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アパレル「店舗の価値は店員」論のもろい前提 誰がアパレルを殺すのか 「オンライン接客」が当たり前の米国EC最前線  
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投稿者 軽毛 日時 2016 年 10 月 05 日 04:35:34: pa/Xvdnb8K3Zc jHmW0Q
 

アパレル「店舗の価値は店員」論のもろい前提

誰がアパレルを殺すのか

「オンライン接客」が当たり前の米国EC最前線
2016年10月5日(水)
染原 睦美
 「黒いラムレザーのジャケットがほしい。ラウンドネックで、ジップアップ、予算は5万円程度」

 なんとなくこんな感じ――。洋服を購入する際に、ある程度のイメージはあるものの、具体的な商品に絞り込むことが難しかったり、時間がなくて探せなかったりすることは誰にでもあるだろう。「Amazon.co.jp(アマゾン)」「楽天市場」「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」といったファッションを扱うサイトは多くある。一方で、情報が多すぎるため、その中で自分の好みのものを見つけるには、時間や検索のコツが必要になってくる。

 そうした「インターネットの大海」から顧客を救い出すためのサービスが、米国で登場している。

AIとスタイリストが「おもてなし」

 PSDept(ピーエスデプト)が展開するのは、衣料品や服飾雑貨のパーソナルショッパーサービス。冒頭のような要望をメッセンジャー形式のアプリに入力すると、スタイリストから回答を得られるサービスだ。イメージする商品の写真を送ることでも要望を伝えられる。

 スタイリストは、110の提携企業(ブランド数は数千)から顧客の好みの商品を探し出して提案する。商品は、必ずしもウェブ上ですでに売られているものとは限らない。ラグジュアリーブランドの商品やヴィンテージ商品など、ウェブで販売されていないものは多い。そうした場合でも、メーカーやブランドに直接問い合わせ、自社で仕入れ、提供する。ウェブの在庫情報だけを探して提案するのではなく、直接ブランドに問い合わせるなどして顧客に商品を届けるといった、きめ細かな対応を実施していることも強みの一つだ。

 こうしたビジネスを実現できるのは、ピーエスデプトの創業者ミシェル・ゴード氏が、マークジェイコブズやバーニーズニューヨークでバイヤーを務めていたことも大きいだろう。


創業者のミシェル・ゴード氏はバーニーズニューヨークのバイヤーなどを経て起業した(撮影:mayumi nashida)
 2014年から本格的にサービスを開始し、2年半で会員数は約3万5000人。月間アクティブユーザーは7000人。ショッピングリクエストは累計10万件以上に上るという。平均購入額は1回につき850ドルで、創業地のニューヨーク在住の利用者が会員の4割を占めるという。

スタイリスト6人で月間7000人に対応できる理由

 ピーエスデプトで抱えるスタイリストは6人。7000人の月間アクティブユーザーをこの6人でアレンジするというと少ない気がするが、それを可能にしているのがAIだ。リクエストのうち、6割はスタイリストが対応するものの、残り4割はボットと呼ばれるロボットが相手をする。最初の挨拶や大まかな好みの絞り込みはボットが行い、細かいリクエストに絞り込んでいく作業を人間であるスタイリストが行うという。

ピーエスデプトは、メッセージのインタフェースで買い物を進めていく
 ショッピングリクエストのうち、リピーターの購入率は45%、新規顧客の購入率も20〜30%と高い。

 「現代の女性は、仕事にプライベートに忙しく、とにかく時間がない。そこに加えて、子育てをしているという女性も多い。一方で、そういう女性はほしいものや価値を感じられるものにはしっかりとお金を出す。ブランド側と利用者の間に立って、適切な商品を探すのが我々の役目だ」と創業者のゴード氏は語る。

 ブランド側からの評判もいいという。「例えば、利用者に提示したバッグが購入されず、気に入らないということを言われた場合、その気に入らない理由を私たちは把握している。その理由をブランドにフィードバックすることができる」(ゴード氏)。

リアル接客を上回る「接客」が可能に

 米国では、ピーエスデプトのようなサービスが数多く出現している。例えば、「Operator(オペレーター)」もその一つ。アマゾンの会話型ECと言えば分かりやすいだろう。衣料品・服飾雑貨専門のピーエスデプトとは異なり、扱い商品は幅広い。(参考記事:「チャットで買い物」は便利なのか? )

 そのほかにも、例えば、一般的なECサービスの中でも、買い物中に同じ画面で止まっていると、チャット画面が立ち上がり「何かお困りですか?」とオペレーターから話しかけられることは珍しくなくなってきている。

 こうしたやりとりが「面倒くさい」と感じる向きもあるだろう。一方で、例えば、衣料品の売り場を見渡せば、店員と会話を楽しみながら買い物をする顧客は多く見られる。「アースミュージックエコロジー」などのブランドを展開するストライプインターナショナルの石川康晴社長は、「店頭の接客を見ていると、その会話の半分が商品と直接関係ないことだ」と話す。

 「これがほしい」とアタリをつけて買う時もあれば、「何となくほしい」と考えながら売り場を歩き回ったり店員と会話をしたりすることもある。前者はアマゾンやゾゾタウンで十分にカバーできているが、後者はまだインターネットではなかなか実現し得ないままだった。

 国内のアパレルメーカーが直営店舗について語る時「丁寧な接客は店頭ならでは」といい、店舗をいたずらに減らせないことの理由の一つに挙げる。一方で、ウェブでの接客は、顧客の購買動向を細かく把握し、その上でAIと人力を駆使して商品を提案できるところまできている。スマートフォンが発達した今、顧客はその機能を手のひらにいつでも持っているのだ。

 その前提に立てば、店頭での接客レベルを「オンライン接客」が上回る可能性もある。店頭に行かずとも同じレベルの接客が受けられるというのであれば、いよいよもって顧客はお店にいかなくなる。今までどおりの接客では、実店舗での接客自体は店舗の「キラーファンクション」にはなりえない。

 その時代における新しい接客がどのような形であるべきなのか。既存概念にとらわれた「接客」では、「オンライン接客」に負ける日がすぐそこまできている。

当連載は、日経ビジネス10月3日号「買いたい服がない アパレル“散弾銃商法”の終焉」との連動企画です。あわせてこちらもご覧ください。

このコラムについて

誰がアパレルを殺すのか
昨年頃からアパレル業界の不振に関するニュースを目にする機会が増えた。確かに10年前と業績を比較すれば、その苦境は明らかだ。だが、ここで一つの疑問が生まれる。「なぜここまでの状態に陥ってしまったのか」という点だ。取材を通じて見えてきたのは、高度経済成長期の成功体験から抜け出せず、目先の利益にとらわれて競争力を失った姿だった。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/16/092900020/100300005/  

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