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イエレンFRB議長の講演(在野のアナリスト)
http://www.asyura2.com/16/hasan112/msg/461.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 8 月 28 日 00:10:30: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

イエレンFRB議長の講演
http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52840232.html
2016年08月27日 在野のアナリスト


ケニアの首都ナイロビで、第6回アフリカ会議(TICAD6)が開かれます。日本政府が主導しているため、安倍首相が出席し、その基調演説で「力や威圧とは無縁で、自由と法の支配、市場経済を重んじる場として育てる」と語り、3年で100億$、民間をあわせると300億$をアフリカに振り向ける、とします。また3年で5万人の若者に職業訓練を、2023年までにアフリカから常任理事国をおくりだしているべき、として日本もともに常任理事国をめざすとします。

まず、中国を念頭においた基調演説ですが、中国とて力や威圧でアフリカに進出しているわけではありませんし、法を破っているわけでもない。政府高官や王族につけとどけをして、事業を受注していることさえ、その国で認められているケースが多いのです。しかも評判の悪い日本の職業訓練。安価で仕事をさせ、使い捨てるとして有名で、またそれが本国にもどって実になるケースはほとんどないのでしょう。ナゼなら設備の整った日本で訓練をしても、設備の整わない本国にもどってしまえばやり方がまったく異なる。創意工夫をしながらなら、最初からアフリカで働いていた方がスムーズにすすむはずです。3年で100億$、と金額を決めた支援もおかしいですし、民間の金額なんて確定しているはずもありません。最大の問題は、アフリカから常任理事国を、などとしても、ではどこの国が常任理事国に入るのか、で大きくもめるでしょう。順番に担当するのだとしたら、逆にそれ以外の常任理事国が確定していることに、疑問も生じるでしょう。アフリカは経済規模だけで計れない。国内に大きな自然公園を抱えていたり、砂漠があったり、諸事情が異なっているのであって、アフリカが一枚岩になれる見込みはまったくない、とも言えます。

米国のジャクソンホールで行われたイエレンFRB議長による講演。市場はもうこの話題で数週間、様子見をつづけただけに、講演の途中から急変動しました。金利は正常化できる環境にある、とするものの、講演の際に配布されたチャートでは、2017年末で金利が3%に達することも、ゼロに逆戻りすることも7割の確率、とします。つまり利上げ時期の言質は与えなかったものの、利上げ方向にすすむことは間違いない一方、下手をすれば元にもどるかもね。という何とも頼りない、不透明感の強い結果になった、ということです。

講演をうけ、市場は急変動したものの一旦おちつき、ふたたびフィッシャー副議長がCNBCのインタビューをうけ、ふたたび変動を強めました。しかし短期金利先物相場は、9、11月の利上げ確率が低下し、12月は変化なし。むしろ年内の利上げ確率は低下したようにみえます。しかし為替市場は利上げ確率が高まったとうけとめたのか、円安がすすみました。米株はダウは下落、NASDAQは上昇するなど、まちまちの動き。市場はまだ受け止めきれていない、とみられます。これまでも債券市場、株式市場など、利上げにむけた動きを逆にとらえる向きがあったので、今後どちらに整合していくかはまだ不明といえます。

今回、FED・UPと呼ばれる集団が、FRBの総裁らと会談をもったことも特筆されます。FED・UPは金融緩和をつづけさせよう、という集団であり、どちらかといえば金融関係者というより、金融の恩恵を末端までとどけよう、とどくまで緩和をつづけさせよう、というリベラル派です。逆に、タカ派の意見は利上げをして、その金利収入を増やしたい金融機関の意を汲んでいる、ともされる。今の米国は、金融緩和に対する姿勢が、緩和継続が庶民派であり、引き締めがエリート層、というよく分からない構図にもなっている。それが米国で株、債券市場のうけとめが、まったく逆をむいている点にも現れるのでしょう。

しかも、この問題が難しいのは利上げした方が有利なのか、不利なのか、様々な議論を経ても結論がでていない、という点です。一概には利上げすると景気にはマイナス、とされますが、利上げをすると金融機関は利子収入が上がり、株価にも好影響かもしれない。日銀がお得意のイールドカーブの議論にしても、先々の金利上昇をみこんで、今設備投資などをしておこう、という積極的な企業活動を促すかもしれない。利上げが景気にマイナス、というステレオタイプの批判がしにくくなっている点で、気迷い状態になっている、ともいえます。

困ったのは日銀です。さらに金利差が開けば円安になるかもしれない、との淡い期待がある一方、低金利が継続する日本はマイナス成長すら意識される。米国が利上げ局面に入ったのだから、シレッと日銀も引き締めに転じるなら、金利差は維持されるので、打撃も少ないとして引き締めに転じる機会なのかもしれない。結果、9月の総括的検証において何を打ち出すか、すらも難しくなったのです。FED UPは直訳すれば『太らせた』です。中央銀行によって太らされた世界が、食事を供する側の態度が転換したことで、スリム化できるか、それともさらに太ってしまうか。まるでヘンゼルとグレーテルが、魔女に捕まり、太らされた上で食べられそうになる、という話と似通うものを感じます。最後に魔女は子供たちから竈につきとばされ、焼かれて死にますが、中央銀行の最後がそうなるのかもしれない。これはかなり怖い想像、おとぎ話どころか、脅し話にもなるのでしょうね。


 

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