★阿修羅♪ > 経世済民112 > 835.html
 ★阿修羅♪  
▲コメTop ▼コメBtm 次へ 前へ
高齢者ホーム選びの死角 9人死亡岩手・台風直撃で見えた!〈週刊朝日〉
http://www.asyura2.com/16/hasan112/msg/835.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 9 月 07 日 10:02:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

9人が亡くなったグループホーム。大量の流木が押し寄せ、壁には濁流の跡も残っていた (c)朝日新聞社


高齢者ホーム選びの死角 9人死亡岩手・台風直撃で見えた!〈週刊朝日〉
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160906-00000197-sasahi-soci
週刊朝日  2016年9月16日号


「私の判断が遅かった。本当に申し訳ありません」

 岩手県、北海道を中心に甚大な被害をもたらした台風10号。岩手県岩泉町の高齢者グループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」では9人が遺体で見つかった。同ホーム運営法人の佐藤弘明常務理事は9月1日、報道陣の取材に、涙ながらに陳謝した。

「水かさが10分あまりで急激に増し、助けることができませんでした……」

 亡くなった9人は、70〜90代の認知症の高齢者。うち2人は車いすでなければ移動できなかった。施設そばを流れる小本(おもと)川が氾濫(はんらん)し、平屋建ての建物が浸水。同敷地内にある介護老人保健施設(3階建て)にいた85人は2階以上に避難し、全員が無事救助された。

「避難計画がなかった」という備えの不十分さを含め、ホーム運営側の甘さを指摘する声は多い。

 宮城県で介護支援を行う「さんりん福祉会」理事長の深澤文雅さんは、こう話す。

「台風の危険性があれば、臨時に職員を増員するなどの対策が必要。隣の老人保健施設との連携が薄かったのではないか。報道を見る限り、フォロー体制の手薄さを感じてしまいます」

 河川近くのホームの立地を問題視する声も多いが、認知症介護に詳しい岩手県立大学の吉田清子准教授(社会福祉学部)は、「環境はグループホームの趣旨に沿っている」と指摘する。

「認知症のグループホームは、静かな環境で少人数で穏やかに暮らすことが目的。川沿いの落ち着いた環境は、ホームには適しています。また、避難のことを考えると、2階建てより平屋造りのほうが望ましい。施設の造りに大きな問題があるとは考えにくいです」

 今回の水害で特に問題視されているのが、河川近くの高齢者施設でありながら、避難計画がつくられていなかったことだ。ただ、水防法に書かれている避難計画の策定はあくまで“努力義務”。施設があった区域は、県が浸水想定区域の検討をしながら、東日本大震災の影響で指定が先送りになっていた。ホームは火災訓練はしていたが、水害に備えたものはなかった。

 水害の避難モデルを研究している徳島大学環境防災研究センターの中野晋センター長は、こう釘を刺す。

「浸水の危険性がある施設には、避難計画の策定を義務化すべきです。中小河川の場合、川幅や規模が小さいだけに一気に水位が上がりやすい。にもかかわらず、氾濫危険水位を設けていないところが多いのです。施設だけで避難計画を立てるのは困難なので、行政側が積極的に情報提供していかなくては」

 岩泉町では今回、ホームのある区域が避難判断の基準を超えていながら、「対応に追われて」避難勧告を出していなかった。避難に時間のかかる高齢者や障害者は「避難準備情報」が出た段階で避難すべきだとされているが、その意識も十分に徹底していなかった。前出の佐藤常務理事も「知らなかった。避難勧告が出てから避難するものだと思っていた」と話した。

 全国の山間部で川沿いの平地に立地する老人ホームや病院などの施設は少なくない。国土交通省水管理・国土保全局の担当者に対応策を聞くと、

「まずは状況を精査してから……。基本的には自治体に任せている部分が大きいので」

 紋切り型の回答と及び腰。災害列島、こんなことで大丈夫なのか。

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る

フォローアップ:


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法

▲上へ      ★阿修羅♪ > 経世済民112掲示板 次へ  前へ

★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/ since 1995
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。
 
▲上へ       
★阿修羅♪  
経世済民112掲示板  
次へ