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小売業界、いよいよ最終戦争に突入か イトーヨーカドーが大量閉店、サークルKサンクスは店名消滅(JBpress)
http://www.asyura2.com/16/hasan113/msg/147.html
投稿者 赤かぶ 日時 2016 年 9 月 12 日 00:15:05: igsppGRN/E9PQ kNSCqYLU
 

ますます「セブン-イレブン」依存が高まりそうなセブン&アイ・ホールディングス。しかしコンビニも飽和状態となりつつある(資料写真)


小売業界、いよいよ最終戦争に突入か イトーヨーカドーが大量閉店、サークルKサンクスは店名消滅
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47843
2016.9.12 加谷 珪一 JBpress


 セブン&アイ・ホールディングスが傘下の大型スーパー「イトーヨーカドー」の店舗閉鎖を加速させる一方、コンビニの「セブン-イレブン」はこれまで手つかずだった沖縄への大量出店を決めた。

 一方、コンビニ業界3位のファミリーマートはサークルKサンクスと経営統合し、ファミリーマートにブランドを統一する。

 小売店業界では何が起こっているのだろうか。

■大型店の不振は今に始まったことではない

 セブンは同社の祖業でもあるイトーヨーカドーの店舗閉鎖を加速させている。同社は2016年度中に20店舗、2020年度までに合計40店舗を閉鎖する計画を打ち出しており、4月には北千住店を、8月には戸越店を閉鎖した。今後も計画にしたがって次々と店舗閉鎖が行われる可能性が高い。

 イトーヨーカドーがこれだけのリストラ対象となっている理由は、同部門の業績悪化が著しいからである。イトーヨーカドーの売上高は過去5年間で約6%減少しているのだが、内実はもっと苦しい。この数字には専門店からのテナント収入が含まれており、同社が直接扱う商品の売上高はさらに落ち込みが激しいからだ。

 同じ期間で衣料品の売上高は約22%減、住居関連は約18%減、大きな変動がないといわれる食品ですら約7%も減少している。

 売上高が減ってくると、売上高の維持が最優先事項となり、利益率や在庫管理が後回しになってしまう。実際、イトーヨーカドーでは商品の利益率低下と在庫の拡大が同時に進んでおり、このままでは負のスパイラルに陥る可能性が高い。そのような状況になる前に、不採算店舗を閉鎖しておこうというのが一連のリストラの狙いである。

 ただこうした状況はとりあえずの対応策に過ぎない。同店の売上高減少は特定の理由があるわけではなく、複合的かつ構造的な問題に起因している。

 郊外にある大型店舗の売上高が減少しているのはイトーヨーカドーだけの話ではなく、大型店中心のイオンでは以前から売上低迷に悩まされてきた。セブンにはコンビニという孝行息子がいた分、イトーヨーカドーの不振が表面化しなかっただけである。

■人口減少と地域集約化でコンビニ依存が高まる

 大型店不振の背景には日本の人口減少があるといわれる。もっとも日本の人口が減っているといっても、過去5年間で0.6%ほど減少したに過ぎず、実はそれほど大きな数字ではない。だが、人口減少の背景には少子高齢化という問題が存在しており、わずかな人口の減少であっても、人口動態には極めて大きな影響を及ぼすことになる。

 日本の労働力人口はほぼ横ばいの状況が続いているが、若い世代の労働力人口は急激に減少している。25歳から29歳の労働力人口は過去5年間で約8.4%、30歳から34歳までは約8.2%、35歳から39歳に至っては11.4%も減少した。働き盛りの世代は、より良い条件を求めて転居する傾向が強く、都市部への移動が進んでいる。郊外の大型小売店はこうした影響をモロに受けている可能性が高い。

 これに加えて、購買力の高い世代はネット通販の活用にも積極的である。以前なら大型店で購入していたような商品もネットで買っている可能性が高く、これも店舗の売上高を減少させる。

 大型店の不振は、人口減少を背景とした人口動態の変化や、ネット通販の台頭など、複数要因が絡み合った構造的なものであり、店舗側の工夫で改善できる余地は意外と少ない。

 そうなってくると、セブンは稼ぎ頭であるコンビニを強化する以外に方法はなく、今後は同社のコンビニ依存がさらに高まってくるだろう。

■コンビニも実は飽和状態

 では、セブンはコンビニを強化することで全社的な増収基調を維持できるのかというとそれもかなり厳しい。コンビニはコンビニで市場は飽和状態となりつつあり、拡大余地が小さくなっているからである。

 ファミリーマートとサークルKサンクスの経営統合はこれを象徴する出来事といってよい。ファミリーマートとサークルKサンクスを運営するユニーグループ・ホールディングスは9月1日、経営統合を行い新会社「ユニー・ファミリーマートホールディングス」を発足させた。店舗ブランドもファミリーマートに統一される。

 現在、コンビニ業界は約1万9000店を擁するセブン-イレブンがトップの座を占めている。2位のローソンは約1万3000店、3位のファミリーマートは約1万2000店、4位のサークルKサンクスは約6300店を持つ。郊外の大型店とは異なりコンビニ市場は拡大しているが、そろそろ飽和状態に近づきつつある。その証拠に、大手3社のシェアは年々上昇している。

 セブンの2015年における市場シェアは39%、2位のローソンは21.5%、3位のファミリーマートは19.8%だった。上位3社のシェアを合計すると80%を超える。2009年の段階では大手3社のシェアは72.9%だったので、8ポイントほどシェアが拡大した計算になる。

 一方、4位のサークルKサンクスは13.2%から9.0%に、5位のミニストップは4.5%から3.1%に、それぞれ市場シェアは下がっている。販売力のある大手が寡占化することで何とか売上を伸ばしていることが分かる。

 こうした中でさらにシェアを拡大するためには、M&Aで企業規模を大きくするしかない。そこで登場してくるのが大型のM&Aという戦略である。

■セブンは苦肉の策で沖縄大量出店

 ファミリーマートとサークルKサンクスの店舗数を単純に足すと1万8000店舗を超え、トップのセブンに肉薄することになる。ただ、統合後のブランドはファミリーマートに統一することが決まっており、現在のままでは場所が重複する店舗が出てくる。

 新会社は、統合をきっかけにサークルKサンクスの全店舗の約2割にあたる1000店舗を統廃合するので、この分を差し引くと新生ファミリーマートの店舗数は1万7000店舗となる。セブンより店舗数は少なく、1店舗あたりの収益はセブンに遠く及ばないが、互角に戦える可能性が見えてきたことは間違いない。

 セブンはこれにどう対抗するのか? すでにトップを走っているセブンにとっては、他社との経営統合を目指すメリットは薄い。仮にM&Aを強行しても重複店舗などオーバーヘッドが大きいからである。セブンはとりあえず沖縄への出店を強化することでシェアの拡大を狙っているようだ。

 現時点で沖縄には、ファミリーマートが約290店舗、ローソンが約190店舗を展開しており、セブンがもし300店舗を一気に開店させると沖縄のコンビニ事情は大きく変わる。ただ、セブンが沖縄市場で従来と同様のシナリオを描けるのかはまだ何ともいえない。

■小売業界は最終戦争に突入しつつある

 セブンはこれまで特定の狭い地域に大量出店し、そのエリア内での圧倒的なシェア獲得を狙うという、いわゆる「ドミナント戦略」を得意としてきた。近い範囲にたくさんの店舗があると、店舗間で顧客の奪い合いが生じてしまうが、地域での知名度は一気に向上する。また近い範囲に店舗が集中していると配送などの効率も上昇する。

 出店の場所やタイミングをうまくマネジメントすれば、大量出店のプラス面がマイナス面を上回り、大きな収益をもたらすというのがドミナント戦略のポイントである。

 だが、沖縄において同様の戦略が採用できる保証はない。ドミナント戦略がうまく機能しなかった場合、シェアを奪い取ることは容易ではないだろう。

 また一部の関係者は、弁当やドーナツなどのサプライについて懸念している。コンビニはすでに外食産業並みに多くの食材を取り扱っており、どの事業者と提携するのかで、商品ラインナップに制限が出てくる。先行2社が沖縄の有力事業者を囲い込んでいる可能性があり、後発のセブンは運用の面で不利になる可能性がある。

 これまで小売店各社は、多様化した顧客のライフスタイルに合わせ、店舗ごとに特色のある運営を目指すことで潜在需要を掘り起こそうとしてきた。だが、大型店舗の不振とコンビニ依存の高まりという現状を考えると、多様化戦略は効率が悪くあまり機能しない可能性が高い。むしろ、画一化された商品で、縮小するパイを奪い合うという状況になりつつある。小売業界は一種の最終戦争に突入しているのかもしれない。


 

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