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大損すると投資家のリスクテークはどう変わるか 中国金融スタートレック 米超長期国債急落 データハンタ TOPIX6日続落
http://www.asyura2.com/16/hasan113/msg/256.html
投稿者 軽毛 日時 2016 年 9 月 14 日 21:28:46: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

大損すると投資家のリスクテークはどう変わるか

カーネギー・メロン大学のアレックス・イマス准教授によると、評価損のままならば、損を出している投資が利の出るものに変わるような相場の反転が今後あるだろうという心理が働く可能性がある

By SIMON CONSTABLE
2016 年 9 月 14 日 12:23 JST

 大幅な損失を被った投資家は、大きなリスクを取ることに一段と積極的になるのだろうか。それとも消極的になるのだろうか。長年、どちらの質問に対しても、矛盾しているかにみえる2つの理論が答えとされてきた。だが、新たな分析によると、結局どこにも矛盾はないようだ。分析の結果、答えは「状況次第」らしい。

 損失を被ると、より大きなリスクをとる行動につながる。これが一方の理論だ。もう一方は、損をするとリスクをとりたがらなくなるというものだ。

 カーネギー・メロン大学のアレックス・イマス准教授(社会・決定科学)は今年8月、学術誌「アメリカン・エコノミック・レビュー」誌に発表した論文で、この相反する理論を分析した結果、リスクをとる行動を決定する重要な要因は、以前の損失が実現したものなのか、単に帳簿上のものなのかにあると述べた。つまり、実際に損失を清算したのか、あるいは評価損にすぎないのかで決まるということだ。

 イマス氏の分析によると、実際に現金を失った投資家はリスクをあまりとらなくなる傾向がある。評価損にとどまっていれば、より大きなリスクをとる傾向がみられるという。これは大口投資家にも小口投資家にも当てはまることを分析は示している。同氏は「この分析で、この分野の2つの矛盾した結論が調和する」と語った。

 つまり、損失が具体化すると投資家はそれを無視できなくなるが、評価損のままならば、損を出している投資が利の出るものに変わるような相場の反転が今後あるだろうという心理が働く可能性がある。

 失敗を認めたがらない姿勢が、損の出ている持ち高を株式投資家が解消しない一因だ。さらに、評価損を取り戻そうとして間違った賭けを倍増することも多い。ミラノ・カトリック大学のイボ・ペッズート教授(経営学)は、金融危機の際に損失を被った「(金融機関の)トレーダーらはおそらくこの習性に従ったのだろう」と指摘した。

 イマス氏によれば、金融機関のリスク管理担当者はトレーダーの間で定期的に持ち高を交換することで、より多くのリスクをとろうとする衝動を断ち切ることができるかもしれない。これには損失の実現と同じ効果がある。例えば、あるトレーダーが評価損をため込んだとしても、その持ち高は他のトレーダーに渡される。最初のトレーダーは、この取引を気持ちの上で過去のものとして、新たな持ち高をとることになる。

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中国の信用拡大は未踏の領域へ、結末はいかに
「金融スタートレック」は地球に戻らねばならない

中国で刷られた最初の紙幣は「空飛ぶお金」と呼ばれた。これはまさに今、独自の軌道を漂っている中国の金融政策を指す比喩としてふさわしい

By ANDREW BROWNE
2016 年 9 月 14 日 10:55 JST

 【上海】世界で初めて紙幣を使った国が中国であることを考えれば、ほとんどの国に先がけて無謀な金融政策という罪を犯したことも驚くべきことではないはずだ。

 コーネル大学のエコノミスト、エスワル・プラサド氏は新著「Gaining Currency: the Rise of the Renminbi」の中にこう記している。マルコ・ポーロが13世紀に中国に到達した際、この国が硬貨ではなく紙幣を使っていることにあまりに感銘を受けたため、モンゴルの帝王は「世界中のどの主権国家よりも財宝を自由に扱える大きな指揮権を持っている」と書いたほどだ、と。

 だが悲しいかな、この統制能力はつかの間のことだった。モンゴル帝国はあまりに多くの紙幣を刷ったため、財政規律の欠如と内部からの反乱により結局は国が滅ぶことになった。

 現代のマルコ・ポーロたちは中国の金融政策に深い疑念の目を向けているが、マルコ・ポーロと同じように驚嘆も感じている。中国が今経験しているあらゆる種類のマネーサプライの拡大はほとんど類を見ない。この1年で中国は、2009年を上回る水準で国内信用を拡大した。当時の中国当局は、世界金融危機を背景とした輸出減に見舞われた経済を救うため、過去最大級の財政出動による景気刺激策を打ち出したのだ。

 数年にわたって続いている信用拡大の規模は、金融危機を受けた米国の量的緩和の規模をも上回っている。中国経済の上に漂う最大の疑問は、このブームがどう終焉(しゅうえん)していくのかだ。なぜなら、それは必ず終わらなければならないからだ。

 ウィグラム・キャピタル・アドバイザーズのロドニー・ジョーンズ氏は「われわれは金融のスタートレックの中にいると冗談を言うことがある」と話す。「太陽系から離れてしまっているのだ」

 未知の世界へ入っていくこの宇宙旅行は、多くが予想した以上に遠く、長く続く可能性がある、とジョーンズ氏は言う。中国は最近、新たな推進エンジンに点火した。債券だ。

 中国政府は地方の行政当局(投資の大部分を担っているのが地方だ)に対し、大量の債券を発行するよう奨励している。表向きはより金利の高い銀行融資の借り換えが目的だが、実際は道路や地下鉄、その他のインフラ整備のために新たな資金を積み上げるのが狙いだ。しかも、リターンは不透明きわまりない。

 中央銀行は商業銀行のバランスシートをてこ入れし、気前よく融資させ続けるために、彼らに大量の債券を売却している。銀行融資は経済全体のペースの2倍の速さで拡大している。

 この信用拡大策――米国とユーロ圏、英国、日本の量的緩和を合計した規模を上回っている――は経済の沈滞をかなり明るくした。

 1年前、世界の投資家は中国経済の崩壊に身構えていた。上海株式市場は暴落し、資本は大量に流出した。不動産市場は不安定に見え、生産者物価の下落と企業利益の縮小は賃金と消費を圧迫する危険があった。為替市場の投機筋は人民元の急落に賭けた。

 ところが不動産取引は今年、通年ベースで過去最高を記録しそうだ。8月の自動車販売は4四半期連続で2ケタの伸びを示した。資本の流出は小さくなり、生産者物価も回復しつつある。人民元の下落はわずかな程度にとどまった。

 エコノミストは代償も避けられないと警告する。中国の公的債務の対国内総生産(GDP)比はこの10年で150%から260%に膨らんだ。これだけ積み上がれば通常なら破たん、もしくは急減速という結末を迎える。

モンゴル帝国のフビライ・ハーン皇帝 ENLARGE
モンゴル帝国のフビライ・ハーン皇帝 PHOTO: AGENCE FRANCE-PRESSE/GETTY IMAGES
 だが、中国の指導部は特に懸念していないように映る。彼らは恐らく、銀行融資と債券発行を大量に繰り出し続け、危機をいつまでも先延ばしすることができると信じているのだ。ちょうど日本がそうしているように。

 いずれにしても、いま引き返すことは政治的に不可能だろう。公的債務を制御可能な状態に置くために必要な調整――成長の減速と労働者の解雇――は深刻な社会的リスクを生むからだ。習近平国家主席は新執行部が選出される重要な党大会を来年に控え、上向きの成長を必要としている。習氏はこの党大会で仲間を執行部に起用することにより、自身の権力を不動のものにしたい意向だ。

 中国の「王朝」は存亡を繰り返してきた。モンゴルの元王朝の後に続いた明王朝(1368年〜1644年)は再び無鉄砲に紙幣を印刷し、ついにはそれを無効にした。その後、1853年になるまで紙幣は刷られなかった。この年、中国最後の王朝となった清王朝が民衆の反乱を抑え込むために、紙幣を刷ったのだ。第2次世界大戦後、中国共産党は国民党から政権を奪ったが、国民党は日本との対戦で紙幣をあまりに大量に印刷したため、ある推計によると、物価が3500万倍に跳ね上がったという。

 共産党指導部は今は安定しているように見える。習氏は大きな権力を持っている上、人気もある。

 コーネル大学のプラサド氏は金融メルトダウンへの懸念は大げさだと考えている。同氏が言うには、貸し手も借り手も大半は国有企業だ。そのため、銀行が融資を引きはがし、連鎖的な危機が発生する可能性は低い。とはいえ、経済と金融のもろさを背景に、人民元が世界の「安全通貨」になるには限界があるだろう。

 中国で刷られた最初の紙幣は「空飛ぶお金」と呼ばれた。硬貨と異なり、風に飛ばされることがあるからだ。これはまさに、独自の軌道を漂っている今の中国の金融政策を指す比喩としてふさわしい。いずれにせよ、それは地球に戻ってこなければならない。  

(筆者のアンドリュー・ブラウンはWSJ中国担当コラムニスト)

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米超長期国債が急落―相対的な魅力が低下

2016 年 9 月 14 日 14:38 JST

 ここ数日の売りによって、償還期間が最も長い米国債が大きな打撃を受けている。

 いわゆる超長期国債は今年、パフォーマンスが非常に良い証券の1つとなっている。この夏に価格が上昇し、利回りは過去最低水準に低下した。だが価格の急落を受けて、14日の30年債利回りは1週間前より約0.23ポイント上昇して2.469%となった。

 特筆すべきなのは、米国には売りの材料がほとんど見当たらないことだ。トレーダーとアナリストは国債価格の下落について、一部で期待されていたほどマイナス金利の導入による景気てこ入れ効果がなかったため、欧州と日本の中央銀行が超金融緩和政策を縮小することへの懸念が背景にあるとみている。

 明確な材料はないものの、国債価格の急落は、長期国債などの資産は買われすぎという一部の投資家が長年抱いていた信念を裏付けるものだ。バンクオブアメリカ・メリルリンチが13日に発表した調査結果によると、ファンドマネジャーの半数以上が株式も債券も「取引が多すぎる」と考えている。

 ヘッジファンドを率いるポール・シンガー氏は経済情報テレビ米CNBC主催の投資家会合「デリバリング・アルファ」で、長期国債は現在、「世界で最も大きなバブルの領域にあり」、上昇と暴落の可能性には「今まで見たことがない」ギャップがあると指摘。その上で、「ポートフォリオから外すのが得策だ」と述べた。


 その直後に行われた30年債の入札では、投資家はシンガー氏の言葉を肝に銘じていたようだった。これまで熱心な長期国債の買い手だった投資家が今回の入札では目立たなかった。海外投資家の代わりに入札に参加する「インダイレクト・ビッディング」の比率は57.9%と、1月以降で最低となった。

 この夏の長期国債価格の上昇は、日本と欧州のマイナス利回りを敬遠する海外投資家の買いが一因との見方が大勢だった。ここにきて、利回りがマイナスの国は減っており、これが米国資産の魅力を損なう可能性がある。

 ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの新興国通貨戦略担当グローバルヘッド、ウィン・シン氏は「新たな転換点を迎えているように見える」と語った。

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ウォール街、「データ」への飽くなき欲求

ガイドポイントグローバルのデータ・分析部門責任者エリック・ヘインズ氏は、ヘッジファンド顧客に販売する有意義なデータを求めて世界中を回っている

By BRADLEY HOPE
2016 年 9 月 14 日 13:37 JST

 米国でもほとんど知られていない地味な業界カンファレンスを渡り歩く新しい種族がいる。データハンターだ。

 ニューヨークを本拠とするガイドポイント・グローバルのデータ・分析部門責任者エリック・ヘインズ氏(35)は、ヘッジファンドの顧客に販売するデータを世界中で探し回っている。一番良いやり方は、一見ありふれた集まりに出席することだ。昨年サンディエゴで開かれた医療資源・資材管理協会(AHRMM)のカンファレンスやニューオーリンズで行われた全米産業運輸連盟(NITL)のイベントなどだ。

 「会場を歩き、さまざまな企業と話をし、その業界に関する独自の洞察が得られるデータを業界内で誰が収集しているのかを把握するようにしている」とヘインズ氏は話す。

 ヘッジファンドをはじめとする高度な手法を駆使する投資家は、ヘインズ氏のような仲介者にますます依存するようになっている。従来の情報源からは簡単に手に入らない企業の販売や健全性に関する詳しいデータを得るためだ。

 その情報は、衛星画像を基に計算した作物収穫量から最高経営責任者(CEO)のスピーチの言語分析、クレジットカード取引、ソーシャルメディア上の企業感情のモニタリングデータに至るまで広範に及ぶ。

 このデータの精度は投資の世界で議論の的となっており、偏りと間違いだらけのサンプルに基づく情報だと主張する人たちもいる。

 データハンターは他社の株価予想に役立つデータを持つ企業を探し回っている。例えば、店の取引データを処理する企業であれば、特定の商品やブランドの売れ行きに関する市場を動かす情報を持っている可能性がある。あるいは、病院にソフトウエアを提供する企業であれば、特定の医療装置がどのように使用されているかを詳しく知っている可能性がある。

 ヘッジファンドが無作為に店に電話をかけ、店長に販売状況をたずねたり、大型量販店を訪れて客足を把握したりする時代は過去のものとなった。

 例えば、ヘインズ氏は、あるモバイル広告企業が、消費者が広告の表示にどのようなタイプの端末を使用しているかについてデータを収集していることを発見した。このデータは、アップルが2011年と12年にiPhone(アイフォーン)の販売台数を発表するのに先だって推計を出すのに役立ち、ヘインズ氏がかつて創業したクワントンデータに大きな利益をもたらした。

 クワントンデータは今年5月、コンサルティングサービスや調査データを提供するガイドポイントに合併された。

 中にはデータハンティングチームを内部に持っているヘッジファンドもある。特に、投資戦略を膨大なデータセットからパターンを見つけ出すことにもっぱら依存している「クオンツ(定量分析)ファンド」はそうだ。クオンツファンドは通常、価格や一定期間の販売量などの市場データを分析するが、最近では「排気データ」と呼ばれる企業の主要事業の副産物として生成されたデータにもそうした分析スキルを要するようになっている。

「会場を歩き、さまざまな企業と話をし、その業界に関する独自の洞察が得られるデータを業界内で誰が収集しているのかを把握するようにしている」とヘインズ氏 ENLARGE
「会場を歩き、さまざまな企業と話をし、その業界に関する独自の洞察が得られるデータを業界内で誰が収集しているのかを把握するようにしている」とヘインズ氏 PHOTO: SASHA MASLOV FOR THE WALL STREET JOURNAL
 コネティカット州を本拠とするクオンツファンド、ワールドクオントの戦略に詳しい関係者によると、同社には年間数百のデータセットに目を通し、何らかの価値を提供するデータをできる限り多くオンライン化することに取り組むチームがあるという。そのデータを科学や数学の専門知識を持つスタッフが確認し、企業の売上高やその他市場現象の予測に役立つかどうかを判断している。

 有能なデータ科学の専門家がいなくても、ファンドが同じような洞察を得られるよう支援している新興企業もある。その1つがカナダ・トロントを本拠とするクアンドルだ。同社は従来の市場データと共にいくつかの「代替」データが含まれたプラットフォームを提供している。

 クアンドルの創業者で最高経営責任者(CEO)のタマー・カメル氏は「この膨大なデータの中に一級品の金塊は少ししかない。そのごくわずかのチャンスをわれわれは追い求めている」と話す。

 同社は大手保険会社と契約し、どのような種類の自動車に保険が掛けられたかを毎日調べている。そのデータは、自動車メーカーの販売状況を把握するのに利用できる可能性がある。

 また、全国の市役所の建設許可について調査する会社とも契約している。そのようなデータは「建設活動について知る手掛かり」になるとカメル氏は話す。建設許可データを基に公式の建設件数を集計した指数もあるが、同社の狙いはそれら指数に先行し、政府のデータ更新の隙を突くことにある。

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【FRBウォッチ】ドットチャートを下方修正か

By JON HILSENRATH
2016 年 9 月 14 日 07:47 JST

 米連邦準備制度理事会(FRB)が来週開催する政策会合では、当局者が想定する利上げの軌道が一段と緩やかになる可能性が高い。政策金利の見通しが下方修正されれば、予想される短期金利の据え置きと同じくらい重要なことになるかもしれない。

 FRB当局者は、今回の利上げ局面では単にやるべきことがあまりないとの確信を強めている。数カ月前には年内4回の利上げを見込んでいたが、いまや今年は1回、その後は年間2〜3回の利上げ経路にあるようだ。つまり、さほど材料のない政策会合が増えることになるだろう。

 鍵を握るのは、FRBが中立的なフェデラルファンド(FF)金利、すなわち経済が均衡しFRB政策が金融システムに追加的な刺激を与えない金利水準(自然利子率)を、どの程度と認識しているかだ。

 数年前は自然利子率がインフレ調整後の実質で2%、名目ベースで4%と見られていた。だが現在の米国の経済成長は一段と高い金利を吸収するには鈍すぎる。サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁とFRB金融政策局のトーマス・ローバック局長は現在、実質の中立FF金利をゼロ付近、名目ベースで約2%と推計している。

 こうした推計によれば、インフレ率がFRBの目標とする2%を下回り、自然利子率も低水準にあるため、FRBが金融システムに注入した刺激をすべて取り除くには、わずか5回の利上げで足りる。その上、インフレ率が安定的に推移しているため、FRB当局者はこうした刺激策の解消に時間をかけることができると確信している。

 FRB当局者は6月の政策会合で、金利誘導目標を2016年に2回引き上げて0.875%、2017年に3回引き上げて1.625%、2018年にも3回引き上げて2.375%とし、長期的には3%を大きく超えることはないとの見通しを示した。

 だが来週の会合では、この予想を引き下げる可能性がある。新たに2019年までの見通しを示す中で、FRBは利上げの期間をさらに長期化することもあり得る。今年残り4カ月で米国経済が想定外の好況とならない限り、年内2回の利上げは実現する可能性はまずないだろう。

 FRBが政策行動をあまりとらず、いつまた動くのか市場に多くの臆測が飛び交う状況が、ニューノーマル(新常態)なのだ。

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日銀、外債購入で資産買い入れ100兆円に拡大を=中原氏

By ELEANOR WARNOCK
2016 年 9 月 14 日 19:41 JST

 【東京】日本銀行の元審議委員、中原伸之氏はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、日銀が物価2%上昇の目標達成に向け、資産買い入れ策を重視する金融政策を続けるべきとの考えを示した。

 中原氏は安倍晋三首相のブレーンとして知られる。日銀は現在、長期国債の買い入れ目標を年間80兆円としているが、中原氏は外債の購入を通して目標額を100兆円に拡大するのが望ましいと述べた。

 日銀はすでにマイナスとなっている金利をさらに引き下げる意向はないことを明示すべきとの見方も示した。これが2月のマイナス金利導入以降、利益率低下を懸念している市中銀行を安心させることにつながるという。

 中原氏は、日銀の政策が「不透明で、理解しにくくなった」と話した。
https://www.google.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwj18r3I547PAhVE8GMKHbAnD-YQFggeMAA&url=http%3A%2F%2Fjp.wsj.com%2Farticles%2FSB12260954658240904189704582313344216373640&usg=AFQjCNFmyjQ6iLyp8OwbfaJbl_VPIWaElA


 


TOPIXが6日続落、マイナス金利リスクの銀行安い−資源も売り
関根裕之
2016年9月14日 07:59 JST 更新日時 2016年9月14日 15:45 JST


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日米の金融政策イベント控え買い入りづらい
取引終盤に下値模索、為替の円安推移影響は限られる

https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/iFfGUoo5UDW8/v2/-1x-1.png

14日の東京株式相場は、TOPIXが6日続落。国内外の金融政策に不透明感が強い中、マイナス金利の拡大リスクが懸念された銀行株が安い。原油など国際商品市況の下落を嫌気し、鉱業や石油、商社、海運株など資源セクターも売られた。
  TOPIXの終値は前日比8.25ポイント(0.6%)安の1314.74、日経平均株価は114円80銭(0.7%)安の1万6614円24銭。TOPIXの6日連続安は5月6日以来、およそ4カ月ぶり。日経平均は反落した。
  アムンディ・ジャパンの鎌田博光ディレクターは、「金融政策がしっかりしない限り、銀行株が思い切って戻っていくことはない」と指摘。日本銀行の金融政策決定会合を来週に控え、「銀行株は7月の安値からある程度上昇していたこともあり、買い方にとっては利益を確定するのにいいタイミングと」と話した。

  13日の米国株は、金融緩和による景気刺激策が世界的に弱まるとの見方が広がり、S&P500種株価指数は1.5%安と終値で7月7日以来の安値に沈み、ダウ工業株30種平均は250ドル以上下げた。投資家の恐怖心理を示すシカゴ・ボラティリティ指数(VIX)は18%上昇。米国債も安く、米10年債利回りは一時3カ月ぶりの高水準となった。

  リスク回避の動きから商品市況も下げ、国際エネルギー機関(IEA)が供給超過が長引くとの見通しを示した影響もあり、ニューヨーク原油先物は3%安と反落。ロンドン金属取引所(LME)ではニッケル、亜鉛も安い。

  海外株、商品市況安の影響を受けたきょうの日本株は安く始まり、前引けにかけ一時下げ渋る場面もあったが、午後終盤に再度下値を探る展開となった。資源株と並び下げが目立ったのが銀行株で、TOPIXの業種別押し下げ寄与度でトップ。14日付の日本経済新聞朝刊は、日銀が20、21日に開く金融政策決定会合でまとめる異次元緩和の総括的な検証で、今後の金融緩和の軸にマイナス金利政策の深掘りを据える方針と報道。国債購入では、長短金利差を広げるよう促すことを協議するとした。

  東海東京調査センターの長田清英シニアグローバルストラテジストは、「金融政策の限界が言われる中、日銀から追加策が出てきても、状況が好転するかどうか分からないという不透明感がある。金融政策だけで株が上がるという段階は過ぎている」と言う。一方、金融セクターの中でも保険株が上昇したことについて、SMBC日興証券の丹羽孝一アナリストは、「長期金利が上がる場合は生命保険会社の企業価値、エンベディッドバリューにプラスという構造がある」と指摘した。

  きょうの為替市場では、ドル・円が一時1ドル=103円20銭と前日の日本株終了時点101円90銭からドル高・円安に振れたものの、株価に対するプラスの影響は限定的。市場参加者の間で広がる先行き不透明感の強さをうかがわせた。バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチによる世界のファンドマネジャー調査によると、9月は現金資産比率が5.5%に上がり、2001年11月以来の最高に迫った。株式と債券が割高とみる投資家の比率は、過去最高の54%に上る。

  東証1部の売買高は16億6404株、売買代金は1兆7673億円で、代金は前日から6%増加。上昇銘柄数は533、下落は1281。

東証1部33業種は海運、石油・石炭製品、鉱業、銀行、鉄鋼、卸売、化学、小売、倉庫・運輸、サービスなど30業種が下落。保険や不動産、陸運の3業種は上昇。

売買代金上位では三菱UFJフィナンシャル・グループ、日本電産、楽天、三井住友トラスト・ホールディングス、東京電力ホールディングス、東芝、ユニ・チャーム、ツルハホールディングス、カシオ計算機が安い。半面、第一生命保険やT&Dホールディングス、アルプス電気、東京海上ホールディングス、住友不動産、JR西日本、シスメックスは高い。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2016-09-13/ODGT7L6K50ZB01

上昇気運にはない原油価格の在庫状況
(近藤雅世)
米利上げと金価格の方向性
 9月13日時点の注目点は何と言っても21日水曜日(日本時間22日朝)にわかる米国の利上げがあるかないかであろう。アナリストの予想では4人に1人があると答えているが、ゴールドマンサックスは55%の確率で利上げはあるという。
 第一生命経済研究所は米国連邦準備制度理事会は3ヶ月ないしは6ヵ月の移動平均を使って雇用統計を見るため、8月が15万5千人増と予想よりも少なかったが、それでも3ヶ月移動平均では23万人、6ヵ月では17万人と雇用状況は決して悪い数字ではないという。
 ただ、利上げはないと反論する人は、8月のISM製造業景況指数が49.4と2月以来の50割れとなったことや、7月の生産者物価指数の最終財コア指数(食品・エネルギーを除く)は前年比+1.0%と伸び率は低く、消費者物価指数のコア指数(食品・エネルギーを除く)は前年比+2.2%と伸び率は僅かに拡大したが、FRBのインフレ判断の目安であるコアPCEデフレーターは、7月は前年比+1.6%と伸び率は横這いとなっていることを指摘している。

 NY金価格は9月7日から4営業日下落して1325.6ドルと1300ドルを下回る気配を見せている。一方で、NY原油価格は上下動となっており、47ドル台まで上昇した後46.29ドルまで下がっている。来週木曜日までは大きな動きはないと思われる。通常ファンド等は、不透明なイベントを迎えると投資を差し控える傾向があるためだ。投資家から預かった資金ではギャンブルは行えない。
 金のETFは9月12日時点で、一カ月前から▲22トン減少して1,753トンになっている。この中には中国で始まった金のETFも含まれる。中国では民間銀行の金保有残高が増加しており、2015年末で9兆円相当の金約2,682トンを中国商工銀行、農業銀行等15銀行が保有している。この量は世界の需要量の1年分に匹敵する。
 当初これらの民間銀行の保有金は政府からの委託購入かとも思われたが、各行の決算報告書を精査したアナリストによれば、こうした民間銀行の保有金は銀行自身による金のリース用、純金積立用、顧客の金の保管等であるようだ。
 日本で始まった純金積立は数十年を経てようやく百万口座に達したが、中国は導入されて1年で百万口座を超え、今や世界一の口座数があるようだ。
 日本の場合、銀行は金を保有できないことはないが、あくまで経済産業省系列の商社から購入したり預託を受けたりせねばならず、純金積立も地方銀行は商社にその業務を委託している。日本における金はモノとしての扱いとなっているためだ。これは世界的に特殊な例で、海外では銀行が金を扱っている。中国は外貨準備の一部を金で保有している。
 日本政府は1979年754トンから2001年765トンに増加させて以来残高は変わっていないが、中国は2015年6月にいきなり604トン購入し、その後毎月10トン〜20トンを純金積み立てのように購入している。日本は世界第7位だったが、中国とロシアに抜かれて第9位となっている。
 昨年、日本に本拠を置いていたWorld Gold Council極東支部は閉鎖され、中国に移転した。日本は金取引については世界のひのき舞台から降ろされつつある。
上昇気運にはない原油価格の在庫状況
 原油についても中国が台風の目となっている。鉄鋼等と同様にガソリンや軽油を中国の有象無象の石油精製設備が国内需要以上の製品を作り出し、あふれかえったものを海外に輸出攻勢をかけているという意味である。
 そのため東南アジアの石油精製設備企業の収益は圧迫され、欧州ではだぶついた石油製品がアメリカに輸出されている。アメリカは昨年末に解禁された原油輸出を日本等に販売を始めており、米国は世界最大の原油輸入国から産油国でかつ石油輸出国に変貌しようとしている。
 9月28日までのアルジェリアにおける産油国会議で原油生産量の凍結が決議されると思われるが、それまでにロシアやOPEC各国は生産量を最大限に増加させている。
 そのOPECは最新のOil Market Reportで2017年の原油需給は供給過剰が一層大きくなるだろうと述べており、2017年に需給はバランスすると予測しているIEAやEIAと見解を異にしている。2017年のOPECに必要な原油生産量(世界の需要マイナス非OPEC諸国の生産量)は日量3248万バレルとして、8月のレポートより53万バレル少なくなるとしている。これは非OPEC諸国の原油の生産が増加するためだという。
 中国の2016年の原油輸入量については、施設の設置が年末から来年に遅れているため、戦略備蓄用の購入がその分減少するという。
 原油価格は上昇気運にはない。供給は潤沢にあり、急に需要が増えるというものでもないためだ。おそらく40ドル台、高くても50ドル半ばまでで横這いになるのではなかろうか。

 World Platinum Investment Councilの2016年第2四半期レポートによれば、プラチナは今年も▲16トン供給が不足し、この四年で▲21トン、▲22トン、▲10トンと四年連続で供給不足になるという。同協会はそれにもかかわらず価格が反応していないことを嘆いている。
 今後は赤字続きの南アの鉱山会社が新たな鉱脈の開発等の先行投資をする資金が無いため、将来大きな値上がりとなると予測している。世界最大のプラチナ先物市場の東京商品先物取引所が機能していないため、現物価格の方からいずれじわじわと価格が上がってくるのではないかと思っている。
講師紹介

ビジネス・ブレークスルー大学
資産形成力養成講座 講師
株式会社コモディティーインテリジェンス 代表取締役社長
近藤 雅世
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地方生活に恩恵のEコマース、小売業には二重苦
都会のような利便性の裏に小売・配達業者のコスト負担
ネット通販の隆盛により地方の小さな町では小売店舗が姿を消している。だが荷物の配達コストは小売業者と配達業者にとって重荷に(英語音声、英語字幕あり)
By
LAURA STEVENS
2016 年 9 月 14 日 14:47 JST
 【マンガム(米オクラホマ州)】オクラホマ州の人口3000人の小さな町で、米物流大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)の配達員として働くビンス・ブレッドソーさん。Eコマース(電子商取引)が地方の小売業のあり方を変えたと気付いた瞬間を今も正確に覚えている。
 ブレッドソーさんは数カ月前、顧客に届ける小包を梱包していた際、中に漂白剤のボトルが入っていることに気付いた。「ラベンダー(の香り)付きとか、何とかというわけではなかった」と振り返る。「ただのクロロックスのボトル1本だった」

オクラホマ州マンガム
https://si.wsj.net/public/resources/images/BT-AK963A_MANGU_16U_20160911173009.jpg

 5年前まで、ブレッドソーさんは特別な注文品の配達人だった。トラクターの部品やこの地域の法人相手の配達などだ。だが今はドッグフードやフルーツ味のお菓子、ティッシュなどを届けている。配達量はここ2年で30%伸びたとブレッドソーさんは推計する。
 綿畑に縁取られた幹線道路をトラックで走りながら、ブレッドソーさんは「手に負えなくなりつつある」と話す。「何でもオンラインで見つけることができる。文字通り、何でもだ」
 地方にもEコマースがやってきた、というだけではない。小さな町の住民たちに地元スーパーより安価に生活必需品をネットで買える機会を提供することで、地方生活の姿そのものを変貌させつつあるのだ。人里離れた場所にも都会のような利便性と、最新製品をもたらしている。例えばビクトリアズ・シークレットの水着やトリー・バーチのバレエフラット(かかとが平らの女性靴)のように、ダラー・ゼネラル(1ドルショップ)では手に入らないような最新ファッションアイテムが簡単に配達されるのだ。
 長距離を運転してまで店には買い物に行かない消費者が増えている。こうした消費者は小売業者と配達業者の両方にとって最も高くつく客なのだ。
 米調査会社カンター・リテールによると、地方の消費者――日々の買い物に最低10マイル(約16キロ)運転するという人々――の約73%が、今やネットで買い物をしている。2年前は68%だった。アマゾン・ドット・コムのプライム会員の割合は2014年には22%だったが、昨年は30%に増えた。
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閑散とする米オクラホマ州マンガムのダウンタウン PHOTO: LAURA STEVENS/THE WALL STREET JOURNAL
 ほんの20年前には、この町の広場は花屋3店舗と複数のレストラン、1軒の家具屋で賑わっていた。それが今でも残っているのは、フラワーズ・アンリミテッドとブラットン・ドラッグぐらいだ。1982年にウォルマートが約20マイル先のアルタスにできたため、住民たちは品揃えが豊富で値段の安いウォルマートで買い物をするようになった。そして今、ネット通販がこの町に新たな小売り革命を起こしつつある。ウォルマートまでの30分のドライブも、オクラホマシティーまでの2時間半のドライブも、もはや必要ないのだ。
 警備会社に勤めるエイプリル・ジェラルズさんは最近、2人の十代の娘にデザイナーズブランド、ミス・ミーのジーンズを百貨店メイシーズのサイトで半額で購入した。一家は「手に入るとは思っていなかった」ものにアクセスできるようになったと話す。
小売業者にとっては二重苦
 この町の住民たちは食料品までもネットで買い始めている。町のスーパー「ユナイテッド・スーパーマーケッツ」よりも安いことが多いからだ。
 Eコマースは住民たちに小遣い稼ぎの新たな機会ももたらしている。オクラホマ州ウィロー在住で3人の子供を持つアネリース・ロジャーズさんは、クローゼットの中にあったものフェイスブック上で売っただけで一度に1500ドル(約15万円)を稼いだ。
 ただ、小売業者や配達業者にとって、Eコマースは高くつく。
 米国で最長の郵便配達ルート――往復187.6マイル――はここマンガムが起点だ。配達距離が長くなればなるほど、そして一度に配達する荷物が少なければ少ないほど(これは配達密度といわれるものだが)、郵政公社やUPS、フェデックスにとっては薄利を意味する。
 UPSによると、同社が保有する全配達車両が1日1マイル配達すれば、年間で5000万ドルの費用になる。ブレッドソーさんは顧客の一人である獣医に医療品を届けるため、ほぼ毎日、56マイルを走行する。
 配達費用を削減するため、UPSとフェデックスは人里離れた場所の配達には追加で荷物1個につき4ドルを請求している。無料配達という商慣行が消費者の間で根づいているほか、ネット通販と店舗を同一価格にする必要性もあり、この追加料金は通常、小売業者が負担している。
https://si.wsj.net/public/resources/images/BT-AK961_MANGUM_16U_20160911165120.jpg

ネット通販で販売すると商品によっては小売業者の利益にならないものも(緑が利益で赤が損失、左:ディオールのマスカラ、右:洗濯洗剤のタイド・ポッズ)
 小売業者にしてみれば、すでに高いコストに上乗せされることになる。サプライチェーンに特化したコンサルティング会社スペンド・マネジメント・エクスパーツの分析によると、洗濯用洗剤「タイド・ポッズ」をジョージア州アトランタから都会のオクラホマシティーまで配達すれば小売業者の負担は推計11.44ドルになり、商品自体の価格(11ドル前後)を上回る。田舎のマンガムまで配達すればそのコストは15.65ドルだ。
 Eコマースに来店客を奪われている小売業者にとって、これは二重苦だ。ウォルマートは大量の仕入れ能力と広大な輸送ネットワークを組み合わせることによって、多岐にわたる商品を安い価格でマンガムのような小さな町にも配達するビジネスモデルを作り上げてきた。
 アルタスにあるウォルマートは空軍基地や州立大学にも近いため、実際に店舗を訪れる客が多いと広報担当者は話す。ただし、数字は明かさなかった。
 Eコマースは、マンガムの広場に残る最後の花屋であり土産物屋でもあるフラワーズ・アンリミテッドの商売を変えた。結婚祝いや誕生祝いの需要の大半がネット通販に奪われてしまったが、大きな強みもある。オーナーのダーラ・ヒートリーさんによると、それは土壇場で買う贈り物の需要だ。「前もって計画していないとEコマースは利用できない」からだ。
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コメント
 
1. 2016年9月14日 23:02:01 : nJF6kGWndY : n7GottskVWw[2647]

>中国の指導部は特に懸念していないように映る。彼らは恐らく、銀行融資と債券発行を大量に繰り出し続け、危機をいつまでも先延ばしすることができると信じているのだ。ちょうど日本がそうしているように

中国や日本の金融財政政策は、緩和的な金融政策に関しては欧米と共通だが

財政に関しては対照的だ

三橋などが言うように、これは短期的には景気を支え、雇用を支えるが、

非効率な投資の膨張の結果がどうなるかは、じきに明らかになるだろう


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