘したが、この考え方はまだ他のFRB当局者には理解されていない。
 一方、マイナス金利については、日本の事例のようにあまりうまく機能しない最後の手段として多くのFRB当局者はみている。
 FRBのシニアエコノミスト、デービッド・ライフシュナイダー氏の研究論文では、失業率が10%まで上昇するような「極めて深刻なリセッション」においても、債券買い入れと低金利の確約でFRBは十分対処できると主張している。この分析によると、そうした場合、FRBは有価証券の持ち高を2兆ドル(あるいは、4兆ドル)拡大する必要がある。
 ただしライフシュナイダー氏は「これらの手段を用いて(FRBが)望んだ程度の緩和をもたらす力が制約される状況に将来陥る可能性は否定できない」と警告している。
 FRBの課題は新たなリセッションへの対処の先に及んでいる。
 今回のジャクソンホール会合のテーマは「将来に向けた柔軟な金融政策の枠組みの策定」だ。FRB当局者らは7月26・27日の政策会合で職員から関連する話題について特別に報告説明を受けた。そこには、リセッションへの対応に関係した課題に加え、低金利の状況で変化する金融政策の測定方法などが含まれる。
 膨大な有価証券の持ち高と銀行システムに注入した潤沢な準備資金を管理するために、FRBは準備預金への付利など新たな手段を打ち出した。政治家らはこれを大手銀行への不公平な補助金のようなものだと非難している。
 中央銀行が新たな世の中に挑戦する中で、現在の情勢はすぐには終わらない新たな姿だ。
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「深刻なリセッションの対応手段ある」FRB論文
By DAVID HARRISON
2016 年 8 月 22 日 08:23 JST

 米連邦準備制度理事会(FRB)のエコノミストは新たな論文で、将来深刻なリセッション(景気後退)に見舞われた場合、一連の資産買い入れと投資家や消費者の不安を和らげる明確な対話戦略を用いて対応し、必要な手段は持ち合わせていると主張している。

 FRBのエコノミスト、デービッド・ライフシュナイダー氏の論文によると、政策当局者はほとんどの場合、2007?09年のリセッション後のように量的緩和(QE)とフォワードガイダンス(金融政策の先行きの手掛かり)を用いて同様の急激な景気悪化に対処することができる。

 FRB当局者の間では、次のリセッションにいかに対応するかが大きな関心事になりつつあり、ワイオミング州ジャクソンホールで今週開かれる年次経済政策シンポジウムでこれが議論の大半を占める公算が大きい。FRBのイエレン議長は26日、FRBの金融政策手段について講演するが、その際ライフシュナイダー氏の出した結論について論じる可能性は十分ある。

 ライフシュナイダー氏は深刻なリセッションを想定するにあたり、FRBが重視している「FRB/US」と呼ばれるマクロ経済モデルを用いている。同氏の中心的なシナリオは、経済がまず良好な環境にあり、インフレ率はFRBの目標とする2%に、政策金利は3%にそれぞれ位置しているところから始まる。

 経済への衝撃が起きた後は、失業率が10%に急上昇し、インフレ率は1.5%に後退する。FRBはこれに対応して金利をゼロ近辺に引き下げ、しばらく維持する。

 それに続いて2兆ドル規模の米国債買い入れを行い、金利をさらに長期にわたりより低く維持すると約束する。これにより、同様の措置を取らない場合に比べ雇用市場は回復が早まり、インフレ率もさほど大きくは低下しなくなる。

 ライフシュナイダー氏は「将来リセッションが起これば、政策担当者は確かに資産購入策とフォワードガイダンスを用いて、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を引き下げる余地が限られている分を補うことができる」と述べている。

 ただ、景気の基調が論文の想定ほど強くない場合、もしくはリセッションが予想よりはるかに深刻で長期にわたる場合は、FRBのQEとフォワードガイダンスが期待ほど成果を上げないかもしれない。

 同氏は「連邦公開市場委員会(FOMC)がこうした手段によって求められる緩和効果をもたらす能力は、将来的に限界に近づく可能性も排除できない」とした。

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FRBが考慮すべきこと、それは新興国債務の償還
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米FRBが利上げすると、新興諸国の企業は借り換えが難しくなる可能性がある PHOTO:AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
By
JON SINDREU
2016 年 8 月 22 日 16:05 JST
 米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げ判断をさらに待つべき材料が浮上している。新興諸国はすでに大量の債務返済予定が今後待ち構えており、低利で借り換える選択肢が減ると、資金繰りが一段と厳しさを増す可能性がある。
 国際決済銀行(BIS)は18日、2010年に始まった新興諸国企業による大量の起債調達が期限を迎え始めていると警告した。BISの推計によると、今年から18年までの間の償還総額は過去3年間よりも4割多い3400億ドル(約34兆2600億円)にのぼる。
 BISは20カ国・地域(G20)に提示した調査において、「高水準の企業債務がこれら一部の経済の過熱に関わった結果、今後数年間で財務上苦しむリスクが高まっている」と指摘した。
 経済指標からみて、ブラジルと中国、トルコが国内の金融危機に最も陥りやすい状態にある。これらの国々は民間の負債を大量に抱え高い返済費用に直面し、一部投資家の間ではすでに警戒されている。国外からの投機的な資金流入は、これらの国々の信用の振れ幅を大きくすることがしばしばある。国外からの融資が枯渇すると、国内金融機関は融資コストを高める傾向があるためだ。
増え続けるドル建て債務―中国、ブラジル、ロシアの非銀行債務
THE WALL STREET JOURNAL Source: Bank for International Settlements
Debt Pile U.S. dollar-credit to non-banks in China, Brazil and Russia.
 BISの資料によると、非銀行債務のうち約46%がドル建て(08年は38%)で、その3分の1が新興諸国のものだ。ドル高になると、借り手にとってドル建て債務はリスクが高くなる。発行体にとっては自国通貨の方が普通は安全だが調達コストも高く、肝心な国際投資家を見つける可能性が低い。
 新興諸国の企業は、銀行融資よりも起債調達への依存度が増している。金融危機以降、銀行融資が受けにくくなっているためで、起債は国外の関連企業を発行体とし、自分の貸借対照表には載らないようにすることが多い。
 新興諸国は本格的な危機に対応する備えを進めているようだが、世界の各市場におけるストレスが次第にドル相場との関連を深めている兆候が強まっている。つまり、新興諸国の経済成長がまだ、先進諸国で生み出される世界の流動性につながっていることを示している。
低利の資金―新興国社債の平均投資家利回り(グレー:自国通貨建て/緑:米ドル建て)
%THE WALL STREET JOURNAL Source: Barclays PLC (via FactSet)
Easy Credit Average yield-to-maturity for emerging-market corporate debt.

 米国の当局者らは次第にこのことに気づいているようだ。アナリストの多くは、FRBが今年前半に様子見をしたのは、米経済よりも「世界情勢」に関する懸念のためだとしている。実際、FRBは他の中央銀行と数多くの通貨スワップ協定を結んでいるが、これは世界の金融システムの頂点に位置する上での責任をFRBが担っていることをはっきり示すものだ。
 米国がすでに利上げの準備ができているとしても、FRB当局者らにとって重要な問題は、世界はその準備ができているのか、ということかもしれない。
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コラム:黒田緩和検証、20の疑問(上)

河野龍太郎BNPパリバ証券 経済調査本部長
[東京 22日] - 日銀は次回9月20―21日の金融政策決定会合で、2013年4月に開始した量的・質的金融緩和(QQE)、16年1月に開始したマイナス金利政策(マイナス金利付きQQE)の政策効果について総括的な検証を行う。当初、2年程度で2%インフレを達成するとしていたが、3年以上が経過しても、達成のめどがつかないためだ。

現在、日銀は2%インフレの達成時期を「17年度中」としている。この意味するところは、18年3月(黒田総裁の任期満了は18年4月8日)には2%インフレが達成されるということだが、今では金融市場の多くの人が、それは単なる努力目標で、再度の先送りは不可避と考えている。

これには、政策手段はいくらでもあるという黒田総裁発言とは裏腹に、マイナス金利政策を含めQQEは限界に近づいていると多くの人が見なすようになっていることも影響している。

では、9月の検証で日銀はどこまで踏み込むのだろうか。量的ターゲットなどの操作目標の見直しやマイナス金利政策の撤回もあり得るのか。あるいは、2年で2%インフレ達成という政策目標自体に変更が施されるのだろうか。

以下、筆者のもとによく寄せられる質問に答える形で、上下2回に分けて、黒田緩和検証の行方を考察したい。

<明らかに矛盾する政策思想、操作目標見直しの必要性>

Q1)そもそも、なぜ検証を行うのか。

2015年5月には日銀企画局が「量的・質的金融緩和:2年間の効果の検証」というレポートを公表した。今回、当時と同じように、企画局のレポートだけで済ますことができないのは、金融市場では、黒田総裁の5年間の任期をかけても、目標達成が難しいと強く疑われるようになっているためである。

つまり、「2年程度で2%インフレの達成」という政策目標そのものの実行可能性、妥当性を検討せざるを得ない状況となっている。

Q2)量的ターゲットは限界なのか。

14年10月の追加緩和の直後から、筆者は早ければ16年末には年80兆円の長期国債購入はスムーズにいかなくなり、いずれ年80兆円増のマネタリーベース・ターゲットの達成そのものが難しくなると主張してきた。

16年1月末に追加緩和として日銀が打ち出したのは、予想していた通り、長期国債の購入増ではなく、マイナス金利政策の導入だった。日銀がマイナス金利政策を導入したのは、量的ターゲットが限界に近づいている何よりの証拠である。

Q3)操作目標の見直しが必要なのか。

問題は量的ターゲットが限界に近づいていることだけではない。その象徴であるマネタリーベース・ターゲットは、マイナス金利政策と本質的に矛盾するという問題も抱えている。

前者は、民間金融機関に超過準備の保有を促そうとするものだが、後者は増加した超過準備にペナルティを賦課する政策である。日銀は付利を三層構造とすることで取り繕おうとしているが、政策思想は明らかに矛盾している。

日銀は現在、マネタリーベース・ターゲットという「量」、長期国債・上場投資信託(ETF)・不動産投資信託(REIT)購入という「質」、マイナス金利という「金利」の三次元で対応しているが、操作目標について、整理し直す必要がある。

金融市場では、日銀の政策手段が底を尽きつつあるという懸念が広がっている。まず、マネタリーベース・ターゲットはオペレーション上、国債購入が限界に近づき、かつマイナス金利政策と矛盾するため継続が難しいと考えられ始めている。マイナス金利政策は物理的には深堀り余地はあるが、政治的には困難になったと考えられ始めている。

ETFについては、7月末の購入額の倍増で、市場を大きく歪め、これ以上の追求は難しいと懸念されている。全ての政策が何らかの理由で、限界に近いと考えられているのである。

現在は、経済が完全雇用にあるため、政策発動の必要性は小さいが、将来、総需要ショックが起こった時に、中央銀行が何ら有効な政策カードを有していないと見なされると、深刻な事態に陥る。操作目標を整理し、手立てが残っていることを内外に示す必要がある。

Q4)政府とのアコード(政策協定)も再検討されるのか。

QQEの前提には、13年1月に政府との間で結ばれたアコードがある。そこでは、日銀が2%インフレの達成に向け努力するとともに、政府は財政健全化を進めることが謳われていた。

しかし、現実には14年以降、経済が完全雇用にあるにもかかわらず、毎年、追加財政が打たれ、消費増税は2度も先送りされている。QQE導入段階から筆者が懸念していた通り、アグレッシブな金融緩和によって財政規律はすっかり弛緩している。

本来なら日銀は、アコードに沿って政府に財政健全化の推進を求める必要がある。放漫財政が続いたままでは、将来、出口が必要になった際に、日銀はテーパリング(国債購入の減額)すらできない。

とはいえ、「それぞれの組織が与えられた役割をこなすべき」というのが黒田総裁の信念であり、さらに自らが掲げた目標も達成できていないため、財政健全化が進んでいないことを口にはできない。残念ながら総括ではアコードまで議論が進まないと思われる。

Q5)完全雇用下でアグレッシブな金融緩和を続けることの妥当性は検討されないのか。

日銀も認める通り、14年年初以降、日本経済は完全雇用にある。今や有効求人倍率は1990年代初頭のバブル期並みの高さだ。本来、経済が完全雇用にあれば、財政にしろ、金融政策にしろ、追加的な景気刺激策は不要である。そうした政策を続けると、資源配分や所得分配を歪め、潜在成長率を悪化させる。

消費低迷が続いているのも、単に14年度の消費増税の後遺症が長引いているのではなく、15年は円安進展による家計の実質購買力の抑制、16年はマイナス金利による家計センチメントの悪化など、金融政策の副作用が強く現れているとも言える。しかし、「2年で2%インフレ」を掲げている以上、そうした副作用には目をつむらざるを得ない状況となっている。

本来ならQQEの効果だけでなく、副作用についても幅広く検証すべきだが、そうすると政策目標そのものも否定することになりかねないため、そこまでは踏み込めない可能性がある。

Q6)将来の出口戦略について語る可能性は。

黒田総裁は、出口戦略を語るのは時期尚早と繰り返してきた。もちろん、インフレ上昇が始まっても、結局、財政従属が不可避となるため、実際の出口を規定するのは財政当局で、黒田総裁は主体性を持って出口戦略を語れない可能性は十分あり得る。

しかし、そうした事態を避けるためにも、長期国債の市中発行額のほぼ全てを購入する日銀は、将来、どのような道筋で国債市場から手を引くことができるのか、明確にすべきである。

また、国債発行残高に占める日銀のシェアは3割を超え、QQEの終了時には、大規模な損失が日銀に発生する恐れがある。出口でのコストが莫大なものになるという懸念も、金融政策限界論の根拠の1つであり、日銀はそれらについて明確に述べるべきだ。

とはいえ、2%インフレのめども立たないことから、出口戦略や出口の際の損失については、今回の総括でも、全く触れられないのだろうか。だとすると、大変残念である。

Q7)金融政策限界論の底流にある問題は何か。

政府は約40兆円の財政赤字(=新規国債発行)で財政を運営している。ゼロ金利政策やマイナス金利政策による長期金利の低下を活用し、可能な限り長期の資金調達にシフトしている。

一方、日銀はネットで80兆円という財政赤字の2倍の国債を購入し、代わりに80兆円の超過準備を民間に供給している。民間にとり、当座預金は短期国債と性質が全く変わらない。つまり、統合政府で見ると、40兆円の財政赤字を短期国債で調達しているだけでなく、毎年、40兆円相当額の既発の長期国債についても短期国債と交換していることになる。

統合政府の財務状況は、短期の資金調達に極端に偏ったものとなっている。すなわち、短期金利の上昇に極めて脆弱で、それゆえ、利上げができない構造になっているのだ。

金利が上昇すると政府の利払い費が急増することや民間金融機関に損失が発生する以前の問題として、日銀に大規模なロスが発生する。このため、利上げや国債売却どころか、国債購入の停止にも踏み切れない状況に陥る。少しでも状況を改善するため、国債購入ターゲットやマネタリーベース・ターゲットを修正する必要がある。この点については、後編で触れたい。

Q8)「日銀トレード」の問題点も検討されるのか。

日銀は現在、マネタリーベースの年80兆円増を達成するため、主に長期国債をネットで年率80兆円購入している。そのため、相当に高い値段で(つまり相当に低い金利で)、民間金融機関から国債を購入している。それは、国庫納付金の減少を通じ、つまり国民の税金を元に、民間金融機関に補助金を手渡していることと同じである。

とりわけ、マイナス金利導入後、長期金利は日銀が想定していたよりも、相当な勢いで低下した。日銀が高値でいくらでも買ってくれると見込む投機筋が、国債購入を活発化させているのである。このため、購入する国債の利回りがあまり極端に下がり過ぎることがないように、9月会合では、極端に低い利回りでは購入しないことを決定する可能性がある。あるいは金利上昇を恐れ、この問題には手を付けないのだろうか。

Q9)金融政策の有効性が低下していることは語られないのか。

そもそも金融政策の効果の本質は、金利低下によって、現在の支出を有利にすることで、将来の需要を前倒しすることだ。金利がゼロになれば、需要の前倒しは難しくなる。マイナス金利は、現在の支出を相対的に有利にはするが、資産が目減りするため、負の所得効果を考慮すると、現在の支出を刺激するのは難しい。

また、将来の支出は、所得を稼ぐ能力、つまり潜在成長率に大きく規定されるため、それがゼロ近傍まで低下している日本では、将来の需要を前倒しする効果も小さい。金利がゼロ近傍に達した段階で、金融政策の残る有効なチャネルは通貨安だが、グローバルではゼロサムである。

つまり、金融政策の有効性が大きく低下しているから、十分な効果が現れていないわけだが、そのことが分かった上で非伝統的な金融政策を行っているのであるから、残念ながら9月会合では、金融政策の有効性にかかわる本質的な問題については議論されないと思われる。

Q10)金融緩和は本当に効いているのか。

14年のマイナス成長は消費増税が大きく影響しているが、その影響が解消された15年第1四半期以降も日本経済は全く成長していない。15年第1四半期から16年第2四半期の成長率は年率で0.1%にも満たない状況である。

もちろん、経済が成長しないのは、潜在成長率がゼロ近傍まで低下していること、さらに経済が完全雇用に入っていることが大きく影響している。しかし、金融環境が相当に刺激的であるなら、トレンドを多少でも上回る成長が続き、需給ギャップはプラスの領域で改善しても不思議ではない。それでも、改善が止まっているとすれば、それは金融環境があまり緩和的になっていないからかもしれない。

要するに、確かに実質金利は低下したが、自然利子率もゼロあるいはマイナスの領域まで低下しているため、それほど景気刺激的にはなっていない可能性がある。残念ながら、9月会合ではこの問題についても議論されないと思われる。

http://jp.reuters.com/article/column-forexforum-ryutaro-kono-idJPKCN10X0EV


コラム:黒田緩和検証、20の疑問(下)=河野龍太郎氏
河野龍太郎
河野龍太郎BNPパリバ証券 経済調査本部長
[東京 22日] - 黒田日銀は次回9月20―21日の金融政策決定会合で、2013年4月以降の政策効果について総括的な検証を行う。以下、前編に続き、疑問に答える形で、検証の行方を考察したい。

――関連記事:黒田緩和検証、20の疑問(上)=河野龍太郎氏

<マネタリーベース目標撤回の可能性>

Q11)「2年で2%」を撤回するのか。

サプライズを狙った金融政策のツケに他ならないが、日銀の政策反応関数をもはや誰も見通すことができない状況にある。それゆえ、景気が良かろうと、悪かろうと、「2年で2%」を撤回しない以上、インフレ達成時期が先送りされるなら、何らかの政策変更に日銀が動くと市場参加者は考えざるを得ないのである。

需給ギャップが悪化していないのなら、インフレ達成時期が先送りされても、必ずしも追加緩和は必要とはならないはずだが、市場にはそれが全く伝わらない。こうした事態を改善するため、コミュニケーション戦略を立て直すと同時に、インフレ目標の達期時期についても、「2年」を完全に撤回し、特定の期間とはリンクさせない形で、「早期に」あるいは「できるだけ早く」という文言にし、本来のフレキシブル・インフレーション・ターゲットに近づける可能性がある。

ただし、日銀にとって、喫緊の課題は、操作目標の軌道修正であると考えられるため、今回、政策目標にまで手を付けるかどうか、筆者は確信が持てない。9月の決定会合で「2年2%」が撤回される可能性は5分5分である。

Q12)サプライズ戦略撤回の可能性は。

ほとんどの日銀関係者が認めているのは、コミュニケーション戦略の再構築の必要性である。14年10月に追加緩和を行った際、直前まで黒田総裁は景気、物価に対して強気の発言を続けていた。15年10月には、14年10月と同じ状況であったにもかかわらず、金融緩和は見送られた。しかし、その3カ月後には、導入しないと繰り返していたはずのマイナス金利の採用に踏み切った。

サプライズを狙った金融政策を繰り返した結果、日銀の政策変更に関する思惑自体が、金融市場を不安定化させる要因になっている。そのことは、実体経済には決して良い効果をもたらさない。予見可能性を高めることで、政策効果を最大化させるというのが本来の金融政策のあり方であり、サプライズ戦略とは真逆である。

執行部批判となるため、具体的には検討課題には上がらないかもしれないが、9月の決定会合を機に、サプライズ戦略は事実上、封印される可能性がある。すでに黒田総裁の発言からは軌道修正の兆しが見られる。

Q13)長期国債購入ターゲットはレンジとするのか。

日銀は今後、総需要ショックが訪れた場合でも、可能な対応策が残存し、金融政策はまだ限界に達したわけではないことを明確に示す必要がある。本来、金融緩和は、長期金利の低下を通じて、貸出金利の低下や円安・株高をもたらし、総需要を刺激する。このため、量的ターゲットの拡大そのものに意味があるわけではない。大量の長期国債を買っているから長期金利が低下しているのは事実だが、現状の長期金利水準を維持するために、現在のように大量の長期国債を購入する必要はない。

一方で、現在、市中発行額のほとんどを日銀が購入しているため、オペレーション上のコスト、出口の際のコストは相当に高まっており、政策の持続性が危ぶまれる状況となっている。9月会合では、長期金利が低位で安定しているのなら、国債購入ターゲットの厳格な達成にこだわる必要がないことを示し、年率80兆円の長期国債の購入ターゲットを、例えば70―90兆円のレンジ(あるいは60―100兆円)とする可能性がある。

Q14)マネタリーベース・ターゲットもレンジとするのか。

操作目標のマネタリーベース・ターゲットの主たる操作手段である長期国債の購入ターゲットに幅を持たせるのなら、本来、マネタリーベース・ターゲットにも幅を持たせることになる。

ただ、中央銀行の負債であるマネタリーベースの拡大にはそもそも理論的な意味がない。金利がゼロになると、経済・物価とマネタリーベースとの間の関係が遮断され、「マネーを増やせば物価が上昇する」という貨幣数量説が成り立たなくなるためだ。

現実に、量的緩和を行っている国で、マネタリーベース目標を掲げるのは日本だけである。他の国では、国債や社債など資産の購入額に目標が設けられている。さらに、マネタリーベース・ターゲットはもう1つの操作目標であるマイナス金利と矛盾する。マネタリーベースの拡大を促すことと、超過準備にマイナス金利のペナルティを賦課することは理屈上、相容れない。

このため、9月会合では、マネタリーベース・ターゲットについては、撤回ないし事実上棚上げされる可能性がある。あるいはマネタリーベース・ターゲットを撤回するものの、量の追求を止めるわけではないことを示すため、メニューの拡大として社債や地方債の購入を決定するのだろうか(マネタリーベース・ターゲットの限界を補うものとはなり得ないが)。

Q15)マネタリーベース・ターゲットの棚上げは、長期国債ターゲットの延命につながるか。

答えはイエスだ。例えば、日銀は保有する短期国債を売却し、同額の長期国債を購入するツイストオペを行えば、長期金利を引き下げることが可能となる。

短期国債の金利は、超過準備預金金利(IOER)に左右されるため、日銀が売却しても、短期金利は上昇しない。一方で、長期国債の購入量を増やせば、タームプレミアム(期間に伴う上乗せ金利)が潰れ、長期金利を引き下げることができる。長期国債ターゲット限界説の根拠の1つは、金融取引の担保として国債が不足するため、金融機関が売却を渋るというものだった。マネタリーベース・ターゲットを止めればツイストオペを行うことで、長期国債購入額を拡大することが可能となる。

なお、マネタリーベース・ターゲットが棚上げされても、象徴的な「量・質・マイナス金利」の3次元という言葉は維持されるだろう。新たな量の象徴として、レンジ化された長期国債購入ターゲットがしばらく用いられると思われる。

Q16)評判の悪いマイナス金利は撤回しないのか。

事実上の銀行課税であるマイナス金利政策は確かに評判が悪い。本来、金融緩和とは、金融機関の資本コストを引き下げ、企業や家計の借入金利が低下することで、消費や設備投資を刺激することである。金融機関の資本コストが引き上げられれば、金融機関はむしろ貸し出しに抑制的になる可能性がある。

ただ、大幅な総需要ショックが訪れた際、マイナス金利を深掘りすることで、円安に誘導できれば、大幅な株安も避けられ、ショックを和らげることが可能となるかもしれない。とりわけ、景気拡大局面が8年目に入った米国が、それほど遠くない将来、不況に陥れば、米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和をきっかけに大幅な円高・ドル安が進む可能性がある。

このため、評判は悪いものの、将来の金融緩和の一手段として、マイナス金利が撤回されることはないと思われる。中国人民元の大幅切り下げ観測がくすぶり、それに伴う円高リスクが残ることへの対抗手段ともなり得る。

また、マイナス金利政策を撤回しないのは米大統領選挙も影響している。まず、ドナルド・トランプ大統領が誕生すればドル安政策が採用され、大幅な円高・ドル安が訪れる可能性があるからだ。

16年1月以降、FRBや米財務省の通貨政策のスタンスが変わったのは、米国第一主義を掲げるトランプ氏が大統領選の共和党候補になる可能性が高まったためだろう。オバマ政権にとり、日本に配慮して円安を容認することは、民主党候補のヒラリー・クリントン氏の足を引っ張ることになる。このため、日本の財務省は、いかに円高が進もうとも、実弾での為替介入は難しい。大幅円高に備え、日銀はマイナス金利政策を準備しておく必要がある。

さらに、ヒラリー・クリントン氏が勝利した場合でも、米国の製造業をサポートするため、ビル・クリントン政権の当初のドル安政策にならう可能性がある。民主党候補、共和党候補のいずれが勝利しても、大幅な円高回避のため、日銀はマイナス金利政策を手放すことができない。

Q17)9月会合でマイナス金利政策は深掘りされるか。

日銀が円高回避に敏感になっていたのは、円高が株安をもたらすためだ。完全雇用にあるため、一国の経済厚生を考えれば、家計の実質購買力を引き上げる円高が望ましい。

しかし、輸出企業優遇の円安誘導政策を続けてきた副作用で、日経平均に占める輸出企業のウエイトが実態以上に膨らみ、円高になると株価が大幅に下落し、政治的な金融緩和圧力が高まっていた。7月末の決定会合でETF購入額が倍増され、円高が多少進んでも、株価は以前ほど下落しなくなっている。日々のマーケットでは1ドル100円割れより、日銀の買い出動のタイミングが強く意識されるようになった。フォーカルポイントが為替から日銀にシフトしているのだ。

引き続き円高次第ではあるが、株価が大幅に下がることがなければ、9月会合でマイナス金利の深掘りが行われることはないと思われる。米国の利上げ観測が高まり、ドル高が進んでいれば、マイナス金利政策が深掘りされる可能性はさらに低下する。

むろん、大幅な円高になった時、それを回避するためマイナス金利が一時的に大きく拡大される可能性はあり得るが、継続的には0.5―0.7%がマイナス金利の限界だと考える。9月会合では、マイナス金利政策の限界に関する議論は行われないと思われる。

Q18)マイナス金利以外に有効な政策ツールはないのか。

量的ターゲットが困難になっているとすれば、残る手段はマイナス金利の深掘りと、長期金利ターゲットだ。欧州中銀(ECB)がマイナス金利をスタートするまで、マイナス金利は筆者の選択肢には入っておらず、量的ターゲットが限界に達した後の選択肢は、長期金利ターゲットだと考えていた。

そもそもマイナス金利を深掘りするのも、長期金利を引き下げるためだ。長期金利の低下を通じ、円安や株高、貸出金利の低下が進む。このため、マイナス金利政策の弊害が大きいということになれば、いずれ長期金利ターゲットに移行する可能性がある(インフレの上昇が始まった際には、長期金利の急騰を避けるため、ほぼ間違いなく必要となる)。

あくまで将来の政策ツールであり、9月会合では、議論されないと考える。ただし、9月会合でマネタリーベース・ターゲットを撤回し、長期国債購入ターゲットをレンジ化する際、長期金利の上昇を避けるため、長期金利のキャップを金融市場に対して日銀が暗示し始め、事実上の長期金利ターゲットがスタートする可能性も排除できない。

なお、ETFについては、当面の増額はないと思われるが、将来、大きな総需要ショックが訪れた場合、それを吸収する手段として買い入れを一段と増やすことはあり得る。7月会合で倍増したことで、株式市場のプライシングを大きく歪める問題について、日銀はあまり気にしていないことが明らかになった。ただ、日銀の大量購入によって株価がサポートされても、実体経済とのかい離が広がるばかりで、最後には支えられなくなる。

Q19)マイナス金利での資金供給を開始するか。

日銀は貸出支援基金オペにおいて、マイナス金利で資金供給し、その倍額をゼロ金利で当座預金に受け入れる可能性がある。金融機関にとり、資金調達コストが限界的に低下するため、貸し出しの増加には多少つながる。ただ、そもそも資金需要が低いため、マクロ経済的には大きな効果は期待できない。

Q20)ヘリコプターマネーの可能性は。

財政調整だけではもはや公的債務の圧縮が困難になっているという意味では、ヘリコプターマネーに片足を突っ込んでいると言えるが、もし、言葉の定義通り、政府が公的債務を増税や歳出削減で返済しないことを前提に追加財政を開始すれば、人々は将来の増税や歳出削減を気にせず支出を増やすため、景気刺激効果やインフレ醸成効果はより大きなものとなる。

ただ、ヘリコプターマネー政策は、常習性が強く、高率のインフレのみならず、資源配分の歪みから潜在成長率のさらなる低下をもたらす。そうした問題が認識されているため、財政法、日銀法でも禁じられており、9月会合で検討されることはまずないと思われる。

*前編はこちらです。

*河野龍太郎氏は、BNPパリバ証券の経済調査本部長・チーフエコノミスト。横浜国立大学経済学部卒業後、住友銀行(現三井住友銀行)に入行し、大和投資顧問(現大和住銀投信投資顧問)や第一生命経済研究所を経て、2000年より現職。
http://jp.reuters.com/article/column-forex-forum-parttwo-ryutaro-kono-idJPKCN10X0HP?sp=true

 

20世紀の産物GDPに高まる批判−代替指標の模索続く
Enda Curran、Saleha Mohsin、Jeff Black
2016年8月22日 13:20 JST

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批判は容易だが、それに代わる指標を見いだすことは難しいとS&P
公式GDPに対するヘッジとして独自指標使うインド証券会社も

国内総生産(GDP)は非常に20世紀的だ。
  大恐慌時代に控えめに登場したGDPは、世界の各国政府や中央銀行にとって不可欠な指標となった。長期投資家が資産配分の目安として用いるほか、トレーダーはGDP統計のニュースに反応して株式や債券、通貨、商品を売買する。

  だが問題がある。生産や所得、あるいは支出のアプローチで集計されるとしても、GDPは経済の変化のペースに対応し続けることがますます難しくなっている。
  米共和党大統領候補ドナルド・トランプ氏のような非主流派政治家の台頭や、英国の欧州連合(EU)離脱につながった反動の背景には格差拡大が指摘されているが、所得分配効果を無視するGDPはそれを覆い隠している。

  S&Pグローバルのチーフエコノミスト、ポール・シェアード氏(ニューヨーク在勤)は「GDP批判は容易だが、それに代わる指標を見いだすことは難しい」との見方を示す。
  ムンバイの証券会社アンビット・キャピタルはインドの公式GDP統計に対するヘッジ手段として、自動車販売と電力消費に基づく独自の消費指数を開発した。GDPは大きな改定がしばしば行われ、伝統的な産業分野であっても既存の統計手法では安定的に計測することができないという認識を同社の取り組みは反映している。
  統計専門家らが測定の対象を誤っているという懸念もある。国際所得国富学会(IARIW)がドイツのドレスデンで今週開く会合では、所得の均衡とテクノロジーの変化、生活水準の問題に関する研究論文の発表予定が目白押しだ。国際通貨基金(IMF)のチーフエコノミストを務めたピーターソン国際経済研究所のオリビエ・ブランシャール上級研究員も「多くの政策議論においてGDPやGDP伸び率だけに注目することは、判断を誤らせる」と分析している。
原題:With GDP Fading as Economy Gauge, Hunt for a New Yardstick Is On(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-22/OCAGMT6TTDSW01

 
タイ中銀:バーツ高進行、輸出と景気回復への悪影響を懸念
Lilian Karunungan、Suttinee Yuvejwattana、Yumi Teso
2016年8月22日 12:37 JST
タイ銀行(中央銀行)は通貨バーツ高の進行が輸出企業に打撃を与え、国内経済の回復を損ねると懸念している。
  海外投資家がタイの株式・債券保有を今年増やす中で、バーツが先週、1年1カ月ぶりの高値に達した。チャンタワン総裁補佐(金融市場担当)は電子メールを介したインタビューで、「これまでにバーツ高がタイ輸出企業のキャッシュフロ−を弱らせた可能性がある。バーツの一段高がタイ経済の回復の妨げになる恐れがあり、タイ銀が注視すべき懸念材料だ」とコメントした。
  バーツはバンコク時間22日午前8時55分(日本時間同10時55分)現在、1ドル=34.71バーツと、年初来で3.9%上昇。19日には34.50バーツと、2015年7月以来の高値を付けた。
原題:Thai Central Bank Says Further Baht Gains May Derail Recovery(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-22/OCAJTS6JIJUU01


シンガポール首相、体調不良で演説を中断−約1時間後に再開
David Roman
2016年8月22日 10:11 JST
リー首相は休憩後に演説の中断を国民にわびる
首相は最近の多忙な日程で疲れただけで「完全に正常」−副首相

シンガポールのリー・シェンロン首相が21日、体調不良のためテレビで生中継されていた演説を中断した。約1時間の休憩を経て演説を再開し、国民を心配させたことをわびるとともに、このアクシデントに絡めて後継者育成の重要性を強調した。
  リー首相(64)が体調不良を訴えたのは、複数の言語での2時間以上に及ぶ演説の最中だった。再開後は、演説終了まで15分間話し続けた。
  首相府はツイッターを通じた声明で、長い時間立ち続けたことなどで不調を感じていたことをリー首相が確認したと発表。「首相の心臓に問題はなく、発作ではなかった」とコメントした。
  ターマン・シャンムガラトナム副首相はチャンネル・ニューズ・アジアに対し、リー首相は最近の多忙な日程で疲れただけで、「完全に正常」で体調は良好だと説明、「過度な心配はいらない」と述べた。
原題:Singapore’s Lee Completes Address After Illness Forced Halt (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-22/OCAC476JIJUP01

トルコ格付け見通しネガティブに下げ、「BBB−」は維持−フィッチ
Onur Ant
2016年8月22日 10:11 JST
格付け会社フィッチ・レーティングスは、トルコの長期債格付けを投資適格級で最も低い「BBB−」で据え置く一方、格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ(弱含み)」に引き下げた。7月のクーデター未遂に伴う政治リスクの高まりを指摘した。
  フィッチは政治的な混乱に伴いトルコの経済成長が鈍化する恐れが生じ、見通しの不透明さが増したと分析した。ムーディーズ・インベスターズ・サービスはトルコ格付けについて、クーデター未遂の影響を考慮し、引き下げ方向で見直す作業を続けている。S&Pグローバル・レーティングは7月20日に投資適格級を2段階下回る「BB」に1段階引き下げた。
原題:Turkey Keeps Fitch Investment Grade; Outlook Cut to Negative (1)(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-08-22/OCAD2L6S972B01  

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コメント
 
1. 2016年8月22日 21:41:19 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[2427]

>失業率が10%まで上昇するような「極めて深刻なリセッション」においても、債券買い入れと低金利の確約でFRBは十分対処できると主張している。この分析によると、そうした場合、FRBは有価証券の持ち高を2兆ドル(あるいは、4兆ドル)拡大する必要がある。

東京と同じで、今後、長期的には、米国も少子高齢化と、さらなる生産性低下の波に襲われることは確実

つまり着実に日本化が進むのだから、図の変化からも明らかなように、上のような甘い見通しは限界に到達し

今後、日本で予想されるディスインフレとスタグの∞ループへと陥っていく可能性も低くはない

そうなれば日銀と同じ、政府の機能不全という問題を共有することになる


>FRBの課題は新たなリセッションへの対処の先に及んでいる。
>膨大な有価証券の持ち高と銀行システムに注入した潤沢な準備資金を管理するために、FRBは準備預金への付利など新たな手段を打ち出した。政治家らはこれを大手銀行への不公平な補助金のようなものだと非難している。
>中央銀行が新たな世の中に挑戦する中で、現在の情勢はすぐには終わらない新たな姿だ

金融経済の世界の変化は、かなり早く、それを記述する理論も、まだまだ未発達なのに

課題は増え続ける一方というのが現実だ

ま、普通に考えれば、先進国の一般大衆にとって、あまり将来の実質可処分所得に対して期待がもてる状況にはならないし

課題先進国の日本は特にそうだ



2. 2016年8月22日 22:43:11 : Qk0z0gVGLY : lQZkNLxHm_4[560]
米国はすでに深刻な景気後退のまっただなかにいるが、それを隠してきた。

ここにきて、いよいよ隠し切れなくなったので、その状況を公に認めるよ、という
予告がこのFRBの論文。

根本対策は簡単。覇権国家であることをあきらめる。それだけ。

でもそれができない。とくにヒラリーが大統領になれば覇権にしがみつくので
米国内はさらにひどくなるだろう。つうか間違いなく世界大戦。米国が景気回復の
ためにいつもやってきたこと。

それでも米国の覇権陥落は免れない。誰がローマの崩壊を防げたか?同じこと。
盛者必衰のことわりだ。


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